山本内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成26年5月16日

(平成26年5月16日(金) 9:05~9:22  於:合同庁舎8号館1階S106会見室)

1.発言要旨

 閣議については、特に御報告することはありません。
 まず、IT政策担当大臣として一言申し上げたいと思います。
 オープンデータの取組の一環として昨年度に立ち上げた政府のデータカタログサイトの試行版ですが、4月1日から休止をしておりました。調達の手続を行いまして、本日5月16日の昼過ぎに、以前と同様の内容で再開を予定しております。御心配をおかけしましたが、再開されるということでお知らせをしたいと思います。
 また、休止期間に代替的なミラーサイトを民間の方々に立ち上げていただきました。このことについてもIT政策担当大臣として、このような方々のご協力に感謝を申し上げたいと思います。ありがとうございました。
 それから、次に宇宙政策担当大臣として一言コメントをさせていただきたいと思います。
 ロシアが国際宇宙ステーション(ISS)協力を2020年以降継続しない考えを表明したというような趣旨のことが報道されておりますが、ロシアの副首相が、2020年以降、国際宇宙ステーション(ISS)とは別のプロジェクトにリソースを割り当てる可能性について言及したと承知をしています。このロゴージン副首相と、それからオスタペンコ連邦宇宙庁長官の国際宇宙協力に関する会見というのが5月13日にあって、仮訳なんですが、先程読んでいましたら、このように言っています。「現在、2020年以降の次代のロシア宇宙プログラムの開発に関係する戦略的、長期的な新たな提案を作成中である。我々は、ISSの利用を2020年までとすることを計画中である。」と、これが正確な発言ということで、現時点ではロシア政府から我が国に対して、宇宙分野における協力関係の変更については何ら連絡を受けておりません。
 ISS計画は、これはアメリカ、ロシアを始め我が国を含む参加各国が協力しながら進めてまいりました。我が国への影響をしっかり見極めながら、この対応を検討してまいりたいと思っております。
 それから、5月14日の日経新聞の夕刊だったと思いますが、政府が資源開発で民間企業と協力する新組織を設置すると。日経新聞、大変しっかりしたメディアだと考えておりますが、この、政府は海底資源開発で民間企業と協力する新組織を総合海洋政策本部に設置すると、このような検討は現時点ではありません。私が知らないということはあり得ないので、これはどのような形で、どのような経緯でこのような記事になったのかはわかりませんが、政府としては承知をしておりません。これを見て少しびっくりしたんですが、私が海洋政策担当大臣で、総合海洋政策本部担当でございますので、現時点でこのような話はないということは一言申し上げたいと思います。特に批判するとか抗議するとか、それ程のことではないと思っております。
 それからもう一つ、昨日、安倍総理が記者会見で、集団的自衛権についての考え方を表明をされました。総理は、国民の生命と安全を守ると、このような観点から、熟慮の末、御判断をされたということです。ブログにも書きましたが、閣僚の一人として、あるいは外交安全保障に長年関わってきた政治家として、総理の考え方、昨日示された考え方を全面的に支持をしたいと思います。細かいことは申し上げませんが、総理の示された検討の基本的方向性を踏まえて行われるこの与党協議の結果、その後の対応が決定されると、このようなことになっていくと理解をしております。
 今日のプレゼン、さっと行いたいと思います。
 まず第一に、宇宙に関する包括的日米対話第2回、これはワシントンで行われました。
 5月9日、宇宙に関する包括的日米対話、これは日米間の宇宙協力について、安全保障分野、民生分野、幅広い分野で意見交換を行いました。これは2回目です。昨年3月の第1回会合は東京で行われました。
 主要参加者ですが、日本側の共同議長、内閣府宇宙戦略室、それから外務省総合外交政策局の代表、省庁としては、国家安全保障局、文科、経産、環境、防衛、それからJAXA(宇宙航空研究開発機構)という形で、アメリカ側は、共同議長として大統領府の国家安全保障会議及び大統領府科学技術政策局の代表で、アメリカ側からも関係省庁、国務省、国防省、商務省、運輸省、NASA(アメリカ航空宇宙局)等が参加をしたということです。
 概要を簡単に言いますと、一番のポイントは、日本の宇宙活動の活性化が日米双方の安全保障に不可欠な宇宙アセットの抗たん性の向上につながると、このような日米宇宙協力の新しい時代が到来したと、これが一番大きなポイントだと思います。これを確認したと。
 それから、日米宇宙協力を行動志向なものにすると、このような意図も確認をいたしました。
 それから、GPSと準天頂衛星システム、宇宙状況監視、宇宙を利用した海洋監視等について意見交換を行いました。
 3回目は、2015年の前半に東京で開催することで一致をいたしました。
 もう一つ話がありまして、平成26年5月19日、総合科学技術会議は「総合科学技術・イノベーション会議」に改組されます。
 会議の歴史を簡単に言いますと、昭和34年に科学技術会議が設置されました。その後、平成13年に内閣府に総合科学技術会議が作られて、自然科学だけではなく、人文科学を追加しました。そして、今般、総合科学技術会議が「総合科学技術・イノベーション会議」に改組され、「イノベーション」の業務を追加します。
 5月19日に内閣府設置法の一部を改正する法律が施行されます。
 皆さん御存知かと思いますが、所掌事務が追加され、SIPの執行が可能になります。また、「総合科学技術・イノベーション会議」の略称は、CSTI(Council for Science,Technology and Innovation)となります。これまでは、ソウカと呼んでいましたが、これを今後、どう呼ぶかについては、ソウベイにしようかという議論も今はありますが、まだ決まっておりません。
 また、訓令の整備ということで、プログラムディレクター(PD)、科学技術政策フェローの設置、それから革新的研究開発推進プログラム担当室の設置等ということで訓令を整備します。
 当面のイノベーションの取組課題ですが、SIPとImPACTの実施、それから、総合戦略の改定も6月にあります。これは閣議決定ですから、なかなか大きな話だと思います。
 それから、経済再生本部と規制改革会議等としっかり連携強化していくということも非常に重要なポイントだと思っています。
 加えて、イノベーションについての国民の関心喚起への取組です。これは、5月末に、私と小泉進次郎内閣府政務官とのコンビで、プロジェクトを発表したいと思っています。
 また、事務局体制の強化ということで、科学技術政策フェロー等を設置しますが、この司令塔強化をしっかりと発揮をして、「イノベーションに最適な国」の構築に向けて頑張っていきたいということです。
 SIPが本格的に始動しておりますが、10人の政策参与ですね、今、政策参与になっていますが、これをPDに決定をするということで、6月の上旬ぐらいになるんでしょうか、この方々、皆さん御存知だと思いますが、今後それぞれのプロジェクトが進んでいく中で、特徴あるプログラムについては随時この記者会見等々で報告をしていきたい、紹介をしていきたいと思います。
 ということで、科学技術政策フェローですね、これは結構いい試みだと自負しているんですが、これは実は京都で去年2回行った山本一太科学技術政策担当大臣と若手研究者との会で生まれました。
 これは懇談の模様なんですが、実は夜の懇談も行いまして、真面目な懇談なんですが、居酒屋で御飯食べながら行ったんですが、そこの居酒屋の名前で、この会はかぐや会というように、非常に安易なんですが、そのような名前がつきました。かぐや会の議論を通じて、とにかく大学・研究機関の若手も含めて少し内閣府でいろいろと修行の場を増やしてほしいという話がありまして、アメリカにAAASという団体にフェロー制度がありまして、政策立案に関与するこのような人材、科学技術政策のスペシャリストをどんどん育成しようというものがあって、それをある意味で踏襲するといいますか、参考にしながらこのようなことを進めていこうということで、内閣府、研究者、技術者とのコミュニケーションを促進する。内閣府で得た経験、ノウハウを大学・研究機関等に提供するということで、一言で言うと、現場の政策分析能力と内閣府の政策立案機能を強化するということです。
 このプログラムで、今までの助教授が准教授になったんでしたっけ。
 結構シニアの方々が内閣府に来ていたんですが、若い人たちも内閣府で少し修行をしていただく、いろいろと情報交換、知識の交換をしてもらうという形の流れにしたいと思っていますので、これはかぐや会のプロジェクトですが、なかなかいい芽を作れたのではないかと思っていますので、少しPRをさせていただきたいと思います。
 ということで、今日のプレゼンはこれで終わりたいと思います。何か御質問があればお受けしたいと思います。

2.質疑応答

(問)科学新聞の中村です。今の科学技術政策フェローのことなんですけれども、いつ頃には候補者というか対象者は決まりなんでしょうか。
(答)まだ検討中ですよね。もう少し後で大体流れを考えたいと思います。
(問)もう一つ、自民党の小委員会が今日にも報告書を出す、宇宙小委員会が報告書を出すと思うんですけれども、その中で、宇宙庁創設について、昔の自民党や民主党でもあったかと思うんですけど、言及しているんですけれども、大臣としては、これはどのように受け止めているんでしょうか。
(答)報告書の中身を全部細かく承知しているわけではないんですが、確かいくつか大胆な提言、宇宙庁の設置とか宇宙予算の一元化のような話が入っていたと思うんですね。なかなかそう簡単にはいかない部分もいろいろあると思うんですが、これはこれで大きな将来の宇宙政策の姿としての一つの考え方だと思いますので、与党の宇宙政策小委員会の提言、これはこれでしっかり宇宙政策担当大臣として踏まえていろいろと将来のことを考えたいと思います。微妙な表現ですが。
(問)TBSの加古と申します。冒頭も大臣から御発言ありましたけれども、集団的自衛権に関する与党協議、来週から始まりますけれども、公明党は依然慎重姿勢を崩していませんけれども、この与党協議の展望、大臣、閣僚の一人としてどのように見ていらっしゃいますか。期待されることなどあればお願いします。
(答)私の方からいろいろそのことについてコメントするのはあまり適切ではないと思うんですが、総理の考え方を100%私は支持をしておりますので、公明党はとても大切な連立のパートナーですから、そこはきちんと協議をして進んでいくのではないかと思っています。
(問)フジテレビの鹿嶋です。関連で質問させてください。山本大臣は、この総理の考え方を100%支持すると。総理の意図が正確に伝われば、必ず国民の理解も得られると確信していると。その国民の理解を得るために、領土を担当する大臣としてもどのように発信などをしていくのかということと、一方で、国外での理解というのも必要だと思いますけれども、早速、韓国のメディアなどは、日本が再び外で戦争できる国になったというふうな指摘もしているんですけれども、国内と国外に向けてどういう説明をしていくべきかというふうにお考えでしょうか。
(答)総理のお考え方を全面的に支持すると申し上げたのは、昨日の記者会見も見せていただきましたが、非常に説得力のあるプレゼンをされたのではないかと思います。その総理が示された限定容認の考え方、これを細かくここで申し上げるつもりはありませんが、その意図をきちんと総理が説明をしていけば、私は国民の方々の理解を得られるということを改めて昨日の記者会見を見て思いました。それから、これは国外に対しても丁寧に説明をしていくということだと思います。
 いずれにせよ、プロセスがこれから始まっていくということですから、それは安倍総理の下できちんと物事が進んでいくのではないかと、閣僚の一人としてそう考えております。
(問)読売の梁田です。
 海洋の関係で1点、冒頭発言の中であったことに関して伺いたいんですけれども、一部報道であったような内容というのは、おそらく今の参与会議、総合海洋政策本部の参与の皆さんの中では一応話し合っていらっしゃるかとは思うんですが、具体的に報告等がこれから上がってくると思うんですけれども、そのメドと、その後どのように検討していくかというところで具体的な計画があれば教えてください。
(答)今の話は、最初に申し上げた、新しい組織ができるという話ですか。それは参与の方々の個々の議論というのは知りませんが、私のところには現時点では一切入っていません。ですから、現時点でそのようなことが決まったということはないと思います。
 よろしいでしょうか、ありがとうございました。

・説明資料(PDF形式:82KB)

(以上)