山本内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成26年6月27日

(平成26年6月27日(金) 11:17~11:48  於:中央合同庁舎第8号館1階S106記者会見室)

1.発言要旨

 今日の閣議の中身については、特に御報告することはありません。
 24日の臨時閣議におきまして、経済財政運営と改革の基本方針、いわゆる「骨太方針」と、それから「日本再興戦略」(新たな成長戦略)が決定されました。私が担当する分野についても多くの重要施策を盛り込むことができたと、ほとんど百点満点に近いと思っています。
 具体的に言いますと、例えば、「科学技術イノベーション総合戦略2014」の強力な推進、オリンピック・パラリンピックでの科学技術イノベーションの発信、この文言が入ったことも大きいと思っています。技術シーズを事業化に結びつける橋渡し機能の強化、特定国立研究開発法人、これはまだ仮称ですが、この特定国立研究開発法人制度の創設、SIP(戦略的イノベーション創造プログラム)及びImPACT(革新的研究開発推進プログラム)の継続的な推進というものも入りました。
 それから宇宙の分野では、宇宙インフラの整備・活用の推進及び宇宙利用の拡大に向けた宇宙インフラの開発、整備、運用等に係る中長期ビジョンの検討という文言も入りました。
 更にIT分野では、世界最高水準のIT社会の実現のためのオープンデータ・パーソナルデータの利活用推進、マイナンバー制度の積極的活用、規制制度改革の推進、情報システム改革の取組の推進、このような文言を盛り込んでいただきました。
 それから海洋分野でいくと、洋上風力等の海洋再生可能エネルギー、メタンハイドレート等の海洋資源の開発、これが盛り込まれました。
 それから知財戦略の分野でいきますと、知的財産戦略担当大臣の5本の柱にも入っておりますが、職務発明制度の見直し、営業秘密の保護強化など世界最高の知的財産立国を目指した知的財産・標準化戦略を推進すると、このような文言も入れていただきました。
 それから沖縄についてですが、国家戦略としての沖縄振興策の推進、国家戦略特区の指定等を踏まえた観光ビジネスの振興、それから沖縄科学技術大学院大学(OIST)とか西普天間住宅地区への高度な医療機能の導入を始めとする駐留軍用地跡地利用の推進ということも盛り込んでいただきました。
 「骨太方針」と「日本再興戦略」に盛り込まれたこれらの施策については、担当大臣として改めてしっかりと取り組んでまいりたいと思います。
 IT政策担当大臣として御報告があります。
 国連の電子政府ランキングで、日本が前回調査2012年の18位から、今回6位になりました。これは非常に大きな話だと思っていまして、人口1億人以上の国の中ではトップになったと、このようなことを内外にしっかりアピールしていく必要があると思っています。
 詳細については別途御説明する機会を設けたいと思いますが、IT戦略本部が一生懸命行ってくれたと。特に遠藤CIO(遠藤紘一内閣情報通信政策監)が精力的な活動していただいたということで、このようなことを追い風に、行政のIT化をより加速化したいと思っていますが、今中身を調べていますが、考えられることとして言えば、おそらく調査の項目が追加になった。例えばブロードバンドの普及率という点でいうと日本はトップクラスですから、このようなことがフェアに評価された。今までの18位というのはフェアなというか、本当に日本のIT力を正確に反映しているんだろうかとずっと疑問を持ってきたので、これは非常によかったと思います。
 それからもう一つ、やはり時代の流れに沿った取組、例えばオープンガバメントもそうだと思いますが、このような取組が評価されたんだと考えています。
 韓国は確かこの国際電子政府ランキングで1位なんですね。日本が今6位になったということなんですが、やはり日本がIT先進国だと、世界最先端のIT国家だということを、特に安倍総理はマルチステークホルダーが参加する、例えばダボス会議(世界経済フォーラム)とか、あるいはシャングリラダイアログのような所で類まれな発信力を持っていますので、あらゆる手段を通じて日本の今のITの状況についてアピールをしていただきたいと思います。なぜなら、例えば韓国は今、電子政府についてのインフラ輸出というものを一生懸命行っていまして、その根拠がこの国際電子政府ランキング1位ということなので、もう一回言いますが、非常に私は大きな意味があると思っています。
 関連して、本日閣議前に、eガバメント閣僚会議の初会合を開催しました。官房長官を議長に、私と、それから総務大臣が副議長になったわけですが、これは総理を本部長とするIT総合戦略本部の下に設置をされたということでございます。関係閣僚会議ということで、かなり機動的に開催できますから、新藤大臣の強いイニシアチブもありましたが、私は非常に良い枠組みだと思っていますので、官房長官、総務大臣、関係閣僚の皆さんと協力をしてITの、特に業務改革ですね、行政のIT化と業務改革の一体的な改革を、よく政府が使う言葉だと、機動的かつ強力に進めてまいりたいと思います。
 それから、私の方からは、今日の最初のeガバメント閣僚会議で、6月3日に開催された第64回IT総合戦略本部において、安倍総理から、各府省とも徹底的な運用コスト削減に取り組んでほしい、全体の改革計画を策定してほしいと、このような指示があったことを踏まえ、年金関連システム、ハローワークシステム、既に精力的に取り組んでいただいている例も見られますが、政府全体の取組として推進していただけるように関係閣僚にお願いをいたしました。
 それからもう一つ、領土担当大臣としてお知らせをしたいと思います。領土・主権をめぐる内外発信に関する総合調整会議の第4回会議、本日の午後2時半から開催をさせていただきたいと思います。これまで3回行いました。政府一丸となった内外発信の強化に向けて議論を交わし、私の下の取組だけではなくて、各省庁の具体的な事業についても緊密に調整をし、それなりの成果を上げてきたということだと思います。今日は4回目ということで、平成26年度予算の執行状況、更に今後の事業案に向けた調整について情報共有を図っていきたいと思っています。
 これも新しい枠組みなので、これから進化させていただかなければいけないと思いますが、一つ具体的な成果として言うと、外務省が作成をしてホームページに公開をしている動画、領土・主権に関する動画ですね、これについては今、領土担当大臣である私が、その作成のプロセスの段階から入っています。これまで発表された動画の中で、私の、細かいことは言いませんが、領土担当大臣としての意見が反映されたものもありますので、これだけでもこの調整会議を行った意味があると思っているんですが、より一層この領土・主権対策企画調整室の企画調整機能を強めていけるように、あるいは政府の中にある他のいろいろなチームとも、よりスムーズに連携できるように心がけていきたいと思います。
 それでは、プレゼンテーションを簡潔に行いたいと思います。
 今日はSIP、これが今回で三つ目の課題になるんでしょうか。このSIPの三つ目の課題を簡潔に御紹介をさせていただきたいと思います。
 テーマ「革新的構造材料」でございます。
 キーワードは「軽く、強く、熱に強い」、そして出口は航空機を想定しています。航空機を想定していますが、結局この構造材料の技術というものは、例えば海洋構築物とか発電とか、このようなところにも波及をさせられるのではないかと私たちは考えています。
 「今こそ、構造材料!」と書いてあります。
 今最も重要な課題として言われているのが、省エネルギーの推進ですね。そのための排出ガス削減ということで、CO2部門別の排出量を見てみると、ぱっと見てわかるとおり、エネルギーの転換部門と、それから産業部門、運輸部門で相当大きな割合を占めているということで、この分野におけるエネルギー転換、利用率の向上を実現していくということが大事だということを皆さん一目瞭然だと思います。そこで、強く、軽く、熱に強い構造材料が求められています。
 ということで、産業競争力という面でも、これは極めて重要だということを言いたいんですが、国内の輸出産業の中で工業材料の輸出比率ですが、存在感は年々向上しています。しかしながら同時に、この分野においても新興国が激しく追い上げているということで、だからこそ今この革新的な構造材料の開発、それから適用を進めていかなければいけないと考えているんですが、この技術がどんどん進化することによって他産業の国際競争力をも牽引してもらうことを期待をしているということです。
 これは最新型の航空機のエンジンの断面図でございますが、今までは大体チタン合金とかニッケル合金を使っていたということですね。これからは金属間化合物とかセラミックス複合材料とか繊維強化プラスチックス、このようなものの適用も検討に入れようと、一部おそらく使っていると思いますが、このようなものをしっかり組み合わせて世界と勝負していく。正に日本の部素材産業は、これから世界と勝負をしていかなければいけないということだと考えております。そのためにSIPを活用していこうということです。
 「目標」と書いてありますが、基礎研究の部分は文部科学省が中心となって進めてきた、出口の部分は経済産業省が担当してきたということですが、とにかくもう少し仲良くしてもらうということで、真ん中に府省連携ということで内閣府が入った、正にSIPが各省を連携させて物事を前に進めていくというコンセプトなんですが、手を取り合って行ってもらう。
 このような体制を作りつつ、輸送機器を軽く、エンジン・発電機器のエネルギー利用効率をアップするというところを目指していく。そして、産業としては、航空機関連部素材出荷額を2030年に向けて1兆円規模にしていこうと、このような目標を立てております。
 そのために何が必要かと、拠点を作るということが大事なんですね。4拠点となっています。それぞれの研究開発項目毎の拠点を作る。例えば樹脂・繊維強化プラスチックス、セラミックスコーティング、それからもう一つ、耐熱合金・金属間化合物、これらの拠点を日本のあちこちに作っていくということなんですね。
 実は、このテーマのプログラムディレクターを行っていただいている岸先生(岸輝雄新構造材料技術研究組合理事長・東京大学名誉教授)は、ここに是非マテリアルズインテグレーションというものを作りたいと。つまり、四つ目の拠点を作って、いわゆる革新的な構造材料を研究している方々のネットワークを構築したい。ここで研究開発を進めて、この革新的な構造材料の研究開発を加速したいと考えていまして、何か困ったことがあったら、ここに集まってくるような拠点を作りたいと岸PDがおっしゃっていまして、大変説得力がある話だと思っています。この4拠点を中心に、オールジャパンで世界と戦う体制を整えていくというのがこのSIPのコンセプトです。
 ということで、岸先生、この分野のPDとして本当に最高権威のお一人でありますが、SIPの問題に関する第三者委員会でも実は大変御尽力いただきましたが、岸PDは、新構造材料技術研究組合理事長も務めている。つまり、全体を俯瞰(ふかん)してもらえる立場にあるので、人格、識見、それから専門分野、あらゆる意味ですばらしい方だと思いますが、重複を排除して物事を前に進めていっていただくという点でいうと、最もふさわしい人材ではないかと思っています。
 「ひと言」と書いてありますが、日本の輸出産業の根幹を担っているんだ、そして世界と勝負していくんだと。
 「革新的構造材料」では、大学・研究機関の総力を挙げる。今まで蓄積してきた様々な資源を使って、日本の挑戦を支えていくということで、プラスアルファ、先程申し上げた産学官連携の下で拠点・ネットワークを形成していきたいということで、このSIPの今日御紹介した三つ目の「革新的構造材料」研究のこれからの進展にも、是非皆さんには注目をしていただきたいと思います。
 平成26年度35億円の予算をつけてあります。
 何か御質問があればお受けしたいと思います。

2.質疑応答

(問)日経の黒瀬です。eガバメント閣僚会議についてなんですけれども、中身について、行政のIT化などを図っていってコスト削減などを目指していくということだと思うんですけども、具体的な目標数字みたいなというのは今日は出てきたんでしょうか。
(答)これはいくつかあったと思いますね。まず一つは、IT戦略本部でも進めてきた行政のIT化、効率化、これは遠藤CIOと協力をして行ってきましたが、総務大臣も強いイニシアチブで、行政のIT化、効率化を核を持って行うんだというお話を今日はされていましたが、具体的な目標として言うと、今日いろいろ出てきたと思いますが、全体で確か1兆円ぐらいの規模になると、そのぐらいの効率化はできるということですよね。確か30%ぐらいいろいろな分野のコストを削減していく等々の少し目標数値があったと思いますが、それは確認しますね、細かいところは。
(問)もう一点よろしいですか。すみません、もう一点は、冒頭のところで、24日の臨時閣議で決定された「骨太の方針」、これはほとんど百点満点に近いというお話なんですけども、これは大臣の領域のものが入って、その領域に関しては百点満点に近いということですか。
(答)そうです。百点満点というのは、私の立場からいくと百点満点は言い過ぎかもしれませんが、90点ぐらいかな、私の分野において。成長戦略、「骨太方針」に是非入れてほしかった文言は盛り込まれた。例えば、科学技術イノベーション政策について言うと、これは総理のバックアップがあり、甘利大臣からいろいろと力強い御支援もあったし、下村大臣ともしっかり協力をしてきたわけであって、成長戦略の中で、ずっとこの記者会見でも申し上げていたとおり、科学技術イノベーションをコアに位置付けるという点では相当踏み込んでいただいた。しかし、成長戦略の中で科学技術イノベーション政策を更に中核に持っていくという努力は科学技術政策担当大臣として行いたいと思っているんです。
 ですから、例えば総合科学技術・イノベーション会議の司令塔機能の話がありましたが、今後の課題として、これは予算戦略会議でも申し上げましたが、例えば産業競争力会議、もちろんきちんと連携しているんです、合同会議を行ったり、あるいは有識者でいうと東大の橋本先生のような方に両方のメンバーになっていただいているということですが、例えば更にこのような連携を強めていく。それから、私から申し上げたんですが、経済財政諮問会議とも、よく甘利大臣にもお願いをして、総合科学技術・イノベーション会議との連携を少し強めていただくと、そのような中で、例えば科学技術予算の、特に科学技術振興費の増額とか、あるいは成長戦略における科学技術イノベーション政策のより一層の重点化のようなものが進めていけるのではないかということで、かなりいろいろな意味で進展はあったと思いますが、ここから更に前に押し進めていきたいという気はしています。
(問)琉球新報の問山です。先日もちょっとお伺いしたんですが、沖縄県の鉄軌道の導入についてお伺いします。18日の仲井眞知事からの要請では、全国新幹線鉄道整備法を参考にした特例制度を創設して鉄軌道を導入してほしいという具体的な要請事項になっていたと思うんですが、県はこういった特例制度を作って、公設民営の上下分離方式であれば、単年度黒字はできるということで鉄軌道を要望しているんですが、この特例制度の創設について、現在、大臣としては、鉄軌道についてはしっかり検討するというお答えをされているんですが、どのようにお考えでしょうか。
(答)御存じのとおり、平成26年度の予算で調査の予算をつけましたから、その中で、よりきちんとまず調査をしていきたいと思いますし、前回の記者会見でも申し上げましたが、これが非常に沖縄側の強い要望であるということは受け止めました。ただ、その方式をどうするのかということを含めて、今、政府の中で真剣に検討しております。現時点で沖縄側から要望があった仕組みについては、まだこの段階ではコメントできないと思うんですが、沖縄県側から要望のあった仕組みを含めて政府の中で真剣に検討したいと考えています。
(問)日刊工業新聞の小川です。
 昨日、ImPACTの関係でプログラム・マネージャーの方々にお会いした感想というのを改めてと、期待することを改めてお願いします。
(答)聞いてくれて本当にありがとうございます。昨日、ImPACTのプログラム・マネージャーに決まった12名の方々からプレゼンをしていただいたんですね。これは本当に皆さん全員に聞いていただきたかったんですが、私はかなりおもしろいと思っていまして、改めてこのImPACT、はっきり言って、出口ははっきり今わかりません。スピンオフで様々な出口があるということになると思いますが、少なくともこの12人のプログラム・マネージャーの方々が考えている分野は、将来の日本の産業力強化に関しては大きな可能性があると思うんです。
 昨日初めて12名の方々、プログラム・マネージャーに決まった方々からプレゼンをいただきましたが、ImPACTを作って本当によかったと思いました。ただ、同時に、やはりImPACTはいろいろ、今度の12名の方々のプログラムにもいろいろな種類の違いがあって、より少し短期的に何か成果が出てくるものと、もっと長期的なスパンで考えなければいけないものがあると思うんですが、やはりどのような形であれ成果を出していくということが大事かなと、このImPACTから、わくわくするような成果が生まれる非連続的なイノベーションを実現できるベストプラクティス、ロールモデルが、1つでも生まれると、特に日本政府の中にも、ああ、このようにハイリスク・ハイリターンの研究を応援するということは意味があるんだと、このような感覚を持ってもらえるのではないかと、ある意味で言うと、科学技術イノベーションに対する日本の文化を変えるというきっかけにもなると思うので、改めて政府としてこのPMの方々をがっちり応援していこうということを強く感じました。
(問)関連で、SIPの場合ですと比較的目標が短期なので、10戦10勝みたいなことだと思うんですけれども、ImPACTの場合ですと、おっしゃるように目標がすごく長距離だったりとか、比較的中期だったりとかすると思うんですけれども、何をもって成功と言えばいいんでしょうか。
(答)それはなかなか難しいと思うんですが、SIPとImPACTの違いはおっしゃったとおりだと思うんです。ただ、昨日のいろいろな議論の中でも出ていたんですが、おそらくプログラム・マネージャーの方々との議論の中で、どのようにしてこれを例えば事業化に結びつけていくのか、どのようにして産業化に結びつけていくのかというシステムそのものについても、もしかすると新しいものが出てくるかもしれないという気がしました。
 これはとにかく初めての試みですよね。アメリカの国防総省のDARPA(国防高等研究計画局)のプログラムを経験した方も何人かいるんですが、DARPAは国防総省という受け皿があるので少しImPACTとは違うと、あらゆる意味で新しい仕組みなので、この仕組みを進めていく中でこのImPACTのような研究を、どのようにして産業化に結びつけていくのかという新たな手法、このようなことについても多分議論できると思うし、実際にいくつかのもう既にその場でアイデアもあったんですが、まずそのような仕組み、魔の川を越え、死の谷を越え、ダーウィンの海を泳ぎ切っていくような仕組みも、少しこの試みの中から出てくるのではないかなという感じがします。
 何をもって成功と言うのかというのは難しいんですが、いろいろな要素があると思いますが、私の感覚で言うと、やはり国民がわくわくするかどうか、この技術ってすごく夢があって、何か起こるのではないかと、このような期待感が国民の人たちの中から生まれてくるような展開になっていけば、ImPACTが評価されるのではないかと思っています。
(問)基金で550億円という形でしたけれども、確か5年程度だと思うんですけれども、その以降の支援というのはどうすればいいんでしょうか。
(答)先程申し上げたとおり、科学技術政策担当大臣としてハイリスク・ハイインパクトなプロジェクト、研究開発を、応援する文化を作るべきだと思っているんです。ですからこれは今550億円、あの厳しい補正予算の中で財務省を含め関係各省の理解を得られたということはすごく感謝しているし、無駄にしてはいけないと思うので、この5年間で、先程言った国民をわくわくさせるような研究成果、あるいは展開が出てくるかということによると思うんです。今の段階で5年で550億円、その後どうするんだということは、なかなか言えないと思うんです。
 だから個人的に言うと、個人的にという言い方はないのかもしれないけれども、科学技術政策担当大臣として、このようなものがもっと継続的にハイリスク・ハイリターンなイノベーションを応援する仕組みができればいいなと思いますし、このImPACTの550億円を使っていいものができれば、将来につながっていく可能性は高いのではないかなと思います。
(問)先程の質問の追加なんですけれども、大臣はしっかり検討していきたいということなんですが、仲井眞知事はなるべく早く検討結果を出してほしいと要請していたと思うんですが、今年度もう予算がついているということなんですが、いつ頃までに政府として検討結果を出したいというふうに。
(答)それは現時点ではまだわからないですね。ただ、仲井眞知事が早く検討結果を出してほしいとおっしゃったことも含めて検討させていただきたいと思います。
(問)共同通信の須江と申します。ImPACTの関係で昨日もおっしゃっていたと思うんですけれども、アメリカのDARPAと比べて、DARPAは国防総省という受け皿があるけれども、日本はちょっと違うと、ある意味日本独自だということも昨日おっしゃっていたかと思うんですけれども、改めてそれによる利点といいますか、メリットといいますか、期待されること、ちょっと細かい話ですけれども、お聞かせいただければと思います。
(答)それによるDARPAと違う利点ということですか。
(問)DARPAは国防総省という受け皿があるけれども、日本の今回のシステムはそうじゃないのでちょっと違うというのをおっしゃっていましたけれども、そのシステムが違うことによる利点というんでしょうか、期待されることといいますか、あればと思ったんですけれども。
(答)それはなかなか具体的にどこが利点なのかと現時点で言うのは難しいと思うんですが、私の感覚で言うと、異分野融合で何か新しいものを生み出していくと、1人のプロデューサーがこのような方向性を目指して、そこでベストキャスティングを行いながら進んでいく中で、新しいものを生み出していくということで言うと、非常に自由な発想でいけるのではないかなと、直感的にそのような気はします。あまり全体として方向性に縛られていないという点で言うと、この仕組みはいいのではないかという評価をいただいていると思います。ただ、どのようなメリットがあるのかということは、これから進めていく中でいろいろと出てくるのかなという気もしています。
(問)そのDARPAとの比較に関してなんですけれども、DARPAというのは基本的に安全保障という点で大目標があり、その中でスピンオフとしていろいろな技術が波及していくというシステム、つまり大目標が非常に明確であると、一方で、日本のImPACTというのは、なかなか的を絞りづらい部分もあるのかなと、その辺はどういうふうにインセンティブというかそういうものをどう考えていくのか。
(答)的は絞っていないわけではないのであって、それぞれImPACTのテーマとして出した五つのコンセプトがありますよね。それは細かくこのような技術を開発するとは書いていないんですが、例えば日本が少子高齢化、資源小国という限界を超えて発展していくための、しっかりとした方向性を打ち出していると思うんです。だからそれぞれのコンセプトを見ていただければ、的が絞られていないということはないと思います。いろいろな意味でグローバルな流れからいっても、これからの日本の未来を考える上でも、このような技術、このような社会になってほしいと、そのような明確な目標はその中で私はあると思っています。
 それから、先程日経の黒瀬さんの方からのお話で、eガバメントの目標について先程は失礼しました。話に出ているのは、国・地方の運用コスト3割相当の圧縮ということで、例えば統合による政府情報システムの統廃合、クラウド化によるシステム数の削減、2012年度1,450というのが2021年度で549になっていますので、これをどんどん拡大していくと、それから大規模システムのコスト削減とか、あるいは自治体情報システムのクラウド化の加速、2013年度3割だったのが2017年度6割になっていますが、このようなことをどんどん通じてコスト削減を図っていくということです。新藤大臣の方からもあったと思いますが、1兆円近いコスト削減、全体としてはそのような可能性もあるのではないかということです。
(問)時事通信の石田ですけれども、今の1兆円と3割相当の圧縮のことなんですけれども、これはいつまでにとかそういうスケジュール的なものは出たんでしょうか。
(答)1兆円というのは何度か大臣の口から出たと思いますが、1兆円規模の数字になる可能性があるということで、それをいつまでにという話は出ていないと思うんです。

(事務方)行政情報システムの半減とか、あるいはシステムの運用コストの3割減、山本大臣所管のところにつきましては2021年という。

(答)今言った、総務省から出てきている大臣が言っている1兆円がどうのというところはないですよね。

(事務方)あれは業務の見直しも含めて、その行政コストも含めて1兆円ということですので。

(答)世界最先端IT国家宣言にも出てきています。工程表の中の2021年度までに3割削減というのは出ています。そのようなところは出ていますが、今言った全部含めて1兆円ぐらいの規模になる可能性があるのではないかという話なので、それについては特に具体的な数字は、日程のようなものは出ていないと思います。
 よろしいでしょうか、ありがとうございました。

・説明資料(PDF形式:432KB)

(以上)