山本内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成26年2月4日

(平成26年2月4日(火) 9:13~9:31  於:合同庁舎4号館7階742会議室)

1.発言要旨

 今日は、閣議におきまして「北方領土の日」のことを発言いたしました。2月7日が「北方領土の日」ということで、北方領土返還要求全国大会もあると、北方領土問題の一日も早い解決に向けて国民世論の一層の高揚を図りつつ、粘り強く返還要求運動を行っていきたいと、ついては、関係閣僚の御理解、御協力をお願いいたしますという報告をさせていただきました。
 閣議については以上です。
 それから、IT政策担当大臣として一言申し上げたいと思います。が、日曜日、日経新聞の朝刊の1面だったと思いますが、省庁システム費3割減、2021年度メド。集約進め、投資効率化という記事がありますが、この記事の中身、昨年6月に閣議決定した世界最先端IT国家創造宣言と、それから昨年12月に、この閣議決定に基づいてCIO連絡会議において決定した政府情報システム改革ロードマップにおおむね沿った形になっております。
 具体的に言うと、昨年6月に世界最先端IT国家創造宣言を閣議決定いたしましたが、これによると、2018年度までに現在のシステム数、2012年度で1,450を半数近くまで削減するほか、業務の見直しを踏まえた大規模な刷新が必要とするシステムと特別な検討を要するものを除き、2021年度を目途に3割を目指し運用コスト圧縮を図ることとしていると書いております。これについては、現在、努力をしているところですが、遠藤CIO、大変獅子奮迅(ししふんじん)の働きをしていただいていると思うんですが、特別な検討を要するものについては、これはコスト削減対象から除いてありますので、記事にあるように、2012年における運用経費4,067億円を2021年度までに一律3割削減すると、そのようなものではありません。特別な検討を要するものというと、特に大規模なシステムですよね、巨大な。クラウドになかなか乗らないようなもの、社会保険とかハローワークとか国税システムとかというもので、これはやはりある程度時間がかかる。例えば特許なんかもそうですが、それこそ10年ぐらいの単位をかけて行わなければいけないというものもありますし、あるいは警察情報とか、これもなかなかクラウドに乗せるのが厳しいというものについては、例えば、超巨大なシステムについては遠藤CIOが今個別にヒアリングを行っていまして、これは個々に努力を求めて進めていくという形になっていくと思っております。
 それから、新しい特定研究開発法人の話で、下村文科大臣の方から記者会見でお話があったと聞きましたが、今週、4閣僚の会議を予定しておりますが、これは正式に、例えば、どこの研究開発法人を新しいジャンルに所属させるかということを、ここで正式に決定するというよりは、少し大きな流れを相談するという会議になります。きちんとした厳格な基準を決めて、それに沿う形で、おそらく世界最高水準の研究開発法人になれる組織を選んでいくということだと思うんですね。
 私もずっと科学技術政策担当大臣として行ってきましたが、別に特定の省庁のために行っているわけではないので、これはものすごく大事だと思うんですね。別に省庁のせめぎ合いとか、省庁の縄張り争いで決まるものであってはいけないと、特定の省庁が得をするような感覚で捉えられたら極めて心外だと思っていまして、厳正な基準を作って、それに適応する特定研究開発法人をきちんと論理的に、世の中にわかってもらうように選んでいくということだと思います。総合科学技術会議の司令塔機能というのは、もう一回言いますが、省庁横断で国家戦略として科学技術イノベーション政策を考えていくということであって、それを総理にしっかりと指示をされているわけで、正に省庁の縦割り、省庁の横串の中から科学技術政策を考えていくということであって、それはやはりこの特定国立研究開発法人についても貫かれなければいけない精神だと思っております。そのことを科学技術イノベーション担当大臣として申し上げておきたいと思います。
 今日のプレゼンを行いたいと思います。
 沖縄なんですが、閣議で沖振法(沖縄振興特別措置法)の一部改正案を今日決定いたしましたので、その税制について、おさらいになりますが、御説明をさせていただきたいと思います。
 三つの柱があります。もうここで発表させていただいたんですが、一つ目は、経済金融活性化特別地区の創設ということで、総理が知事の申請に基づいて沖縄県内の地域を指定して、対象産業を金融に限定しない他のいろいろな産業にも広げて、これを県知事が設定をするということになります。
 効果としては、実体経済の基盤となる産業の集積と発展ということで、いろいろな新規のビジネスをここに引っ張ってくるということで、沖縄の経済金融を活性化しようということなんですね。
 2番目の柱は、情報地域・特区、物流特区の地域指定権限・事業認定権限を移譲するということで、これまでは主務大臣が情報地域・特区、物流特区の地域を指定し、更に事業者も認定をしていたと。これを地域指定権限を県知事に移譲し、しかも、事業の認定権限を県知事に移譲するということで、対象事業を追加して、かつ課税特例の要件を緩和するということになります。
 効果としては、沖縄県の機動的・効果的な企業誘致の促進ということで、高付加価値産業を一層集積させるということ、これによって雇用の拡大と産業振興の促進を図るということです。
 三つ目、これは航空機燃料税の軽減措置の拡充です。
 これは、今まで本土と沖縄の間にはありましたが、これを県内に広げようということで、やはり沖縄への観光客は年々増えているんですが、離島への観光客は残念ながら県全体の2割しかないということで、改正のポイントとしては、県内路線も航燃税の軽減対象とするということで、離島の観光客を増加させる。県内の航空路の利便性を向上させて離島観光客の増加を図る。
 ということで、今回の税制改正、皆さんに思い出していただきたいんですが、税制を効果的に活用して沖縄を日本のフロントランナーとして21世紀の成長モデルにしていくということだと思います。
 今日のプレゼンは以上です。何か御質問があればお受けしたいと思います。

2.質疑応答

(問)科学新聞の中村です。先程の特定研究開発法人についてなんですが、まず、厳正な基準というのは、どういうものが考えられるのか。それは、いつ決めるのか。この大臣会合なのか。結局、どの法人をやるかというのも、ここでいつ頃決めるのかというのはどうなっているんでしょうか。
(答)これは、4閣僚会合の議論の結果にもよると思いますが、正式に決定するためには、それなりのプロセスが必要なので、この特定研究開発法人を創設する時も、この4閣僚できちんと議論をして大きな流れを作りましたから、その意味でいうと、どのような方向性にするかということを議論して、それによって大体どのくらいで決めていくかというメドはついていくと思います。一応おしりはありますから、そこを睨みながら議論していくということです。基準は、今ここで、これとこれということは申し上げられませんが、いろいろ世界の一流のいわゆる研究開発法人と比較できるような数値とかデータというものはあると思いますから、それをきちんと当てはめた上で考えていくということになるのではないでしょうか。
(問)基準はいつ頃示されるんですか。
(答)それは今はわかりません。
(問)共同通信の須江と申します。今の特定研究開発法人の話に関係して、大きな流れ、基準の話も今出ましたけれども、4閣僚大臣会合の中で、大体今まで2、3というような数についてですけれども、それについても2にしようとか、3にしようとか大きな合意を見たいというお考えでしょうか。
(答)それはまだ決まっていません。いずれにせよ、ここで最終決定するというよりは、少し大きな流れについて相談するということになると思います。数も全くまだ決まっていません。
(問)そうすると、まだ大臣のお考えとしては、どちらかというと、選ぶに際しての基準について話合いをするのが第一目的ということでしょうか。
(答)どのような法人がふさわしいのかと、例えば数とか中身について話す時には、どんな基準なのかという話も出てくると思います。ただ、現時点でこれとこれとこのような基準にしようということを発表できる段階ではないと思います。
(問)日刊工業新聞の小川と申します。先週金曜日に小保方さん(小保方晴子理化学研究所発生・再生科学総合研究所ユニットリーダー)の件で御発言もありましたけれども、改めて科学技術担当相として今後の支援の在り方などどういったことが必要かというのをお聞かせ願えますでしょうか。
(答)科学技術イノベーション担当大臣として、内閣府のスタッフの人たちと、連日会議をしながら、どのようにしたら総合科学技術会議の機能強化ができるかということを考えてきました。我々がSIP(戦略的イノベーション創造プログラム)とImPACT(革新的研究開発推進プログラム)を作りました。内閣府の会議室で議論して、みんなで練り上げた。その理由は、科学技術イノベーションを成長戦略の中核にするという総理の意向を受けて、司令塔機能を強化し、科学技術イノベーションが起きやすい環境を作ろうということだったんですね。ですから、ImPACTの対象がどうなるかという、ImPACTが応援する対象のプログラムがどうなるかということは現時点では決まっていませんし、きちんと予算を通していただいてから公募をしていくわけですが、小保方さんのような方を見ていれば、あのような本当に世の中をがらっと変えるような研究成果を出せる、あのような人、あのような研究者をどんどん輩出していかなければいけない。正にそれがある意味で言うとImPACTの目的だと思うんですね。ですから、野依理事長(野依良治理化学研究所理事長)がおっしゃっていた「レイバーからリーダーへ」。理研は、そのような意味でいうとすばらしい組織文化を持っているなと。その野依理事長が何度も私の前でおっしゃっていた、「レイバーからリーダーへ」と、若い人たちと女性にチャンスを与えるんだという、組織としての文化が、ある意味でいうと、御本人もすばらしいですが、あのような方を生み出したんだと思うんですよね。だから、このImPACTがうまく了承されれば、後押しするような形で、正にあのような研究者を生み出すような流れを作れればいいと思いますし、科学技術イノベーション担当大臣としても、あるいは総合科学技術会議としてもそうだと思うんですが、あのような研究者が外に行かないで、本当に日本で世紀の発見ができるような、そのような状況を作らなければいけないなと思います。おそらくあちこちで今引っ張りだこで大変だと思うので、少し落ち着いたら、決して御迷惑をかけないように、いつかどこかで一度会ってお話ししてみたいなと思いますが、何度も言いますが、あまり御迷惑をかけないようにしたいと思うので、思う存分きちんと研究をしていただくような環境で頑張っていただきたいと思いますが、いつかお目にかかりたいなと担当大臣としては思っています。
(問)STAP細胞の研究自体について何か個別具体的に支援を検討するということはあるでしょうか。
(答)文科省の方でもいろいろおっしゃっているんですが、総合科学技術会議とか、今度我々が作るプログラムもそうですが、何らかの形で、直接ではなくても、いろいろな形であのような研究を支援するようなことができるのであれば、担当大臣としては是非前向きに考えていきたいと思います。
(問)共同通信の野見山です。北方領土の日の件ですけれども、出席される閣僚は山本大臣や安倍総理の他は、岸田大臣とかも御予定はあるんでしょうか。
(答)北方領土ですか。それはまだ聞いていませんが、私は必ず出席をいたします。総理も出席をしていただけると思います。岸田大臣のことは伺っていませんが、外務大臣に聞いてみてください。少なくとも私はできるだけ式典に出席をしたいと、できるだけ長い時間あそこできちんと皆さんのお話も伺いたいと思っています。
(問)もう1点、直接関係ないんですけれども、大阪の橋下市長が辞意を表明して再出馬されるということで、各党の間では冷静な見方が広がっているんですけれども、この受け止めについて一言。
(答)ノーコメントですね。今のところ科学技術政策担当大臣、というか10の分野を一生懸命担当しているので、あまり他の政党のことについてはコメントを控えさせていただきたいと思います。
(問)すみません、もしかしたら先週金曜日に出たかもしれないですが、SIP予算の配分について、菅官房長官とどのようなお話合いで、どのぐらいの割合なのか。
(答)これは、多分次の総合科学技術会議で報告をする、正式に発表する、決めるということになると思うので、現時点では申し上げられないです。何となく揃ってきましたが。それをブログに書いてしまったので、すみません。何となく方向性は揃ってきたんですが、最終決定はまだ先なので、その時に発表したいと思います。
(問)4閣僚会合なんですけれども、今週のいつ頃開かれるんですか。
(答)今週中のどこかで行うということになっていたと思います。それは下村文科大臣の方から会見でおっしゃっていたので、そこでは、特定研究開発法人の対象について率直に意見交換をしていくと。もう一回言いますが、そこで最終決定というわけではないので、多分いろいろなプロセスが必要だと思いますが、大きな流れについては、ある程度確認はできるのかなと、まだわかりませんが、そう思います。
 よろしいでしょうか、ありがとうございました。

・説明資料(PDF形式:133KB)

(以上)