森内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成25年3月19日

(平成25年3月19日(火) 9:01~9:16  於:消費者庁6階記者会見室)

1.発言要旨

<地方公共団体等における「育児の日」によせて>
 おはようございます。
 今日は19日ですが、毎月19日を育児の日として子育て支援の取組を行っている地方公共団体等がございますので、これにちなんで私からも19日の今日一言申し上げます。
 少子化は深刻な状況にあり、待ったなしの課題です。政府においては来月に子ども・子育て会議を設置し、子ども・子育て支援新制度の施行に向けた準備を進めるとともに、もう一つ幼児教育無償化にかかる検討も近々に進めていきたいと考えております。政府与党連絡協議会を近いうちに設置いたします。
 安倍内閣には、総理を入れて18人大臣がおりますけれども、現在まさに育児中の大臣が10名、大学生まで入れて10名、高校生までだと8名おりますので、子育て支援には特に強い思いをお持ちの大臣がたくさんおりますので、私はこの子育てに理解のある閣僚、育児中のイクメン大臣のご協力もいただきながら子育て支援の重要性の認識を社会全体で共有していただけるような内閣からの国民の皆様に向けた発信をしようということで新たな取組の準備を今進めているところでございます。この新たな取組について詳細が決まりましたら、またご報告をさせていただきます。また、毎月19日にこのような育児の取組に向けた私からのメッセージを毎月行っていきたいと思います。

 

<消費者庁職員の「ワーク・ライフ・バランス」の実現に向けて>
 もう一つ、また育児の日にちなんで私から重大発表が一つございます。育児休暇を取った場合にどうなっているのかと消費者庁の人事担当に聞いたところ、「不利益取扱いをいたしません」というところまでは答えたのですが、「不利益な取扱いをしないというだけでは不十分だ。育児休暇を取ったら利益になるような取扱いをしなさい」と指示を出しました。このところずっと人事担当が汗をかいていたんですけれども、ついに今日発表ができることとなりました。
 育児休暇をとった場合には、消費者行政に必要な気づき等がその休暇の中で得られます。消費者庁の場合はそれを業務の中に生かしていくことができると、それを人事評価でプラスにしていくことができるように人事評価制度を改正いたしました。消費者庁職員に対し、このように人事評価にプラスになりますよというメッセージを出しましたので、それも記者さん皆さんにお配りしております。
 要するに育児休暇の取得を含むワーク・ライフ・バランスの実践に伴う生活者の視点の業務への反映、効率的な業務運営、良好な職場環境作り、学位及び資格の取得を通じた知見の蓄積等の効果について各職員に自己申告をさせ、人事評価に反映させることいたしました。今後も消費者庁が、霞が関におけるワーク・ライフ・バランス実現のモデルとなれるよう取り組んでいきたいと思います。私から以上でございます。

2.質疑応答

(問)昨日、消費者委員会の調査会のほうで関西電力、九州電力の電気料金の値上げについて意見の取りまとめが行われましたのですが、それについて大臣の受けとめを聞かせていただけますか。
(答)調査会において取りまとめがあったことを承知しております。本日、調査会から委員会にこれが提出されて、消費者委員会の審議を経て正式に消費者庁に伝達されることになると思います。今後、消費者庁と資源エネルギー庁との間で調整が行われるにあたり、そのご意見を重く受けとめてまいりたいと思います。
(問)先ほどのワーク・ライフ・バランスに絡んでですが、現在消費者庁における勤務状況というのは残業もままありますし、休日には電気も点いていたりして、とてもワーク・ライフ・バランスが成り立っているとはこの紙にもあるように思えない。そんな中でこの制度だけが入ると消費者庁としてのアウトプットが減るのではないか。あるいは逆にそういうプレッシャーの中でサービス残業を増やしたり、そういう労働環境の悪化がかえって懸念されるのですけれども、それを解消するには大幅に人を増やす以外にはないのかなと思うのですけれども、その辺りのお考えはいかがでしょうか。
(答)そうですね。私が金融庁に勤務していたときも勤務時間は9時半・5時半ですと言っていたんですけれども、9時半、5時半というのは朝9時半から朝5時半までなんですね。そのように私も働いておりました。それに比べれば今はもうちょっとましになったかなと思いつつも、大臣になってから様々皆さんの勤務状態を目配りしておりますと、やはりまだまだワーク・ライフ・バランスとはほど遠いかなという感じがいたします。消費者庁長官のほうが頑張って、定時退庁日というのを決めました。私が金融庁に勤務していたときにもあったのですが、放送が流れても誰も帰りませんでしたけど、消費者庁では長官が旗を振って現在はやらせています。一斉に庁内全員帰るとなかなか他省庁との関係でも仕事にならなかったり、また締め切りが迫っていたりもしますので、課ごとにスライドさせて何曜日は早く帰りますということを出させ、その日には必ず帰らせるようにしたりとか、様々な工夫をしているところでございます。
 育児休暇を取らせることで、仕事、サービス残業等が増えることがないように、徹底した指導をしてまいりたいと思います。私はまだまだ仕事の効率化に向けた工夫が足りないと思います。たくさん働けばそれで効果が上がったかのような錯覚を感じている場合もあるのではないかと思います。
 大臣にこんなに資料をたくさん作らなくていいと私はいつも言っているのです。自分の言葉で話すから。そのように決まり事を見直していくということも大事だと思います。時間が限られているわけです。人間はその中で最高のパフォーマンスを発揮して成果が出せると思っています。その上で人員増員に向かっていくのだと思います。国民の皆さんからは、消費税が上がったりする中で、国家公務員を減らして自分の身も切れというようなご意見が多い中で、なかなか全体の人数は増やしてはいけないと思うのですが、霞が関の中で何とか消費者庁に多く人員を獲得しようと、努力はしてまいりたいと思います。
(問)TPP交渉参加に関連した消費者政策への影響についてお聞きしたいのですが。国会提出が予定されている食品表示一元化法案とか、また集団的被害回復の訴訟制度の法案であるとか、また財産被害に係る行政手法の在り方とかが検討されていますけれども、これらの検討に影響があると思われますでしょうか。
(答)私は影響はないと思います。影響がないようにしっかりと閣内で発言をしてまいります。
(問)ありがとうございました。
 それともう一つ、3月14日から始まりました消費者行政体制整備の意見交換会の中で、大臣ご自身が消費者委員会の在り方、監視機能の在り方に関連して発足前のご意見等をおっしゃっていらっしゃいました。今回の意見交換会は消費者行政全般、国民生活センターに限らず全般の検討だと思いますが、消費者委員会の在り方とか見直しとか組織の見直しということも入っているのでしょうか。
(答)全体の見直しですから議論は全体にかかりますけれども、私自身はそこは特に大きなウェートを置いておりません。と申しますのは、前回の在り方検討会でも申し上げましたけれども、消費者庁と消費者委員会ができる前の議論がもちろんありまして、私は反対論者でありましたけれども、国会で長時間費やしまして議論した結果、消費者庁から消費者委員会は外出しにするということが決まって、この組織ができている以上は、今行政府の長でございますので国会の審議を尊重して、この組織の中でどううまく消費者を守っていけるのかということを検討してまいりたいと思っています。ですのでメインは国民生活センターの在り方になります。ただ、その中で様々有識者の先生方からご意見が出てくることを止めるものではございませんので、それは話題に上ることはあると思います。
(問)分かりました。もう一つ、3月15日の大臣のメッセージにございました世界消費者権利デー、これは3年前の福島みずほ大臣以来のことかと思うのですが。ここでは消費者権利の実現を目指すとおっしゃっていらっしゃいます。改めてメッセージを。
(答)ケネディ大統領の消費者の権利と、またその原点に立ち返って消費者の権利を守ってまいりたいと思います。就任会見のときに話したように福田元総理が就任演説の中に消費者の権利をうたっていただいた、その就任会見から生まれた消費者庁でございますので、その発足当時の理念に立ち返って消費者の権利を守っていくこと。そして自立した消費者を作っていくということを改めて世界消費者権利デーのときに確認をさせていただいた次第です。

(以上)