山本内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成25年4月2日

(平成25年4月2日(火) 9:16~9:51  於:合同庁舎4号館2階220会議室)

1.発言要旨

 今日は北方領土問題に関連して、国内啓発キャンペーンのためのゆるキャラ「エリカちゃん」にも登場していただきました。後でまた「エリカちゃん」についてお話をしたいと思いますが、いくつか御報告をしたいことがあります。
 まず閣議については、特に発言はありません。
 閣議の前に行われた日本経済再生本部で大臣として発言をしました。田村厚労大臣から、これまでのいろいろな産業競争力会議の議論を踏まえての発言があり、それについて私が申し上げたのは、科学技術・イノベーション分野における司令塔機能の強化、これが産業競争力会議で議論されていまして、いわゆる日本版NIH構想みたいなものですけれども、これについては総合科学技術会議担当大臣として積極的に受け止め、今、安倍総理の指示の下に、予算・機能両面において、これまでにない抜本的な機能強化というのを進めていますから、それを踏まえた上で、いわゆる医療イノベーション分野での司令塔強化ときちんと整合性が取れるような形で協力をしていきたいと、こういうことを申し上げました。
 安倍総理の方から改めていくつか指示が出たのですが、医療イノベーション分野の司令塔機能の強化についても、これはしっかりと具体策を取りまとめてほしいと、このようなお話がありました。
 続いて、週末の京都での「車座ふるさとトーク」についても簡単に御報告したいと思います。
 週末に京都で若い10人の研究者と「車座ふるさとトーク」を行いました。ブログにもちょっと書いたのですが、非常に優秀な10人の方々とお話をさせていただきました。現場の研究者とずっと意見交換をしたいと思っていましたので、念願叶って、ちょっと、1時間と短かったのですが、いろいろな御意見を伺いました。
 研究環境についての話とか、あるいは、いわゆるドクター、博士号を持った人たちがもっとグローバル人材として活躍すべきではないかとか、あるいは縁の下の力持ちみたいな役割をもうちょっと評価してほしいとか、いろいろ率直な御意見をいただいて、大変参考になりました。
 先般、理化学研究所の野依理事長が来られた時にもおっしゃっていたのですが、若い人たちにチャンスを与えなくてはいけないと。このイノベーションにブレークスルーを与えるためには、世代交代みたいなものも必要だということで、野依理事長、非常にいいことをおっしゃって、「レイバーからリーダーへ」と。若手の研究者、「レイバーからリーダーへ」と、このフレーズが大変気に入っているので、これから頻繁に使おうと思いますが、若い人たち、あるいは女性、こういう方々にもきちんとチャンスを与えるような仕組みを作らなくてはいけないと。この若手10人の研究者との「車座ふるさとトーク」を通じて、そんなことを感じました。
 その後、島津製作所に行って、いわゆるFIRST(最先端研究開発支援プログラム)のプログラムで行っている田中耕一シニアフェロー、ノーベル賞を授賞された田中先生ですが、その研究も見させていただいて、ものすごく難しい研究を非常にわかりやすく説明していただいたのですが、一言で言うと、日本人1億人、世界の人口の中から1人を見つけるぐらい難しいタンパク質をうまく抽出できれば、例えばアルツハイマーの早期治療、予防、あるいは前立腺がんの治療みたいなものにも役立てられるチャンスがあるという、その可能性を見出しておられるようなので、こういう研究を本当に国としてもバックアップをしていかなければいけないなということを強く感じました。
 それが京都での「車座ふるさとトーク」の話です。
 一つ、田中シニアフェローの話でとても印象に残ったのは、これもブログに書いたのですが、1人の天才よりも現場の創造力といいますか、チームワークでこれを生み出していくということが非常に大事だということをおっしゃっていまして、異分野の融合が、これがやはりキーであって、「1人の天才よりもものづくりのチームワークがこれからのイノベーションを生み出す」と。いかにも田中耕一シニアフェローらしい言葉だなと。これは大変印象的でした。
 「車座ふるさとトーク」の話はこのくらいにして、次に、懸案になっておりました領土・主権をめぐる有識者懇談会についてお話をさせていただきたいと思います。
 いろいろ検討中と申し上げていましたけれども、今般、領土担当大臣である私の下に領土・主権をめぐる内外発信に関する有識者懇談会を正式に立ち上げることを決定いたしました。
 領土問題をめぐる内外発信が極めて重要な状況ですので、もちろん、外務大臣としっかり平仄(ひょうそく)を合わせながら、対外発信、もちろん内外ですが、国内啓発はもちろんのこと、対外発信についてもきちんと機能を担っていきたいと思っていまして、そのためのいろいろな課題の検討を行うために懇談会を立ち上げたいと思います。
 懇談会のメンバーについては、本懇談会の趣旨を踏まえて、国際関係とか国際法とか歴史研究、国内啓発、対外発信、このようなことに深い知見のある方々に御参加をお願いしようと思っています。
 初回の会合ですが、4月中に開催する方向で、今、調整を進めております。
 懇談会のメンバーについても検討中ですので、後日改めて発表させていただきたいと思っています。
 先ほども申し上げたとおり、領土担当大臣として、安倍総理の外交政策の選択肢を狭めるようなことはないように、そこは十分配慮しながら、外務大臣ともしっかり平仄(ひょうそく)を合わせて協力をしながら、特に総理や外務大臣のサポートにつながるように、しっかりと発信をしていきたいと思います。
 国内外において正確な理解が浸透していくように尽力をしていきたいと。この懇談会から、そのための有益な知見を是非ともいただきたいと思っております。
 できるだけ4月中にやりたいと思いますが、改めてもう少し詳しいことは、人選も含めて発表させていただきたいと思います。
 今日の最初のお知らせは、そのぐらいですけれども、ここでせっかく「エリカちゃん」がここまで来てくれました。相当歩くのも大変ですけれども、小さい会見場では入れないというぐらいエリカちゃんはかなり大きいのですが。エリカちゃんありがとうございます。動くのも結構大変そうですけれども、エリカちゃん。今日は、エリカちゃんにも関連するのですが、北方対策について少し新しいことを発表させていただきたいと思います。
 まず北方領土問題ですけれども、国内啓発をやる上で一番の問題は、若い世代の認知度が低いのです。20歳代ですと、「北方領土問題に関心がある」というのは25%しかいないということで、今までみたいなやり方ではなかなかそういう世代に浸透しないということで、遅ればせながらインターネットを活用した双方向の広報が有力だということになりました。是非インターネットを使った発信をとにかく始めたいと思います。
 これ「エリカちゃん」ですけれども、北方領土問題対策協会、北対協は4月2日にフェイスブックとツイッターを開設することになりました。これもちょっと遅ればせながらということで、ツイッターについては河合審議官の方から慎重意見もありましたが、役人生命をかけて取り組んでくれるということなので、開設をすることにいたしました。
 これ「エリカちゃん」。「エリカがいろいろな情報をお知らせします」ということで、「いいね!」のメッセージもいただき、」これフェイスブックですけれども、これエリカのトップ姿がどうかとは思うのですが、メインキャラクターとして「エリカちゃん」に説明をしてもらうという形で進めていきたいと思います。最近のアクティビティーとか、いろいろなことをここにコンテンツとして載せていきたいと思います。
 コンテンツの中身ですが、これは一応動画、「はじめまして、私はエトピリカという名の海鳥の女の子です。『エリカちゃん』と呼んでね」と。エリカちゃんのキャラをつけるために、多分皆さんにお配りしましたけれども、別に普通にエリカちゃんがしゃべってもキャラが立たないので、そこに「ピー」とか、いろいろな言葉を入れることになるんで、「エリカちゃん言葉」というのを発明して、これ真面目な試みですが、できるだけ若い方々に関心を持っていただこうと思っています。
 もう一度言いますけれども、動画ですから。こういう感じでメニューを選べるようにして、エリカがこうやって動いておりますので、こんな感じでやっていきたいと思います。
 最初は四島交流とか納沙布岬から見た北方領土の画像、啓発事業の案内等を掲載したいと思うのですが、クイズコーナーがあったり、とにかく段々進化をさせていきたいと思いますし、私の感覚だと、まずツイッターとフェイスブックを立ち上げるのであれば、北方領土問題についてのいろいろな意見を聞くというか、パブリックヒアリングみたいなものです。そのようなところからスタートしたらいいんのではないかと思います。
 こうやって卵状のものが出てきたり、いろいろ工夫していますので、ぜひフェイスブック、ツイッター等々も見ていただきたいと思います。
 それから、四島交流船の「えとぴりか」、「エリカちゃん」の名前のもとになった「エトピリカ」ですが、なかなか北方領土に行く時間がないので、国会が終わらないと、私北方領土まで視察に行けないのですが、今月、東京港に「えとぴりか」が来るという話ですので、このときに四島交流船を見に行きたいと思います。もし、御興味のある方がおられれば、一緒に「えとぴりか」を見に行こうと考えております。
 ということで、せっかくエリカちゃん。もうちょっと動いてもらえますか。これがエトピリカで、皆さん、エリカちゃんは、残念ながらまだあまり知られていません。ネットで検索して、「エリカちゃん」、「北方領土」って書くと沢尻エリカさんのことばっかり出てくるのですが、実はこれまで河合審議官等々、スタッフの人たちが真面目に各地で啓発キャンペーンをやると、このエリカちゃんが来ると動員力があって、本当にお客さんというか、入場者の方が2割ぐらい増えます。子供にも大人気なので、ここから少し有名になってもらって、1人でも多くの方に北方領土のことを考えていただきたいと思います。エリカちゃん、動いてください。動くのがすごく大変で、中は暑いらしいのですけれども、頑張っていますので御注目をいただきたいと思います。
 今日の記者会見の最初のプレゼンはそのぐらいですが、何か御質問があれば。エリカちゃんのことでもいいですし、「大丈夫ですか、エリカちゃん。」かなり大変らしいんですけれども。エリカちゃんのことでもいいですし、他のことでもいいのですが、ここからは御質問を受けたいと思います。
 今エリカちゃん、退場します。疲れたので。「いいよ。大丈夫。ありがとう。大変だと思う。気をつけてくださいね。」
 手を引かれないと動けないんです、エリカちゃん、大きいから。

2.質疑応答

(問)科学新聞の中村です。いくつかお聞きしたいんですが、昨日の産業競争力会議で、NSTI、CSTP(総合科学技術会議)の機能を拡張して、構想出たんですが、NSTI構想についての受けとめをまずお願いします。
(答)NSTI構想は、昨日の産業競争力会議部門会議で、某民間議員の方から提案をされました。
 これは、一言で言うと、かなり大胆な構想だと思います。そこにいた議員の方に申し上げたのですが、問題意識、それから認識は、私は共通のものがあると思います。ただ、このNSTIは一言で言うと、科学技術イノベーション省を作るみたいな話です。だから、かなり大胆な話で、例えば予算枠も1兆円みたいな感じで確保してみたいな話なので、そのような問題意識は共通しているのですけれども、時間軸というのもありますし、私が言ったのは科学技術担当大臣として、安倍総理の言う予算・機能面のこれまでにない抜本的な強化というものを一つひとつ実現していかなければいけない、だから、その実現性もにらみながら、一歩一歩進んでいきたいと思いますと、こういう話をさせていただいて、当面、まず今、総合科学技術会議で議論しているのは、皆さんも御存じのとおり、予算の特別枠、配分というものをきちんと総合科学技術会議にもらえるのかどうかということと、それからFIRSTの後継プログラムの件です。
 某民間議員の方からは、FIRSTの後継についても言及があったので、そのことについては是非とも応援してもらいたいと。もちろん研究開発費というものの効率性を上げなきゃいけないという問題意識はずっと持っています。予算をものすごく増やしたから結果が出ているのかということで、それはしっかり検証し、出ていない部分があるとすれば反省しなくてはいけないのですが、しかしながら、いずれにせよ、FIRSTの後継プログラムみたいなものは必要だと思うと。是非協力してください、ということを申し上げました。
 田中耕一シニアフェローのプロジェクトを見て、改めてその気持ちを強くしております。
(問)もう一つは「車座ふるさとトーク」なんですけれども、多分そのものがトークの話題に出たかどうかわからないんですが、労働契約法の改正に向けて、5年任期でいくつか雇止めのルールができていると。それについて総合科学技術会議として、何か対応されるのでしょうか。
(答)それは、もう御存じかもしれませんけれども、既に対応していまして、雇止めのいろいろな問題点が出てきた時に、総合科学技術会議が声をかけて、関係省庁、それから大学に集まっていただいて、いろいろと議論をさせていただきましたし、厚労省と文科省に対して、しっかり大学側に説明をしてくれということもお願いをしてあります。
 ですから、それは大学側についても意識を変えてもらわなくてはいけないので、これからも引き続き総合科学技術会議が中心になってしっかり議論してもらいたいと思いますし、対策を講じていきたいと思っております。
 車座トークの中でもそのような話が出ました。雇止めについては、研究者としても非常に大きな問題なので、是非対応してください、と、そのような意見もありました。
(問)朝日新聞の瀬川と申しますけれども、今先ほど、今までの研究開発投資に対しての評価をきちんとしなければならないとおっしゃいましたけれども、具体的に今FIRSTに関しては、どのような検証策を考えていらっしゃいますでしょうか。
(答)この間中間報告が出たので、これからしっかり全体も、もちろん評価はしていかなくてはいけないと思うのですが、担当大臣としての感触を言うと、FIRSTは新しい試みとして始まって、途中でNEXT(最先端・次世代研究開発支援プログラム)が出たりして、いろいろな経緯はあったんですけれども、おそらく成果が非常に出たものと、不十分というか、十分じゃなかったものとあると思うのですが、そこをまずきちんと中間評価も踏まえて、更に検証していかなくてはいけないと思います。しかし、今までの成果を見ると、例えば山中先生(山中伸弥京都大学教授)のiPS細胞についてもきちんと予算をつけましたし、あるいは山海先生(山海嘉之筑波大学教授)のロボットスーツ「HAL」の研究もそうですし、田中耕一シニアフェローもそうですし、肉がぴくぴくと動くやつ、細胞シートですね、岡野先生(岡野光夫東京女子医科大学副学長)の、あれについてもFIRSTで応援していますから、こういう成功例だけ見ても、私は十分な成果があったと思っています。
 ですから、産業競争力会議の場でも言ったのですが、研究開発費を増やすということは、少なくともきちんと効率化をして、アウトプットに結びつけるようにしなければいけないと。しかし、同時にきちんと例えば総合科学技術会議に予算配分があるとすれば、目利きの部分を強くして、研ぎ澄まされた感覚で本当に必要なところにお金を投入するということであれば、これはFIRSTの後継プログラムは十二分に意味があるという発言をさせていただきましたので、そのような意識で取り組みたいと思います。
(問)目利きの部分というのは、どのように具体的に何かアイデアみたいものはありますか。
(答)そこはこれから十分議論していかなくてはいけないと思います。例えば総合科学技術会議、まだ決まっていませんけれども、ある程度の特別枠が来て、そこをきちんと我々で決められるようになったとします。実施をどこまでするかというのは、いろいろとこれから議論しなくてはいけないと思いますが、総合科学技術会議は元々強力なメンバーでしたけれども、更に強力なメンバーになりましたし、安倍内閣の哲学である、高い研究レベルを経済発展に結びつける、強い経済に結びつけるという視点もはっきりしていますから、そのような意味で言うと、私はかなりいいものに、いいプロジェクトにいい予算がつけられるのではないかという気がしています。それはしっかり予算配分が来たら、総合科学技術会議の方できっちり議論していきたいと。ただ、その哲学もよく民間議員の方も含めて議論してもらいたいと思いますが、大きな流れは、出口に結びついていくということだと思います。
 例えば、基礎研究みたいなものにお金を投じるにしても、アメリカの制度ではありませんけれども、成果を睨んだ基礎研究への投入のような、次の芽を作っていくものについても、どのようにして経済活性化に結び付けていくかという視点のあるものを選んでいくということになるのではないかと担当大臣としては思っています。
 どうぞ。誰もエリカちゃんのことを聞いてこないですけれども、どうぞ。
(問)すみません、違うことでいいですか。
(答)いいです。結構です。
(問)NHKの内田と申します。閣議前なんですが、今日、沖縄関係四閣僚でお集まりになってお話し合いがあったと思うんですが、そこでの大臣の御発言と、どういうことをお話しになったのかということを、すみませんが。
(答)本当にいつも同じ答えで、本当に申しわけないんですが、四閣僚会談の中身についてはコメントを差し控えたいと思います。一般的な意見交換ということで、それぞれの大臣がいろいろな活動をしていますから、それについて情報を交換する、報告し合うということです。例えば、私が沖縄に行ったときは、その日程とか、その感触とかをお伝えするということです。本当にいつも同じ答えで大変申しわけないのですが、一般的な情報交換をしているということだけ申し上げておきたいと思います。
(問)沖縄タイムスの吉川といいます。主権回復の日、28日に予定されていますが、昨日、沖縄県議会の野党が、その同じ日時に抗議大会を開くということを決めたということなんですが、それについて受け止めということを、どうでしょうか。
(答)それはそれで、県民の方々の気持ちを代弁する点もあると思いますので、受け止めなければいけないと思うのですが、我々は政府として、この今回の4・28の意義をしっかりと持っていますので、それに従って粛々とやらせていただくということだと思います。
 ただし、何度も言っているように、閣議でも発言しましたが、その時は沖縄の方々の気持ち、これを決して忘れないように、そこに寄り添う形で出席をすると、こういうことに尽きると思います。
(問)もう1点。主権回復ということですが、沖縄の場合だと、やはり米軍の事件・事故あるたびに日米地位協定の問題が出てきまして、主権国家の体をなしていないという反発の声があります。沖縄県民としては、ずっとその地位協定の存在が主権国家と重なって、いろいろ取り上げられるんですが、なぜ地位協定が改定できないのか。今も主権国家か、主権を回復したという日本の状況と沖縄の状況をどう感じているかというところをお願いします。
(答)沖縄の方々のいろんな思いとか御意見は、先ほど申し上げたとおり、やはりきちっと政府として受け止めていかなければいけないと思っています。地位協定の問題は、私の所掌範囲ではないので、あまりコメントするのは適当ではないと思いますけれども、いろんな沖縄の方々の思いを受け止めて、政府全体として考えていくと、これしかないのではないかなと思います。すみません、なかなか具体的なことを申し上げられなくて。
(問)領土の有識者懇談会、4月中にもやりたいということですが、具体的な懇談会でのテーマはどのように考えていらっしゃるのかというのと、後、規模観というんですかね、このメンバーの方は何人ぐらいの有識者の方がおそろいになっているという、その辺りを、すみません。
(答)そうですね、規模は大体10名ぐらいかな。ちょっとよく検討したいと思います。
 それから、大体、月に1回ぐらいは開催して、できれば5回、6回開催したうえで、ちゃんと報告書をまとめたいと担当大臣としては考えております。
 それから、テーマ設定は、まず、とにかく最初にきちんと会合をやって、そこで議論したいと思います。目的ははっきりしていて、領土問題に関する内外発信をきちっとしていくということと、いろんな検証もしていかなくてはいけないと思いますし、過去の歴史的事実もちょっと検証する部分があればしていかなくてはいけないと思いますし、あるいは、最初に申し上げたとおり、今の状況ですね。各国の主張がどうなっているかとか、いろんな動きも踏まえて、シンクタンク機能的なことを申し上げたこともありますけれども、どういう戦略で発信していくのかということも含めて、総理とか外務大臣のサポートになるかと思いますし、私自身も領土担当大臣として、対外発信の機能の一部を担いたいと。もちろん外務大臣ときちっと協力をし、連携を取りながらですけれども、その部分が私はまだ、改善と言うとちょっといけないのですが、強化すべき部分があるのではないかと思っています。
(問)地域についてはどうお考えですか。領土といってもいろいろ、尖閣から北方から分かれますけれども、どこの地域の領土問題から具体的に議論していきたいということを。
(答)どこから、その順番とかも含めて、テーマ設定は有識者会議の第1回目で少しいろいろと議論をさせていただきたいと思います。
(問)時事通信の浅見と申します。今の流れの話なんですけれども、かなりタッチーというか、割と敏感な問題に触れると思うんですけれども、その辺の対外的な押さえの部分、どういうふうに。こういう会議をするということ自体、かなり反発がある可能性もあると思うんですけれども、その辺についてはどう考えていらっしゃいますか。
(答)まず、懇談会の議論は基本的に非公開にして、自由に議論をさせていただこうと思っていまして、中身については、例えば私がぶら下がり(会見)で言うとか、少しそのような形で考えたいと思いますし、結果は報告書という形で、提言なのか、報告なのか、これはきちっとまとめて、総理にも上げたいと思いますし、外務大臣にも持っていきたいと思っています。
 それで、対外的にタッチーだということについては、いろんなことはあるかもしれませんが、基本的に、国として主権・領土問題についてきちっと発信をするというのは当然のことだと思っていますし、安倍内閣が、安倍総理が初めて歴代内閣で領土担当大臣を設けたと、なおかつ、我が国の主権・領土は断固守っていくとおっしゃっているわけですから、それについて、日本が日本の主権について発信をするというのは、これは当然のことだと思います。
 ただし、何度も申し上げているとおり、懇談会を進めていく、この発信のタイミングもそうですけれども、やはりそこは安倍総理の外交戦略、それをしっかり見極めながら慎重にやる部分はあるのかなと考えています。
(問)せっかくなので、エリカちゃんのこと。
(答)ありがとうございます。
(問)エトピリカは、世界中では割とたくさんいるんですが、日本国内、北方領土を除くと、国内絶滅危惧種になっています。それに、これは北方対策と関係するかどうか分からないんですが、北方対策の中で、そういうエトピリカのような絶滅危惧種に対して何か対策を打っていくというようなことは。
(答)今のところ、あまり絶滅危惧種については、北方対策本部としての所掌ではないのであまり聞いていませんが、ただ、エリカちゃんがこうやってあちこちにまた登場しますから。
 またエリカちゃんが来た。申しわけありません、エリカちゃんは時間かかるので、登場するまでに。かなりエリカちゃん大変なんですよ、これは。外が見えるのかどうか、よく分からないのですけれども。
 ただ、エリカちゃんというゆるキャラがいるわけですから、いろいろキャンペーンの中で、エリカちゃんが絶滅危惧種だから、こういう、エトピリカも大事にしようということぐらいはちょっと発信できるかなと思っています。ただ、絶滅危惧種にどう対応するかということ自体は、さすがに北方対策本部の担当じゃないので。しかし、こんなにかわいいというか、ちょっと実物とは違う、ややキャラがあれですけれども、こういう鳥がいるということについては、絶滅危惧種であって、守っていかなきゃいけないということは、いろんな意味で発信をしてもいいのかなと思っています。
(問)例えば政府全体としても、エリカちゃんをどういうふうに活用するか、どういうようなことを考えて。
(答)政府全体というか、一応政府なので。だから、政府全体というか、政府の担当部署としてえりかちゃんを活用していきたいと。
 もう一回言いますが、本当に子どもに人気があるんです。わーっと子どもが近づいてきてですね。あちこちに、やっぱりこれから国内のあちこちで、国内啓発キャンペーンをやるときは、エリカちゃんにできるだけ出てきてもらいたいなと思っています。
 ありがとうございました、エリカちゃんのことを聞いていただいて。せっかく来てくれたエリカちゃん。
(問)話は全く変わるんですけれども、昨日、テーマ別会合でも、研究費の使い勝手についての、つまり、予算を増やしても使い勝手が悪かったら投資効果が低いじゃないかと。欧米では、アウォードイヤーというふうな形で、普通の会計年度とそういう研究費とは切り分けてやっている、配分したり執行しているんですけれども、そういった制度を、例えば韓国なんかも最近導入したんですが、日本で導入する可能性についてはどのように。
(答)その単年度の問題というのは今までもずっとある議論なので、それは例えば研究独法、研究開発をどう考えるかという組織の問題ともいろいろと結び付いてくると思うのですが、例えばFIRSTも、基金というか複数年度で使えるようになっていますよね。それは課題としてしっかり議論していきたいと思います。今のところ、具体的な制度、それも全体の話になってくるので、そんなに簡単ではないのですけれども、やはり研究開発というか、科学技術予算を、予算というか、科学技術担当大臣としては、その話はずっと問題意識を持って考えていきたいと思います。
 それから、韓国は科学技術省みたいなのがスタートしたわけですよね。なかなか国会は忙しいのですが、どこかで、国会が終わった後でもいいから、これはちょっと見に行きたいなと思っています。
 元々私、IT担当大臣でもあるんですが、IT咸臨丸という発想があって、やっぱり他の国から学ぶべきだと。本当にITの最前線の、例えばアメリカ、例えば北欧だったら、エストニアとか韓国とか、特に韓国は、学ぶべきところはあると思うのです。だから、そこは本当に現実をしっかり踏まえて、ちょっと日本は遅れた部分があると思えば、いろんなところにIT咸臨丸として行くべきだと思っています。
 この村井先生(村井純慶應義塾大学教授)のおっしゃったIT咸臨丸という言葉、非常にいい言葉だと思います。韓国には行きたいと思っているので、その時に是非、今言った制度とかね、科学技術・イノベーションの部分でも結構先端を行っているところがあるので、そういうところは是非学んできたいなと、個人的にはそういう希望を持っております。
(問)韓国で言いますと、前大統領のときに、総合科学技術会議のような部分を強化して、予算配分権まで含めて強化したんですが、結局のところ、二重、三重構造になったので、今回廃止して、その機能はもうなくして、科学技術・イノベーション省みたいなことを作ったんですが、そういう司令塔機能を強化し過ぎたことによって、実は失政だったというのが韓国の反省なんですが、それについてはどのように。
(答)それはこれからの議論ですけれども、韓国だけじゃなくて、いろんな国の事例とか、いろんな材料をしっかり踏まえて議論していこうと、こう考えていますので。
(問)あと、最後にもう一つ、すみません。研究開発法人の改革については積み残しになっているんですが、どのようなスケジュールで。
(答)いや、これはちょっとまだスケジュールは分かりませんけれども、これもやっぱりきちっと検討していかなければいけないと思っていまして、私にとっても、前から申し上げているように、一つの大きな問題意識なので。やはり、この話もどこかできちっと取り上げていくべきだと、総合科学技術会議で。今どういうスケジュール感でというのはないですけれども、それはしっかり頭に置いておきたいと思います。
 よろしいでしょうか、どうもありがとうございました。

・説明資料(PDF形式:243KB)

(以上)