山本内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成26年3月7日

(平成26年3月7日(金) 9:03~9:26  於:合同庁舎4号館7階742会議室)

1.発言要旨

 最初に、科学技術政策担当大臣として一言申し上げたいと思います。
 本日から革新的研究開発推進プログラム(ImPACT)のプログラム・マネージャー、PMの公募を開始するということをお知らせしたいと思います。
 公募開始は3月7日、午前10時ということで、概要書類の締切りが3月31日の正午必着、詳細書類の締切りが4月24日の正午必着ということにさせていただきたいと思います。
 ImPACTは、総合科学技術会議の司令塔機能強化の一環として創設するということが閣議決定をされ、これまで総合科学技術会議において検討を進めてまいりました。ハイリスク・ハイインパクトな挑戦的研究開発を推進するためにプログラム・マネージャー、すなわちプロデューサーに予算、権限を大胆に付与する新しい仕組みです。
 ImPACTは、PMの人選が成功の鍵を握っていると言っても過言ではありません。優れた提案が多数応募されることを期待をしています。
 また、ImPACTを開始するに当たり、ImPACTで実現を期待することについて、国民の皆様の御意見を幅広く募集したいと思います。是非御意見を寄せていただきたいと考えています。
 3月10日に募集を開始したいと思います。
 それから、今後の予定については、今お配りをさせていただきましたが、公募、選定のスケジュールということで、4月から5月中旬ぐらいにかけて書類選考を行い、5月中下旬で面接選考、6月以降にPMを決定すると、あくまでも予定ですが、このような流れで進めていきたいと思います。
 それから、もう一つ、これも科学技術イノベーション担当大臣として申し上げますが、3月5日に4大臣会合が行われまして、新たな研究開発法人制度の対象法人の考え方についての方向性が決まりました。
 制度の創設に当たっては、科学技術に関する総合的な研究機関であって、現時点で世界トップレベルを標榜するにふさわしい実績を備えるもの、これが特定国立研究開発法人、まだ仮称ですが、この対象法人となり得るという考え方について一致をしまして、客観的な基準の方向性については合意をいたしました。
 今後、総合科学技術会議での専門的観点からの議論を踏まえて客観的な基準を決めていただくということで、特定国立研究開発法人の対象について最終的には政府全体で決定をしていきたいと思います。
 あくまで4大臣会合で方向性が出ましたが、最終決定は総合科学技術会議で行わせていただきたいと考えております。
 この4大臣会合で合意した対象法人の考え方を適用すると、制度の創設に当たっては、理化学研究所と産業技術総合研究所、これが候補となるのではないかと考えております。
 ちなみに、今回新しい制度をスタートするに当たって、いろいろと基準の議論がありましたが、フラッグシップとしてまず理研と産総研が入る可能性が高くなっていますが、正式決定は、もう一回言いますが、総合科学技術会議なんですが、4大臣会合の議論のポイントは、物質・材料研究機構をどうするかということで、この物材研については非常に評価が高かったということは申し上げておきたいと思います。
 いずれにせよ、いろいろ時代とか社会状況の変化によっては、おそらく見直しをする、そういう条項は入ることになると思いますので、物材研の評価は非常に高かったということはここで申し添えておきたいと思います。
 それでは、今日のプレゼン三つあるんですが、簡潔にいきたいと思います。
 まず最初のプレゼンから。
 領土・主権対策企画調整室の英語版Webサイトが公開されます。今日の11時から公開されますが、このWebサイトの公開、これは一回発表させていただいておりますが、特に有識者懇の報告書で、英語による情報発信の強化が提言されていますので、それをしっかり踏まえて、英語版のWebサイトを開設したいと思います。
 この中でもちろん、最初に作ったWebページでも私の英語のプレゼンを入れているんですが、この領土・主権問題に対する領土担当大臣としてのプレゼン。
 それから、これはインタビューといいますか対談を撮っていまして、領土・主権の問題に対する、これも英語のサブタイトルを入れる。
 それから、4月の総理の発言について、これも日本語では入っているんですが、サブタイトルをしっかり入れていきたいと思います。
 これが現物ですが、なかなかいい感じだと思うんです。全てこのようにして英語に変えて発信をしていくということですね。
 この竹島の話から始まって、総理のお話もそうなんですが、全体をこのように全て英語にしていくということで、これはこれでかなり発信力をレベルアップさせられるのではないかと思っています。
 今のところ1ヶ月でのアクセス数は約4万件です。これがもっと増えるようにプレゼンしていきたいと思います。英語版と併せてできるだけ多くの方に見ていただきたい。1ヶ月で4万件というのは悪くないと思うので、これを更に増やしていきたいと思います。
 それでは、次行きたいと思います。
 IT利活用セキュリティ総合戦略推進部会、この間、第1回の会合を行いました。
 このIT、サイバーセキュリティについては、政府の情報セキュリティ政策会議がずっと担当していたわけですが、それはNISC(内閣官房情報セキュリティセンター)の方が事務局を担当していまして、かなり機能しているんですが、そこに三つか四つの部会があっていろいろと議論しているんですが、少し総合的な観点からきちんと議論する組織が必要ではないかということで、一応IT政策担当大臣として、その辺のところのイニシアチブをとらせていただきまして、セキュリティ総合戦略推進部会というものを作らせていただきました。
 世界最高水準のIT利活用社会を作ると、このような目標を立てておりますから、これは最初の会議でも言ったんですが、「IT利活用とサイバーセキュリティが両輪となった施策の推進が不可欠」と書いてありますが、サイバーセキュリティがしっかりしていなければ、実はいかなるIT戦略も意味がないということで、このような組織が立ち上がったということです。
 IT政策担当大臣かつ情報セキュリティ政策会議の議長代理ということである私の下に、非常に多彩で、少しとんがった専門家の方々にお集まりをいただいて、IT利活用とサイバーセキュリティに関する技術開発、人材育成、このような課題について、分野横断的に横串を刺して総合的・戦略的に検討するということです。
 初回の今回の会合は官房長官の方から、「今後発生することが懸念されるあらゆるリスクを予見し、官民の勢力を結集して対策を講じる必要がある」と、このような発言もありました。
 この会合では、6年後のオリンピック・パラリンピック東京大会を睨んでしっかりと議論して、本年の夏頃を目途に、IT利活用とセキュリティの両面に立った政策を提言したいと考えています。
 主な論点としてこのようなことが挙げられますが、事務局の方からの論点は3点提示をさせていただいたんですが、最初の会合ということで、ブレーンストーミング的にいろいろ自由に議論をしていただきました。
 主な意見として、セキュリティ人材のステータス向上が必要だ。そのためには、全ての国民のIT利用を向上させ、セキュリティを不可欠なものにすることが大事だ、あるいは攻撃者は心理的な盲点を突いてくるので、心理学、経営学、法律学等を研究して、技術者と経営者の間を橋渡しできる人材の育成が必要だ、あるいはマルウエア、ログ等を共有できる環境を作って、大学等で人材育成に活用できるようにすることが大事だ、今、我が国のセキュリティソフトはほとんど外国製なんですが、研究開発に集中的に投資を行って、官民で基礎技術、ソフトウエアを開発して国を守り、産業を海外に輸出していくことが重要だ、このような意見が出ました。
 一応夏に向けての提言ということなんですが、いろいろと会議の中でしっかりと政策に反映させていった方がいいというものがあれば、順次、私の方から総理や官房長官につないで政策に反映させていきたいと思います。
 もう一つ、エリカちゃんの動画第5弾ができました。これは「花屋さんのエリカちゃん」と言うんですが、第5弾をお見せしたいと思います。
 これは、ゆるキャラ「エリカちゃん」が、夢の中で花屋の店員になるということで、北方領土に咲く花とか、返還要求運動のシンボルのチシマザクラを紹介するということです。
 四つ動画を作って、学習コンテンツも作ったんですが、やはり小学校高学年ぐらいの子供たちに見せたいなと今いろいろ計画をしていますが、とりあえず皆さん、2分ですから、第5弾を見ていただきたいと思います。

 

(動画上映)

 

 ということで、三つありましたが、簡潔に行いました。何か御質問があればお受けしたいと思います。

2.質疑応答

(問)NHKの高野です。
 英語版のWebサイトについてお伺いします。総理の靖国参拝以降、中国は歴史問題をからめながら尖閣をめぐる主権の問題、国際発信を強めています。韓国も歴史問題をからめながら、竹島についての国際発信を高めていますが、このような中で、このWebサイトをどのように活用したいと考えていらっしゃいますか。
(答)御存じのとおり、まだ領土・主権対策企画調整室には予算がありませんから、これは本当に少ない予算でスタッフに頑張ってもらって作ったんですが、4月からは独自の予算が付きますので、それを使って更に進化をさせていきたいと思います。
 それから、英語の発信というのは、去年の領土をめぐる内外発信についての有識者懇談会でも多くの有識者委員の方々からの提言がありましたが、やはり英語で発信しないといけないと、これを英語にするだけでかなり発信力の幅が広がると思いますから、更にこれから強化していく分も、日本語だけではなくて英語で発信するとか、あるいは場合によっては他の言語で発信するということもあり得るかもしれませんが、そのような形で日本の主張を、正しい主張をできるだけ国際社会に広めていくと、こういうことに尽きると思います。
(問)関連です。大臣、この前、大使に対する訓示の中で、中国とは情報戦だというお話がありましたが、これもそれについての手段の一環だというふうにお考えですか。
(答)特定の国がどうのこうのということではなくて、日本の領土・主権問題に対する正しい主張をできるだけ国際社会に理解をしてもらうということが大事で、その上では、英語で発信するということは最低必要条件といいますか、基本的なことだと思っていますので、その考え方に沿って発信をしていくということです。
(問)共同通信、野見山です。今の関連ですけれども、今回の英語のWebサイトというのは、内容は今までと同様で、日本語の説明文等を全部英語に置き換えたということですか。
(答)基本的にはそういうことですね。
(問)科学新聞社の黒羽です。特定研究開発法人についてなんですが、先程のお話聞きますと、とりあえず産総研と理研が上がっていて、物材研が次点のような感じで表現されていたんですが、その詳細と、関連法案の今後のスケジュールなども大体イメージがあったら教えていただきたいんですが。
(答)今回の基準、まだ詳細についてはともかくとして、研究成果の質の観点から、国際的に活用されている論文の、例えば被引用数とか、あるいは特許のランキングとかですね、世界的な。そのようないくつかの世界トップランクの、正に世界と戦える研究開発法人になり得る資質があると認められるようないくつかの基準を作って、その結果、今の段階では理研と産総研が非常に有力だと、こういうことです。
 物材研のことを言ったのは、いろいろな考え方があると思いますが、物材研に対しても非常に評価は高いということは、物材研にもすばらしい研究者の方々がいて、非常にいい結果を残しているので、このような方々が、例えば、物材研の評価が低いというように思ってしまうと大変よくないなと思っていまして、とりあえず今は、ある意味でいうと二つのフラッグシップを最初に発進をさせるという考え方なので、これから社会状況やいろいろな環境の変化によっては見直しの兆候もあるということだと思います。
 それから、裁量と自由を与えるということは、それだけ責任も重くなるので、この記者会見でも何度も言いましたが、新しい特定研究開発法人の長はやはり厳しい評価にもさらされるということですから、場合によっては入れ替えもあるというような感じで行っていただきたいということは理研、それから産総研のトップの方々にも一応申し上げてあります。
 とにかく対象、条件を決める中でも、一番主要な議論になったのは、なぜ物材研かと申し上げたのは、それだけ評価が高いと、評価が非常に高かったということです。
(問)フジテレビの鹿嶋です。今日の話題ではないんですが、この間の司令塔連携・調整会議で、大臣が久々に紙芝居というか使って、内閣府の見直しの関連で、この司令塔不要論というのが起きてくることを非常に心配しているということを発言しており、これまでやってきたことをしっかりアピールしていきたいということをおっしゃっていたと思うんですが、その後何か変化があったんでしょうか。というのは、ブログに、ちょっと拝見したところ、全ての司令塔が機能しているわけではないと、総合調整できない組織はこの際見直した方がいいのではないかというふうにおっしゃっているようだったので、この間、何か検討の結果、見直した方がいいという考え方になったのか、その辺どうなんでしょうか。
(答)司令塔機能強化の話は、連携・調整会議を少しレベルアップして、有識者の方の御意見も借り、内閣府政策参与に東大の城山先生(東京大学政策ビジョン研究センター城山英明センター長)になっていただいたので、これから議論を重ねて、今の司令塔の問題、それから実績、今後の課題、司令塔のあるべき姿、このようなことについてはしっかり提言をまとめていきたいと思います。
 少なくとも私が担当している司令塔については、みんな存在する価値があると思いますし、全て科学技術イノベーションに直結する国家戦略を担っていく上では、必要だと思います。
 よろしいですか、ありがとうございました。

・説明資料(PDF形式:688KB)


(会見では一部動画を使用しています。)

(以上)