山本内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成25年6月20日

(平成25年6月20日(木) 12:12~12:26  於:合同庁舎4号館6階605会見室)

1.発言要旨

 先程第1回の科学技術イノベーション予算戦略会議を行いました。6月6日の総合科学技術会議で安倍総理から「総合戦略を確実に実行に移し、成長戦略等にも反映していくことが、何よりも重要だ」と、こういう御指示をいただきまして、今回策定された総合戦略を、スピード感を持って着実に実行に移していくことが大事だと思っていますが、特に総合科学技術会議の予算も含めた抜本的強化をしてほしいと。このことについて言うと、今日の予算戦略会議は大事な一歩だったのではないかと考えています。全体としては非常に前向きな、いい議論ができたのではないかと考えています。
 会合では、先般閣議決定された総合戦略の概要をまず事務局の方から説明をさせていただきました。これに基づいて、総合科学技術会議としての来年度予算の重点化の進め方、これについても説明をさせていただきました。でも、予算要求プロセスにかかわることなので、詳細は今ここでは明らかにできませんが、会合での各府省との活発な意見交換、意識の共有を通じて総合科学技術会議が主導し、実効性のある予算重点化プロセスの道筋、これができたと思っています。
 私としては、26年度予算編成からこの予算戦略会議の仕組みを導入することによって、先程記者の皆さんがいる前でも申し上げましたけれども、スピード感、それから一体感、こういったものの実効性、こうした三つのことをしっかりと進めていければと思います。
 今日の議論の中で、各省庁からいろいろな意見が出ました。うちの省はこういう取り組みをしていると。こういうことに関心を払ってほしい、こういう分野で連携をしてほしい、それもかなり具体的な話が出ました。そのことについて、いちいち細かくは申し上げませんけれども、一つ、各省から関心が示されたのは、創設が決まっている府省横断型プログラム、戦略的イノベーション創造プログラム、この中身について、是非早めに具体化してほしいという要望が出されまして、これについて関係各省がかなり関心を持っているということがわかりました。
 もう一つは、健康・医療戦略室とNIHのことについてもいろいろと御質問が出ましたが、何度も申し上げているとおり、私が答えたのは、NIHの創設については、これはもちろん安倍内閣の方針ですから、これも前向きに受けとめていますと。健康・医療戦略室が、特にこの医療、健康の分野について、予算を例えば主導していくと。こういうことは流れとしてできていますが、ただ、NIHの詳細な制度設計というものがまだできていないので、どうやって司令塔間で例えば連携をしていくかということも含めて、詳細設計を見ながら、連携の仕方を考えていくということが現実的ではないかと。こんなお話をさせていただきました。
 それともう一つは、FIRSTの後継プログラム、こういうことについてもできるだけ早くその全体像を示してほしいというお話もありました。私の方からは、総合科学技術会議の民間議員の方々にもいろいろと力をお借りし、うちの事務局も最大限サポートしていきますが、関係各省も巻き込んで、もちろん関係各省からもいろいろな知恵をもらいながら、できるだけ早くこの府省横断型プログラムの中身、イメージというものを御説明できるようにしたいと。FIRSTについても、今日の推進会議でその中身についてのFIRST後継施策、これについても今日の推進会議で議論が始まったということを御報告させていただきました。
 もう一度言いますが、非常にいい議論ができたと思います。各省の関心もわかりましたし、こちら側が財務当局と一応すり合わせといいますか、調整をした上で示した方針についても、かなり早い時期に説明ができたということで、非常によかったと思います。
 アクションプログラムは皆さん御存じのとおり、だんだん進化をしてきたわけですけれども、こんなに早く、まず予算の全体像について議論ができたことはありませんし、今回は特に総合戦略の閣議決定というのもありましたから、この予算戦略会議を最大限に生かしながら、より進化したアクションプログラムに結びついていくと。すなわち総合科学技術会議の調整機能、予算に対する健全な影響力を強めていけるのではないかと。そのように考えております。
 私からは全体として以上です。何か御質問があればお受けしたいと思います。

2.質疑応答

(問)朝日新聞の瀬川ですけれども、従来のアクションプランを作る時には、そういった関係省庁の幹部を集めた会議というのは開かれていたんですか。
(答)開かれていないと思います。
(問)会議自体もなかった。
(答)個別にいろいろな関係各省と調整をしたり、話し合いをしたりということがあっても、こうして科学技術関係予算について、各省の幹部に集まってもらって議論したということは一度もないと思います。
(問)事後もなかった。
(答)事後もないと思います。今日はやっぱり関係各省から相当責任のあるレベルの人に出てきてもらったというのがポイントだと思います。官房長が来られたところもあったかもしれませんし、あと局長レベルの方、特に各省で科学技術予算に責任ある立場の人たちに出てもらったと。これは非常に意味があったと思います。
(問)この会議は今後、いつまでに何回ぐらいやるんですか。
(答)これは何回という、できる限り活用したいと思いますし、必要に応じて開いていきたいと思いますし、次回の開催はまだ決まっていません。
(問)最終回は、通常は8月末が概算要求ですけれども、8月中旬ぐらいまでやるというふうに考えていいんですか。
(答)そうですね。必要があればこうして全体で集まっていろいろな方針について議論するということをやりたいと思いますが、とりあえず今日は第1回目の会議で、我々の方針を説明しました。各省の考えている基本方針だけはお聞きしました。これを踏まえて、これから関係各省とのもうちょっと実務的な多分話し合いが始まるんだと思います。
(問)アクションプランというのは、科学技術予算のうちのごく限られた一部しかカバーしていないと思うんですけれども、この会議はもっと広い分野をカバーすると考えていいんですか。
(答)科学技術予算全体のもちろん傾向について、影響力をしっかりと行使していくということだと思います。要は総合科学技術会議の司令塔機能を強化するための一環ですから、この予算戦略会議を活用して、それはもちろん政府全体の科学技術予算の動向にきちっと影響力を与えていくと。それがいわゆる総合科学技術会議の調整機能だと思っています。
 前も申し上げましたけれども、府省横断プログラム、例えば私は最低限でも500億と言っていますが、500億で調整機能が発揮できるのかという人がいましたけれども、前に申し上げたとおり、これも安倍総理の経済政策ではないんですけれども、総合科学技術会議、司令塔機能強化のための3本の矢ということで、きちっと予算配分権というものをある程度持って、省庁横断の戦略的なプログラムをしっかりと総合科学技術会議が決めるという仕組みをつくるのと、それから、FIRST後継のようなプログラムについて、きちっとこれを主導するということと、もう一つは政策決定プロセスにしっかりと影響力を及ぼしていくための仕組みをつくるということで、この三つを使って、この三つを活用して、科学技術予算全体にしっかりと影響力を及ぼして、総合調整機能を発揮していくということに尽きると思います。
(問)最後に。日本のNIHが設立されたときに、健康・医療戦略室というのは引き続き存続するんですか。
(答)それは私がコメントすることではないと思いますが、少なくとも健康・医療戦略室、これは司令塔機能を発揮するという流れになっていると思います。だから、司令塔間の連携というのは常に必要だと思います。司令塔間できちっと意見交換していくということは必要だと思います。
(問)すいません、今日の午前中の会議でFIRSTの後継で議論があったと思うんですけれども、具体的な中身については何か。
(答)いや、まだそこまでいっていません。これからしっかり議論していくということです。
(問)あと財務省との、ちゃんとがちっと握っているよというお話だったんですけれども、つまり、今回の総合戦略の予算重点化の部分は合意していると。それで、全体予算、科学技術予算全体については、何か合意とかそういうのはない。
(答)それは事務局の方から少し補足してもらおうと思いますが、少なくとも今日、我々が総合科学技術会議として示す予算の方向性、方針については事前に財務当局とちゃんと調整をしていると、こういうことです。
 それで、FIRSTの後継施策については、これを創設するという流れができたと思います、書いてありますから。ただ、これをどういう形にするかというのは、これから多分、いろいろな協議を経て、いろいろな財務当局との話し合いも経て決まっていくということだと思います。
(問)予算全体については、4期計画で25兆円とか言っていますけれども。
(答)そういうところまでは多分話はしていないと思いますね。

(事務局)補足しますと、お手元の資料3の予算重点化の考え方について、これに対して財政当局とちゃんと調整をしているということです。

(答)今日、さっき冒頭、カメラ撮り、ペンが入っているところで申し上げましたが、一応、今日来ておられない方も1人か2人おられるので、もう一回言っておきますね。
 会議では、私として、26年度の予算編成から、この予算戦略会議の仕組みを導入することで、以下の点でこれまでの予算編成プロセスを大きく進化させたと思っています。一つ目ですが、これはスピード感です。総合戦略を予算編成プロセスが始まる早期に閣議決定をして、速やかに予算戦略会議を開催し、予算重点化の考え方を私たちから提示することで、これまでにないスピード感で実行に移していると、そう考えています。
 二つ目は、一体感というのがキーワードです。これまでは総合科学技術会議側が、予算重点化の方針、アクションプランの具体化を進めて、各府省は成案が決まってから内容が示されてきたと。こういうプロセスだったんですが、今後は各府省の科学技術政策の責任者が一堂に会した場で、先程御質問があったとおり、こういうことは一度もありませんでしたから、新しいメカニズムですが、一堂に会した場で、予算重点化の方針に関する意識共有を徹底すると。同時に各府省の考え方も聞いた上で、我々の総合科学技術会議の資源配分方針に反映をするということで、政府一体となって予算編成を推進できると思っています。
 最後の三つ目が、実効性ということで、先程も申し上げましたが、この予算戦略会議で示した予算編成の重点化の考え方については、財政当局と調整を経ています。ですから、今後も財務当局とは緊密に連携しながら、予算重点化の実効性をきちっと向上させ、確保していきたいと、こういうことです。
 こういうことを関係府省に説明をした上で、改めて私の方から今後の予算編成プロセスに対して協力を要請いたしました。関係府省の方からは、関係府省の方々のいろいろな発言を聞いて、皆さん、安倍総理の指示についてはしっかりと御理解をいただいていると、こういう確信を得ました。
 よろしいですか。すみません、ありがとうございました。

(以上)