山本内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成26年6月17日

(平成26年6月17日(火) 11:52~12:26  於:中央合同庁舎第8号館1階S106記者会見室)

1.発言要旨

 記者会見の時間が遅れまして申しわけありませんでした。宜仁親王殿下の御葬儀から直接まいりましたのでお詫びをしたいと思います。
 今日は最初に、科学技術政策担当大臣として一言申し上げたいと思います。
 昨日16日、若山照彦山梨大学教授、STAP論文の共著者が記者会見を開いて、STAP幹細胞について、第三者機関に依頼していた解析結果を発表したということを伺いました。
 STAP細胞は、当初は若山教授から提供されたマウスから作成したとされていました。しかしながら、第三者機関の解析結果によると、解析を依頼した細胞の一部は、同教授が小保方氏に依頼したマウスから作成されたものではないということが明らかになったということです。
 一方、STAP細胞がないという証明はできず、小保方氏が自身でこの問題の解決に向けて行動してほしいと語ったとも伺っております。
 科学技術政策担当大臣としては、先週末13日に野依理事長(野依良治理化学研究所理事長)にお会いした際に、STAP論文に関する疑義について徹底的に調査してほしいとお願いをしたところであり、理研が全容解明に向けた取組を進めることを期待をしております。
 理研における対応状況を見極めた上で、今後の対応について判断をしてまいりたいと思いますが、前回の記者会見でも申し上げたとおり、今回の件を徹底的に検証して、論文の話もそうですし、いろいろと疑義の出ている点について、何が正しくて、何が正しくないのかということをはっきりさせておかないと、今後本当に努力をしてすばらしい研究成果を出すかもしれない若手・女性研究者、このような方々をどんどん活用していこうと、チャンスを与えようという、そのような流れに歯止めがかかってしまうということを大変恐れておりますので、前回も申し上げましたが、今疑義が出ている部分も含めて徹底的に解明をしていただきたいと科学技術政策担当大臣として考えています。
 理化学研究所には依然として期待をしておりまして、期待をしているからこそ、きちんとしたガバナンスと危機管理マネジメントを示していただいて不正防止についての体制を作っていただきたいと考えております。
 最初の発言は以上で、今日のプレゼンは二つお話をさせていただきたいと思います。
 一つは、総合海洋政策本部「排他的経済水域等の海域管理の在り方検討チーム」、私の下に関係各省の副大臣を集めて議論をしていたチームの検討結果、先般まとまりましたので、改めて御報告したいと思います。
 この排他的経済水域(EEZ)等の海域管理の在り方検討チーム設置の背景ですが、海洋基本計画、平成25年4月に閣議決定された海洋基本計画の中に、排他的経済水域等の開発等を推進するため、海域の適切な在り方に関する方針を策定するということが書かれております。
 なおかつ、「海域管理に係る包括的な法体系の整備を進める」と、このような中身が盛り込まれました。これを受けて排他的経済水域等の海域管理の在り方に関するチームを作ったということです。
 検討チームの目的は、ここに書いてありますが、海洋産業の振興のために、この適切な管理の在り方を検討するということで3月に設置したということです。
 検討チームの主な出席者ですが、私は海洋政策担当大臣、チーム長ということで後藤田正純内閣府副大臣、牧野たかお外務副大臣、櫻田義孝文部科学副大臣、江藤拓農林水産副大臣、松島みどり経済産業副大臣、野上浩太郎国土交通副大臣、北川知克環境副大臣と、このメンバーで何回か議論を重ねてきました。
 検討経緯ですが、3月5日に、まず今の排他的経済水域等の利用を巡る実態、それから今後の見通しについて議論しました。
 4月22日には、海域利用に関する円滑な調整について話し合いました。
 5月28日に、開発と環境保全の調和ということをテーマに議論をして、6月10日、検討結果をまとめたと、このような流れです。
 検討の結果を申し上げますが、海域管理のありうべき姿と海域管理の目指すべき方向性と、このようなことをまとめたということです。
 ありうべき姿としては、海洋産業を始めとする多様な経済活動を推進するということは、これは成長戦略の観点からも重要だということが1点。
 環境保全を図りつつ、既存の利用者である漁業者等が不利益を被ることなく、ここも非常に大事なポイントですが、多様で重複する海域の利用を円滑且つ効果的に調整し、海洋を最大限に利用することが必要だと、このような結論になりました。
 方向性ですが、先程も申し上げたとおり、円滑な利用調整のためには、やはり海域の新規利用者と既存利用者との丁寧な対話が必要だということで、信頼関係をしっかり作りながら関係者の理解を得ていくことが大事だということです。
 二つ目、目指すべき方向性としては、EEZ等における海洋エネルギー・鉱物資源開発というものは、採算性、技術的理由から、直ちに商業化を行うという状況にはないと、これは確認をいたしました。
 更に言うと、浮体式の洋上風力についても、当面は技術的な課題の解決等に、国が中心となって実証実験に取り組んでいると、そのような段階で、まだ商業化には時間がかかるということも確認をいたしました。
 このようなことを踏まえた上で、一方、海洋再生可能エネルギーについては、技術開発、それから実証事業、利用調整のための環境整備が領海内においては既に取り組まれているということです。
 海域管理の目指すべき方向性ということについては、海域の利用に当たっては、科学的な情報を踏まえて、環境影響評価等により環境の保全に十分配慮することで、開発と環境保全の調和が大事だと。これは熱水鉱床のオハラエビですが、海洋産業の振興、海洋エネルギー開発を行っていく上では環境保全の調和も大事だということです。
 検討結果のまとめですが、一言でいうと、この検討チームは法制化を直接議論するチームではありませんから、少なくともEEZ、それから領海を含む海域について海洋産業の振興、海洋エネルギーの開発を進めていくためには、何らかの調整メカニズムが必要だということは関係各省との政務とのいろいろな協議を通じて確認をいたしました。ただし、丁寧な利用調整が必要だということで、自治体、民間、漁業者等関係者の意見を聞きながら関係省庁が連携して、丁寧に個別の円滑化を図る仕組みを柔軟に取り組むということが今回のチームのまとめです。
 海洋政策本部で実証フィールドのプロジェクトを行っていまして、これをここでプレゼンさせていただきましたが、実証フィールドに応募してきた、様々な県の取組を見ると、実はその協議会の中心に漁協の組合長が就任をしたりして、自治体が中心になって調整がかなりできた段階で持ってきていますから、丁寧に進めていくということは簡単だと思います。
 ということで今の話ですが、ここから政務の段階で、この大臣、副大臣のチームで、何らかの海域の調整が必要だという話になりました。これを法律で行うのか、それともまた違う方法があるのかということはこれから検討していかなければいけないと思っていますが、ここからが大事なんですが、この結果を受けて、海洋政策担当大臣としては、総理から指示のあったEEZの海域管理に関する包括的な法整備に一歩踏み出していきたいと思います。
 安倍総理からは、このような法制の必要性についてしっかりと指示をされましたので、この総理の指示を受けてきちんと関係省庁を調整して、EEZ等、この会議に係る何らかの包括的な法律の整備、これは是非ここから精力的に海洋政策担当大臣として推進してまいりたいということを申し上げておきたいと思います。
 次、知的財産戦略担当大臣としてのプレゼンを行います。音楽産業の国際展開に関するタスクフォースについてです。ここでも何度も申し上げましたが、知的財産戦略本部で、いくつかのタスクフォースを作って、2014年の新たな知財ビジョンについてのいろいろな取組を進めてきました。その中に音楽産業の国際展開に関するタスクフォースというものがあるので、このタスクフォースを初めの例として、私自身が関係大臣に働きかけるというメカニズムを作りたいと申し上げていたんですが、最初の例が出てきたので、それを皆さんに御紹介したいと思います。
 タスクフォース報告書は、先般まとめられましたが、概要を簡単に言うと、点の取組みを線とか面にする。現地のファンを囲い込むということですね。官民一体、業界全体で海外に行けるインフラ作りも必要だということですね。管理団体の能力を育成するとか、海賊版対策も必要です。
 それから現地市場、外国勢の動向を徹底的に調査する。例えば音楽の世界でいうと、韓流に押されているんですが、どこまで押されているのか。これからのトレンドはどうなっていくのかということについて、実はきちんとしたマーケティング調査がありません。このようなことが必要だと思っています。
 それから最初から海外を狙うアーティストの育成、ソフト作り。韓国の例ばかりですが、例えば韓国の音楽産業の戦略を見れば、例えばワンダーウーマンはアメリカとか、例えば2PMはどこどことか、このアーティストは中国のマーケットを睨んで育てようとか、そのようなはっきりしたアーティスト育成の戦略があると。このようなところもしっかり参考にするべきだと思っています。
 それから音楽を利用、活用したインバウンド。もちろん、音楽もものすごく海外からいろいろな人を引きつけるために、有効なツールだと思います。コンサート会場を確保する、文化発信する、エンタメの集積地作り。これはコンサート会場の確保というのは、これから東京オリンピック、パラリンピックに向けていろいろな施設ができますから、そこをいかに、例えばライブの会場として活用していくかということも大事な視点だと思います。
 ということで、委員ですが、このようなメンバーです。なかなかいいメンバーだと思うんですが、一つ注目してもらいたいのは、いわゆる音楽関係者が一堂に会したタスクフォースというのは今までありませんでした。音楽の世界は、ものすごい簡単に言いますが、多分、戦略も二つにどちらかというと分かれている。CD販売中心にビジネスモデルを組み立てている流れと、それからこれは今世界の潮流なんですが、ライブを中心に稼いでいく、収益を上げていく、グッズに結びつけていく、ネットを活用していくような、大きく言うと二つの流れがあるんですが、それぞれこの大きな二つの流れ、単純には言えないんですが、両方の傾向を推進している業界の、特に一線で活躍する人たちをざっと集めたと。議長は重村博文キングレコード代表取締役社長にお願いをしたんですが、テイチクからマーヴェリック、フォーライフ、それからエイベックス、コンサートプロモーターズ協会とか、ホリプロの堀義貴会長にも出ていただきました。なかなかこのような形のメンバーで音楽産業のコンテンツを、いかに海外に出していくかということを今まで議論したことがなかったと。その意味では非常に私は貴重な機会だったと思っています。
 そこで、今、私の下でいわゆる六つの司令塔の機能について、司令塔連携・調整会議というものを立ち上げていろいろ議論しているのを皆さん御存じだと思うんですが、この司令塔連携の在り方について提言を今まとめています。おそらく7月ぐらいをメドにこの提言が出てくると思うんですが、各司令塔によってそれぞれ苦労しながら、いかに総合調整機能を高めるかということを行ってきたんですね。もちろん知財は知財でいろいろ行ってきたんですが、一つ新たな方法として、タスクフォースというものをどうして行っているかというと、知財推進計画2014にその議論を反映させるということなんですが、タスクフォースでこれだけのメンバーを集めていろいろな話をしているわけですから、それ自体を担当大臣として提言として受け取って、私のルートで直接関係大臣に働きかけると、そのようなツールを実質実験的に作りたいと思って、実は知財本部、大臣としての申入れということで、特に音楽コンテンツの輸出に関して言うと、総務省、経済産業省、文部科学省、この三つの省庁について、直接タスクフォースの提言を持っていくと。このようなことを今試みております。
 ということで、下村文部科学大臣と、新藤総務大臣と、茂木経済産業大臣に個々に約束をとって、知財タスクフォース、この音楽産業、海外コンテンツのモデルとして音楽産業をしっかりと売り込んでいく。このタスクフォースの提言について、申入れをさせていただきました。3大臣と個別に会ってお願いをしてきました。例えば文科省でいうと、著作権の問題、それから海賊版の取締りの問題、それから業界、大学、専門学校との連携促進、海外留学研修の機会の提供の拡大とか、あるいは国内コンサート会場等にも活用できるような形でのインフラ整備、このようなことをよくお願いをしてきました。下村大臣の方からは、代々木の国立競技場、あそこを音楽イベントにも使えるようにするというような話があって、これも年間10回とか12回とか13回とか行うと、きちんとプロフィットが出るということなので、そのような話も直接下村大臣の方からいただいています。
 それから新藤大臣に対しては、これは総務省ですから、まず海外での放送番組の流通の促進、放送枠の確保等の支援、これは音楽を売り込んでいくためには非常に大事だと思っております。それからローカライズ・プロモーション実施に関してもいろいろと支援をしてほしいと。それからビジット・ジャパン施策との連携による海外でのPR活動についても、総務省の方で是非フォローしてほしいということをお願いをしました。
 茂木経産大臣にもお願いをしてきました。海外でのプロモーション・ローカライズ実施、これは経産省に是非行ってほしいと。それから拠点の構築、販売活動等の支援も経産省に中心になって行ってもらいたいということをお願いをしてきました。先程言った動向調査、各国別の市場動向、今の音楽産業の状況、今、韓流がどのぐらい浸透して、そのまま拡大しているのか、それとも少し縮小しているのか。例えば欧米の音楽はどのような感じになっているのか、このような市場動向等の調査、これは経産省で是非行っていきたいと強くお願いをしてきました。それからビジット・ジャパン施策の連携、これは総務大臣にお願いしたことと同じです。
 それから海外展開に必要な人材確保、海外研修機会の提供ということなんですが、これはやはり、例えばハリウッドに行って活躍するなかなか日本プロデューサーがいないように、エンターテイメント産業でいわゆるグローバルなプロデュースをする人材が、私は足りないとずっと知的財産戦略担当大臣として思っていまして、経済産業省の方でこのような人を育てる予算もあるようなので、これをどこかできちんと視察しようと思いますが、音楽についてもこのようなことを是非お願いしたいということを言ってきました。当然、海賊版取締りの強化、これは大事だと思いますし、侵害発生国への働きかけというのも大事だと思っております。
 ということで、新しい、最初なのでここからどのように展開するかわかりませんが、少なくとも知的財産戦略担当大臣が直接関係大臣にお願いするというルートを、今回作れたと思っていまして、ここに少し磨きをかけていくと、知財戦略の横串を刺していく上では、一つのきっかけになるのではないかと思っています。
 ということで、二つ、少し長くなりましたが、できるだけ早口で行いました。何か御質問があれば、お受けしたいと思います。

2.質疑応答

(問)読売の梁田です。ありがとうございます。海洋の関係でなんですけれども、今、改めて大臣、EEZに関する包括的法制を整備していく方向でという決意をお示ししていたかと思うんですが、やはり一定の海域をやはり管理する、日本としてルールを設定するという方向に行くと、法律となると、逆にほかの国を刺激するような恐れもあると思うんですが、そこに関してはどのような配慮をしていくのかという点、それからあと副大臣の皆さんとで一致したところとして、いろいろな利益を持つ方たちの調整メカニズムは必要であると。そこでそういう利益団体の間での自主的な調整というのは考え得ると思うんですが、あえて国として法律を整備する必要があるというふうに判断なさったのは、どういった理由からでしょうか。
(答)まず、最初の質問についてですが、どうしてこの法整備を行うのか。その目的は海洋産業振興、それから新たな海洋エネルギーの開発ということであって、それ以外の目的というのはありません。これが今回法律を整備する目的です。更に同様の法律を諸外国も持っていますから、日本が持っていないということ自体が、私は不自然だと思っていますので、これについて海外から反発をされるとか、いろいろと論争を巻き起こすとか、そのような種類のものではないと思っています。日本として当然考えるべきことだと思っています。
 それから海域管理のことについて言いますと、何らかの利害調整メカニズム、調整メカニズムが必要だと、これはもう完全に一致しました。海洋実証フィールドのプロジェクトを行って、海洋政策本部に相当頑張ってもらいましたが、いろいろなところが手を挙げて、今、いろいろと有識者のチームで審査をしているところなんですが、幾つか出てきたケースを見ると、きちんと現地の例えば漁業組合の組合長がその協議会の理事長になっているケースがあって、それはすなわち海洋産業の振興、あるいは海洋再生可能エネルギーの振興と、例えば漁業、これがウィンウィンの関係になったからだと思うんですね。ですから、丁寧な調整を通じてこのようなメカニズムを作るということは十分可能だと思いますし、そこに地方自治体が入っていく、やはり国がまとめていくというニーズも、私はあるのではないかと。
 もう一回言いますが、環境保全との調和も考えつつ、丁寧に行っていくということは大事だと考えています。
(問)NHKの高野です。石原大臣の「金目」発言についてどのように受け止めていらっしゃいますでしょうか。
(答)それは、石原大臣がその後、御説明をされた、そのとおりだと思いますので、それ以上のコメントは控えたいと思います。
(問)特に不適切であるとか、そういうふうにもお考えにはならないでしょうか。
(答)それは石原大臣がその発言の中身というか、意図について御説明をされたと。そのとおりだと思っています。
(問)科学新聞の中村です。一番最初のSTAPに関連して、若手女性の足を引っ張ることがないようにという発言があったかと思うんですけれども、これではっきりさせて、そういうことがなくするのは当然なんですけれども、その後に若手とか女性の研究者が活躍できるような何らかの方策、これとは別に何かお考えでしょうか。
(答)この閣議後記者会見でも何度か申し上げましたが、今回のSTAP細胞の発見は、本当にライフサイエンスの常識を覆す大発見だと報道されて、私も科学技術政策担当大臣として本当にすばらしいニュースだと思いましたし、理研の野依理事長が、これも何度か言いましたが、最初に会った時に、とにかくレイバーからリーダーへと。若手の研究者、女性研究者、このような人たちが下働きに終わるのではなくて、早く独立させてリーダーとして育てたいと。これがやはり日本の科学技術イノベーションにとって大事なんだということをずっとおっしゃっていたんですね。その野依理事長の考え方は私は非常に正しいと思っていまして、そのような文化の中からSTAP細胞が生まれたと思っていたんです。このような残念な展開になるとは全く思っていませんでした。
 例えば、今回のSTAP細胞問題の原因、それから詳細な背景、このようなものをきちんと検証しておかないと、何となく「ジャパン」と言った時に、確か岸委員長(岸輝雄改革委員会委員長)も報告書の中で書いていたかもしれませんが、会見で言われたのかわかりませんが、何とかここで不正防止対策について、原因を究明して不正防止対策というものをきちんと行わないと、何となく日本の研究、若手研究者が誤ったイメージでとられてしまうということを非常に恐れているんです。ですから、先程申し上げたとおり、理研は世界最高水準の研究開発法人の一つとして実績を上げてきたわけだから、ここは本当に崖っぷちだという気持ちを持ってもらって、徹底的に自己改革を行って、新たなスタートを切ってほしいと思います。
 先程申し上げたとおり、特定国立研究開発法人の件については、これからの対応を見ながらどうするかということを考えていかなければいけないと思いますが、そこを理研がどこまできちんと再スタートを切っていただけるかというところにかかっていますし、もう一回言いますが、徹底的な調査と検証を通じて、不正防止対策というものを打ち出して、コンプライアンスというものをきちんと担保する仕組みをきちんと打ち出して、特定国立研究開発法人の法案を、なかなか大変だと思いますが、できるならば秋の国会に担当大臣としては出したいと。それはまだあきらめてないということを申し上げておきたいと思います。
(問)沖縄タイムスの大野です。EEZの漁業権益を守るという観点から質問させてください。沖縄でマグロのはえ縄が切断される被害が5月に発生しました。漁業者の目撃情報では、米軍の音響観測艦、インペッカブルの切断が疑われているんですけれども、沖縄では漁業関係者は原因の徹底究明と米軍への損害賠償請求への米政府との仲介を日本政府に対して求めているんですけれども、EEZでの権益を守るという観点から、これどのように対応していかれるべきだとお考えでしょうか。
(答)今の個別の問題は、沖縄振興担当大臣である私の所掌というよりは、アメリカ政府との関係もあるので、外務大臣、防衛大臣にお答えいただくのがいいと思います。一般論として言うと、漁業も含めて沖縄経済に関わることについて言えば、いろいろな沖縄側の要請というものについては振興に係る面ももちろん出てくるので、それは一つ一つよく要望をお聞きをして、対応を政府として考えていくべきだろうと思います。
(問)日刊工業の小川です。2点お伺いしたくて。まず1点目は、海洋実証フィールドの選定なんですけれども、来月中ぐらいには選定は可能なんでしょうか。
(答)はっきりした時期は決まっていませんが、7月中のような感じで、今、有識者の間のいろいろな検討が進んでいるということです。いくつかは非常に有望な案件も出てきているような気がします。
(問)2点目で、STAP関連で、秋の臨時国会に特定国立研究開発法人の法案の提出をあきらめてないということですけれども、理研の改革の仕方として、改革委員会が示したもし案を仮に丸のみするとしても、例えばCDB(理化学研究所発生・再生科学総合研究所)の解体のようなことというのは、人の異動とかが伴いますから、秋までにというのは到底不可能だと思うんですけれども、ある程度、理研側でこうしますという方向性を示せば、それはオーケーという理解でよろしいんでしょうか。
(答)それは今の時点で、これとこれがこうなれば法案を出せるというようなことは言えないと思うんですね。改革委員会が出した報告書の中身についても、私の印象としては非常に説得力があったと思いますが、それは理研だけでできることと、それからおそらく下村大臣のリーダーシップが必要な部分と、いろいろあると思うので、一つ一つの提言の中身についてどこまで取り組むのかということは、私の今の立場ではなかなか判断しにくいと思います。
 ただ、報告書の全体のトーンにあるように、徹底的に検証して、しっかりと疑義のある点は解明をして、少なくとも厳しい措置をしっかりととって、再スタートを切る必要があるということについては、方向性としては、それはどうしても必要だと思います。そのようなものをしっかりと示せなければ、法案は出せないと思います。秋の臨時国会に法案を出すということは、決して簡単ではないと思います。
 ただ、もう一回言いますが、科学技術政策担当大臣として特定国立研究開発法人制度の重要性を強く認識をしておりますので、できれば秋の臨時国会に出したいという気持ちは変わりません。ただ、そのためには、今おっしゃられたように、理研がどのようなこれから対応を示していけるのかということが非常に大事だと思います。
(問)繰り返しになりますけれども、例えば理研がどこまでやれるかというのは、時間的なやっぱりタイムラグ、どうしても生じてしまうと思うんですよね。仮に全て望みどおり秋までできなかったとしても、こうやりますと理事長なりが言明して、こういう方向性を示しますということをある程度示せば、それは大臣としては。
(答)ある程度示すという中身もはっきりしないので、今の段階では、これとこれとこれを行ったらという話はなかなかできないと思います。そんな簡単ではありません。これはなかなか難しいと思います。ただし、秋まで対応を見極めて、先程申し上げたとおり、ガバナンスの面でも不正防止対策の面でもきちんと対応して、再スタートを切れるということになったら、またいろいろな考え方もあるかもしれません。今の段階で、これとこれを行ったら、ここまで行ったらこうなるということは、言えないと思います。
(問)共同通信の須江と申します。STAP細胞関連の問題で、先程大臣が疑義は徹底的に解明をとおっしゃいましたけれども、今、この論文に関しては懲戒委員会も進んでおります。懲戒委員会は基本的に調査委員会の結果に基づいてだとは思いますが、こういったいろんな疑義が残っている時点で、それを残したまま懲戒の結果を出すのはどうかという見方もできるかなとは思いますけれども、大臣としてどのようにお考えでしょうか。
(答)処分をどのような段階で出すのかということについては、これは理研の判断であると思うので、それについてコメントするつもりはありませんが、今、須江さんがおっしゃった論文の話も含めて、もう一回言いますが、方法は理研の方で考えていただければいいと思うんですが、科学技術政策担当大臣として見れば、今言った論文の疑義、それからマウスの話もありましたよね。昨今、報道でどうもマウスのことも出ているようですが、そのようなことも含めてやはりきちんと検証するべきだと。それをどのように行うのかということは、私が指示することではないですが、それは是非きちんと行ってほしいと。この理研を特定国立研究開発法人の一つとして法案を準備していたわけですから、別法で新しい制度を作ったわけですから、やはり理研をきちんと特定国立研究開発法人に位置付けるためには、徹底的な検証、本当に崖っぷちにあるという危機感を持っていただいて、徹底的な検証を進めてもらうと。このような姿勢が必要だと思いますので、そのような観点から言うと、今言った論文の話も、細かいことは言いません。疑義のある点については徹底的に調査をして、解明をして、その原因、対策というものを示していただきたいと強く思っております。
(問)フジテレビの鹿嶋です。石原大臣の発言について、すみません、繰り返しで恐縮ですが、石原大臣はこの発言に関して、公式な場での発言ではないということで、謝罪はしたんですが、撤回する意思はないということをおっしゃっていて、これは極めて中途半端な対応に思えるんですが、大臣としてはこの対応についてはいかが思われますでしょうか。
(答)繰り返しになって恐縮なんですが、石原大臣がこの件については説明をされていると。その説明のとおりだと私は思っています。
 よろしいですか、ありがとうございます。

・説明資料(PDF形式:450KB)

(以上)