山本内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成26年3月25日

(平成26年3月25日(火) 9:05~9:19  於:合同庁舎4号館7階742会議室)

1.発言要旨

 特に閣議については御報告することはありません。
 最初に、科学技術政策担当大臣として一言コメントをしたいと思います。
 日本学術会議が臨床試験における問題点、今後の対応策についての提言をまとめました。このことはもちろん承知をしております。提言は、研究者主導の臨床試験を巡る問題点として、企業からの様々な関与、利益相反管理の不十分さを指摘し、医療施設・機関等による臨床研究管理センターの整備、臨床試験実施ガイドラインの策定など、今後の具体的な対応策を提唱されたと理解をしております。
 これは、日本学術会議において、政府から独立した学術の立場からまとめていただいたものであって、この内容について個別のコメントはいたしませんが、ある程度一定以上の規模の臨床研究、臨床試験、これは例えば官民のプールを作って、公募を行って研究者を決める等々の改革案があるわけですが、総合科学技術会議として、科学技術政策の司令塔機能を発揮するということですから、こうした研究におけるいろいろな問題、不正等々については、これまでもいろいろガイドラインを作ったり、内閣府主導のいろいろな関係各省の連絡会議で発言をしています。是非そのようなことを各省の方に周知徹底をしていきたいと思っております。
 それから、知的財産戦略担当大臣としても一言コメントをさせていただきたいと思います。 政府が、職務発明について法人帰属とし、発明報酬基準策定を企業に義務付ける検討に入るのではないかという報道がありました。この職務発明制度の見直しについては、特許庁の検討会での議論を踏まえて、経産省の審議会で引き続き検討を行い、この夏を目途に結論を得る方針だと聞いておりまして、現時点で法人帰属、発明報酬基準の策定義務を企業に課すと、このような方向性を決定した事実はないと考えています。
 この審議会においては、以前、私がこの場所で紹介させていただいた企業と研究者向けのアンケートの調査結果、あるいは海外の制度についての調査等々、特許庁の検討会で収集した客観的な資料に基づいて議論を深めていただきたいと思います。職務発明制度の見直しは、今後の知財戦略の六本柱の一つということで位置付けておりますので、知財本部としてもイニシアチブをとって特許庁の取組を後押ししていきたいと考えています。
 それから、理研の新法人指定の報道、下村大臣の御発言等々について報道がありました。何度もこの会見で申し上げているとおり、理化学研究所は非常にすばらしい実績を上げてきた組織だと考えておりますし、特定国立研究開発法人候補にふさわしいと思ったから、総合科学技術会議で対象法人の候補として決定をしたということです。しかしながら、この最終決定は閣議決定で行うということですから、野依理事長からの中間報告もありましたが、何度もここで申し上げているとおり、理研にはきちんとした説明を是非していただきたいと思っていますし、そうした対応、ガバナンス、危機管理マネジメント、このようなことを全体をしっかり見極めながら、政府として対象法人を決定するということだと思います。これも何度も申し上げておりますが、理化学研究所自体は文科省の所管ということですが、これは科学技術政策担当大臣である私にももちろん関係がありますし、特定国立研究開発法人の創設については私も中核的な役割を果たしてきた大臣の一人として、特に科学技術イノベーション担当として、しっかり意見を言わせていただこうと思っております。
 それから、もう一つ、前回の会見で質問がありました。今のクリミア情勢、これが日露の宇宙関係に何らかの影響を与えるのかどうかという話がありましたが、我が国として、これはもう何度も申し上げているとおり、外務大臣からも明言をされておりますが、力による現状変更というものを看過することはできないということで、宇宙協定等、ロシアとの間で新たな法的枠組みを設ける協議・交渉を当面開始しないということを決めたと承知をしております。現時点において我が国の宇宙政策に何か影響が生じているという話は聞いておりません。政府として、今後の事態の推移を注視しつつ、引き続きG7を含む各国との連携を進めながら、適切に対応していくということだと思います。
 今日のプレゼンですが、エリカちゃんです。簡潔に行いたいと思いますが、このエリヨシ君が登場するということで、次々にキャラクターが登場しますが、今日はこのエリヨシ君。
 今日もデモンストレーションを行いたいと思います。

 

 (北方領土学習コンテンツデモンストレーション)

 

 ということで、今日のプレゼンはかなり短くしてもらって、すみません、ありがとうございました。実は既に動画が更にあと二つぐらいできているんですが、また状況を見ながらプレゼンを行ってもらおうと思います。
 何か御質問があればお受けしたいと思います。

2.質疑応答

(問)科学新聞の中村です。先程の日本学術会議の提言なんですけれども、あの提言の中でいろんなことを言われているんですけれども、それを具体化するために大臣としてどのような取組を今後はされていくんでしょうか。
(答)いろいろ関係省庁が関連してくると思うので、ケースによって、担当する省庁も変わると思うんですが、総合科学技術会議として全体を踏まえていろいろな会議とか、先程申し上げた内閣府が主催する会議とか等々を通じて、いろいろなガイドラインを示していきたいと思います。今このことについて具体的にどうするかというまだ議論はしてないんですが、こういうことも全体を含めて、今、研究については、ノバルティスの話もありましたし、あるいは、いろいろな研究の結果について、どのようにしてガバナンスを働かせるかという問題もありますから、少し全体についてきちんと総合科学技術会議で議論する必要があると思っています。
(問)それは総合科学技術会議に何らかの委員会とかそういうものを設けて議論するというような。
(答)現時点ではまだそこまでは考えていませんが、何らかの対応を考えていくべきだろうと、担当大臣としてはそう思っています。
(問)北方領土も関連するんですが、ハーグ宣言が発表されまして、総理は会議の中で、力を背景にした現状変更は断固として許すことはできないというふうに発言したということなんですが、日本の領土問題若しくは主権の問題に与える影響についてどのようにお考えでしょうか。
(答)総理がおっしゃったことは、これは日本政府の一貫した立場だと思うんですね。それは、以前も申し上げましたが、例えば日中関係は非常に大事な2国間関係だということを前提に申し上げますが、東シナ海、南シナ海で今、中国がいろいろな動きを見せていると。これに対して日本は国際法にのっとって、法と秩序をしっかり踏まえて平和裏に解決するべきだということを言っていますし、力による現状変更を今行おうとしているのは中国政府の方ですから、そのことについてしっかりと発信もしていますし、今回のロシアの動きについても、岸田大臣の方から力による現状変更は看過できないということを言ってますので、これは日本政府の一貫した立場だと思います。いかなる問題についてもこちらの方から、領土・主権を巡る問題も含めて、エスカレートさせるようなことはしないと。平和裏にきちんと、例えば海の問題であれば、国際法に基づいて解決するということだと思います。
 このクリミアの問題については、これも外務大臣がおっしゃっていますが、関係国に対して自制とバランスのある対応を求めていくということだと思います。
 よろしいですか、ありがとうございました。

・説明資料(PDF形式:270KB)


(会見では一部動画を使用しています。)

(以上)