山本内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成25年10月1日

(平成25年10月1日(火) 17:34~17:51  於:合同庁舎4号館7階742会議室)

1.発言要旨

 今日は久しぶりなので、少し盛りだくさんになりますが、まず最初に閣議におきましては、北方領土訪問について報告をさせていただきました。それから、IAEA(国際原子力機関)総会出席、シリコンバレー視察、これについては配付資料として各閣僚の皆さんに読んでいただきました。ということで、今日は三つ続けて最初のプレゼンをさせていただきたいと思います。
 最初、IAEA総会出席ということで、なかなか記者会見でお話しする機会がなかったので、簡単に御報告したいと思います。
 9月15日から17日、オーストリアのウィーンに出張して、IAEA総会で日本政府代表として演説をしてまいりました。ポイントは二つで、安倍政権がエネルギー政策を転換したと。すなわち前政権の2030年代に原発ゼロという方針から政策を転換して、責任あるエネルギー政策を再構築していく方針だということ。もう一つは、汚染水問題、これが大きな、やはりIAEAで話題になっていましたが、汚染水問題については、政府が前面に立ち、問題の抜本的な解決に当たるということで、日本政府の方針を18分の演説の中でしっかりと発信をしてきたつもりです。
 ウィーン滞在中に各国の原子力関係者ともいろいろ懇談をしたのですが、IAEA天野事務局長とも当然会談をいたしました。天野事務局長とは、ここに書いてありますが、汚染水の問題の取組を含めて、責任を持って福島第一原発の廃止措置に取り組むという話、それから、IAEAが来年とりまとめる福島第一原発事故に関する包括的報告書作成について、積極的に協力をしますというお話をいたしました。事故の経験、教訓を世界と共有ことが非常に重要で、国際的な原子力安全の強化への貢献は我が国の責務であるということで、認識が一致をいたしました。
 ウィーン滞在中にモニーツ・アメリカエネルギー省長官、それからビゴ・フランス原子力庁長官とも会談をいたしました。細かい話は申し上げるのは避けたいと思いますが、安倍政権のエネルギー政策を説明し、同時に汚染水問題について日本政府の立場を説明し、率直な意見交換をさせていただきました。日米、日仏、やはり原子力分野での協力をしていく必要があるという認識で一致をいたしました。
 内外記者会見をさせていただきましたが、内外から約40名のプレスが参加をして、熱心な質問が多数寄せられました。やはりこの度のIAEA総会は、非常に大事だったと思うのですね。国際的なやはり情報発信というものをあらゆるレベルで強化をしていかなければいけないということを強く感じました。この後、汚染水問題についてのより細かいセッションが行われました。、そちらの方は、私は参加することができなかったのですが、経産省あるいは資源エネルギー庁、規制委員会等々の関係者が更に多くのプレスの質問に答えたと聞いております。
 それでは、駆け足でIAEA総会報告をさせていただきましたが、次に北方領土訪問について報告をさせていただきます。
 1日目、古釜布港から、ここは入るところなのですが、国後島への第一歩ということで、北方対策担当大臣、領土担当大臣として初めて北方領土を視察させていただいたということです。
 いろいろ現地の代表者と意見交換したり、あるいは幼稚園で園児と交流をしたり、ロシア正教会等々を視察させていただきました。主に日露の話合いの中でロシア側が組み立てたプログラムに則って、この交流チームの一員として、いろいろと活動をさせていただきました。これは国後島です。
 択捉島へも第一歩を記したということで、大臣として初めて択捉島も視察をさせていただきました。日本人墓地の墓参りをしたり、あるいはホームビジットで、私の行ったところは地区の代表者の家だったのですが、かなり長い時間、意見交換もさせていただきました。
 択捉島、これは2日目。国後1日、択捉2日という実質日程だったのですが、またここで園児と交流をして、南クリル発展計画で保育幼稚園も増やしていますから、そのいろいろな話をさせていただき、択捉に建設中の空港、これは初めて視察をさせていただきました。
 これはエリカちゃんのfacebookですが、このエリカちゃん、だんだん進化していまして、新しいバージョンもどんどん出て来るので、是非皆さんに興味を持っていただきたいと思います。「順次アップしてるっピー!!」と、こういうふうにしゃべるのですが、、エリカちゃんにも是非注目をしていただきたいと思います。
 それでは続きまして、平成25年度の宇宙開発利用大賞受賞者の決定について簡単に御報告したいと思います。これは応募が145件あったのですが、予備選考、それから本選考を経て、8人だったでしょうか、受賞者を決定いたしました。
 簡単に紹介しますが、内閣総理大臣賞は「宇宙を利用した漁場探索技術の確立と衛星利用海況情報の提供」ということで、漁業と宇宙を結びつけたということなのですが、科学と縁遠い「勘と経験の漁業」と「先端技術の宇宙開発」を結びつけて、漁業を近代化したということで、非常にいい視点だと思うのですが、全体として高騰する燃油を16%節約したと。しかもこれによって、パソコンを搭載する漁船が増加した。それから、若い船頭が増加して、後継者の育成にも寄与したということで、漁業を近代化し、衛星情報を利用した漁業の確立に貢献をしたということで、内閣総理大臣賞です。
 これは私の賞ですが、「準天頂衛星のLEX補強信号を利用した農機ガイダンス・自動走行システム」ということで、準天頂衛星からの補強信号でかなり高精度のリアルタイム測定で、この農機のアシスト走行を実証したということで、準天頂衛星の利用が、ここに書いてありますが、IT農業を始めとして、幅広い分野で有効な手段であるということを示したと。これはおそらく準天頂衛星の利用を促進すると思います。
 表彰式ですが、10月10日午後1時から2時35分まで行われます。同時に「宇宙政策セミナー」の開催を予定しております。表彰状の授与、内閣総理大臣賞事例発表等々を行いたいと思いますので、詳細は御興味があれば事務局に聞いてもらいたいと思いますし、宇宙開発利用大賞ホームページを御覧いただければと思います。
 以上です。
 ということで、駆け足で三つプレゼンをさせていただきましたが、何か御質問があればお受けしたいと思います。

2.質疑応答

(問)朝日新聞の秋山ですけれども、北方領土について、大臣の御発言について、ロシア外務省から警告というか抗議というか声明が出ましたけれども、その点について。
(答)この四島交流プログラムの交流団の一員として今回北方領土を訪れたわけですが、そのプログラムの趣旨に則って、滞在中もかなり慎重に発言をしたと自分では考えています。戻ってきて、根室の記者会見で私が申し上げたのは、これまでの日本政府の立場を改めて申し上げたということで、これについて特に抗議をされるような中身ではないと考えていますし、日露首脳会談のその趣旨をしっかり体して、その流れの中で、現地でも言いましたが、一喜一憂せず、粘り強く交渉していくと、これが大事かなと考えています。
(問)もし、もう一度同じ状況であれば同じことを申し上げられると。
(答)基本的に、もう一度言いますが、従来の日本政府の立場を改めて申し上げたというだけですから、特にこれについて問題はないと自分では考えています。
(問)共同通信の須江と申します。IAEAの天野事務局長との会談についてですけれども、事故の報告書への積極的な協力ということで、もしお話、既に出ていたら申しわけないのですが、具体的に例えば今まで出ている政府事故調、国会事故調のデータを閲覧ですとか、何か具体的にこういったものが欲しいとか、もしくはこういったことが欲しいというような発言は何かありましたでしょうか。
(答)あまり詳細のところまでは話はしませんでした。ただ、日本政府として、いろいろIAEAが必要な情報があれば、できるだけ積極的に提供していきたいということは申し上げました。
(問)テレビ朝日の高松と申します。ちょっと関連しまして、小泉元総理が最近、脱原発について方針を掲げられていることがあるかと思うのですけれども、それについてはどのようにお考えでしょうか。
(答)それは小泉元総理のお考えということだと思います。
 いずれにせよ、日本政府の立場は今の安倍政権の立場だと、こういうことだと思います。
(問)ただ、安倍政権の今の原発輸出を進めていこうというところの政策と、あと元総理という発言の大きさとのギャップといいますか、そういう違い、影響力が大きいのではないかとも思うのですけれども、そこについてはどうお考えでしょうか。
(答)それは、小泉元総理は今引退をされて、個人として御発言をされているので、それはそれで小泉元総理の意見だと思いますが、私は安倍総理の方針が正しいと思っていますし、安倍総理の方針を閣僚としてしっかり支えていきたいと思っています。
(問)共同の野見山です。先程の北方領土の関係ですけれども、大臣が慎重に発言されていた中で、ロシア側が今回このような反応を見せたことについては、大臣としては戸惑う面とか、あるいはちょっとロシア側が誤解しているのではないかという、そういう思いはあるのでしょうか。
(答)これはもうロシア、相手方のことなので、どういう意図があるのかよく分かりませんが、あまり詮索する必要もないと思っていますし、とにかく先程申し上げたとおり、日露首脳会談の趣旨に沿って、しっかり粘り強く交渉していくということに尽きると思います。
(問)1点、ちょっと関係ありませんが、今日、総理が消費税増税の8%引上げというのを判断されましたが、閣僚の一員として、その受け止めがあればお願いします。
(答)日本の未来、それから国民の幸せ、それから国益を考えた総理の決断だと思いますし、経済パッケージと併せて行うということですが、総理の判断を100%支持したいと思いますし、閣僚として、微力ですけれども全力で支えていきたいと思います。
(問)北海道新聞の栗田です。確認なのですけれども、ロシアの声明の件で、これは大臣、公式な発言としては、これを受けては、今回初めておっしゃったということでいいのでしょうかね。声明を受けての大臣のお考えを示したというのは。
(答)そうですね。初めてというか、何か聞かれたような気がするのですが。
(問)例えば情報発信もされていますけれども、チェックしているつもりですが、そういったところで、これについてコメントしたりというのは。
(答)コメントといえば、確か時事か何かに流れたかなという、今と同じような話が。たまたまアメリカ出張の時におられたので、その時に、もしかすると流れたかもしれません。
(問)公式の場では、今回初めて。
(答)そうですね、公式な場ということで言ったら、もちろんこれが初めてだと思います。
(問)ライターをしております藤井と申します。先日のアメリカ出張に関しまして、Evernote、GoogleといったIT企業の訪問や関係者の方々にお会いなさったということをお聞きしているのですけれども、各社であったり、どのような意図や狙いがあって、視察するところをお決めになったのかというところを一つと、あと各プラットフォームが、ほとんど海外のサービスだというのが現状だと思うのですけれども、日本企業や日本のサービスが競争力をつけていくために、どのような政策が、必要性が出てくるのかというようなところ、大臣のお考えをお聞かせいただければと思います。
(答)今回のIT、今回のシリコンバレー視察は、一つは「IT咸臨丸」ということで、やはり日本のIT政策がまだまだ遅れているということをしっかりポリシーメーカーが認識をするために、改めて、やはりアメリカとか韓国とか、あるいは北欧とか、そういうところをしっかり視察をしていこうということが大きな趣旨としてありました。やはり、これからのIT産業を考えるということでいえば、それはやはりITベンチャーの集まっているシリコンバレーから行くのが最もいいだろうと、こういう判断でした。
 シリコンバレーに行って思ったことは、なかなか世界にシリコンバレーみたいなところはないと思うのですが、あれだけ、企業家のエネルギーが集まる場所というのは、なかなかないと思うのですが、大変刺激になりましたし、科学技術担当大臣としても、日本の未来は、日本をいかに優秀な人材を集めるハブにできるかどうかということなので、シリコンバレーから学べるところはいっぱいあると思います。
 今日、産業競争力会議で、いろいろ茂木大臣等々からも説明がありましたが、それを聞きながら、改めて規制改革、特区の構想をしっかり進めて、なかなか難しいと思いますが、日本にもシリコンバレーみたいな地域を作れるような流れになればいいなと、そう思いました。
(問)読売の本間と申します。先日の新聞報道で、イプシロンの関係でベトナムの受注の話が出ていましたけれども、政府が調整に入ったというふうにも書いてありましたが、現状のところはどうなのか。
(答)細かいところはまだ、御報告できるようなところに至っていないと思うのですが、いずれにせよ、日本の宇宙産業の競争力強化のために、H-ⅡAロケットも含めて、いろいろなところでこれをしっかりと売り込んでいくというか、とにかくマーケットに進出していくということは、すごく大事だと思います。
 今言った具体的な話については、今いろいろとあるのでしょうが、この時点では申し上げられないと思います。
 よろしいですか、ありがとうございました。

・説明資料(PDF形式:753KB)

(以上)