古屋内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成25年1月11日

(平成25年1月11日(金) 10:08~10:24  於:内閣府本府1階118会見室)

1.発言要旨

 皆さん、おはようございます。
 今日の閣議は、まず内閣総理大臣並びに経済再生担当大臣から緊急経済対策について報告がありました。
 その後の閣僚懇談会において、1点私から発言をさせていただきました。
 それは、脱法ドラッグのことについてであります。最近、この脱法ドラッグによっていろんな事件が起きておりますね。交通事故等々起きておりまして、このことに関しまして私のほうから、やはりこの脱法ドラッグの取締りはしっかり警察もやっているけれども、厚生労働省において検討中と言われている包括指定の導入など、脱法ドラッグ所持や販売を規制する制度の構築が必要なのではないか。もちろんいろんな疾病だとかそういう医療の研究開発、こういったものに支障がないようにするということはもう申し上げるまでもないんですが、そういった包括指定の導入が必要なのではないかという提案をさせていただきました。
 暮らしの安心という視点からもこれは喫緊の課題だというふうに思っております。もちろん関係省庁と連携をして、今後とも有効な対策を講じるようにしていきたい、こういう趣旨の発言をしましたところ、田村厚生労働大臣から、これを引き受けまして、この包括指定も含めて速やかに対応をさせていただきたい、こういう趣旨の発言がございました。
 要するに結論から申し上げれば、そういう方向に向かって脱法ドラッグの有効な規制というものがいよいよ対応することができる、こういうふうに私は理解をいたしております。
 以上が閣僚懇談会のことでございます。
 拉致問題でございますが、明日ですね、私、九州のほうに出張、視察並びにお見舞いに行かせていただきたいと思います。
 まず1点は、市川修一さんと増元るみ子さんが拉致された現場であります鹿児島県の日置市の吹上浜を視察させていただきます。その後、拉致被害者の御家族で高齢の被害者家族をお見舞いさせていただく予定になっております。これは明日、早速視察をさせていただきたい。
 この目的は、やはり我が政府は、この拉致問題に政府を挙げて取り組むという姿勢の一環でございます。もう皆さん御承知おきかもしれませんが、今月中できるだけ早い時期に拉致対策本部の組織強化、人事強化含めて閣議決定を目指しておりますので、そういった流れの一環として、この私も拉致担当大臣として現場を視察並びにお見舞いをさせていただく、こういうことであります。
 それから、もう一点、28回防災ポスターコンクールの表彰式がございます。これ、1月15日でございまして、7,420点の応募があったそうでありまして、防災担当大臣賞、防災推進協議会会長賞等々を出すというところでございますけれども、防災担当大臣賞については私が直接お渡しをしようという予定でございます。
 実際に私も作品を見てみましたけれども、やはり子供たちのセンスって良いですよね。天真爛漫な、そして、そういう中にも防災という気持ちが絵の中にあふれていますね。非常に良い作品を選んでいただいたなというふうに私はそういう印象を持っております。
 それから、これはもう既に今週に私は、警察庁長官並びに次長に今後取り組んでいくべき重要課題4点を指示させていただいております。実は、昨日の公安委員会でもその趣旨は発言をさせていただいておりますが、まず1点目は高齢者の交通事故死、これは24年が4,411人、マイナス4.4%ということですけれども、高齢者の事故は51.3%、4.4%下がっているにもかかわらず上がっているんですね。やっぱりこれは非常に私は問題であると、こういう認識を持っておりまして、この高齢者の交通事故死を今後減少させるために、私はあえてここで数値目標も含めて提示してその取組を徹底していくべきだ、こういうふうに考えております。
 もちろんこの数値目標というのは、我々の政権は実現が可能な部分のその最高値というものをしっかり出したいというふうに思っております。そういう意味で腰だめの数字ではないので、今ここであえて申し上げることは控えさせていただきますが、そういうことを考えているということであります。
 そのためには、やはり今までの対策ですね。これではどうしても十分に、本当にその被害に遭う可能性のあるお年寄りに対して啓蒙が出来切っているのかということについては、ちょっと私、やや疑問を持っておりまして、そういった新たな取組も必要かもしれません。こういったことをまず指示させていただいたということです。
 2点目は暴力団対策でございます。これは、私は近々、北九州に出張をさせていただいて、現地の視察、それから、関係者との意見交換等々をさせていただく予定であります。また正式な日程等が決まりましたら、皆さんにお伝えをしたいと思います。
 御承知のように、今年の平成24年度の補正予算も暴力団対策で14億円余り要求をさせていただいておりますが、その大層はこの北九州の暴力団対策に充てさせていただきます。やはり昨年の27日に危険指定あるいは抗争指定をさせていただいて、これをいかに効果あらしめるものにしていくかということも大切でございますので、特に総理もこの暴力団対策については、たまたま総理の御地元も山口県、北九州市とは隣接の市でございまして、非常にそういう問題意識を持っております。総理は、やはり殲滅作戦ということも含めて取り組んでいくべきではないか、こういう強いお言葉もございましたので、私もしっかりそれを受止めて、この暴力団対策を徹底していくべし、こういうことでございます。
 それから、3つ目は今日の閣僚懇談会でも指摘をさせていただいた脱法ドラッグ対策、これはもう既にお話しさせていただきましたので、詳細な説明は省かせていただきます。
 それから、4つ目はやはり警察の不祥事ですね。最近、不祥事が3年続けて増えてきておりますね。今年は400人を超えるというちょっと非常に遺憾な数字が出ることが見込まれています。やはりこれは12項目の再発防止のためのプログラムをつくって、その実践に移そうというところで警察を挙げて取り組んでいるということはよく私も承知をいたしておりますが、しかし一方では、やはりこの問題というのは、警察庁長官からこの警察庁にいる大幹部の人たちから各県警の本部長、そして、現場の警察官、心を一つにして取り組んでいく必要があろうかというふうに思います。
 私は選挙を8回戦った人間でございますけれども、選挙でいえば、やはり本人にほんの少しでも慢心があれば必ずスタッフにそれが伝染します。スタッフに伝染すると、支援者に伝染します。その結果、苦杯をなめた仲間はたくさんいます。やはりそれが現実なんですね。ですから、長官から大幹部からが同じ気持ちで、もうこの不祥事、これ以上増えたら、日本が世界一と評価をされていた警察の根幹が崩れかねない、それぐらいの危機感を持ってやっていただきたいということで、私はこのことについて警察庁の幹部にもそういう趣旨の指示を出させていただきました。
 これによって、結果として警察の信頼を回復させていくということにつながるのではないかというふうに思っております。是非そういった視点に立って、警察も長官から現場の警察官一人一人に至るまで同じ認識で取り組んでいただくということを切に私も期待し、そういう趣旨で要請をさせていただいたと。この4点、私が特にこの国家公安委員長として就任をさせていただいて、力を入れて対応していきたいと思っております。
 そのほかにも、私が就任のときに申し上げました例えばサイバーテロ対策等々は、もうこれは粛々としっかり進めていただくということは申し上げるまでもないことでございますが、あえて私はこの国家公安委員長としてこの4点について指示をさせていただいた、以上が私からの発言であります。

2.質疑応答

(問)NHKの杉田ですけれども、九州の出張の件なんですけれども、これは直接高齢の御家族に会うのは熊本の松木さんのほうで、鹿児島のほうは御夫妻にお父様の話を聞くという感じになるんでしょうか。
(答)そうですね。視察は鹿児島ですから、実際、市川修一さんの兄夫婦である市川健一さん、龍子さん御夫妻にも御同行をいただいて……。
(問)お父様の話なんかを……。
(答)聞かせていただこうということです。
(問)それから、ほかにも拉致の現場もありますし、高齢の家族は市川さん、松木さんほどではないにしても……。
(答))実際に今、家族会に出ておられる方も、有本さんにしても、あるいはこの象徴的な存在である横田さん御夫妻も御高齢ですよね。だけれども、実際に今、お元気で活動されておられる。実際にもう病床に伏しておられる方が松木さんでいらっしゃいますので、まずはそこにお見舞いをさせていただこうということでありまして、私は機会があればできるだけ足を運ぶということをして、私たちのこの政府の並々ならぬ決意というものをそういった本当に待ち望んでいる被害者の御家族の皆さんにしっかり私自身からお話をさせていただきたいというふうに思っています。その一環として今回は始めさせていただくということです。
(問)共同通信の田川と申します。大臣は、前回の閣議後会見のときに拉致対策本部の組織強化で、野党の組織であるとか拉致議連のメンバーにもお声をかけられるとおっしゃっていましたけれども、それの何か調整状況とか。
(答)おっしゃるとおりでありまして、これはもう閣議決定をして正式にこの本部の組織強化が決まりましたら、速やかに声をかけさせていただきたいというふうに思っております。これは、拉致問題はオールジャパンで取り組む話でありますので、与党と野党の壁を越えて、やはり本当にこの問題を解決しようという政党あるいは議員様には積極的に声をかけて、この本部の中にそういう機動的な組織をつくりたいというふうに思っておりますので、組織強化が正式に決まった後は速やかに声をかけさせていただきたいと思っています。
(問)共同通信の堀口といいます。今日の緊急経済対策の内容で防災・減災行政対策がかなり盛り込まれましたが、所管省庁の大臣として。
(答)これは、減災・防災対策は極めて重要ですね。ですから、私はこの問題についてはしっかり取り組んでいきたいというふうに思っております。その上で私は国土強靭化担当大臣も同時に務めております。実は、この国土強靭化というのがややもすると、公共事業のもう柱立てというイメージがどうしてもマスコミの皆さんもそういう雰囲気で捉えていますけれども、私はそういうふうには捉えていません。もちろんそれも大切ですよ。減災・防災、デフレ脱却という視点も大切ですが、一方では、やっぱりこれは産業政策、要するに成長戦略の一環としてもこの国土強靭(きょうじん)化というのは極めて重要なんですね。
 例えば老朽化した通信インフラを整備する、そして、高度な情報量の多いものに変えていくということによって新たなビジネスが生まれてきますね。あるいは中小企業の老朽化施設を直していくということは、これは災害に強いということだけではなくて、新たなビジネスチャンスも生まれてくるんですね。そういうことを例に挙げると切りがありません。
 ですから、この国土強靭化というものは、減災・防災だけではなくて、そういう産業の成長戦略の一環としても私は捉えています。そういう姿勢で取り組んでいきたいというふうに思っています。

(以上)