森内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成25年5月14日

(平成25年5月14日(火) 8:37~8:47  於:消費者庁6階記者会見室)

1.発言要旨

<被災地子ども・子育て懇談会の開催について>
 おはようございます。
 私からは、まず、被災地子ども・子育て懇談会の開催についてお知らせをいたします。5月20日、月曜日、岩手県盛岡市において、内閣府の主催により、被災地子ども・子育て懇談会を開催することにいたしました。これは、早ければ平成27年4月に本格施行を予定している子ども・子育て支援新制度の円滑な施行に向けて、被災地の実情を踏まえた検討に資することを目的に、4月の福島県での開催に続いて、第2回目として開催するものです。内閣府、文部科学省、厚生労働省の担当者が現地に赴き、幼稚園や保育園、保育所の関係者、地域の子育て支援関係者、子育て中の当事者、自治体関係者など、さまざまな関係者の声を直接お伺いできればと考えています。なお、今回は福島県から岩手県に母子避難されている方にも出席していただく予定です。
 以上でございます。

2.質疑応答

(問)今の関連ですが、福島県からの母子避難の方がいらっしゃるということですが、母子避難者の中には原発放射能のことで心配されて避難されている方も多いかと思いますし、それで、原発被災者・子ども支援法でしたでしょうか、これも制定されていると。それで、国の基本方針が定められることになっているわけですけれども、この策定について及びその実施状況について、どうなっているのか、教えていただけますか。
(答)原発子ども・被災者支援法ですけれども、担当は復興庁となっておりますので、私は担当外ではございますけれども、当時の原案作成者の一人として、内閣の中に入っても特に心を配ってきましたので、そういう立場でお答えをいたしますけれども、昨年の6月に子ども・被災者支援法が施行されました。そして、基本方針を定めるというふうになっていたのですが、民主党政権の下で半年間、基本方針が策定されませんでした。そのうちに政権交代になりました。安倍政権に入ってから、私は、この子ども・被災者支援法の基本方針の策定がどの程度続いているのだろうかということに大きな関心がございましたので、担当外ではございますが、復興庁の職員を呼び寄せて聞いたところ、全く進んでいないということが分かりました。ですので、その時点から、すぐに策定に入るようにということで強く要請しまして、担当大臣の根本大臣の下で、今、基本方針を策定しているところです。
 4か月間経ったわけですが、民主党政権下で6か月間、そして自民党政権下で4か月間が経ったところですが、実は、政権交代をされたときに、もう一つ私が見たのは予算の中身でございます。野田政権が概算要求を作くってから解散をしました。自分の下でも、野田総理は自分がかつてこの予算を執行するよというメッセージで作られました。その予算を、政権交代をしましたので、中身を見てみましたら、子ども・被災者支援法の予算はついておりませんでした。つまり、25年度の予算についていないということは、26年3月まで何もしないと、何もできないという、そういうメッセージでございます。
 このことについては大変落胆をいたしましたので、ただし、今から基本方針を新しい政権の下で作っていくと、また大分先になるだろうなと思いましたので、基本方針の策定を待たずに、子ども・被災者支援法の第8条に書かれている各種施策、これを一つ一つ外出しにして、もう先に実行していくという方針を決めました。
 そこで、私の下で、安心こども基金、これについて田村厚労大臣にお願いをして、子ども・被災者支援法に書いてあります子どもたちの健康な育ちのための屋内の遊戯場、これに使えるように、特に周知をしたところです。
 さらに、25年度の当初予算、今のは補正予算の話ですが、補正の後に当初予算の策定のときには、これを屋外の施設まで拡大をいたしました。
 さらに加えて、母子避難の方が福島県に戻ってくるときの高速道路料金の無料化、これについても太田国交大臣にお願いして、特別に迅速な手続を取っていただきまして、ゴールデンウイークに帰ってくる母子が多いだろうということで、前倒しでゴールデンウイーク前、4月26日に開始をすることができました。
 そのほかにもさまざまな施策を福島被災者支援パッケージとして、根本復興大臣の下で発表させていただきましたが、これは発表した当時に復興庁で記者会見等していると思いますが、その中の説明にもありますように、この子ども・被災者支援法の基本方針が策定中であるということを踏まえて、子ども・被災者支援法の中身を先取りして実行する、その趣旨の下で作られた各種救済策だということです。
 ここで問題なのは、基本方針の策定をするに当たり、当時、与野党で一緒に作ってきた、当時は与党、今は野党の民主党、社民党を始めとした党との考え方に食い違いが出てしまっているということです。それについて、各党の食い違いで子どもたちや被災者を待たせるわけにいきませんので、先取りして実行しているということです。
 どういう食い違いがあるかというと、質問に立っている野党の議員さんは、当時、法律の作成のときにはお顔を見たことがなかった議員さんですけれども、質問に立っている先生方は1ミリシーベルトということを強く主張しておられます。ただし、私たち、作るときには、まず福島県全県は保護対象に入ると、救済対象に入るということを共通認識で持っておりまして、議事録にもそれは載っているのですけれども、1ミリシーベルトで切ると福島県全県が入らないのです。いわき市の一部や会津地方は除かれます。しかし、いわき市から母子避難をしている方もたくさんおられます。子どもたちの健康診断を望んでいるいわき市や会津のお母さんたちもたくさんおられます。やはり福島県ということでいろいろなレッテル張りをされて、いじめ等が行われている場合も少なくありません。ですので、福島県は全部入れるということで、被災対象地域をエリアで指定していく。そして、福島県外の場合は放射線が非常に濃いところ、これは飛び地にもなっておりますので、エリアで指定をしていく、プラス数値も勘案しながらということが当時の認識であったと私は思っているのですが、そこが、今現在、国会で合意ができておりませんので、そういう理由で基本方針の策定が遅れているということです。
 遅れていることを、やはり被災者に、そのツケを回すことはできませんので、各施策を先取りして実施していると、そういう状況でございます。

(以上)