山本内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成25年12月6日

(平成25年12月6日(金) 9:20~9:36  於:合同庁舎4号館7階742会議室)

1.発言要旨

 閣議については、特に御報告を申し上げることはありません。
 最初に二つだけ、申し上げたいと思います。一つは、昨日の臨時閣議で、「好循環実現のための経済対策」が決定されました。私が担当する分野で言うと、科学技術イノベーションの政策関係では、かねて我々が要望してきたImPACT(革新的研究開発推進プログラム)、ハイリスクでハイインパクトな革新的研究を行うというプログラム、それから宇宙政策関係だと、我が国の持続的な経済成長に貢献する準天頂衛星の打ち上げの推進、更に沖縄関係で言うと、沖縄振興を更に推進するための沖縄振興交付金事業、ハード交付金、それから、沖縄における社会資本整備、道路、空港、農業農村整備事業等の公共事業が盛り込まれております。担当大臣として、経済対策に盛り込まれたこれらの施策について、しっかりと取り組んでまいりたいと思います。
 それから、中国の防空識別圏に関する安倍総理とバイデンアメリカ副大統領との会談の結果について、領土担当大臣としての感想を述べたいと思います。今般、安倍総理が訪日したバイデン米副大統領との懇談で、中国の防空識別圏設定の発表について、中国の力による一方的な現状変更の試みを黙認せず、力強い日米同盟に基づいて、引き続き緊密に連携をして対応していくことを確認したと承知をしております。特に大事なポイントは、双方が自衛隊及び米軍の運用を含む両国政府の政策・対応を一切変更せず、連携を維持することを改めて確認したと。更に、民間機の安全確保を脅かす行動は一切許容しないということで一致したと承知をしています。政府として引き続き、中国による力を背景とした現状変更の試みには、我が国の領土・領海・領空は断固として守り抜くという決意で、毅然かつ冷静に対処していくということにしております。領土担当大臣としては、今後とも尖閣諸島をめぐる情勢について、我が国の立場を正確に説明すると。この正確な理解が国内外に一層広く進展していくように、先般、領土・主権をめぐる内外発信の強化イニシアティブも発表いたしましたが、このようなものを通じて一層努力をしていきたいと考えております。何度も申し上げておりますが、冷静に、論理的に、しっかりと発信をしていくことが大事だと考えております。
 今日もプレゼンを行いたいと思いますが、地味なんですが、実はとても大事なことなので、なるべく簡潔に申し上げたいと思います。
 「環境エネルギー技術革新計画」、すなわち、2050年に温暖化ガス排出量を半減するために、このような革新的な技術がありますよと、このようなプランで行っていきますよということです。
 今の話で、開発を進めるべき革新的技術の特定ということで、短中期で開発する技術、あるいは中長期で開発を目指す技術についてまとめました。
 それから、これは計画策定のポイントですが、技術開発を推進するための施策の強化とか革新的技術の国際展開・普及に必要な方策をまとめています。
 この図、少し分かりにくいんですが、基本的に現状をそのままにすると2050年にはこのようになってしまうと。これに対して、先程申し上げた短中期でいうと、原子力発電、風力発電を含めたいろいろな技術、あるいは次世代自動車とかいうような技術、革新的デバイス等々、このようなものを短中期で行い、中長期では、ここに書いてありますが、バイオマス、二酸化炭素回収・貯蓄、植生による固定、いろいろなことを行って、本来であればこのようにいってしまうパスを、この短中期・中長期の政策によって半減をしていくと、こういうことです。
 ということで、今月のCOP19で、日本政府が表明した「攻めの地球温暖化外交戦略」の柱は技術だということです。これからもしっかり総合科学技術会議でフォローアップをしていきたいと思います。
 何か御質問があれば、お受けしたいと思います。

2.質疑応答

(問)国会のことになってしまうんですけれども、秘密保護法をめぐって、与党は成立を目指して、野党は徹底抗戦の構えですけれども、一応参議院議員として、今の現状について、どう思われますでしょうか。
(答)私は、安倍内閣の閣僚の一人ですから、この内閣で決めた方針に従って、ぶれずにきちんと行う、これに尽きると思います。あまり細かいことは申し上げませんが、政府・与党として、できる限りきちんとした対応をしていきたいと思っていますので、もう一回言いますが、粛々と審議を進めて、きちんと初心を貫いていくということが大事だと思っています。
(問)科学新聞、中村です。昨日、経済対策のImPACTが盛り込まれたということなんですけれども、答えにくいと思うんですけれども、規模感としては、インパクトのあるものを予算計上できそうな感じなんでしょうか。
(答)それは、何度も申し上げたとおり、財政全体が厳しい状況ですから、その中で、どのような形になるか、ぎりぎり努力をしているところで、今ここでどのぐらいになるということはなかなかコメントできないです。担当大臣として、できるだけの努力をしたいと思います。
 ただ、やはりこれが盛り込まれたということは非常に意味があると思っているんですね。FIRST(最先端研究開発支援プログラム)の後継として、同じような形で、柔軟な仕組みで、このようなプログラムを設立するということが決まったということは非常に大きな意義があると思います。もちろん、最先端の研究者を支援するということなんですが、そこにプロデューサーを支援するという仕組みもきちんと取り入れているということでいうと、このハイリスク・ハイインパクトなコンセプトを認めてもらったということについては大変意義があると思いますので、あとは、総理の言う力強くスタートさせるというところをどこまでできるかということかなと思います。
(問)共同通信の須江と申します。宇宙関連で伺いたいんですけれども、今週、中国が月探査機の打ち上げをしまして、3カ国目の軟着陸を目指しているようですけれども、月探査などに関しては、中国は若干日本の取組より先行しているかなという観はありますが、例えば大臣の私見として、これからそういった月とか火星とか近くの惑星探査に関して、中国なんかは将来的な権益の確保を目指しているという見方もございますけれども、日本も独自でやっていくべきだとか、もしくは国際協力の面でもっと深めていくべきだとか、何か私見ございましたら、お聞かせいただければと思っております。
(答)それはここでも何度も申し上げているとおり、今、ISS(国際宇宙ステーション)がありますから、これについてもどういう形でこれから協力していくのかということを総合的に考えて、今おっしゃった国際情勢もそうですし、日本の国益等々もそうですし、そのようなもの全体を、総合的に判断していくということに尽きると思います。
(問)ちょっとまた話がそれてしまうんですけれども、甘利大臣が昨日、御自身の病名について、舌がんだというお話しされましたが、同じ閣僚のお一人として、一言コメントをいただけますでしょうか。
(答)甘利大臣は、正に安倍内閣の要だと思うんですね。先程ImPACTの話をさせていただきましたが、このImPACTを今回プログラムとして認めてもらう上でも、あるいはSIP(戦略的イノベーション創造プログラム)、これももちろん予算編成に向けて何とかしなければいけないんですが、このSIPの話がここまで持ってこられたのも、これは甘利経済再生担当大臣の本当に支援がなければできなかったことなので、それは大変感謝していますし、研究開発等々についても非常に理解のある方なので、とにかくきちんと静養していただいて、一日も早く元気に内閣に復帰していただきたいなと思いますし、もちろん必ずそうなると思いますが、これからも安倍内閣の要の一人として活躍をいただきたいと思いますし、甘利大臣の力もお借りしながら連携して、ImPACT、SIP、科学技術イノベーションを力強く推進できたらなと思っています。
(問)研究開発法人を別法化するか、独法の枠の中に置くかという議論なんですけれども、あの後、自民党の中でもいろんな議論があり、例えば稲田大臣等々と、閣僚間で調整するようなことは今後予定されているんでしょうか。
(答)それは、総合科学技術会議で総理の方からきちんと調整をするようにという御指示もありましたから、どこかで何らかの形で、閣僚間の調整も必要になってくるだろうと思います。
 ブログにも書いたんですが、別法化すべきだという意見にも、あるいは独法下で何とか対応して、やはり独法制度をきちんと維持していくべきだという意見にも、それぞれ理屈があると思うんですね。両サイドとも信念に従って行っていることなので、そこはきちんと議論して決着できればと思います。
 ただ、一言言うと、党本部の行革推進本部の方の御意見もいろいろと伺っているんですが、決して別法化反対一色ではないと。いろいろな意見が出ていると伺っていますので、党内でも政府内でもいろいろ意見がありますから、これをきちんと調整していきたいと思います。
 何度も言いますが、下村大臣と私は、世界最高水準の研究開発法人を作るためには別法化が必要だろうと、そう思っています。
(問)日刊工業の小川と申します。総合科学技術会議の司令塔機能強化について、改めて振り返りたいんですけれども、予算案は来週決定ですけれども、それに向けて、司令塔機能強化というのは十分発揮できたとお考えでしょうか。
(答)それは、いろいろな側面があると思うんですが、科学技術担当大臣になって相当初期の頃に会見で申し上げたとおり、総合科学技術会議の司令塔強化については三つの柱を立てたんです。
 一つは、予算編成のプロセスで影響力を発揮すると。これは、アクションプランの進化ということだと思うんですが、それについては予算戦略会議を新しく作って、前回までに比べると、今回の予算に関する方針等々についても、かなり違うアプローチでできたと思いますし、関係各省とのヒアリングも濃密でしたし、予算戦略会議も私の下で何度かタイムリーに行わせていただいたので、予算編成プロセスを通じて影響力を行使するというところについては、やはり一歩前進ができたと。
 あと二つ、SIP、府省連携のプログラムをしっかり総合科学技術会議が目利きできるようにすると。これはまだ道半ばですが、これは必ず、何度も言うように、死守したいと思います。
 それからあとImPACT。ImPACTの創設までは決まったんですが、これをどうスタートできるかというのはこれからなので。
 一応、三本の矢は放てるのかなと思います。またこれは、全体が終わったら、よく成果を分析したいと思いますが、内閣府の事務局の方は本当に一生懸命やってくれて、かなり、自分で言うのもなんですが、具体的な成果は出てきているのではないかと思います。
(問)共同通信、須江ですけれども、先程出た研究開発法人の関係で、この間、党の行革本部でまとめられた文書の中に、通則法化ではなくて別法化への今の問題点といいますか、指摘された点として、別法化の中でまだ、どの法人が新たな研究開発法人に移行するか、枠組は定かでないというような文言があったかと記憶しているんですけれども、例えば今後、稲田大臣などとお話しになる中で、そういった点も前倒しといいますか、改めて、この法人は、別法化するのであればこの法人が移行すべきであるとか、そういった点も早く具体化していくようなお考えというのはありますでしょうか。
(答)例えば別法化をするということであれば、どのような研究開発法人が対象になるのか、それは全部出すとは、ここでも申し上げたとおり、考えていません。もう一回言いますが、定型化された業務をきちんと効率化していく、行政の質を上げていくということでいうと、独法制度は、それはそれで優れた仕組みだと思っています。ただ、何度も申し上げたとおり、世界最高水準の研究開発法人を創設するためには、今の枠の中ではできないというのが我々の意見なんですね。例えば、どこが対象になるかということは、きちんとした基準を決めなければいけないと思うので、それは今しっかり議論しています。今の段階で、どことどこと言うことがいいことなのか、どうなのか分かりませんが、とにかく厳しい世界最高水準になり得る基準、これは今きちんと議論していますから、これももちろん調整をしていく過程でしっかり示していかなければいけないと思っています。
 よろしいですか、ありがとうございました。

・説明資料(PDF形式:168KB)

(以上)