山本内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成26年8月1日

(平成26年8月1日(金) 11:02~11:35  於:中央合同庁舎第8号館1階S106記者会見室)

1.発言要旨

 まず、閣議についてですが、特にお話しすることはありません。
 沖縄担当大臣として、まず一言申し上げたいと思います。この度、沖縄科学技術大学院大学(OIST)発のベンチャー企業第1号として、沖縄プロテイントモグラフィー株式会社が設立されました。同社は、文部科学省の新産業創出拠点プロジェクト(START)を活用しつつ、OISTのスコグランド教授、この方は構造細胞生物学ユニットの代表ですが、このスコグランド教授が開発した、たんぱく質などの分子構造の三次元可視化技術を事業化して設立をされました。今回のOISTの研究結果を活用したベンチャー企業の設立は、沖縄における知的・産業クラスターの形成に資する取組だと考えております。沖縄の振興を担当する内閣府としては、このようなOISTの研究を引き続き積極的に支援をしてまいりたいと思います。
 事業内容の詳細に関する質問については、直接OISTの方にお願いしたいと思いますが、一言で言うと、結晶化しないと今までなかなかたんぱく質を分析できなかった。このスコグランド教授の開発した技術で、結晶化しなくても、これを立体的に分析できる。ですから、たんぱく質のどこに、例えば薬を使うと創薬になっていくのか、薬として使えるのかということを調べられるということで、大変期待をしたいと思いますし、今までずっとOISTについては知的・産業クラスターの話をしてきましたが、このようなベンチャーが生まれたということを大変前向きに捉えています。
 具体的な数は申し上げませんが、これについては既に複数の企業から、同社に対してコンタクトがあったと理解をしております。また、沖縄県内で創業した同社、本社はうるま市ですが、教授の下で研究をしていた外国人を含む研究者が社員として参画する予定とも聞いています。
 もう一度申し上げますが、同社がビジネスとして成功するとともに、これが契機となって今後更に新たなOIST発企業が立ち上がって、これが沖縄における知的・産業クラスター形成につながることを改めて期待をしたいと思います。
 それから、続けてお知らせを申し上げたいと思いますが、お手元に配付の資料のとおり、第10回の司令塔連携・調整会議を本日の15時30分から開催したいと思います。今回の議論をもって提言案を取りまとめたいと考えておりまして、今回が提言案を作る最後の議論ということになると思います。司令塔の総合調整機能、司令塔機能の発揮の在り方、あるいは将来の連携の在り方等々について少し突っ込んだ発信をさせていただきたいと考えております。
 それから、科学技術政策担当大臣として一つお知らせを申し上げたいと思います。
 プレスリリースで御案内ですが、5月下旬から進めてまいりました「あなたのイノベーション大募集」、これは私と小泉進次郎内閣府大臣政務官と、それから科学技術政策担当部局の若手中心のチームイノベで進めてきたものですが、この大募集のプロジェクトの一環として、本日の19時からイノベーション座談会を行う予定になっております。座談会には、小泉内閣府大臣政務官、それから総合科学技術・イノベーション会議の原山優子議員、筑波大学大学院教授の山海嘉之先生に加えて、本募集に御意見を投稿していただいた一般の方々もお招きをしたいと思っていまして、このようなメンバーでイノベーションについて語り合いたいと思います。世界で最もイノベーションに適した国にするためにどうしたらいいのかと、このようなことについて忌憚(きたん)のない意見交換を行いたいと思っております。
 それから、これも科学技術政策担当大臣としてのお知らせですが、これもお手元に配ってあると思いますが、8月5日火曜日に、第1回の2020年オリンピック・パラリンピック東京大会に向けた科学技術イノベーションの取組に関するタスクフォースを開催いたします。2020年に東京オリンピック・パラリンピックを開催するということですが、ここで世界の目が日本に注がれるということになります。私、科学技術イノベーション政策担当大臣としては、正にここを日本の科学技術イノベーションを発信する最高の舞台にしたいと考えております。
 6月に閣議決定した「科学技術イノベーション総合戦略2014」でも記載しておりますが、この大会の機会を活用して、最新の科学技術が課題を解決した社会というものを世界に発信することは、我が国の産業の世界展開、海外企業の対日投資を喚起し、日本の経済成長を強力に推進すると考えておりまして、この取組をしっかりと我々が主導していきたいと思っています。
 このため、私の主催する懇談会として、このタスクフォースを開催して、研究開発成果、規制改革等を組み合わせて着実に実用化に結びつけるプロジェクトを作っていきたいと思います。
 配付資料を御覧になっていただくとわかるように、このタスクフォースには各界から著名な有識者や大会経験者等に御参加をいただくことになっています。
 8月5日は舛添東京都知事にも御参加をいただく予定になっておりまして、様々な知見から大会に向けた御意見をいただいて、これを議論のキックオフにしたいと思います。
 参加者とともに、各プロジェクトには、各府省にも参加をしてもらいたいと思っていまして、オールジャパンで大会に向けて世界にアピールできる結果となるよう検討していきたいと思います。
 それでは、今日のプレゼンを二つ、なるべく簡潔に急いで行いたいと思います。
 まず最初は、「IT利活用セキュリティにおける総合的かつ戦略的な政策推進に係る提言」、少し名前が長過ぎますが、これについてプレゼンをさせていただきます。
 IT利活用セキュリティ総合戦略推進部会ですが、何度かこの記者会見でもお話をさせていただきましたが、世界最高水準のIT利活用社会の実現に向けて、IT利活用の促進、サイバーセキュリティの確保、この双方のバランスのとれた政策を推進するために、いろいろな分野の専門家を集めました。これは情報セキュリティ政策会議、議長代理も務めておりますIT担当大臣の私の下に、少しとんがった専門家を集めて作りました。2020年の東京オリンピック・パラリンピックをしっかりと見据えて、IT活用セキュリティに関する技術開発とか人材育成、産業活性化等をグローバルな視点からいろいろと議論して政策提言をしたいということで始めた部会です。今まで5回議論させていただきました。
 ここにいろいろ書いてありますが、要は、IT利活用を考えたときに、サイバーセキュリティなしには考えられない。つまり、これは車の両輪として進めていかないと成果が上がらないということで、この会議を立ち上げて5回議論してきましたが、提言の中身がまとまったので、ここで報告をさせていただきたいということです。
 IT利活用の観点から現在の課題、サイバーセキュリティの課題というものを、まず整理をしたんですが、簡単に言いますと5つあるということで、情報通信システム全体のセキュリティの向上、それからハードウェア・ソフトウェアのセキュリティ向上、個人情報等の安全性の高い管理を実現しなければいけない。更には、研究開発の促進基盤の確立も必要ですし、情報セキュリティ理論も体系化しなければいけない。更には、この発展が期待される応用分野でのセキュリティ確保、この五つを主な課題としてまず抽出をいたしました。
 それを踏まえて2020年、それから、その後の社会環境の変化のイメージというものを議論したんですが、いろいろありますが、例えば、世界人口はどんどん増加していくだろう。そうすると、資源が枯渇をしたりして、もしかすると国際関係も緊張をしてくるのではないか、緊張が大きくなってくるのではないかというような話もありますし、また、2020年に向けて、日本に大勢の人がやってきます。海外の観光客等がどんどん増加するというのも一つの大きな変化だと思うんですね。
 更には、IT環境が広域化して依存度が深まりますから、例えば災害が起きたときのダメージというものもすごく大きくなるのではないかということが考えられます。
 いずれにせよ、社会インフラは多様化、複雑化していくと、このようなものに対応した対策をしっかりと打っていかなければいけないということだと思います。
 このIT利活用セキュリティ総合戦略推進部会の三つの戦略的提言ということで、一つは、東京オリンピック・パラリンピック開催を念頭に置いたセキュリティ対策の強化。2020年というと、あと6年後なので、イマジネーションを働かさなければいけない。つまり、科学技術の進歩はものすごいスピードですから、6年後の世界はどうなっているのだろうと、新しい形のサイバーテロが出てくるかもしれない。いろいろな想像をしながら、社会がどう変わっているんだろうということでセキュリティ強化をしていかければいけないということだと思うんですね。
 それから、国際競争力もIT産業の振興ということで、サイバーセキュリティ分野において、やはり日本はまだまだ遅れていますから、この産業にきちんと打って出るということで、このサイバーセキュリティにおける日本の競争力を高めることによって経済成長にも結びつけていく。しかも、日本が2020年の東京オリンピック・パラリンピックをサイバーセキュリティという点からも成功させることによって国際貢献も行っていきましょうと、こういうことです。そのためには、これはもう当然研究・人材育成分野での取組もどんどん加速化させていかなければいけないし、国際連携も強めなければいけないということで、基礎体力も強めていかなければいけないということで、このような人材の環境にサポートされた形でこの二つをしっかり進めていきましょうということです。
 個々に簡単に説明したいと思います。
 提言1、まず東京オリパラに向けたセキュリティ対策ですが、セキュリティ特区、これはまだ中身は十二分に詰める議論ができなかったんですが、セキュリティ特区を作る必要があるのではないか、これは何人かの委員の方からも強く話が出されました。どこかで新藤大臣にも、もちろんこの報告書を持っていきたいと思いますが、6年後の様々な可能性が考えられる、例えばサイバー攻撃等々にも対応していくという点でも、あるいは新たに新産業としてサイバーセキュリティの分野を確立していくという点でも、特区にするぐらいの発想がなければなかなか進まないのではないのかということです。
 IT連携のためのトラストフレームワーク、これは、いろいろなところが認証とITがつながればいいなという感じですね。
 それから、インターネットオブシングス(Internet of Things(IoT))といいますが、とにかくあらゆるところにどんどんインターネットが関わってきていますから、アンコンシャス・セキュリティというのも大事だろうと。それから、ビッグデータ活用によって、どんどん産業化していく。特に農業分野は注目されているということです。個人データとプライバシーの関係、これはIT総合戦略本部でずっと進めてきました、例のパーソナルデータの検討会で、大綱を作って、これから法案化をしていくところですが、この法案ももちろん直接関係がありますが、このような環境整備も必要だろうと。
 それから、セキュアなクラウド環境、これも必要です。これから例えば中小企業の資金調達における政策金融の活用などはあります。クラウドハンティングはすごく注目されていますが、このような状況を考えると、やはりセキュアな安心・安全なクラウド環境をしっかりと作っていくということが大事だろうと、このようなことが提言1に書いてあります。
 それから二つ目ですが、国際競争力を持つIT産業の振興。サイバーセキュリティ市場を大きくするということで、2020年頃までに国内のサイバーセキュリティ市場を倍増する。まだそんなに大きくはありません。今のところ多分5,000億円ぐらいだと思うので、これを何とか1兆円産業にしていく。世界的に見たら、サイバーセキュリティ分野のポテンシャルは実はものすごく大きい。この多分何倍も、もっとあるかもしれません。先般のアメリカ出張で、アメリカの気鋭のサイバーセキュリティ企業家と何人か会ってきましたが、サイバーセキュリティ市場というのは世界的に見ればもっともっと大きくなっていくと思います。
 それから、オリンピック等の知見等を反映したセキュリティサービスの国際展開もしていかなければいけない。それから、高齢化等の先進的課題に対応した、セキュアのITシステムの国際展開もしたい。サイバー環境のブランド化、それから国際標準化、国際共同研究の積極的な推進、これはもちろん大事です。
 それから、サイバーセキュリティというものをもう少し認知してもらうために、サイバーセキュリティビジネス大使を設置したらどうか、このような意見も出されました。
 三つ目、これは研究人材分野での取組の加速化ということですが、国内のベンチャー企業育成ということで、2020年頃までに大学発のITベンチャー企業を今の1.5倍にしたいと思っています。大学発IT系ベンチャー企業の数は大体統計でわかるので、ITベンチャー企業全体というと、なかなか統計的に掴むのは難しいということですが、今多分700ぐらいあると思うので、少なくも1,000を超えるぐらいにはしていかなければいけないということだと思います。
 それから、人材ということでいうと、サイバーセキュリティはいろいろな知識が多分必要なので、組織経営、安全保障・危機管理、法学、心理学、他の分野とうまく連携しないとなかなかうまくいかない。ですから、サイバーセキュリティ人材といった時に、一つの学問で収まるような形ではないということだと思います。いろいろな分野の人が必要だということです。
 それから、日本特有の粘り強さ等を生かした分野の拡大、人材育成の促進というのも入れさせていただきました。
 ということで、これがサイバーセキュリティです。次が、この「新宇宙産業創造のための意見交換会」も行いたいと思います。
 宇宙政策担当大臣としてです。
 この意見交換会、私の下で作りました。今の宇宙産業に関わっている大企業のCEO、経営者の方々との懇談も行っているんですが、これも非常に意味があると思うんです。宇宙産業を元気にするためには、どんどん元気なベンチャーが入ってくる、そのような環境を作らなければいけないという問題意識の下、私の下で非公式な意見交換会として作りました。新規参入はまだ少ないんです。これによって宇宙産業を活性化したいということがここに書いてあります。
 それから、海外での宇宙産業新規参入というのはかなり進んでいまして、例えばスペースX、これはシリコンバレーの寵児であるイーロンマスクが作った会社ですが、今最も注目されているベンチャーの一つだと言っていいと思います。
 それから、衛星画像でいうとスカイボックス社とあるんですが、これはグーグルが先般500億円で買収をしたということで大変注目をされました。
 それから、小惑星資源探査の会社というものもあって、例えばプラネタリーリソースイズとかディープスペースインダストリーズとかこのような会社もあります。更に宇宙旅行で言うと、Xコアエアロスペースとかがありますが、サブオービタル飛行を実現させようという、このバージンギャラクティックなども非常に有名だと思いますが、海外ではこのようにどんどん元気なベンチャーが出てきているということです。
 それから、宇宙分野において先駆的な取組を行っている人をみんな集めました。ここにほぼ日本の宇宙ベンチャーの旗手は、全部とは言いませんが、ほとんどこの意見交換会に集まっていると言っていいと思います。かなり自由闊達(かったつ)なブレインストーミングを行わせていただきました。
 有識者は、このようなメンバーだということで、ざっと見ていただけると、なかなかおもしろい人達が入っていると思うのですが、司会といいますか座長的な役割はこの中須賀真一東京大学大学院工学系研究科教授、宇宙政策委員会の部会長も行っていただいていますが、中須賀先生にお願いをして、毎回非常にエキサイティングな議論をしてまいりました。
 これは有識者が関わっている会社とか団体とか、いろいろなところが関わっているということですね。キヤノン電子、ウェザーニューズとか大塚倉庫もあります。
 ちなみにJAXA(宇宙航空研究開発機構)の奥村理事長にもメンバーになっていただいて、毎回、ベンチャー企業家の議論を聞いてもらって、しっかりいろいろなコメントをしていただいているということです。
 非常にいいメンバーだと思います、自分で言うのもなんですが。
 ということで、今まで3回行いました。1回目は、「問題意識の共有」ということで、諸外国における宇宙利用の取組。自由な議論をさせていただきました。
 2回目は、「超小型衛星等」ということで、今、世界において大型・超小型の衛星の二極分化が起こっている。我が国は、これに対してどのような取組をしているのかということを中心に議論しました。毎回、ここに集まったベンチャー企業の人達がプレゼンを行って、それについて議論するという仕組みです。
 3回目は、「新宇宙サービス産業」ということで、宇宙旅行とか民間宇宙探査などの話、宇宙広告という話も行いました。
 第4回目は8月中にもう一回行いたいと思っていまして、今までの議論を含めた自由なブレインストーミングを行おうと思います。
 それから、主な議論を簡単に言います。民生部品の利用、これは国産化が必要なのではないかということですね。例えば、優秀な技術はあっても、それがなかなか何度も検証されていないと、どうしても高価な部品を買わざるを得ないという話があります。
 法整備、これも大事だろうと。一番わかりやすい例は、アメリカのコマーシャル・スペース・ローンチ・アクトというものがありますが、宇宙旅行を例えば本当に将来考えるのであれば法律改正が必要だ。法律を作らなければいけないということですね。
 それから、宇宙ベンチャービジネスを奨励するためのいろいろな方策。
 更には、小型衛星を、希望する軌道・タイミングで安価に打ち上げることができないかと。今は多分他のミッションが中心になっていて、そこに合わせる形になっているので、もっともっとロケットビジネスが成長して、いろいろなベンチャーが出てきて、ロケットがたくさん打ち上げられるようになれば、小型衛星を希望する軌道とかタイミングで打ち上げることができるのではないかと、このような議論がありました。
 ということで、これはもちろん非公式な意見交換会ではありますが、良い意見がでれば、宇宙政策委員会の方に持っていって部会にかけてもらい、政策につなげていきたいと考えております。
 ということで、私の方のプレゼンは以上です。
 何か御質問があればお受けしたいと思います。

2.質疑応答

(問)科学新聞の中村です。今日の司令塔連携・調整会議なんですが、今日ある程度の提言を取りまとめるということですか。
(答)今日の議論を受けて提言を取りまとめます。
(問)ということは、次回提言を取りまとめるという感じなんですか。
(答)いや、次はもう大臣記者会見か何かで発表するという流れになると思うんですね。今日の議論、大体大まかなところはまとまってきたので、最後に今日、事務局の方から案を提案し、いろいろと議論していただいて、それをもってこちらでまとめさせていただき、次の大臣記者会見辺りで発表したいと思います。
 今、内閣府、内閣官房の在り方についてのいろいろな議論が党の方でも行われておりますが、かなり先駆けて、あくまでも司令塔連携はどうあるべきか、司令塔はどうあるべきかという切り口でありますが、内閣官房、内閣の関係にもいろいろと触れていますし、そのような意味では、かなりタイムリーな発信になるのではないかと。これが報告書としてまとまったら、私の方でそれを持って、もちろん必要があれば総理や官房長官等の、今見直しを行っている方々の所にも直接御説明に行こうと思っています。
(問)あともう一つ、オリンピック・パラリンピックのタスクフォースなんですけども、これは何らかの提言というか、何らかの取りまとめをいつ頃までに、どういうふうにまとめるんですか。
(答)それはこれから、中身はこれから議論していきたいと思うんですが、これも前々回ぐらいの記者会見で申し上げたと思うんですが、「骨太の方針」の中に、私の強い意向で、「東京オリンピック・パラリンピックに向けた科学技術イノベーションの発信」という一文を入れたんです。これはどういうことかと言うと、東京オリンピック・パラリンピックに向けた科学技術イノベーションの発信については、内閣府がしっかりと総合調整をしていくということですから、だから、そのような一環として、もちろん東京都もこれからいろいろな取組を進めていく。科学技術イノベーションについては、我々が政府の窓口として、東京都としっかり話し合いをして進めていく、そのような枠組みを作ろうという流れですね。細かなことはこれから決めていきたいと思いますが、有識者も決まったので、第1回の会議を舛添知事にも来ていただいて行おうと、こういうことです。
(問)毎日新聞の青木です。先程のサイバーセキュリティの話で伺いたいんですけども、そのセキュリティ特区というのは、具体的にどういうものをお考えになっているのか。それともう1点、サイバーセキュリティ市場が倍増する、これはポテンシャルはあるということでしたけれども、じゃ、具体的に政府としてどのような後押しなり環境整備なり、そうしたものを、今の段階で大臣が必要だと思われているようなことを伺えればと思います。
(答)セキュリティ特区については、これはいろいろな考え方が出されましたが、まだこの時点で具体的に、このような特区を作るというところまではいっていません。ただ、2020年の東京オリンピック・パラリンピックを控えて、例えば新たな形のサイバー攻撃が出てくるかもしれないと、このようなものに対処していくとか、あるいは日本が世界のサイバーセキュリティ市場に参入していくためのいろいろな研究開発等々も含めて、本当にサイバーの世界できちんと存在感を発揮していくということであれば、特区のようなものを作って一貫して行はないと、なかなかこの取組を加速できないのではないかと、そのような考えの下で、この特区という話が出てきました。この会議の中でいろいろな議論は出ましたが、それを何か具体的にまとめるという形にはまだなっていません。ただ、特区というものを考えるべきではないかと、大きな構想として整理をさせていただいたので、これはこれで新藤大臣にお目にかかってお話をして来ようと思っています。
 それから、サイバーセキュリティ市場がものすごくポテンシャルがあるということは間違いありません。それは、IT政策担当大臣として、先般、この間5月ですかね、ワシントンに行って、サイバーセキュリティ関係者とワシントンで会ってきました。NSC(国家安全保障会議)の関係者にも会いましたし、ホワイトハウスの、例えばオバマ大統領の科学技術補佐官にも会いましたし、国防総省の関係者にも会いましたし、あるいはDHS、ホームランドセキュリティ、国土安全保障省の人にも会っていろいろ意見交換を行い、加えて、先程申し上げたとおり、サイバー関係のビジネスを行っている、なかなか新進気鋭の方々とも意見交換を行いました。サイバーセキュリティのニーズというものはものすごく高まっていますし、アメリカもサイバーセキュリティ調整官を置いているぐらいですから、非常に力を入れていますし、産業としての可能性、これは極めて大きいということを私、身をもって感じてきました。
 そこに対してどのようにして参入していくのかということですが、これは大きな方向性をこの報告書で打ち出したので、ここから関係各省にフォローアップをしていかなければいけないと思っています。ですから、最初の試みとして、最初のステップとしては、この報告書を関係する大臣の所に伺って説明をして、このような方向で行ったらどうでしょうかというお願いはしようと思っています。それを踏まえて具体的にどのようにして進めていくのかということは、IT総合戦略本部と、それから特にNISC(内閣官房情報セキュリティセンター)とが連携をしながら後押しをしていくという感じになると思います。
(問)市場倍増を政府としては後押しするから、いずれにせよ、政府としての後押しというのは考えていくことになるだろうという。
(答)これは、政府の中の機関なので、政府の中の機関ですから。ここで作った提言をこれからPDCAサイクルではないですが、実現してもらうように、私が働きかけていきたいと思います。
(問)共同通信の田窪です。今日一部報道で、名称のない離島について、政府が近く名称を付与するという話がありましたけれども、事実関係をお願いします。
(答)これは何度も予算委員会等で質問が出て、私の方から、夏ぐらいを目途にと言ったのでしょうか、とにかくこれは作業を進めていますということを何度も答弁していますので、そのような流れで今検討しているということです。
(問)科学新聞の中村です。
 話が変わるんですけれども、昨日、日本学術会議の新たな展望を考える有識者会議が開催されたかと思うんですけども、大臣として、日本学術会議の今後の改革の方向についてはどのようにお考えでしょうか。
(答)これは有識者の方々に議論していただければいいと思いますが、昨日、中村さんも帰った後、私の方からいくつか問題提起をさせていただきました。
 一つは、何か例えば大きな災害が起こるとか緊急事態になった時に、いろいろな専門家を集めてくる。例えば、この間訪問したイギリスでウォルポート首席科学顧問と会ったんですが、何かあった時には必ず首席顧問が中心になって、いろいろなラインの専門家をぱっと招集できるようになっている。例えば一つの例として、このような役割は日本学術会議が果たすべきことなのかどうかというような、議論の材料は提供させていただきました。
 それからもう一つは、冒頭の挨拶でも言ったように、せっかく若手コミュニティを作るということになったから、随分何年も議論していた気がするんですが、組織として位置付けるということになったので、日本学術会議として、もちろんすばらしい先生方がいるんですが、若手の意見もしっかり取り入れるメカニズムを作ったらどうかということで、若手アカデミーの主要な二人の准教授、そのお二人にも私の強い希望で懇談会のメンバーになっていただきました。だから、いろいろな意味で、これからいろいろな議論があると思うので、あまり大臣として、このような議論があるだろうというようなことを言うことは少し控えたいと思いますが、昨日は問題提起をさせていただきました。
(問)先程の質問に加えてなんですけれども、もし、離島への名称が決定したら、これは政府としてはホームページなどで公表されるという考えでしょうか。
(答)今般、158の地図及び海図に名称記載のなかった離島ですが、この決定した記載名称は、総合海洋政策本部のホームページで公表するということになると思います。おそらく今日の午後、2時以降に公表させていただくことになると思います。
(問)更に関連なんですけど、尖閣諸島の五つの島も含まれているんでしょうか。
(答)これは正確に言った方がいいと思うんですが、尖閣においても、地図及び海図に名称記載のない領海外縁根拠離島が五つあります、五つの島があります。詳細については、午後、ホームページを御覧ください。それが一番正確だと思うので。
 よろしいでしょうか、ありがとうございました。

・説明資料(PDF形式:622KB)

(以上)