山本内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成25年4月12日

(平成25年4月12日(金) 9:52~10:11  於:合同庁舎4号館7階742会議室)

1.発言要旨

 今日は、閣議については特に御報告することはありません。
 今日は領土担当大臣の下に、少し前になりますけれども、領土・主権対策企画調整室というものを作りましたが、皆さんからも御質問のあった有識者懇談会、これをいよいよ立ち上げることになりましたので、そのことについて御報告、発表させていただきたいと思います。
 今回、動画は使えないので、こういう感じなんですけれども、「領土・主権をめぐる内外発信に関する有識者懇談会」という名前にしたいと思います。いよいよ発足ということで、4月23日、今月の23日に初会合を開きたいと思います。
 メンバーですけれども、座長は西原平和・安全保障研究所理事長にお願いをいたしました。以上、今ご覧になっているような方々にお願いをしたのですが、国際政治とか歴史から始まって、国内啓発、あるいは対外発信、こういうことをやっていくために非常にそれぞれの分野で活躍をされている有識者の方々に集まっていただいたと、私の感覚で言うとバランス感覚のあるベストメンバーを選ぶことができたということで、10人ということで発足をさせたいと思っております。
 基本的に安倍内閣の基本方針として、我が国の領土を断固として守り抜くと、こういう方針がございます。この方針に基づいて、歴代内閣で初めて領土担当大臣というのを作って領土対策室まで設置したということですから、これが今回の有識者懇談会でも基本の方針ですけれども、何をやるかということは、一言で言うと、国内外へのしっかりとした発信の戦略をつくって、そして対外発信もやるということで、これがポイントですけれども、いつも申し上げているとおり、安倍総理の外交戦略、安倍総理の外交政策の選択肢を狭めないように、そこはしっかり注意をしながら、もちろん外務大臣とも平仄(ひょうそく)を合わせて、外交政策との整合性に配慮しながら、この活動を進めたいと思いますし、対外発信をやっていきたいと思っております。
 少し正確に言いますが、文言をいろいろと調整したので、この有識者懇談会は、我が国の領土及び主権をめぐる情勢に関し、関係国の主張や国際的な認識を踏まえつつ、我が国としてより効果的な内外発信を推進していく上での今後の学術的な調査研究の課題や、対外発信、国内啓発のための方策の整理・検討を行うことを目的とするものだと、こういうことで、先ほど申し上げましたけれども、国内啓発と同時に対外発信をやっていきたいと思っていまして、これは元々、もちろん外務省がやってきたことですけれども、ここはしっかり外務省、あるいは総理の方針も見ながら、総理、あるいは外務大臣をバックアップできるような発信をしていきたいと思っています。
 以前からも何度も指摘をさせていただいているとおり、国際社会に対する領土問題についての発信が不十分という言い方はあれですけれども、ここをもっと強化していかなければいけないという意味から言うと、有識者の方々からいろいろな知見をいただいて、その対外発信を効果的にやっていくために何が必要なのか、その目的のために、いわゆるいろいろな国内の資料等々、あるいは歴史的な経緯も研究をしなければいけないと思いますし、諸外国のいろいろな主張についても分析をしなければいけないと思いますし、それを踏まえて、私も領土担当大臣として、外務大臣をサポートする形で自ら対外発信もしていくと、こういう形にしていきたいと思います。
 私からは以上です。きょうは特に他にはプレゼンすることはありませんが、何か御質問があればお受けしたいと思います。

2.質疑応答

(問)共同通信の大澤です。この有識者懇談会なんですけれども、いつ頃までにまとめようというお考えなのかということと、おそらくこれまでの話だと、尖閣、竹島、北方領土のあたりが対象になると思うんですが、それぞれ同時並行的に進めていくのか、どこかから優先的にやっていくのかということをお聞かせ願えますか。
(答)まず、この有識者懇談会のテーマについては、4月23日に最初の会合を開きますから、少し有識者の方々の間でも議論をしていただこうと思っています。
 大体のスケジュール感ですけれども、これもよく、有識者の方々の御意見も聞きたいと思いますが、私の感覚からいくと、少なくとも提言を出すまでに5回か6回は会議をやらせていただこうと。その間、いろいろ調整もあると思いますが、そのくらいはやらせていただこうと思っていまして、できれば7月の初めぐらい、可能であれば、参議院選挙がいつ告示になるか分かりませんけれども、選挙が始まる前に提言をまとめたいと。これはおそらく総理にも持っていくことになると思いますし、外務大臣等々、そこら辺もきちんと私のほうから手交させていただくことになると思いますが、スケジュール感として言うと、5、6回きちんと会議をやって取りまとめて、7月の初めぐらいに報告書、提言を上げるという感じになるのではないでしょうか。
 それから、中身については、さっき申し上げたとおり、テーマは有識者会議の中で、特に第1回目の会議の中でよく議論したいと思いますが、主要なテーマは竹島問題と尖閣情勢ということになると思います。それもよく、これも有識者の方々の議論をしっかり踏まえてということですが、基本的に竹島問題と、それから尖閣情勢というのは二つに分けて、おそらく議論するということになるのではないかと思います。
 北方領土については、これは北方対策本部がありますから、ここと連携をしながらやるということですが、北方領土問題についてどう議論していくかというのは、その有識者会議の中でまたよく話し合いたいと思いますし、とにかく、これだけの方々が集まっているわけですから、テーマについても少し幅広く議論をしていただこうと思います。
 主力は、もう一回言いますが、竹島問題と尖閣情勢にしたいと。ただ、北方領土についても、これもさっき申し上げたとおり、これからいろいろな外交的展開があるかもしれませんし、総理のいろいろな戦略をよく見極めていかなければいけないと思いますが、北方対策本部で国内啓発をしっかりやっていますが、対外発信という意味で言えば、私、領土担当大臣ですから、もちろん北方領土についての対外発信ということも考えたいと思いますが、とりあえず、もう一回言いますが、さっき言った二つが主力ということで、北方領土問題をどう織り込んでいくかというのは、その有識者会議の中でよく考えていきたいと、こう思います。
 すみません。しつこい説明でしたけれども、ちょっと正確にやらなくてはいけないので。
(問)日経新聞の朝田と申しますが、発信戦略なんですけれども、どういう手段が考えられるか。広告、CMとか、こういったものまで含めるのか、それとも外交上、幅広く説明をしていくというようなことにとどまるのか、その辺は。
(答)その発信戦略の中身は、まさにこの有識者懇でいろいろと知恵を出していただきたいと思うのですね。この有識者の方々の中には、対外発信についていろいろ知恵のある方々もおられるので、そこはどういう形でやっていくかという具体的な戦略は、ちょっとこの中で考えたいと思います。
 でも、私自身は、やはり韓国の竹島の問題、尖閣については領土問題はありませんけれども、やはり事実と違う主張がPRされているという問題がありますから、これについては領土担当大臣として発信をしていきたいと思います。4カ月近く、極めて慎重に、おとなしく、御迷惑をかけないように一生懸命ストックをためてきたので、そろそろ発信を始めなくてはいけないと思っていますし、例えば、わかりませんけれども、出張した場合とか、いろいろな機会を捉えて、日本の正しい主張を展開できるときには、私自身が、もちろん外務大臣とも十分相談をしながらというか、調整しながらですけれども、私自身がいろいろなところで発信をしていくということを具体的にやっていきたいと思っています。
(問)科学新聞の中村ですけれども、宇宙担当大臣としてお聞きしたいんですが、宇宙政策委員会とか、その前の戦略本部とか、ずっと非公開だったんですけれども、それは仕方がないと。ただ、ちゃんとその後に議事録とかを公開して公開性は高めるということだったんですが、実は、ちょっと調べてみたら、民主党政権時代の宇宙開発戦略本部の専門調査会なんかの議事録、議事要旨なんですが、例えばこっちは、両方あるんですけれども、民主党時代と自民党時代とで、民主党時代のときは、これ、議事要旨、一時間五十分ですけれども約二万三千字あるんですね。自民党時代になって宇宙政策委員会、一時間やったんですけれども、二千数百字なんですね。これは、要するに自民党政権になって情報の公開性がなくなったというふうな捉え方をしていいものでしょうか。これについてどのようにお考えですか。
(答)それは、ちょっとこれ、私ももう一回チェックさせていだたきます、こういう問題提起をいただいたので。しかし、情報公開性が薄まったということは全くないと思っていまして、何でもかんでも書けばいいというものではないので、宇宙基本計画ではないのですけれども、ちゃんとメリハリをつけなくてはいけないですし、あるいは、例えば安全保障の話が出てきた時には、それはそのまま公開できない議論もありますし、十分自由に議論していただくためには、やはり全部公開というか、かなり正確に、その議事録というか、要点をまとめていると思いますので、それは全く、民主党時代に比べて情報公開が薄まっているとは全く思っていません。ただ、この字の違いについてはちょっと研究させていただきますが、何でもかんでも書けばいいというものではないので、私はかなり、今の宇宙政策委員会の運営を見ていれば、相当効率的に精力的にやっていただいているし、ここをうまくまとめて出しているというだけではないかと思います。ただ、これはちょっとチェックさせていただきます。
(問)あと、この議事録の公開の時期についても、平成23年当時は一週間後に出ていたんですね。例えば前回のやつとか、まだ出ていないんですけれども、そういうものも、そういう公開の迅速性という点についても遅れていると思うんですが。
(答)それは遅れているとは思っていないのですが、今の比較の話は初めてなので、ちょっとチェックさせてください。ただ、基本的に民主党時代に比べて情報公開の部分が閉じるとか、そういうことは私はないと思いますし、基本的にオープンにできるところはオープンにしていくという方針なので、ただ、その今の比較については初めて聞きましたので、ちょっとチェックさせていただきたいと思います。
(問)朝日新聞の大野です。
 日台の漁業協定についてなんですけれども、沖縄県知事から遺憾だというかなり強い言葉での抗議があったと思うんですけれども、沖縄担当大臣として、漁業者、若しくは沖縄県民に対して、これからの対応というのがもしおありでしたら、お考えをお願いします。
(答)これについては、いろいろな沖縄知事のお言葉を踏まえていろいろな意見があると思うんですね。ただ、その中身を見てみると、これもいろいろ意見があるのですが、基本的なルールについては、たしか漁業委員会をつくって議論するということですから、そこをまずちゃんと見守っていきたいなと思っています。
(問)朝日新聞の瀬川と申しますけれども、京都府立医大の元教授が論文のねつ造で、調査委員会で論文をねつ造したという事実が報告されました。基礎研究から臨床までの出口を見据えた研究ということでかなり有名になった方が、こういう論文の不正をされたということに関して、大臣のお考えをお聞かせください。
(答)多分、普通答弁に書かれる言葉だと「まことに遺憾」ということになるのですけれども、激しい怒りを感じますね、申し訳ないですけれども。こういうことをやったら、他のまじめな研究者まで疑われるわけであって、極めてあってはならない、非常に頭に来ているって、そういう言葉を言ってはいけないですね。極めて、何と言ったらいいかわからないですけれども、激しい怒りを感じます。これはあってはならないことだと思うんですね。
 特に再生医療の分野でしょう。これから本当に力を入れていかなければいけない。ですから、これは、こういうことがあってはならないし、下村文科大臣はしっかりされているので大丈夫だと思いますけれども、是非こういうことがないように文科省の方にもしっかりやっていただきたいと思いますし、科学技術担当大臣として、総合科学技術会議で、この議論が出るかどうか分かりませんけれども、こういうことは二度とないような取り組みをしていかなければいけないと思います。激しい怒りを感じます。あってはならないと思います。
(問)具体的な取組策のお考えは。
(答)まず1つは、まずこれは文科省の方からきちん指導してもらうということだと思いますが、具体的な話については、少しいろいろなところで議論をしなくてはいけないのかなと思います。
(問)読売新聞の岡部と申します。領土・主権の有識者懇談会なんですけれども、こういう懇談会が設置されるというのは、ここ数年の日本を取り巻く領土・主権で変化があるということで、その辺、今のタイミングでこういうものを設置するということに対して、大臣のお考えをお聞かせください。
(答)先ほど御説明したように、安倍内閣の基本方針の一つは、領土・主権は断固として守り抜くと、これはもう安倍総理が総裁選挙の時から言っていることであって、その言葉を踏まえて、初めて歴代内閣で領土担当大臣ができたということですから、それについてはしっかり内外に主張していくということだと思います。
 なぜこの時期かというのは、いろいろな理由がありますけれども、まず一つは、領土をめぐる状況、特に民主党政権下でかなり異常な状況まで来ましたから、これに対してしっかり日本政府として対応していかなくてはいけないということと、領土・主権問題について、これをしっかり取り組んでいくという、総理のもとでできた領土担当大臣として、これについてしっかり取り組まなければいけないということで、この有識者懇談会を立てたと、こういうことだと思います。
(問)共同通信の深谷と申しますが、先ほど話に出ました京都府立医大の問題なんですけれども、もう一つ、動物実験をせずに幹細胞を患者に移植したという話もありますけれども、それについてはどのように。
(答)それは、ちょっとまだ中身をよくきちんと調べていないので分からないですけれども、とにかく、これについてのいろいろなことをもうちょっと詳しく、今、報道ベースで出てきたところなので、もうちょっと詳しくレクをしてもらおうと思っています。その上で少しコメントをさせていただければと思います。
(問)それとあと、もう一点なんですけれども、先ほど出た宇宙関係の話で、委員会が公開されていないままずっと続いていますけれども、その宇宙政策委員会の下に設置された部会なんですけれども、これまで委員会が公開されていないのは、安全保障のお話が出るからという御説明だったんですけれども、その四つの部会の中では、宇宙科学という意味で安全保障に関係のないようなものもあるんですが、それについても非公開とされているというのは。
(答)それは、まず宇宙政策委員会の方々の意見を聞いてみないと分からないと思いますが、かなり自由に、いろいろな方々に入ってもらって議論をするということでいうと、全面公開できない部分もあるかもしれません。ちょっとそこは確認をさせていただきたいと思います。
 いずれにせよ、前もちょっとお答えしましたけれども、なかなか安全保障の問題とか、もう全部いろいろと幅広く議論しているので、この部分だけ出てもらうとか、この部分だけ入ってもらうということはなかなかできないと思うので、宇宙政策委員会の方は今のスタンスでいこうと思いますが、その部会についても、どういう方針になるのかというのは、ちょっと確認させてください。
(問)是非お願いします。
(答)よろしいですか。ありがとうございました。

・説明資料(PDF形式:38KB)

(以上)