山本内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成26年7月15日

(平成26年7月15日(火) 9:11~9:43  於:中央合同庁舎第8号館1階S106記者会見室)

1.発言要旨

 閣僚懇では、英国出張については発言しませんでしたが、資料が配布されました。
 まず最初に、科学技術政策担当大臣として、これは中村さん(記者)の方からも前回の記者会見で質問がありましたが、国立研究開発法人の目標・評価指針案について一言申し上げたいと思います。
 7月4日に開催された総合科学技術・イノベーション会議評価専門調査会で国立研究開発法人の目標・評価指針案の原案が取りまとめられました。この指針案は、6月24日に開催された総合科学技術・イノベーション会議における総務大臣からの諮問に対する答申案ということで、次回の総合科学技術・イノベーション会議でお示しできるよう、現在総務省などと調整を進めております。
 本指針案の内容を、総務大臣が策定する独立行政法人の目標・評価指針に適切かつ十分に反映していただきたいと思っております。国立研究開発法人が第一目的である研究開発成果の最大化を実現し、世界で最もイノベーションに適した国に貢献していくことができるよう、引き続き努めていきたいと考えております。
 それから、沖縄担当大臣としても一言申し上げたいと思います。
 先般の台風8号によって被害に遭われた皆様に心からお見舞いを申し上げたいと思います。
 今般の台風8号では、一部住宅・人的被害等が見られましたが、特に農林水産業の被害は14日の沖縄県の速報値によると約27億円となりまして、農産物では特にサトウキビが約5億円、野菜が約3.5億円、果樹2億円ということで、沖縄本島を中心に宮古島などに被害がありました。また、漁港においては座間味村とか嘉手納の漁港に大きな被害があったと聞いております。
 内閣府としては、まず7月7日に現地の沖縄総合事務局に災害対策本部を立ち上げ、沖縄県とも連携しつつ、被害状況の迅速な把握、現地への職員派遣等を行いました。
 また、7月14日からは亀岡大臣政務官を団長とする政府調査団が被害状況の視察のために沖縄を訪問しておりまして、沖縄部局からも職員、これは参事官級ですが同行しております。
 今回の被害に対する支援策については、現地の被害状況調査とか地元の要望等を踏まえ、内閣府としても農林水産省等関係省庁と連携を図りつつ、検討してまいりたいと考えております。
 それでは、今日のプレゼン、できるだけ簡潔に行いたいと思います。
 今日は2つ、「実証フィールド」とそれから「イギリス出張の報告」をさせていただきたいと思います。
 最初に、海洋再生可能エネルギー実証フィールドの選定結果を発表させていただきたいと思います。
 東日本大震災の後、特に再生可能エネルギーの必要性が極めて注目されているということは皆さん御存じだと思いますが、我が国の海洋エネルギーのポテンシャル、周辺には豊富な海洋再生可能エネルギーがあるということで、波力、潮流、海流、海洋温度差とあって、これは代表的な場所を書いてあります。これは何度もここで言っているので、この程度にしたいと思います。
 「実証フィールド」というのは、おさらいですが、今後実用化が期待される潮流、波力、このような海洋エネルギーについて一定のエリアを確保し、発電の実証実験を行うことができる場所ということで、メーカーとか大学等の利用者が自分で開発した発電デバイスを持ち込んで実証実験を行える場所ということで、このような形の流れになります。
 欧州の実証フィールドの状況。これも記者会見で何度か申し上げましたが、日本には実証フィールドというものは今までなかったんですが、世界には、欧州には既にたくさんありまして、特に有名なのがEMEC、欧州海洋エネルギーセンターと言って、スコットランドにあるんですが、世界中の企業とかメーカーが波力発電とか潮力発電とか、自分たちが今持っている発電デバイスを持ち込んで実験をしていると、こういう状況になっています。
 平成24年の5月に海洋再生エネルギーの取組方針というものが出まして、その中で実証フィールドについて言及をされているわけですが、この実証フィールドの整備によって開発コストを低減するとか、あるいは民間の業者が参入する意欲を上げるとか、更には産業の競争力を強化するとか、関連産業の集積による地域経済の活性化等を図るということで公募をしてまいりました。
 要件についても、ここで何度か申し上げましたが、一つはポテンシャルがあるかどうか、それから利害関係者の了解が得られているかどうか。これは大事なことなんですが、利用者がいるかどうか。このような基準で有識者会議等々で議論していただいて、いろいろ審査を行ってまいりました。
 提案は7県11海域からありまして、いろいろな要件を踏まえて有識者会議等々で審査をした結果、実証フィールドとして、今回は4県6海域を選定をさせていただきました。新潟県、佐賀県、長崎県、沖縄県ということで、エネルギーの種類はここに書いてあるとおりです。
 では、ここから漏れた4県5海域はどうなのかということですが、実はこの11件全て相当一生懸命海洋調査も行い、更に関係者の調整も行ってこられたということで、その努力は我々としても高く評価をしたいと思うんです。
 今回、なぜ選定されなかったかというと、利用者の部分でまだはっきりしていない点があるということ。それは岩手、和歌山、鹿児島、沖縄という、このような形なんですが、この地域についても、利用者が活用するという流れが確定すれば、これは選定をしていく方向で考えたいと思います。もう一回言いますが、11件の努力、特に関係者の調整メカニズムをきちんと整えていただいたということについては高く評価をしたいと思いますので、とにかく利用者をきちんと見つけていただければ、選定する方向で前向きに考えたいと思います。
 決まった所ですが、これもこの記者会見で何度か言いましたが、佐賀県、新潟県、それぞれ小型プロトタイプ向け実証フィールドとかハイブリッド発電の話とかもいろいろありますが、かなり具体的な傾向になっています。
 それから長崎県、沖縄県もこのような感じです。一つひとつ御説明することは省きたいと思います。
 ということで、実証フィールド選定が決まったということで、選定結果を今御報告しました。
 続いて英国出張報告、3泊4日の報告について簡単に行いたいと思います。
 科学技術政策担当大臣として英国を訪問させていただきました。
 最初の訪問先がカタパルトセンター、細胞治療カタパルト。これはロンドンの市内のギーズ病院内にあるんですが、カタパルトというのはキャメロン政権が打ち出した大学と産業のギャップを埋めるための科学技術イノベーション・センター・ネットワークということで、今確か9カ所ぐらいあるんでしょうか。そのうち、最先端の細胞治療を行っている、これを産業化しようとしているこのカタパルトセンターを訪れて、産官学連携について意見交換をしました。
 CEOのトムソンさんとそれから最高科学責任者のヒルナー氏と会談をしました。更に政府要人とも意見交換をさせていただきましたが、科学技術政策、イノベーション政策からサイバーセキュリティー、東京オリンピック・パラリンピックに向けてのロンドンオリンピックの経験、それから宇宙政策等々についてまで幅広く議論させていただきました。
 ウィレッツ大学・科学担当大臣、非常に有名な方なんですが、この人はものすごく広い分野をカバーしているので、二つの頭脳を持つ男と、「Minister with two brains」と呼ばれている非常に有名な人なんですが、とても頭のいい人でした。どんな質問をしても2分で答えてしまうということで大変でした。
 このウォルポート政府主席科学顧問は、STSフォーラム(科学技術と人類の未来に関する国際フォーラム)の際に開催される国際科学技術関係大臣会合でもお目にかかったので今回2度目になりますが、特に日英科学技術協力合同委員会が何年か行われていないので、これを是非行ってほしいという正式要請を受けました。これはしっかり科学技術政策担当大臣として検討したいと思います。
 更にシンクタンク関係者との意見交換ということで何度か申し上げましたが、安倍総理がいわゆるマルチステークホルダーが集まる場所での発信力というものが歴代総理の中でも図抜けていると思うんです。私は外務大臣でも防衛大臣でもないんですが、領土担当大臣として内外発信、特に対外発信を担っているという立場から言うと、このようなところを十二分に活用して領土・主権をめぐる問題について日本の立場を発信するべきだとずっと申し上げていますので、シンクタンクとの連携強化のための話合いをしてきました。
 ヘンリー・ジャクソン・ソサエティ。日本政府は、どちらかというとチャタムハウスと主にいろいろな人脈を作ってきていますし、IISS(国際戦略研究所)もその中に入っているんですが、特にこのような、そんなに大規模ではなくても、良い活動をしている保守系のシンクタンクときちんと人脈を作っていくことが私は大事だと思っていまして、在外公館機能強化、山本提案の中でも、シンクタンクの棚卸しをして、規模に関わらず日本として活用できるところとはしっかりと手を結べと言っていますので、その一環としてヘンリー・ジャクソン・ソサエティに行ってきました。もう国際政治全般、ロシア問題、日中関係、いろいろなことについて、かなり濃密な議論をさせていただきました。
 それから、IISSは御存じのとおり、シンガポールのアジア安全保障会議、シャングリラ・ダイアローグを主催しているんですが、一言で言うと、実はここはすごい組織なんです。以前外務省もここにポストを持っていて、確か何人かの歴代の次官はそこに行っているんですが、最近IISSとのつながりもあまりないので、是非ここでこれを強化した方がいいと。総理のシャングリラ・ダイアローグのスピーチは、実は大変評価が高かったということで、ダボス会議はかなり日本として活用し、うまくいっているんですが、IISSは改めて連携強化をするべきだと思っていまして、チップマン所長とも1時間英語で議論しましたが、いろいろな提案が出てきたので、これをしっかりフォローアップをしていきたいと思っています。
 実は、IISSからは沖縄の那覇でフォーラムを行いたいという那覇フォーラムの提案も所長からありましたので、沖縄担当大臣として、しっかりこれは受けて、政府関係者と相談をしたり、どこかで仲井眞知事にもしっかりとお伝えをしようと思っています。
 それから、日本企業の研究所も訪問しました。ケンブリッジに足を伸ばして、三つの企業を訪問させていただきました。三つの企業関係の研究所。武田ケンブリッジ研究所に行って、武田の海外戦略はすごいなと。武田のアクイジションストラテジーというか、海外展開戦略というのはすごいなと思ったんですが、何といっても東芝のケンブリッジ研究所に大変感銘を受けました。これは東芝が初めて外に作った研究所なんですが、ケンブリッジ大学における長年の貢献が非常に評価をされているということで、所長もすばらしい方でしたし、また研究主任の人もとても熱心で、ここは電気・電子工学については世界最先端の研究を行っています。ImPACT(革新的研究開発推進プログラム)の中の分野の一つでもある量子情報とか暗号、それから映像技術、音声技術、これも世界最先端だということで、日本企業、それぞれ頑張っているなと。
 以上です。何か御質問があれば、お受けしたいと思います。

2.質疑応答

(問)科学新聞、中村です。実証フィールドについてなんですが、これで環境は整ったと。次の段階として、今既にある事業者でなく新しい事業者が更に入り込むように促進するために、例えば科学技術政策等々連携して、どんなことが考えられるんでしょうか。
(答)この実証フィールドは何で作ったかというと、民間業者だけではなかなか関係者の調整ができないということで、それを促すためですよね、先程申し上げたとおり。この実証フィールドに選定したことによって、更に民間業者が入ってくるインセンティブが高まると思うので、それをしっかり見極めていきたいと思います。
 おそらく経済産業省とか、あるいは環境省のいろいろな枠組みがあるので、それはそれで民間業者の方できちんと活用してもらうということだと思います。
 特に科学技術政策と結びつけてどうのということは、今のところ考えていませんが、先程申し上げたとおり、今回漏れた地域についても、きちんと利用者がいれば、これはまず調整の仕組みを作るというところが一番大事なところなので、一生懸命やっておられることなので、そこが整えば選定をしたいと思います。
(問)NHKの高野です。実証フィールドの関連ですが、選んだことで何か国として実験上整備に支援、具体的な案を考えていらっしゃるんでしょうか。
(答)この仕組みは、例えば実証フィールドに選定したからといって、国から何か予算を出すとか、そのような仕組みとは違うと。つまり、国が実証フィールドという仕組みを作ることによって、そこに地方自治体が手を挙げて応募していただくと。それによって関係者のいろいろな調整が促されると、このような仕組みなので、この実証フィールドに選んだからといって、例えば政府として何か予算的な支援を行うという、そのような仕組みではありません。
 その意味で言うと、これは海洋政策本部としての知恵を使った枠組みだと思っていまして、非常に私は有効な手法だと思っています。ただ、選定されたことによって、例えば予算がつきやすくなるとか、そのようなことはありませんが、結果として、民間業者が安心して、ああ、なるほど、実証フィールドということで選定されたんだなと思って入ってくれば、そこからいろいろな多分活性化が起こってきて、それが地方振興等々につながるということは十分考えられるのではないかと思います。
(問)関連ですが、事業者等からは実験上一つの業者で作るのは難しいので、国の財政的な支援を求める声というのはあるんですが、この点について、これを契機に、そういう実験上整備に向けて国が財政的な支援をしていくというお考えはありますでしょうか。
(答)現時点で今言った予算的な措置を講じるような考え方を持っているわけではありませんが、これを契機に海洋産業の振興については、しっかりと海洋政策本部の中でもいろいろな手法を議論していきたいと思います。
(問)最後もう一点。これを契機に日本の海洋政策をどのように発展させていきたいと思っていらっしゃいますか。
(答)海洋政策、海洋産業、いろいろあると思うんですが、少なくとも実証フィールドの仕組みに乗って民間の事業者がたくさんこの海域に参入して、発電デバイスのようなものを実証できれば、それがこの業界、この産業の競争力強化につながっていくんだろうと考えています。
(問)日刊工業の小川です。
 関連で、やはり実証フィールドなんですが、確認なんですが、今回選に漏れた4県5海域については、利用者の見込みが不確定なので、もし現れれば選ばれるという可能性は大いに高い。
(答)そうですね。「漏れた」という言い方はなるべくしたくないと思うんです。今回は選定されなかった海域も調整メカニズムを作るということについては、相当努力をされたし、海洋調査もきちんと行っていただいているんです。ただ、要件として、実証フィールドの要件として非常に重要なポイントなんですが、利用が見込まれるのかという点において言うと、まだ不確定な要素が多いと。だから、これをきちんとメカニズムとして確立してもらえば、利用者をしっかり見つけてもらえば、これは是非前向きに選定する方向で考えたいと思っています。
(問)関連で、また仮に今回選ばれなかったところが選ばれたとしたら、7県11海域ということになるんですけれども、いくつぐらいが適切かというのはなかなか難しいとは思うんですけれども、例えばEMECの例なんかを見ると、一つの海域に数十社が集まって、それでやっていますので、それで相乗効果とか集中の効果というのは非常に重視されていると思うんですけれども、なかなか全国にこうやって散らばすということに関して是非はあると思うんですけれども、相乗効果という意味では生まれにくいんじゃないかなと思うんですが。
(答)それはこれから、これは初めての仕組みなので、このメカニズムでどのような効果あるのかというのは見極めていきたいと思います。
 今のところ、もう既に利用者が決まっている。既にプロジェクトが動いている海域はありますから、この実証フィールドを契機に、そこに今おっしゃったように、更に多くの民間企業の人たちが参入してきて、一つのベストプラクティスのようなものが生まれれば、それが広がるかもしれないので、11海域を設けたからうまくいかないとは思っていません。とにかく初めての仕組みなので、どのような状況になるかというのは見極めていきたいと思いますが、私は十分いい効果が得られるのではないかと思っています。
(問)沖縄タイムスの大野です。関連なんですけれども、今回漏れた4県について、いつ頃までに要件を満たしたら確定するとか、認定するとかという、そのスケジュール感的には。
(答)それは現時点ではわからないです。つまり、この利用者の見込みがいつまでにつくかによると思うんです。現時点で満たされていない要件は利用者の部分なので、ここがはっきりすれば、それはできるだけ速やかに選定をしていきたいと思います。
 これは、海洋政策本部の在り方にも関わることですが、実証フィールドは海洋政策本部としては、いろいろ知恵を使って考え出したメカニズムで、私は非常にこれを高く評価しています。担当大臣としても、今回実証フィールドを選定したことによって、これが海洋産業振興につながると、そのような一つの契機になると信じていますが、先程高野さん(記者)から出た予算の話等々あるんですが、これは海洋政策本部として総合調整をする中で何ができるかということは、いつも頭に置いておかなければいけないと思うんです。
 例えば、知的財産戦略担当大臣としてタスクフォースを作って、このタスクフォースの議論を2014年の知財計画に反映させたんですが、例えばそれだけではなくて、タスクフォースの提言をきちんとまとめてもらって、それをそのまま知的財産戦略担当大臣として関係大臣に届けるというルートを作ったんです。これも最初の試みなんですが、これも進化させていけば、ある意味で言うと、司令塔機能を果たす、調整機能を果たす一つの新しい方法になると思っていますので、これに限らず、海洋政策本部として何ができるのか、調整機能として、どのようなメカニズムを考えていったらいいのかということはよく考えていくべきだと思います。
 一歩でも先に出ようと、このように一歩でも先に出て内閣府としてのいわゆる総合調整、司令塔機能を果たそうというものがなければ、私は進歩はないと思っていますから、その意味で言うと、海洋政策本部もこれからいろいろな手法を考えながら、総合調整をどのように果たしていけるか。予算とかなかなか組織の面では難しいところもありますが、その中でもかなり頑張ってきていると思うんですが、この実証フィールドの選定のプロセスを見ながら、そのような問題意識を大臣として持ちました。いろいろな手法で調整を促していくということが大事なんだと思います。
 それは、今私の下に作った司令塔連携・調整会議で報告書をまとめていますが、その中でも議論されている一つの大きな問題意識だと思っています。
(問)別件なんですけれども、先程大臣のおっしゃった国際戦略研究所が那覇で会議をやりたいという、これは那覇でやりたいというふうにおっしゃっていた理由と、あと実際行うのは国際顧問会議という毎年実施されている会議をやりたいというふうにおっしゃったのか、それともその辺はまだ曖昧で、ざっくりと那覇でやりたいということをおっしゃったのか。
(答)それは、チップマン所長は、沖縄に注目をしているんだと思います。沖縄が日本経済を牽引していくポテンシャルがあると思っているんだと思います。それから、いわゆるジオポリティクスと言いますが、地政学的にも極めて重要な位置にあるということなんだと思います。
 IISSは戦略研究所ですから安全保障の問題が中心なんですが、必ずしも多分那覇フォーラムといった時には、安全保障というよりはいろいろな地域の経済も含めたおそらく問題を議論したいということなんだと思いますが、細かいことまではまだ出てきていないので、その辺はいろいろすり合わせをしていかないとわからないと思いますが、とりあえず正式な提案だったので、これはこれで官邸に伝え、更に沖縄側にも私の方からきちんとお伝えをしたいと思います。
 以前からMICEの話もありますが、沖縄にいろいろな国際会議を維持するということで言うと、私は前からダボス会議の地域会議のようなものを沖縄で行うべきではないかとずっと公言してきました。それは、例えばダボス会議だったら、多くのCEOが、企業経営者が来るわけなので、このような世界の経済人に沖縄を見てもらうと。沖縄を見たらファンになるから、みんな。だから、沖縄にとにかくダボス会議の地域会議のようなものを行うというのは一つのアイデアではないかと言ってきましたが、例えばIISSのような、とにかく有力なシンクタンク、このようなところが会議を行うということは、沖縄のプレステージを高めるし、存在感も高めるし、より多くの人が沖縄を訪れる機会を広げてくれるのではないかと思っていまして、それはそれで検討に値するのではないかと沖縄担当大臣としては思っています。
 ただ、まだこの時点で正式に知事にお話ししていないので、IISSからの正式な提案として少し政府内にいろいろ伝え、検討させていただこうと思っています。
(問)いつ頃やりたいとかというお話はありましたか。何年以内にとか。
(答)それはおそらく、2015年とか16年とかその辺りではないでしょうか。口頭ではいろいろあったんですが、まだそこはきちんと議論してみないとわかりません。
 那覇フォーラムを行うということになると、これは沖縄側の判断が大きくなるので、ですから、現時点でははっきりしたことは言えませんが、もう一回言いますが、この提案は仲井眞知事の方にしっかり持っていって議論させていただこうと思います。
(問)科学新聞、中村です。先程の英国出張の中でカタパルトを見てきたかと思うんですけれども、あれを見て、日本の産学連携に役立つような何らかの知見は得られましたでしょうか。
(答)一言で言うと、カタパルト政策について言うと、かなりカタパルトが組織としてリスクを取ろうと、産業化のためのリスクを取ろうという姿勢がすごく見られた。これは参考にしなければいけないと。
 それから、各カタパルトそれぞれ相当フレキシブルにやり方は違うんですが、タスクフォースのような中に経済関係者が多いんです。所長も最高責任者も産業化の視点を強く滲ませていたというところがあって、この覚悟というか勢い、これは何としても最先端の分野で産業化に結びつけるんだという強い意思、このようなものは学ぶべき点があると思いました。
 それから、ケンブリッジに行ってみて思ったんですが、どうしてあそこに研究所があるのかと。ケンブリッジの人材を活用するという側面がありますよね。科学技術イノベーションサイクルを作るためには、大学、世界最高レベルの大学がないといけないと。例の世界大学ランキングというものがありますよね。アメリカ大学ランキング。これははっきり言って欧米有利だと言う人もいるんですが、いろいろな説があって。だけど、東大が25番か何かでした。京大が30位か、そうなんでしょう。ベストテンに東大と京大ぐらいは入ってほしいなと思うので、これは下村文部科学大臣にもお願いしようと思うんですが、たかがランキング、されどランキングなので、世界大学ランキングのトップ10に少なくとも二つぐらい、本当に日本の大学が認知されて入るような形にしないといけないと思いました。
 やはりケンブリッジの底力ってすごいですよね。ノーベル賞学者の数だけではなくて、ブランドがあるために優秀な教授とか学生とか資金が集まるわけですよね。だから、そこはよく考えた方がいいのではないかと。
 ランキングについては、IT、世界電子政府ランキングもありましたが、かなり戦略的にランキングに食い込んでいくという方法はいろいろあるのではないかと思うんですが。
 いろいろ言いましたが、世界最先端の大学が必要だと思います。トップ10に入ると思われるような状況を作っていくことが大事だと。私は文部科学担当大臣ではないですが、科学技術政策担当大臣として強く感じたので、それは下村大臣に是非お目にかかった時にお話ししてお願いしようと思います。
(問)もう一つ、先程の実証フィールドの話で、環境を整えてあれなんですけれども、例えば環境省とか経産省の大臣に実証実験の予算枠を増やすように促すというような司令塔機能の発揮の仕方とかは。
(答)現時点で実証フィールドの話で、別に仕組みがあるわけではないから、そのようなことは現時点で考えているわけではありません。中村さんの言っていることは、知的財産戦略本部でも初めて行ったことなので、この実証フィールドをどのような形で後押ししていくかという知恵はいろいろまだあるのかなとは思っています。ただ、どのような方法でということはまだ決まっていません。
 もう一回言いますが、海洋政策本部全体として、一歩でも前に出て調整機能を強めようという姿勢は必要だと思います。そうじゃなければ、仕事をしてもおもしろくないと。優秀な官僚が集まって頑張っているのに。だから、一歩でも先に進もうという気持ちがない人とは仕事したくないですね。そのような人はいません、内閣府には。
(問)別件ですが、ベネッセの事件を受けて、菅官房長官は個人情報保護法の改正を検討する考えを示しています。ビッグデータの検討会は大臣の所管だと思うんですが、どのようにお考えでしょうか。
(答)我々が今検討している法案改正になると思いますが、個人情報保護法の改正は、これはパーソナルデータの利活用を進めるという観点から議論をしてきたので、直接名簿業者の話を我々が取り扱うということではないと思っているんです。ただ、いろいろ検討会の中でアカデミシャンとか経済界の方とか消費者団体の方とかいろいろおられたんですが、この件についても問題意識をおっしゃっていた方がいたので、我々としては例えば名簿業者についてはどこが担当するのかということがまだ明らかになっていない部分があるんです。どこの省庁、どの大臣が担当なのかということについては、まだはっきりしていない部分があるとか、そのような問題意識については大綱の中で書かせていただきました。菅長官のいろいろ御発言もあったようですが、これから大綱ができて法案を作っていくまでにいろいろな議論がありますから、その中でどのような形になるのかわかりませんが、真摯な検討を続けていきたいと思います。
 よろしいでしょうか、ありがとうございました。

・説明資料(PDF形式:535KB)

(以上)