山本内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成26年9月3日

(平成26年9月3日(水) 12:42~13:14  於:中央合同庁舎第8号館1階S106記者会見室)

1.発言要旨

 これで閣僚として本当に最後の記者会見ということですが、最後まで手を抜かずにやり切りたいと思います。
 今日で第2次安倍内閣が発足して617日間ということで、私にとっては非常に充実した日々でございました。今日は、最後の閣議の前に、閣議の後もそうですが、留任する仲間も、それから、これで一旦役目を終える同志も全員握手で挨拶を交わし、言葉を交わしたということで、私は初めて大臣になったので、他の内閣はわからないんですが、これも官僚の人達によれば、ここまで抜群のチームワークを誇った内閣はなかったのではないかと思います。一度も閣内の不協和音とか内部対立のようなことがなかったと、これがやはりよかったのではないかなと思います。
 辞表の取りまとめを行って、花押もできるだけ丁寧に書いて、私の花押が一番シンプルなんですが、その記録をさせていただいて、それから、最後に安倍総理からお話がありました。これは話しても怒られないと思うんですが、細かいことは言いませんが、総理からそれぞれの閣僚の皆さん、苦しい決断をしなければいけなかった部分もあったと思うと。しかし、歴史を変えるということはこのように苦しい決断をすることなんだという話があって、この言葉には大変感動しました。
 安倍内閣が発足したときに、前回挫折をしたというイメージもあってなかなか大変でしたが、各閣僚の皆さんが本当に頑張ってそれぞれの分野で実績を上げ、きちんと答弁をしていただいたおかげでここまで仕事を残すことができたということで、心からそのことを感謝したいというお話もいただいて、これも大変感激をいたしました。森雅子大臣が少し涙ぐんだりしておりましたが、このような閣僚の皆さんと617日間できたというのは、私も政治家として大変誇りに思っています。
 歴代の科学技術政策担当大臣の在任期間を調べてみました。初代が笹川堯大臣ですが、16人おりますが、思ったとおり歴代最長でした。617日間、歴代最長。民主党政権下では例えば3年半で6人代わっていますから、そのような意味でいうと、このように落ちついてできたということは非常によかったと思います。ちなみに2番が尾身大臣で、第1次小泉内閣の523日ということですから、100日間オーバーしているので、断トツで一番だったということで、振り返ってみると長かったなと思っております。
 今日は久々に最後なので、得意のパネルを持ってきました。私が最後に申し上げたいことは、それぞれ安倍政権に批判的な見方、それから、肯定的な見方はあると思いますが、私は安倍長期政権、長期安定政権がイコール国益だと思っています。日本の経済が再生するということは、これは国際社会に大きな貢献をするということなので、大臣である間もそうだったんですが、大臣を辞めた後もずっとこの確信は変わらないんですが、安倍政権を長期安定政権にすることが日本の国益だと。それが同時にグローバルな利益にもつながるということだと思います。
 ちなみに、今回留任する大臣と、それから、退任する大臣に分かれましたが、退任する我々もまた違うそれぞれの立場から安倍総理のこの挑戦を支えていくということではないかと思っています。
 安倍総理がこれまで行ってきたことについては、もちろん全面的にサポートしたいと思いますし、これからもおそらくその姿勢だと思います。安全保障の問題についても、もちろん集団的自衛権の解釈変更についても総理の考え方をサポートしたいと思います。これから多分、安保関係の法制の整備も進んでいくとは思いますが、それを申し上げた上で是非次の内閣にお願いしたいのは、総理にも、安倍政権は他にもいろいろ大事なことはありますし、他ももちろん応援しますが、経済再生最優先と。経済を立て直すと。この1年8カ月、安倍総理の下でようやく光が見えてきた。もう明らかに世界のどこに行っても日本の存在感が今、復活していると。この流れを止めずにやはり経済再生最優先で行っていただきたいと思いますし、他のことももちろん全部応援するんですが、この経済再生最優先の姿勢で是非次の内閣にこの日本再興を果たしてもらいたいと思いますし、これを常に頭に置いて応援をさせていただこうと思います。
 それでは、最後のプレゼンを行いたいと思います。
 沖縄政策。沖縄振興予算、毎年大変でした。総理、官房長官とぎりぎりまで相談しながら、仲井眞知事と41回会って、そして、沖縄に14回行って練り上げてきたということだと思います。この法律で言うと、振興特措法の改正もありました。一括交付金の活用については、知事と何回も議論をして、部局と何回も議論しながら進めていきました。それから、那覇空港滑走路増設事業、これについても総理、それから、官房長官、国土交通大臣、皆さん交換した文書は御存じだと思いますが、これについても何とか道筋をつけることができたということだと思います。
 OIST(沖縄科学技術大学院大学)。この量・質両面にわたる基盤強化、これもしっかり行ってきたつもりですし、出張して駐留軍跡地利用、クラークと、それから、スービックの基地の跡地利用を見てきたということもありました。沖縄訪問14回、沖縄県知事との面会41回、この41回というのはいかに沖縄担当大臣としてまじめに取り組んできたかという一つの証左ではないかと思っています。
 北方対策。エリカちゃん、何度もここで行ったんですが、なかなか難しくて、ある程度インパクトをつけようと思うともろ刃の剣なので、まじめに、しかし、イメージキャラクターにしなければいけないということで、とにかく新しいエリカちゃんを含めたSNSの発信の基盤は作りました。シネアド、これも実は「アナと雪の女王」と、それから、「神様のカルテ」で行ったので、何十万人も見たはずなんですね。15秒のスポットですが、これも是非次の大臣に引き継いでいただきたいなと思います。
 それから、久々に8年ぶりですかね、北方四島交流事業ということで、国後・択捉島を訪問いたしました。
 科技イノベーション。これは歴代科学技術政策担当大臣として最長ということになったわけですが、総合科学技術会議の機能強化、これを総理から言われたんですが、これについては、かなり進めることができたのではないかと思います。そして、初めてこの総合戦略というものを閣議決定させていただきました。総合科学技術会議の機能強化の中で三つぐらいの柱があって、一つはこの科学技術イノベーション予算戦略会議を作って、これまでのアクションプランのプロセスを進化させたということ、それから、皆さん御存じのとおり、もう繰り返しません。SIP(戦略的イノベーション創造プログラム)、500億円予算を確保しました。実は来年度の予算についてもこれを死守するということが最大の使命だということで、この間、党の関係部会でも言ってきたんですが、500億円を死守すると。5年で2,500億円がこの科学技術イノベーションの予算として使えるということです。
 それから、ImPACT(革新的研究開発推進プログラム)、これも550億円とりました。これから12人のプログラム・マネジャーが決まりましたので、是非皆さんにこのImPACTは興味を持っていただきたいと。これからも是非フォローしていただきたいと思います。
 研究開発法人制度。これも繰り返しませんが、閣議の後、下村大臣と会って、下村大臣が「何か記者会見で留任する下村大臣に期待すると言ってくれたと誰かから聞いたけれども、ありがとう」と言うから、是非大臣、お願いしますと。下村大臣が留任していただいて本当によかったと。これは是非頑張っていただきたいと。これからも今度は外から下村大臣を応援させていただきますということを申し上げました。
 それから、内閣府設置法を改正いたしました。小泉進次郎内閣府大臣政務官と組んでイノベーション普及啓発活動も行わせていただきました。あまり目立ちませんでしたが、科学技術政策フェロー制度というものも作りました。国際活動で言うと、アメリカに行ってホルドレン大統領補佐官に会ったり、イギリスに行ってウィレッツ科学技術担当大臣に会ったり、世界をぐるぐる飛び回ったり、あるいはダボス会議に行って科学技術関係のプレゼン、セミナーのパネリストも務めました。
 ちなみに大臣は辞めたんですが、前大臣でも来てくれということなので、9月のサマーダボスでまたパネリストを務めます。
 IT政策。世界最先端IT国家創造宣言、これは私のネーミングでございますが、一番よかったのは、やはり政府CIO法案を作って遠藤CIO(遠藤紘一内閣情報通信政策監)にいろいろ機能をしっかりとつけてもらって、相当この遠藤さんが活躍をしていろいろな意味で改革ができたのではないかと思います。
 電子行政サービス。この電子政府については皆さん御存じのとおり、6位に躍進したということで、これも安倍総理にはあちこちに言ってもらいたいと。先進国では今、世界、国連の電子政府ランキングで6位になったということもあったと思います。オープンデータも行ってきました。パーソナルデータは皆さん御存じのとおり、検討会で大綱を作ったと。つまりIT総合戦略本部がこの法案を主導すると。これは非常に、私は司令塔機能強化の例としてはシンボリックで非常にベストプラクティスの一つではないかと思います。
 宇宙戦略。これは新たな宇宙基本計画を作りました。戦略的予算配分方針というものも何度か出しました。準天頂衛星についてもしっかりした予算を確保するように努力をしてきました。この間の記者会見でも申し上げましたが、宇宙政策委員会の基本政策部会の中間取りまとめも行いました。葛西委員長と一緒にこの看板もかけました。ベンチャーの旗手を集めて宇宙産業創造のための意見交換会も行ってきました。
 海洋政策。海洋基本計画を策定したと。次の大臣にこれを是非引き継いでもらいたいんですが、EEZ(排他的経済水域)等に関する包括法、これはいろいろな抵抗をうまくかわしながら進めてきたので、これは総理からの指示でもあるので、EEZ等の包括法は是非次の大臣に作っていただきたいと思っています。
 それから、大陸棚の延長に向けた取組方針を決めました。この実証フィールド、この間長崎県の方々、知事も何度かお礼に来ていただきましたが、この実証フィールドの選定もいたしました。結構いろいろ騒ぎになりましたが、離島に名称をつけるということも行わせていただきました。さらには、前回の記者会見でプレゼンさせていただきましたが、中国の厦門(アモイ)で行われたAPECの海洋政策担当大臣でも発信をさせていただきました。
 知的財産戦略。知財戦略、これは今まで知財戦略本部決定だったものを閣議決定に格上げしたと。これは非常に大きかったと思います。知財推進計画2014の策定の中の4つか5つの柱は、山本一太の六つのイニシアチブの中からとってもらったということで、非常によかったと思っております。
 重要5本柱をずっときちんと行ってきました。司令塔連携会議もいろいろとこの中で知財のベストプラクティスについて発表していただきました。これから職務発明制度とか、営業秘密とか、この知財戦略担当本部のタスクフォースできっかけを作ったものについては、これはポストが変わっても後押しをさせていただきたいと思っています。
 領土・主権。領土・主権対策企画調整室、領土対策室の方々には大変苦労をかけたんですが、官房長官と総理に直訴して、この手足を作った。そこに林室長はじめあちこちから来ていただいたんですが、相当頑張っていただいて、ホームページを充実させたりいろいろなことを行ってきました。特に自らの対外発信ということでいうと、米国、英国、フィリピン、ベトナム、マレーシア、シンガポール等々に出張させていただいて、各国の外務大臣と会い、更にシンガポールのIISS(アジア安全保障会議)のフラートン・レクチャー、日本の大臣として初めてですが、ここで講演も行わせていただきました。
 それから、連携調整ということで、領土・主権をめぐる内外発信の総合調整会議も作りました。有識者会議の一応報告書もまとめさせていただきました。領土対策室、またすごくいいメンバーに集まっていただいたので、更に期待できるのではないかと。相川室長始め今、非常にいいメンバーが集まりつつあるので、是非このホームページの充実もそうですし、せっかく1億円以上の予算がつきましたから、是非セミナー実施等々も精力的に行っていただきたいと思います。
 日本学術会議。いろいろありましたが、新たな展望を考える有識者会議を大臣の下に作りました。私の強い要望で2人若手の研究者を入れていただいたということです。
 原子力委員会。これは在り方の見直し、大変だったんですが、何とか法案を出しました。これも新たな組織がスタートするので、是非これは党の立場になるかわかりませんが、後押しをしていきたいと思います。
 積極的な対外発信ということで、IAEA(国際原子力機関)に行って、政府代表として演説をさせていただきました。福島の事故があって、汚染水の漏えいの問題があったので、非常に日本のプレゼンテーションは注目を集めたと思います。
 遺棄化学兵器も実は非常に大事な問題でして、特に有識者会議についてはいろいろと出席をさせていただいたりしました。この事業も非常に大事だと思います。これから内閣府、内閣官房、どのような形でこれを運営していくかという議論がいろいろ党の中でも引き継がれていくと思いますが、この事業がきちんと進むような形にしていくのがいいのではないかと思います。
 ということで最後に申し上げますが、各部局でいろいろな仕事をさせていただきましたが、他の大臣もそうおっしゃっているかもしれませんが、内閣府に来てとにかく人に恵まれたと。内閣府のスタッフの人達は本当に一生懸命支えていただいて、それは大臣室の人達も、各部局の担当者の人達もそうですし、とにかく617日間、本当に体力的には苦しい時期もありましたが、本当に楽しく、わくわくするような仕事ができたということで、とにかく内閣府の皆さんに心から感謝をしたいと思います。
 ということで、何か最後に御質問があればお受けしたいと思います。

2.質疑応答

(問)読売の梁田です。お疲れさまでした。
 1点お伺いしたいんですけれども、やはり特命大臣ということでいろいろな任務を617日間なさって、どうしても次の内閣で所掌がばらける、いろいろな方々にまたがる中で、やはり司令塔、連携ということで横串を差すということを重視されてきた大臣としては、次の政権に担ってきた政策のそれぞれの関連性という意味ではどういうことを期待されますか。
(答)次の大臣がどのような所掌を持たれるかというのは、これは安倍総理の御判断なので、それについては何か私が言うつもりはないんですが、できるならばいくつかの司令塔はまとめて持っていただけたらいいのではないかなと思います。ただ、それはいろいろ内閣というか総理の判断もあるので、そこにお任せをしたいと思います。
 科学技術政策担当大臣はマスコミ報道によれば山口俊一大臣ではないかと言われていて、最後までわからないですが、例えば山口さんのような方だったら本当にうれしいなと思いますね。まじめで政策もできて、すごく立派な方なので、やはり科学技術政策担当大臣としての仕事は、スタッフはみんなやる気のあるいい人達ですから、あのような方に引き継いでいただければいいなと。他の大臣はわからないんですが、どの大臣になってもここまで行ってきたことを何とかうまく生かして、更に活躍していただきたいと思うので、それはどの大臣がどの所掌につくのかわからないですが、全部引き継ぎもしますし、微力ながら内閣の外から応援できることはしっかり、このような言い方をすると僣越(せんえつ)なんですが、応援させていただこうかなと思っております。
(問)琉球新報の問山です。大臣、お疲れさまです。
 沖縄に14回訪問されて、知事とも41回お会いになったということなんですが、今後、それだけ行かれて、沖縄の課題も見えてきたと思うんですが、沖縄振興に対する今後の課題、一括交付金も3年目迎えて、繰越額だとか不用額というのも発生してきているんですけれども、今後、沖縄振興に対する課題について、どのように捉えられているのかというのを1点、まず。
(答)最大の課題はやはり、未来に向けて本当に自立した、日本の産業をフロントランナーとして引っ張っていけるような沖縄をどのようにして作っていくか、その道筋をきちんとつけていくことだと思います。私は、沖縄には、何度も言っているように、そのような可能性があると信じていますから、そのような基本的な戦略を常に頭に置いて、その中で一括交付金がどう位置付けられるのかということを、十二分に多分考えていく必要があるのかなと思います。
 いずれにせよ、振興担当大臣として一生懸命行ってきましたし、御存じのとおり、来年度の予算も県側の要望をほとんど入れて作りましたから、この予算も最大限に生かしていただいて、もう一回言いますが、日本経済のフロントランナーとして、アジアの例えば活力を取り込んでいってもらうような、いろいろな新しい時代のグローバルなベストプラクティスを発信していけるような、そのような地域になってほしいと思います。
 その意味では、手前みそですが、5億円という予算をつけさせていただいたので、やはりダボスとかIISS(国際戦略研究所)みたいな世界的に知名度のある、いわゆる国際会議を誘致するというのはとても大事だと思うんですね。とにかくできるだけ多くの世界の人に沖縄を見てもらうってことが大事だと思います。何度も言いますが、ダボスやって、地域フォーラムですけれども、例えばグローバル企業の幹部とかCEOが来て、万国津梁館に行ってもらったら、全員、沖縄のファンになると思いますね。
 あまり言うといけないんで、注意深く言いますけれども、中国の厦門でAPECの海洋政策担当大臣会合がありました。厦門は、まだまだ日本の観光客の方は少ないんですけれども、中国ではものすごく人気のある観光地なんですね。それは、他の地域に比べると空気がきれいとか、緑が多いとか、青空が見えるとかいうことなんですけれども。言葉に気をつけなきゃいけないんで、厦門もすばらしいんですけれども、それは言葉に気をつけなきゃいけないんですけれども、沖縄は何百倍もやはり観光地としてすばらしいと思いました。
(問)その沖縄予算なんですが、大臣は沖縄に訪問された時に、11月の県知事選の結果が今後の沖縄振興予算に影響しないというような発言もあったんですが、大臣かわられますが、今言った、沖縄県に最大、要望を酌んで最大限につけた予算なんですが、今後、年末にかけて知事選で、今、仲井眞知事以外にも普天間の、政府が進める普天間移設に反対する候補者も立候補する予定です。今後そういった、例えば今の状況が変化した場合、沖縄振興予算というのは影響を受けるべきなのか。それと、影響を受けるのか、それとも影響を受けるべきではないというふうにお考えなんでしょうか。
(答)私は今日で沖縄振興担当大臣の役目を終えるので、それはもう次の大臣のことについて何かコメントすることは差し控えたいと思いますが、沖縄担当大臣としての立場から言えば、やはり振興は振興としてやってきたし、沖縄振興、先程言った将来の沖縄のイメージをきちっと頭に置いて、様々な対策を打っていくべきだと、こういうふうに思っています。
(問)沖縄タイムスの大野です。お疲れさまでした。
 関連しまして、沖縄振興についてなんですけれども、沖縄と基地問題というのは常に、沖縄の基地問題と振興予算というのは常にリンクしているということを言われながら、ただ、大臣は会見で、振興は振興でリンクするものではないとおっしゃってきました。退任されるにあたって、今だからおっしゃることができるのかなと思うんですけれども、基地と振興の在り方について、大臣が在任中、難しいなと思われたことについて教えてください。
(答)今だからってことは特にないので。何度も申し上げたとおり、沖縄振興担当大臣として、これもおそらく歴代最長に近いと思うんですね。小池百合子大臣の方が長いかもしれません、2回続けてやっておられるんで。でも、おそらく2番ぐらいだと思うんですが。振興は振興としてやってきましたので、仲井眞知事とは常に振興の話をずっと議論してきたので、特にそれについて迷いはありませんでした。
(問)科学新聞の中村です。617日を、お疲れさまでした。
 科学技術政策についてなんですが、大臣、ImPACTとか、SIPとか、司令塔機能強化、たくさんやられ、成果も上げられてこられたんですけれども、逆に、この在任期間中に、こうしたかったけどできなかったこと、残された課題というのは、どのようにお考えでしょうか。
(答)これは次の大臣がお考えになることなので、あまり注文するつもりもないんですが、例えばSIPは内閣府に予算を計上しましたよね。ImPACTは内閣府に計上しなかった。これはやはり補正予算ということで時間がなかったんですけれども、形としては一回内閣府に計上するべきだったなと後で思いました。そのことにものすごく意味があったんじゃないかと思うし、もしできるんであればImPACTも。ImPACT、だけどもう制度設計しちゃったから、本来であれば一回内閣府にきちんと計上してからやるべきだったと思います。ただ、補正予算ということもあったし、タイミング的にちょっと無理だったかなというふうに思います。
 それから後、特定国立研究開発法人、これは下村大臣が留任していただけるので、下村大臣のところできちんと継続性を持って取り組んでいただけるんじゃないかと。私のやっている科学技術は、やっぱり文科省とも随分重なっているところがあるので、これは、どなたが科学技術政策担当大臣になっても、下村大臣がいることで継続性があるし、下村大臣としっかりスクラムを組んでやっていただけるので、そこはあまり心配していません。
 科振費(科学技術振興費)を増やすということについては、ここからもうちょっと、少し頑張りたかったな、などはありますが。
 一言で言うと、いろいろありますけれども、1%の後悔もないですね。力不足だった面はいろいろありますけれども、今日も総理に申し上げたんですけれども、本当に政治家冥利に尽きる617日間でした。
(問)共同通信の須江と申します。大臣、お疲れさまでした。
 理研(特定理化学研究所)の関係の話で、STAP細胞をめぐる問題で混迷を極めまして、特定国立開発法人の法案も影響を受けるなどがありました。現在進行形の問題であり、今までお立場上言いにくいこともあったかと思いますけれども、改めて、今回どこに問題があったのかということを、今の御所見として伺えることがあれば、是非お聞かせください。
(答)お立場上、立場が変わったからどうのっていうこと、今日、一応これもやっぱり、いくら辞表を取りまとめたとはいえ、まだ大臣なので、大臣としての会見なんで、立場が変わったってことは今のところ現時点ではないと思うんですけれども。
 私は何度も申し上げている。須江さんからこの質問、何度もありましたが、要は、やっぱり曖昧にしないってことが全てだと思うんですね。誰か個人を悪者にするとかいうことはするべきじゃないと思いますけれども、それはあまりする必要はないと思いますけれども、なぜこういうことが起きたのかという検証が不十分になってしまうことをとても私はおそれているんです。科学技術政策担当大臣として一応最長、相当科学技術政策に力を入れてきたつもりなので、その立場から見てみると、この話が曖昧に決着をしてしまうと、何度も言ったんですが、これから出てくる新進気鋭の研究者とか、女性とか、こういう人たちが活躍する上で禍根を残すと思っているので。
 もう一回言いますが、例えばSTAP細胞の問題一つとっても、今までずっと、例えば報道された中で、一つ一つ、これは事実だったと、ここは事実じゃないということは、きちんと検証したほうがいいと。どこかの新聞が取り上げていたマウスの問題も、まだ明らかになっていないでしょう、例えば。そういう一つ一つの問題をやはり最後まできちんと検証すると。誰かを何か悪者にするとかいうんじゃなくて、なぜこういうことが起きたのか、何が、これはなぜこんな間違いが起きたのかとか、そういうところまできちんと検証しないで終わることを私はとても心配しているんです。
 ただ、いろんな研究者の方と意見交換をする中で、極端な話をすると、100年たたないと分からないって意見もあるわけですよ、その研究が本当に正しいのかどうかと。そういう考え方はあるのかもしれないけれども、節目節目で、きちんと日本の研究開発を進めていくためには、今の現時点での道筋、事実関係、これははっきりさせていくべき、させておくべきだと思います。
 それから、もう言いませんが、早稲田の論文の話、あれはやはりカルテックで危機感を抱いたので、ここは是非きちんとした対応をしていただいたほうがいいんじゃないかなと思っています。
 それから、実は課題もいっぱいあって、課題も言っていると倍ぐらいになっちゃうんで、ごちゃごちゃ言うつもりはないんですけれども、この中間取りまとめ、最終取りまとめは、是非安倍内閣の新たな戦略にしてもらいたいと思って、次の大臣が決まられたら、それは引き継ぎのときにお願いしようと思っています。これは正式な手続を経て、やはりこれは、安倍内閣の最終取りまとめが宇宙戦略の大きな新しい柱になるような、そういうことを是非やっていただきたいと思うんですが。
 次の大臣の足を縛るようなことはしたくないと思うんですが、希望的に言うとそういう、各、実は六つの司令塔、それぞれ課題があるんですけれども、是非とにかく先に進めていただいて、次の大臣には私以上に活躍をしていただきたいなと、心からそう思っています。
(問)日刊工業の小川です。1年8カ月、お疲れさまでした。
 冒頭もおっしゃられましたけれども、大臣、所管する事業というか担当が非常に多くて、なおかつ並行して司令塔機能の調整というか、どうまとめていくかという議論というのも進んでいたと思うんですけれども、当然、大臣のお立場として、多いとか少ないということは答えとしてはあり得ないとは思うんですけれども、非常にたくさんやられている中で、はたから見て大変かなというのはすごく思ってはいたんですけれども、その中でやはり、これから司令塔機能をまとめたりとか、後の大臣の課題になるとは思うんですけれども、そういう連携というか調整機能というのをまとめるというのは、どうあるべきだというふうに。
(答)それは、例の司令塔連携・調整会議の報告書、東京大学の城山先生(東京大学公共政策大学院院長)みたいな切れ者を内閣参与にしてまでまとめた、内閣参与としてお願いしてまでまとめたあの中に、各部局のいろいろなベストプラクティスとか課題も書いてあるから、それを是非読んでいただきたいと思うんですが、結論から言うと、私が担当した分野は、これは司令塔機能が必要だと思います。今から宇宙を分けて各省庁にまた投げるとか、科学技術を分けるとか、ITを分けるとかはできないと思います。
 ですから、それはある程度前広に発信できたと思うし、実は、それを持って党の行革本部の幹部とサブリーダーには、ずっと私自身が持って回ってきました。私よりも随分若手もいましたけれども、ぐるぐるぐるぐる回って説明してきました。昨日、実は望月行革本部長にも会って、よく全体を説明してきました。報道が正しければ、望月本部長が閣僚に入るという可能性もあると思うんですけれども、行革なのか、環境なのか、よく分からないんですけれども。引き続き、とにかくこの話は、いかなるポジションになっても関係者にしっかり説明していきたいと思います。
 今、それぞれ課題もあるし、問題もあるんですけれども、この六つの司令塔は今から解体するとかいうことは考えられないですね。ただ、それはその部局の状況によって、官房に置いたり、内閣府に置いたりという議論はあるかもしれませんけれども、今の司令塔機能というものをなくすということは、私はあってはならないというふうに思っています。
 よろしいでしょうか。ありがとうございました。

・説明資料(PDF形式:395KB)

(以上)