山本内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成26年3月11日

(平成26年3月11日(火) 10:14~10:33  於:合同庁舎4号館7階742会議室)

1.発言要旨

 まず、領土担当大臣として一言申し上げたいと思います。
 領土・主権をめぐる内外発信に関する総合調整会議の第3回会議を今日午後5時に開催することにいたしました。
 1回目、2回目の総合調整会議を行い、政府全体として関係府省庁が連携しつつ、各々の所掌に応じて取り組んだ平成26年度予算案等について説明を受け、議論を行いました。本日の第3回の総合調整会議でも、第2回会議以降、領土・主権をめぐる内外発信に関する各府省庁による個別の取組に関する進捗状況について情報の共有を図って議論したいと思います。
 2回行って大体各府省庁のキーパーソンはほとんど御本人に出席をしていただいておりますので、この枠組みをしっかり定着をさせていきたいと思います。
 そして、この調整会議を作ってから、おそらくこれからいろいろな動画、フライヤー、まだまだおそらく作られる可能性もあると思いますが、そのようなことについても、実はかなり初期の段階から関与するという形になりましたので、ようやくこの総合調整機能が少し働いてきたのではないかという印象を持っています。
 このような形で各府省庁の関係者、それぞれのキーパーソンに毎回出席をしていただいているということです。
 それから、今日のプレゼンにいきたいと思います。
 北方領土の日の前を含む1週間、2月1日から7日まで、政府広報15秒のTVスポットを民放各社で行っていただきまして、短かったんですが、相当回数を行ったので、見ていただいた方が多かったんですが、既にTVスポットは終わっているんですが、やはり若い人たちに領土問題の関心をしっかり高めていこうということで、シネアドを流すことになりました。映画が上映する前にこの15秒スポットを流すということになりまして、多分若い人たちが大勢見に行く映画がいいだろうということで、「アナと雪の女王」、これはディズニー映画ですが、非常に評判になっている。「アナと雪の女王」は14日から28日までで、北海道から福岡の21館でシネアドを流すことになりました。もう一つは「神様のカルテ2」の方ですが、これは3月21日から28日までということで、こちらは北海道から福岡の45館です。ちなみに東京だと、この「アナと雪の女王」は、新宿のバルト9とTOHOシネマズ渋谷。ここに見に行っていただいた方は、この15秒のシネアドを大きい画面で見られる。それから、「神様のカルテ2」の方は、TOHOシネマズスカラ座外4館です。
 今日はもう一つプレゼンがありまして、ソーシャルメディアと防災の話なんですが、ソーシャルメディアは日常的なコミュニケーション手段として普及をしていまして、行政機関も情報発信等に活用をしております。これは特に災害が起こった時、緊急時に非常に活用ができるということで、普段使っているものを緊急モードでしっかり使うという話をさせていただきたいと思います。
 例えば、やはりツイッターが非常に有効だと言われているんですが、住民の声を聞いてしっかり情報収集をして分析をするとか、災害関連情報とか避難情報を被災地の方々に提供するとか、電話網がダウンしたとしても、短いソーシャルネットワークのソーシャルメディアのメッセージというものは届くことが多いですから、これは非常に有効だと思います。安全情報もソーシャルメディアを通じて提供するとか、このようなことが非常に有効で、ソーシャルメディア、SNSを有効に活用すると、防災あるいは減災に非常に有効に機能すると、これは政府全体の認識だと思います。
 2月14日、大雪が降りました。私の地元の群馬県も観測史上最大の大雪だったんですが、ソーシャルメディアが状況把握に非常に役に立ちました。群馬県の首長も、フェイスブックが多かったんですが、かなり頻繁に情報発信をして住民に伝えていたという事実がありましたし、特に長野の佐久市長、柳田市長は普段からツイッターをよく使っておられるんですが、実は、このツイッターを使っていろいろな情報を市民から取って、その対策に役立てたり、あるいは市長自身がこのような対策を打ちましたという連絡をしたりして、陣頭指揮に立ったということで、かなり市民に安心を与えたというような事例もありました。一度是非佐久市長にはお目にかかってお話を伺ってみたいなと思います。現場の情報を把握して、協働で問題を解決したと、このようなケースもいくつかあって、非常に有効に使われたベストプラクティスの人ではないかと思います。
 大都市災害対策で活用できる可能性があるということで、状況把握としては非常に役に立つわけですね。これは人口密度のデータとソーシャルメディアの情報を重ねたものなんですが、赤いところは4万人以上集まっている。それから、色によって3万人以上、2万人以上、白いところは0.5万人未満ということで、人口密度のデータと重ねただけで、このような形の情報が出てくるんですね。そこで道がわからないとか、表参道の交差点が大混乱しているとか、駅前広場は危ない、電車はここ動いていません、休むところがないとか、このようなデータを合わせて解析ができたということで、大都市災害対策では非常に有効だということだと思います。
 更には、ソーシャルメディアを活用した情勢分析を元に、防災行政無線とか誘導員を通じて避難する人を安全に誘導することも可能になるわけですね。これももちろん人口密度のデータと重ねているわけですが、渋谷は大変混雑している。避難所はこちらです、迂回をお願いしますと、このソーシャルメディアの情報を元にこのようなことができるということです。
 正規の報告情報はもちろんですが、それに加えてソーシャルメディアの情報を踏まえて避難指示ができるということです。
 ただし、活用に当たってはいろいろ留意点があって、まず第一に、効果的な情報発信・情報収集するためには、平時から使っていなければいけない。平時から住民の認知がなければいけない。行政も活用のノウハウがなければいけないということで、常に情報発信をして活用しているということが極めて重要だということが一つです。
 もう一つは、これは最も指摘されることなんですが、情報はどんどん出てくるんですが、正確で有用な情報を抽出する、これが大事だと思うんです。投稿される情報の中にはデマもあるし、不確実な情報もあるし、多くの情報の中から正確で有用な情報を抽出するということが大事だと思います。これは例えば、位置情報とかキーワード検索に使うとか、いろいろなことで正確な情報を抽出するノウハウをしっかり持っておかなければいけないと思うんです。
 それから、有効な活用が困難な場合がある。例えば、人口が少ないエリアで局所的な災害が起こった場合とか、あるいは電源確保が難しいという時には、なかなかソーシャルメディアの有効性が発揮されない場合があると思います。
 群馬県の場合は、おそらく高齢化率が全国で1、2位と言われている南牧村という選挙区があるんですが、この南牧村が、雪の被害で孤立をいたしまして、その時にツイッターで発信した情報は、実は村民の方相当見ていただいて、反応がありました。南牧村は村長に電話したら、村長が自ら車の誘導を行っていたということもありましたが、ツイッターの情報を非常に喜んでおられたので。確かに局地的災害の場合は、使っている人が少ないという問題はあるんですが、それでも、私がツイッターで発した情報を口コミで伝えた方々がいたということで、やはりソーシャルメディア、特にツイッターは有効だったと言っていいと思います。
 将来に向けた取組ということで、情報発信・分析の体制と方法の確立とありますが、経産省は非常に良い報告書を作っているんですが、やはり平時から情報発信、情報分析が行える体制整備、情報分析ツールの導入、このような検討が必要だということを改めてIT政策担当大臣として思っています。
 具体的な活用領域の検討ということで、各フェーズ、各場面での具体的な活用も改めて検討しなければいけないということがあると思います。
 それからもう一つは、災害時のソーシャルメディア活用、これは日本が最先端です。災害が多いということもあるんですが、昨年、IT政策担当大臣としてアメリカ西海岸に行った時に、サンフランシスコでCIO等々に会ったんですが、サンフランシスコの人たちは日本の取組、特に災害時におけるSNSの活用に非常に興味を持っていました。ですから、国際的な貢献も視野に入れて取り組むことが重要だと思います。
 今、SNSを使ったツイッターとかフェイスブック、民間の方からも、これを災害対策に当てていこうという、このような動きがありまして、まだ具体的なことは言えませんが、このような取組はIT戦略本部としても、是非後押しをしていきたいと担当大臣としては考えています。
 ということで、前回よりもスムーズに話しました。このようにこれからスムーズに会見をしていきたいと思いますが、何か御質問があればお受けしたいと思います。

2.質疑応答

(問)科学新聞の中村です。昨日、総合科学技術会議の公開ワークショップがあって、大臣も挨拶されたかと思うんですけれども、オリンピックに向けて、今後、科学技術としてどのように取り組むのか、大臣のお考えを。
(答)下村文科大臣も何度もおっしゃっているように、6年後の東京オリンピック・パラリンピックというのは、日本を発信する絶好の機会だと思うんですね。ですから、日本が科学技術イノベーションで最先端を走っているということは、あらゆる意味でアピールしていく必要があると思うんです。
 具体的なことは、以前の記者会見でも申し上げたとおり、下村大臣が五輪担当、オリンピック担当大臣ですから、そこにおそらくIT戦略本部としていろいろな弾を持ち込むという形になっていくと思います。確か内閣府の方にも担当の参与がおられると思いますが、その辺も少し事務方につないでもらいながら、これから具体的にいろいろな話を持っていきたいと思います。
 これは中村さん御存じのとおり、世界最先端IT国家創造宣言の目標年次とオリンピックの開催、目標年次がぴったり合っていますから、その意味でいうと、いろいろな弾を持っていけるのではないかなと思います。
 プラスアルファを言うと、サイバーセキュリティ、この情報セキュリティ会議の中で新しい部会を作りました。これが総合戦略を話し合う部会で、これも私が直接官房長官の下で担当させていただきますが、このサイバーセキュリティの分野も6年後のオリンピック・パラリンピックを睨んでいろいろなことができるのではないかなと考えています。
 いや、いろいろなことができるとかではなくて、きちんとした対応をしていかなければいけないのではないかと考えています。
(問)TBSの加古です。今日で震災から3年が経ちますけれども、安倍内閣発足当初、安倍総理は、閣僚の皆さんに対して、「一人一人が担当大臣になったつもりで震災復興に取り組んでほしい」という指示があったと思います。大臣はその言葉を御自身の中でどのように感じて、所管ではないとは思うんですが、どのような気持ちで取り組んでこられたのか聞かせていただけますか。
(答)安倍総理が内閣発足、内閣が立ち上がったときに、「全ての大臣は復興担当大臣だ」という言葉はしっかりと胸に刻んでやってきました。それぞれの大臣が、それぞれの分野で貢献をするということだと思うんですが、私の場合は、科学技術イノベーション担当大臣なので、総合科学技術会議の下にいろいろな専門調査会等々がありますが、その中で特に復興と科学技術、例えば災害に強いインフラ、レジリエンスを高められるようないろいろな科学技術イノベーションについて専門部会できちんと議論をしていただいていますから、それを一つでも多く震災復興に生かしていくということに尽きると思います。
 それから、今日で3年になると思うんですが、総理も同様のことを何度もおっしゃっていると思いますが、やはり全閣僚が、あるいは政治全体が心しなければいけないのは、決して大震災のことを忘れてはならないということだと思うんです。何があっても風化させてはならないし、3年経った今も、やはり被災地へ行っていろいろな意味で本当に苦労されている、苦しんでいる方々がいるということですから、政治として安倍内閣の総理の所信のとおりに、復興を全面的にバックアップしていくということを決して一人ひとりが忘れてはいけないと思います。
 今日多分、全閣僚、当然ですが、追悼式に参加をされると思います。
(問)フジテレビの鹿嶋です。先程紹介もありましたが、5時からの今日の会議、具体的にどういったことを議論されますか。
(答)これは、前回からいろいろな進展がありましたので、例えば新しい動画の話もありますし、私が企画調整室、これはうまいアブリビエーションを考えないと長過ぎて、領土・主権対策企画調整室という、領企室というのも何であるし、アブリビエーションを考えますが、やはりこれまで行ってきた試みも直接各省の担当者に報告をしたいと思います。その上で、いろいろ報告を受けて、指摘するところはしっかり指摘をさせていただきたいと思います。
 一つ言えば、予算一つとっても、多分いろいろな議論ができるかなと考えています。
(問)日刊工業新聞の小川と申します。
 STAP細胞の件で、共著者の方が論文取下げを提案されるなど騒動がありますけれども、それに対してのまず大臣の御所見と、例えば、総合科学技術会議として理研(理化学研究所)に対して何か指示を出したりとかそういう予定というのはあるんでしょうか。
(答)理研を直接担当しているわけではないんですが、まず一つ申し上げたいことは、このような状況にあるので、理研の方でしっかり調査をして、その結果をできるだけ早くきちんとした形で公表していただきたいなと思っています。
 今回のことはそのようなことなんですが、今ちょうど研発法人の見直しを行っていますよね。その特定国立研究開発法人、有力な候補の一つが理研なので、その辺のことについてもいろいろとおっしゃる方もおられるんですが、理研は、少なくとも今までの国際社会における競争力という点でいうと、論文とか特許とか、いろいろな意味で世界の最先端を走っているということは間違いないと思うので、理研が国立研究開発法人として非常に有力だというその流れは私は変わらないと思います。
 もう一回言いますが、この件については、科学技術イノベーション担当大臣としてはもちろん関係がありますから、やはりいろいろな意見が出ていますから、このようなものをきちんと払拭するために、できるだけ早くきちんと調査をして、結果を報告していただきたいな、そう思っています。
 よろしいですか、ありがとうございました。

・説明資料(PDF形式:438KB)

(以上)