山本内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成25年10月4日

(平成25年10月4日(金) 10:42~11:10  於:合同庁舎4号館7階742会議室)

1.発言要旨

 閣議については特に報告することはありません。
 先般、シリコンバレーに出張して、少しアメリカの雰囲気なども感じ取ってきました。昨今、安倍内閣のリーダーシップ、決められる政治を日本が行っているということについて評価が高まっていることを大変うれしく思っております、閣僚の一人として。やはりこの方向で、安倍政権としては決められる政治というものをしっかりと内外に発信していく必要があるのではないかと思っております。
 さて、今日もプレゼンをさせていただきたいと思います。
 今日は、先般、シリコンバレーを訪問した視察の中身について少し御報告をしたいと思いますが、目的は、アメリカにおける先進的なITの動向に係る主要企業への視察等ということで、これ「IT咸臨丸」というコンセプトがあって、やはり政策を決めるポリシーメーカーが、日本のITがいわゆるIT先進国と呼ばれているところに比べていかに遅れているかということをしっかり認識するべきだという意見があちこちの懇談会から出ておりまして、それを踏まえてアメリカに行ってまいりました。4泊5日だったんですが、サンフランシスコ、ロサンゼルス、シリコンバレー、こういったところを訪問して、いろいろと意見交換をさせていただきました。
 サンフランシスコ市では、まず、マーク・トウィットCIOと会って、特にサンフランシスコはオープンデータの試みで非常に先進的だと言われていますので、サンフランシスコの進んだオープンデータ、ビッグデータの取組についていろいろと話をしてきたんですが、これは「311HeyGovサービス」というのがあって、これは緊急性のそんなに高くない話なんですが、例えば、道路のここが壊れているとか、少し支障があるとかいうことを行政がインターネットを通じて市民から受け取って対応するという仕組みで、イギリスにも確か「フィックス・マイストリート」というプログラムがあるんですが、それを幅広く展開しているような感じです。非常によい意見交換ができたと思います。
 マーク・トウィットCIOが早速、ツイッターに、「グレートミーティング・ウィズ・ジャパニーズミニスター」というのを出されたので、すぐ反応しておきました。
 それから、いろいろな人に会ったんですが、すごくおもしろいなと思ったのが、「Code For America」という団体で、いろいろ日本のIT戦略等々についても意見交換をしたんですが、地方政府にこのNPOが、ICTの技術者とかプログラマーを派遣する。その地域の社会的な課題を解決して、行政の透明性を向上させ、効率化を推進するということを行っているんですが、これがすごく大きな成果を挙げていまして、アメリカ国内の自治体だけではなくて、例えばイギリス政府とか、ヨーロッパのどこかの国の政府もありましたが、いろいろな成功事例を生み出しているんですね。NPOなんですが、一つは、コンサルティングフィーを自ら稼いでいるんです。それから、企業からもお金をもらっていますし、あるいは個人の寄付もあるんですが、「Code For America」というのはなかなか日本にない仕組みなんですが、「Code For Japan」というのも、「Code For America」とは違うんですが、最近スタートしたようですが、こういう試み、つまり、これからIT戦略を推進していく上で、地方自治体、地域のITをどうやって後押ししていくかということがいろいろと問題になってくると思うので、ものすごくおもしろい試みでした。非常に評価が高いです。この「Code For America」のいわゆるトップの人にも会ってきました。
 実は、いろいろなベンチャー系の企業のCEOと、特にIT関係のベンチャーキャピタリスト、ベンチャーCIOと会ってきたんですが、EVERNOTEという、これもなかなか注目されているんですが、テキストだけではなくて写真、画像、音声を一つのメモとして蓄積するソフトウェア、ウェブサービスを開発・提供している企業ですが、フィル・リビンというCEOがいまして、フィル・リビン氏が主催するシリコンバレーの企業の開発会議があって、EVERNOTEの、これがものすごくおもしろかったんです。非常にオープンな中で行われる、よくAppleとか大きな企業で、CEOが出てきて直接いろいろなメッセージを内外に発信するんですが、これもなかなかシリコンバレーの文化を知る上で非常に参考になりました。
 ちなみに、リビンCEOは非常に日本に造詣が深くて、シリコンバレーでは結構日本に対する評価が高い。もちろん中国の企業、韓国の企業も多いですし、アントレプレナーの数でいうと、やはり中国や韓国の方々の方が多いと思うんですがサンフランシスコを中心とした西海岸、特にシリコンバレーでは日本のブランドというのがかなり高いということも改めて再発見をしてきました。
 もう一つ、ほかにもMicrosoftとか大きいところにも行ったんですが、Miselu社というところで、吉川さんという若いベンチャー企業家が今、ネット対応型のソーシャル楽器というのを行っていまして、私としては、音楽と聞いただけで大変興味があるんですが、ヤマハと今共同して、Androidを活用したネット対応型新感覚のソーシャルメディア楽器を今作っていまして、試作品ができたら貸してもらって、少しここでも発信をしていこうと思うんですが、パソコンを中心、主体にしたパソコン型の楽器ですが、これはなかなかおもしろい手法で、クラウドファンディングをしかも彼はビジネスの中でいろいろと活用しているということで非常におもしろかったので、是非ここでもまたどこかで紹介させていただこうと思っています。
 それから、もう一つすごくおもろしかったのは、Rocket Space社というのがあるんですね。Rocketと書いてあるんですけど、ロケットとも宇宙とも全く関係がないということですが、一言で言うと、企業がビジネスをグローバルに展開をしていく道場みたいなインキュベータです。大体ビジネスインキュベータというと、企業ごとにいろいろなインキュベーションの試みを行うというのが普通なのに、ここは完全にオープンスペースで、いろいろな企業を集めて情報を共有して、これからグローバルにどう展開をしていくのかということを訓練するという場所で、そこに参加する企業がお金を出して作っているスペースですが、日本の企業も結構今増えているんですね。やはりこれもシリコンバレーならではというか、サンフランシスコならではというか、こういうビジネスインキュベーションの仕方もあるのかなということで、大変参考になりました。結構これから日本のいろいろな投資家、いろいろな企業の間でも存在感がどんどん高まってくるのではないかと思います。
 それから、シリコンバレーといえば何と言ってもGoogleで、「インターンシップ」という、御覧になった方がおられるかわからないですが、まだ上映されていないかな?日本では。シリコンバレーを舞台にした映画がありまして、Googleで全部撮っているんですが、リストラされた2人の中年サラリーマンがGoogleのインターンシップに挑戦するという非常にハリウッド的な映画なんです。そこで、これを見ると本当にGoogleの文化がよくわかるんですが、全然日本と違う発想で運営をされているということで、アミット・シンガルさん、この人はインド出身です。トップマネジメントにはインドの人が結構多いんですが、世界中から優秀な人材が集まっているということで、検索エンジン、クラウド・コンピューティング、ソフトウェア、とにかく今IT系では世界最高の企業の一つですから、いろいろな意見交換をさせていただきました。日本人として今Googleで頑張っている2人。彼は今確か震災関係のビッグデータか何かではGoogleの中の責任者までやっているんです。ここでもすごく頑張っている日本人の方々がいるということでした。
 ここで一つ私が話題として取り上げたのは、例のプライバシーの問題で、IT産業の裾野を広げていくためには、必ず突き当たるのは、個人情報保護の問題ですね。特に皆さん御存じだと思うんですが、ITをどこに使うのか、それはやはり医療産業ですよね、社会保障です。ところが、個人情報保護法との関係等々で、なかなか今まできちんと議論ができていない。いろいろ議論しているんですが、時代はどんどん変わってきていますから。それで、実はIT戦略本部の下にパーソナルデータに関する検討会というのを作って、2回行ったんですね。ようやく問題点を整理できましたから、なかなか難しいんですが、こういうことを法改正に結びつけていきたいと思っています。Googleは、とにかくうちは情報のセキュリティについては最高のシステムを持っているので大丈夫だと言っていましたが、匿名化すれば、それで情報流出がないかというと、そういう単純なものでもないので、Googleの試みなんかもいろいろと参考にしながら、これからパーソナルデータの問題は進めていきたいと思います。
 Facebookに行ってきました。何でFacebookがSNSとしてこれだけ急成長しているのかということもお聞きをしてきましたし、ここでもパーソナルデータの話をいろいろ聞いてきました。エリオット・シュレージという副社長に来きてもらって、相当密度の濃い議論をさせていただきました。
 今回、実は宇宙政策担当大臣としての視察もありまして、ローラバッカー下院議員に会ったんです。日本に来て安倍総理にも会っていますが、ローラバッカーはカリフォルニアのオレンジカウンティというおそらく最もアメリカで保守的な共和党の強い地盤ですが、そこで13回当選している大物下院議員です。レーガン政権時代のスピーチライターも行っていて保守なんですが、日本の拉致問題についても非常に応援してくれている。このローラバッカーさんと日本で会って、下院議員の一行といろいろな意見交換をしたときに、是非カリフォルニアに来いと言われたので、シリコンバレーからロスにも行って、オレンジカウンティでローラバッカー下院議員と意見交換をして、ローラバッカーさんがいろいろと手伝ってくれたんですが、その事務所のアレンジでいろいろなところを見ました。
 やはり目玉は何と言ってもSpaceX、非常に有名な企業家がイロン・マスクという、シリコンバレーでもユニークだと言われているすごいベンチャー企業家が立てた会社ですが、ファルコン9とかドラゴン宇宙船も製造しているんです。ここに書いたんですが、これ以外のところは一切写真撮影は禁止でした。ここだけなんですよ、写真が撮れるのは。ロケット・宇宙船の設計・製造・打ち上げなど宇宙輸送サービスを一気に行っていまして、ビジネスの観点からどうすれば最も効率化ができるかというところで行っているんですが、規模といい発想といい、まさにこれもシリコンバレー的企業経営センスで、とにかくエンジニアがすごく若い。最高学府を出た優秀な人たちがここに勤めているんです。これはシリコンバレーの企業の特徴ですが、余分なことはさせない。エンジニアだったら、エンジニアとしての能力を最大限に活かしてもらうような環境を作っているんです。大きなシリコンバレーのIT企業みたいな感じで、ロケットを1から10まで本当にここで作っているんです。オープンスペースで、Googleと同じようにカフェもただで、我々もコーヒーを飲んだりしてきましたが、やはり技術者が100%能力を発揮できるビジネス環境を作っているというところも特徴でした。これはこれから宇宙政策を考えていく上では大変参考になりました。
 これはカリフォルニア・サイエンスセンターということで、これも未来の世代に科学者としてのマインドというか、例えば、宇宙飛行士になりたいとか、宇宙への興味とか、こういうものをかき立てる一つのスペースとしては非常にいいなと思って、日本にも筑波の宇宙センターとかいろいろあるんですが、すごかったのは、「エンデバー」がそのまま飾られていたんですね。この展示「エンデバー」についての感想を細かく言いませんがソウルがありました。、とにかくこの「エンデバー」にはソウルがあったということだけ申し上げておきたいと思います。
 Aeros社というのがあって、これはオレンジカウンティの飛行船「Aeroscraft」というんですが、これはほとんどサンダーバード2号ですね。形はサンダーバード2号だったんですが、これもなかなかおもしろい。つまり、全く滑走路が要らないモデルなので、例えば、被災地に対する支援なんかにも使えるのではないかということで研究をしていまして、これは新型ですが、実はGoogleでも気球のビジネスを行っているところがあって、気球とか飛行船というのはこれから結構注目されるのではないかなと思いました。
 ということで、シリコンバレーの話を簡単にまとめると、シリコンバレーは世界のどこにもない特別な場所ですが、しかし、安倍総理が言う、甘利大臣もよく言っていますが、世界で一番起業しやすい国を作るのであれば、日本のどこかにシリコンバレーを作らなければいけないと、科学技術政策担当大臣として強くそういう思いを持って帰ってきました。キーは徹底的な規制改革、それから経済特区的な環境をしっかり作るということと、もう一つも、これは皆さん、釈迦(しゃか)に説法ですけど、やはり起業家が育っていくマインド、スタートアップするための仕組み、とにかく1回失敗しても、失敗を評価するそういう文化、こういうものを日本に根付かせていかないと、科学技術政策担当大臣として言っている人材のハブはなかなか作れないと思いました。
 シリコンバレーについては、ここで話し切れないほどの収穫があったので、御興味があれば個別にアポを取って来ていただければ、お茶でも飲みながら少しお話ししたいと思います。
 少し時間がたってしまいましたが、今日から記者会見もきちんとこのように行おうと思っているので、シリコンバレー風になっているわけですね、分かると思いますけれども。
 第10回の国際科学技術関係大臣会合の話をします。
 STS forumです。「科学技術と人類の未来に関する国際フォーラム」となっていますが、これは前にもここでプレゼンしたんですが、これを是非皆さんにもっと注目してもらいたい。尾身元大臣の行ったすごい仕事です。なぜかと言うと、日本でいろいろな国際会議があると思うんですが、京都で行われているこのSTS forum、今回で10回目ですが、ワシントンに行っても、ヨーロッパに行っても、西海岸に行っても、科学技術者、技術者で知らない人はいません。おそらく科学技術の世界で言うと3本の指に入るプレステージを持った会議に成長しました。
 今回は、アメリカからホルドレン大統領補佐官が来るわけだったんですが、アメリカの政治も非常に大変な状況のようで、ホルドレン補佐官は来られなくなってしまったんですが、イギリス、フランスを始めとする科学技術政策担当大臣が40人ぐらい集まります。これは本当に実は日本として外に科学技術政策を発信する重要なフォーラムなので、是非皆さんにはもっと注目をしていただきたいと思っています。毎回、「科学技術の光と影」をテーマとして科学技術と社会に関する問題を議論しております。
 STS forumのアニュアルミーティングですが、テーマはいつものとおりですが、こんな感じでざっと書いてありますが、今回は10名のノーベル賞受賞者を含む人たちが参加する。政府関係者、企業経営者、大学学長、ジャーナリスト、1,000名を超えるということで、今回、安倍総理も出席されるということで、フィオラゾさん(仏高等教育・研究大臣)とか、ロシアの副首相も来ますし、各国の閣僚も来ます。山中教授(山中伸弥京都大学教授)も来るし、ブリティッシュテレコムの会長も参加をする。日本からは経団連の会長も参加をするということです。
 実は、私も科学技術政策担当大臣として、科学技術担当大臣会合でセッションの議長を務めたり、プレゼンを行ったりしようと思っています。昼食会もホストすることになったものですから、私がブロークンイングリッシュで司会を務めようと思っているんですが、日本のよさを何分かだけでもきちんとプレゼンしようということで、日本の科学技術の話、京都の話、オリンピックの話、いろいろ案が出たんですが、クールジャパンというかある意味で言うとIT技術の粋を集めたというか、日本のアニメーターが20年もかかって作った「キャプテンハーロック」の話をさせていただこうかと。これはシリコンバレーの企業モデルにも関係していることなので、かなり真面目に、40カ国の科学政策担当大臣になぜ「キャプテンハーロック」なのかということを説明しようと思っています。きちんと一人一人紹介をして、意見交換も行おうと思っています。
 ということで、ややシリコンバレー風のプレゼンテーションに今日から変えたので、こんな感じでこれから行っていきたいと思いますが、何か御質問があればお受けしたいと思います。

2.質疑応答

(問)NHKの高野です。昨日、「日米2プラス2」で沖縄の負担軽減策、様々なものが盛り込まれましたが、これを今後の沖縄問題の解決にどう生かしていきたいとお考えですか。また、今回の共同文書が沖縄の知事の普天間基地の埋立て承認の環境整備につながるという考え方もあると思うので、その点についてどのようにお考えですか。
(答)「2プラス2」の当事者ではないんですが、それを申し上げた上で、今回、2人のアメリカの政権の閣僚が来日をして、「2プラス2」を行ったということは非常に大きな意味があったと思いますし、いろいろな意味で成果が上がったのではないかなと思っています。沖縄に関係することについてもいろいろと発信があったので、それは先程読んできましたが、とりあえずあらゆることを沖縄の振興、発展に結び付けていくということだけは申し上げておきたいと思います。
 それから、基地の問題、普天間の問題、いろいろとそこでも合意がなされたようですが、何度も申し上げているとおり、私は沖縄担当大臣ですから、沖縄の振興をしっかりそれはそれで行っていくということだと思っています。
(問)せっかくシリコンバレーに行ったので、先程技術者が100パーセント能力を発揮できる環境にはあそこにはあると。日本の研究者が100パーセント能力を発揮できる環境が今あるのかどうか。もしないとしたらどういうふうにこれからやっていけばそういうのが作れるのか、どのようにお考えですか。
(答)それは非常に難しい問題だと思います。アメリカに比べればまだまだそのような環境は整っていないと言うしかないと思います。だからこそ例えば今回、昨年の予算だったか、リサーチアドミニストレーターみたいな研究のいろいろな環境整備をサポートするスタッフを設ける予算をつけたりしているので、そういう形で応援していくしかないのかなと。しかし、根本はもっと人々のマインドセットを変えなければいけないという、実はものすごく深い問題があるんですが、できるところから、例えばリサーチアドミニストレーターみたいな予算を作って、研究に少しでも時間をきちんと割いていただけるような仕組みを作っていくというしかありません。
 ちなみに、僭越(せんえつ)ながら私の政治家としてのライフワークの一つとしてはっきり認識できたのは、やはり本当に優秀な人材が日本で活躍しようと思える世の中を作る。相当人生の後半に来てしまって、また余分なことを言うといろいろと物議を醸すのでこれ以上は言いませんが、人材のハブにするということは、すなわち優秀な人たちが海外で活躍している、この人たちが日本に戻ってきてもいいと思うような環境をあらゆる意味で作らなければいけないということなので、今、中村さん(記者)がおっしゃった問題意識をしっかり踏まえて、必要な政策を科学技術政策担当大臣としても後押しをしていきたいと思います。
(問)あともう一つ、先程パーソナルデータの話も出たんですけれども、結局個人情報保護法みたいなものが、現場に行けば行くほど、それぞれに規定を作ったりというふうにして、そもそもの法体系そのものがイノベーションを阻害するようにできているのではないかと。それについてはどういうふうな法解釈をすればいいでしょうか。
(答)イノベーションを阻害するとは言わないんですが、やはり時代がどんどん変わってきていますから、それに合わせて仕組みも変えていかなければいけないということもあると思います。個人情報保護法のどこがどうというつもりはありませんし、やはりプライバシーの保護は大事です。どの国だってこれをやらなければいけないんですが、それを踏まえた上でどうやってITを使ったイノベーションに結び付けていくのか。どうやってIT産業の競争力強化、成長戦略に結び付けていくかということを考えなければいけないということで、もちろん規制改革会議もあるし、いろいろなところで行っているんだと思いますが、その背中を押すためにあえて戦略本部でパーソナルデータの検討会を作ったので、2回行いました。2回目の議論は最初の前半行けなかったんですが、すごくいいプレゼンがあって、いい議論があって、ようやく具体的に物事が並んできたので、是非ここは何とかブレークスルーを作りたいと思っているんですね。
 ただ、いろいろ出ていたんですが、ビックデータ、オープンデータとかいって、別に匿名化だけすればいいのではないかと。匿名化したからといって、情報が漏えいしないかというと、そうでもないでしょう。いろいろな議論が出ていたんですが、ここをまずきちんと整理して、その上で何をしたらいいのか。法改正という選択肢があるとすれば、どうやって踏み込んでいけばいいのかということは3回目以降もかなり突っ込んで議論しようと思います。
(問)TBSテレビの加古と申します。本日、OIST(沖縄科学技術大学院大学)関連で、沖縄の仲井眞知事が上京して、総理を表敬されますけれども、大臣は御同席されますかということと、概算要求に盛り込まれている、OISTの研究費に関しては、理事を務める尾身元大臣も満額回答を強く訴えていらっしゃいますけれども、年末に向けた予算セッションに当たって、大臣御自身も研究費の満額を確保するお考えかどうか改めて聞かせてください。
(答)まず、最初の質問についてですが、私は同席する予定はありません。これは、おそらくOIST側が総理に申し込まれて、知事も来られる。STSの理事長も来られますが、尾身理事長も来るということで、おそらく総理にいろいろな要望を出すのだと思いますが、私は出席する予定はありません。
 それから、予算について言えば、沖縄についてはもうぎりぎり目いっぱい要望したということで、攻防は3,000億のところだと思うんですが、当然担当大臣としてそれはできる限り、きちんと要望した予算が確保できるように全力を尽くすということであって、OISTについても当然、しっかりと担当大臣としてOISTの予算も応援していきたいと思います。
(問)ImPACT(革新的研究開発推進プログラム)、それに関連して、次期通常国会に内閣府設置法改正案を出すというのが、この間の日本経済再生本部で決まったと思うんですけれども、そうするとImPACT予算というのは、来年の本予算で確保していくというようなお考えなんですか。それとも今年度の補正予算は12月なので、それだと内閣府設置法の改正案が通常国会だと間に合わないのかなと思ったので、そこら辺はどうでしょうか。
(答)その辺のところはまだ決まっていません。いろいろな選択肢を頭に議論していきたいと思います。はっきりしていることは、SIP(戦略的イノベーション創造プログラム)の方もできたら法改正しなければいけませんから、それはおそらく今国会はなかなか間に合わないのではないかと思うので、次の通常国会になるのではないかと思います。ImPACTについては中身もだんだん詰めてきていますが、どういう形で実現していくかというのはこれから、いろいろな選択肢を前に今議論しているところなので、今の段階ではっきりしたことは控えたいと思います。
(問)フジテレビの鹿嶋です。2日前に官邸で総理と会われたと思いますが、どのような話をされたか教えていただけますでしょうか。
(答)あまり細かいことは申し上げない方がいいと思いますが、北方領土は、4泊5日で行ってきましたので、これについて率直な感想を申し上げて、報告をさせていただいたということです。
(問)その報告というのは、視察をされたこと。
(答)そうです。視察をして感じたこと、分かったことについて、北方対策大臣として、領土担当大臣としての意見、感想、これを総理に率直に伝えたということです。
(問)戻られてから、ロシア側の反応もあったと思いますけれども、その辺も含めてお伝えされて、それに対して例えば総理はどのようにおっしゃったんでしょうか。
(答)特に、個別的な反応については申し上げることはありませんが、発言については十分説明を受け入れていただいたと思っています。特に、何か問題があったとは全く思っていません。
 よろしいですか、ありがとうございました。

・説明資料(PDF形式:979KB)

(以上)