山本内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成25年3月26日

(平成25年3月26日(火) 9:42~10:00  於:合同庁舎4号館7階742会議室)

1.発言要旨

 本日の閣議については、特に御報告することはありません。
 閣議の後で、第1回目の観光立国推進関係閣僚会議が開かれました。総理と全閣僚出席ということで、私の方からは沖縄振興担当大臣として発言をさせていただいて、沖縄の持つ観光資源のすばらしさについて少しお話をさせていただきました。
 沖縄観光は、LCC(格安航空会社)も参入してきますし、これから、いろいろダイナミックに展開をしていくと。更にはビザの緩和、取得の緩和で中国人観光客の方々も増えているということで、関係各省にもお礼を申し上げたいと。これからもしっかり振興に力を入れていって、沖縄振興が日本の観光振興全体につながるような取り組みをしていきたいので、改めて御協力をお願いしたいという話をさせていただきました。
 今週末の沖縄出張で訪問した「美ら海水族館」、これは後で動画もちょっとお見せしたいと思いますが、そのお話もさせていただきました。観光振興、観光立国推進閣僚会議については、そのような状況でした。
 それから、先週末の沖縄出張ですが、これは初めて北部圏域を視察させていただいて、北部の特に観光振興の拠点とか、あるいは様々な北部振興事業、島田懇談会の事業等々についても足を運んで、しっかりと見ることができました。
 これも御存じだと思いますが、北部の12市町村長といろいろな議論もさせていただきました。12市町村長との昼食懇談では、とにかく大臣、沖縄振興大臣になったのだから、沖縄をまず大好きになってもらいたい、それから、できるだけ長く続けてほしいという、そのような御要望もいただきました。振興担当大臣がその地域を好きにならなければやれるはずもないので、私、沖縄はまだ5回しか行っていませんけれども、強い思い入れがありますし、沖縄のことはもちろん大好きですし、ですから、どうやって沖縄の経済を本当に発展させていくかということは、真剣に考えたいと思っています。
 仲井眞知事とはこれで10回目の面談ということで、主に一括交付金の戦略的な活用について、かなり真剣に議論をしてまいりました。IT振興の戦略とか、あるいは沖縄を、かつての長寿県に再生させるプロジェクトとか、あくまでもこれは沖縄側の自主的な決断、判断によるものですけれども、将来の一括交付金のいろんな戦略的な活用のプロジェクトとして出てくればいいなと沖縄振興担当大臣として考えています。これからも安倍総理の御指示に従って、できるだけ多く沖縄に足を運んで、できるだけ多くの方々にお話を聞いて、振興の仕事に取り組んでいきたいと思っております。
 ということで、皆さんに今日は沖縄の「美ら海水族館」を御紹介したいと思います。
 沖縄県の観光客数、今の観光の状況ですけれども、大体、順調に伸びてきています。東日本大震災の影響で少し落ち込んでいますが、大体、順調に推移をしてきています。
 ただ、いくつか課題があって、平均滞在日数の伸びが少し鈍いというのと、それから、一人当たりの消費額がちょっと落ちているということと、外国人観光客の比率がまだ5%しかないということです。沖縄振興、特に観光について言うと、大きな二つの課題は、一つは外国人観光客をもっと増やすということと、やっぱり観光資源、高付加価値化みたいな話が必要ではないかと思います。
 これは「沖縄美ら海水族館」ですけれども、沖縄の年間の観光客数が600万人弱で、平成24年は584万人です。そのうちの277万人がこの「美ら海水族館」に来ている方々です。県内の方もいるので、少し少なくなると思いますけれども、あの首里城が200万人ちょっとですから、ここがある意味でいうと、沖縄の観光スポットとしては最大の人気スポットだと言っていいと思います。この「美ら海水族館」、本部町はここですけれども、名護の北にあるのですが、そこに足を運んでまいりました。
 造ったのは平成14年で、今年で10年目になるのですけれど、世界最大級の巨大水槽があって、そこでジンベイザメを複数飼育しています。マンタはエイですけれども、糸巻き何とかエイですけれども、これも世界初、繁殖に成功しているということです。これ(ジンベイザメ)は8メートルぐらいあります。このジンベイザメが巨大水槽の中で3匹泳いでいるのは、世界でもほとんど例のない感じです。ジンベイザメの一番大きいのは、オスでジンタ君と言いますが、このジンタ君も繁殖を狙っていまして、あと2匹のサメはメスです。まだちょっと名前がないみたいですけれども、ほとんどジンタ君のハーレム状態で、これは私が言ったのではありません。案内してくださったこの水族館関係の方がそう言っていました。できればジンベイザメについても繁殖がうまくいかないかと、いろいろと頑張っておられるということでした。
 これが実は黒潮の海のパネルですけれども、非常にいいなと思うのは、まずこれ、ギネスブックで、世界最大の水槽です。実は、この水族館の巨大水槽パネルは日プラ株式会社が造っていまして、これは香川県に本社を持っているんですが、今、沖縄の物流特区を活用して、沖縄に工場があって、そこでも今造っていると思いますが、世界数十カ国の水族館を手がけていると聞いています。実は非常にすばらしい技術があって、この水槽用のアクリルパネルは、パネルをどんどん貼り合わせて、重ね合わせて、しかも透明度を保つということで、非常に世界でも注目されていまして、ものづくりの総理大臣賞を受賞しています。このようなオンリーワンの会社が、物流特区を生かして、沖縄で非常に頑張っているということも見られたので、非常によかったなと思っています。
 美ら海水族館の話ばかりすると、水族館だけに行ったのかと思われてしまうので、「みらい館」2号館、3号館、名護市の「みらい館」も視察してきました。名護市は、これはITと金融の特区に指定されていまして、2号館へ行ってみましたけれども、クオリサイトテクノロジーズ株式会社が入っていましてシステム開発業務、データセンター業務、東京の金融機関とかクレジット会社のデータを主にやっています。非常にいいなと思ったのは、ITの人材育成をやっていることです。大体一人育てるのに600万円ぐらいかかるということで、ほとんど地元の人を雇用しているのですけれども、ここにもうちょっと政府として支援ができないかと考えています。むしろIT人材を育成するというところにもうちょっと知恵を使って支援ができないかと考えていまして、少し企業にインセンティブをつけるために、このような人材を育てたらこのような特典がある、そのような仕組みを担当大臣として考えたいなと思っています。
 それから、続けて、3号館にもまいりまして、入居しているのは株式会社外為どっとコムです。これも皆さん御存じだと思いますけれども、もちろん本土というか、本店は東京だったような気がしますが、実はこれ、名護に出ているのですが、もともとバックオフィスとして作ったのかと思いましたら、フロント業務もしていまして、多いと1日3,000億から5,000億ぐらいの取引を行っているということで、かなり感銘しました。もうちょっと周りにいろんな施設があると、ここで勤務している方々も少し生活がしやすいのかなという感じもしました。ITと金融の特区で1,000人ぐらいの地元の方々を雇用しているということで、このようなこともしっかり後押しをしていきたいなと思います。
 ちなみに、この「みらい館」を案内してくださったのは、名護市の稲嶺市長さんでございました。
 ということで、ちょっと今日も、やや最初が長かったのですけれども、何か御質問があればお受けしたいと思います。

2.質疑応答

(問)今日で安倍内閣が発足して3カ月になるんですけれども、依然として高い支持率が続いているんですけれども、ここから先がむしろ大変なところに入っていくと思うんですけれども、参院選もありますし。これから、この後の安倍内閣の課題とかその辺をちょっと。
(答)3カ月間、閣僚として安倍内閣で仕事をさせていただいているわけですが、すごくいいことは2つあって、一つは(安倍内閣は)ものすごく明るいということ。閣議の前にみんなといろいろと話をしていても、みんなすごく明るいということが一つ。もう一つは、もちろん非常に明るいのですが、緊張感があるということ。やはり危機感があると。これは発足して3カ月間、どの閣僚もそうだと思うのですが、この安倍政権が強い経済を取り戻すことに失敗したら、日本は本当に再浮上する機会を失ってしまうのではないかと。一人一人の閣僚が緊張感とその危機感を持ってやっているということは、非常に私はいいことだと思っています。
 安倍総理が就任以来、矢継ぎ早にいろいろな政策を打ち出していて、それが今のところ国民の方々に評価をされているということだと思うのですが、先般の党大会でも安倍総理と石破幹事長が同じことをおっしゃったように、全く油断、慢心が1%もあってはいけないと思いますので、とにかく一人一人の大臣が、私も今の立場でできることを一つ一つ積み重ねて、きちっと実績を作っていくと。もうこれに尽きると思います。
 選挙は1%の油断も慢心もしてはいけないし、そのようなつもりでおそらく戦うことになるのではないかと思います。
(問)科学新聞の中村です。自民党が司令塔機能の強化について今週にも提言を出すんですが、その中で予算についてはこの間からお聞きしているんですけれども、科学技術顧問については設置を提言しているんですが、どのようにお考えでしょうか。
(答)これは、まず党の方の議論がどうなるかというのをちょっと見極めてみないといけないのですが、この科学技術顧問の話は内閣府の中でもいろいろと議論をさせていただいていまして、まだまだおそらく議論の余地があると思います。とりあえず党からどのような提言が出てくるかということをしっかり見極めて、我々としても、そこはしっかり議論を続けていきたいと思います。
(問)前の安倍内閣では黒川先生が内閣特別顧問ということで、いわば科学顧問に近いような形のことをされていたんですが、今度の安倍内閣ではどのように。
(答)それは、今度、党のいろいろな提言も出てくるでしょうから、そのようなことも踏まえた上で、我々としても科学技術顧問を置くことのメリットが、デメリットというのはないと思いますけれども、何が変わるのか、どのような建て付けにしたら本当に機能するのか、そもそも、その科学技術顧問みたいなものを置くほうがいいのかということも含めて、総合科学技術会議の中で議論していくという流れになるのではないかと思います。
(問)すみません、昨日広島のほうで、最高裁で1票の格差について初めて無効判決が出ましたけれども、くしくもというか、外務大臣のところになるわけですけれども、閣僚の一人として受け止めと、これから先どのように違憲状態を解消していくべきだとお考えか。
(答)それは、全く岸田外務大臣もおっしゃっていたように、重く受け止めなければいけないと思います、この結果を。この結果を受けて、おっしゃったように定数是正のためにできる限りのことをやはり政治としてやっていくべきだろうということしかないと思います。
(問)テレビ朝日の吉野と申しますが、安倍内閣3カ月についてもう一問なんですけれども、先ほど政策を矢継ぎ早に打ち出して非常によいというようなお話だったかと思うんですが、この3カ月間、閣内にあって安倍総理をごらんになっていて、もう長いおつき合いだと思うんですけれども、この3カ月、安倍総理をどのように見られていますか。
(答)非常に安定していると思います。静かな中にも使命感と覚悟を感じます。やはり前回のことも、もちろんあると思いますし、総理がいかに大変かということを十分わかっていながら、この時期に再登板をしたということ自体、どのぐらいの覚悟を持って総理に再登板したかというのは、これはもう伺い知れると思うのですが、非常に自然体で、以前よりもずっと強靭(きょうじん)な感じがします。安定していると思います。

 是非、皆さん、「美ら海水族館」に行ったことがない方は、ちょっと那覇から遠いのですが、「美ら海水族館」に足を運んでいただいて、是非、ジンタ君を見てきてください。ジンタ君と2匹のジンベイザメ、ホオジロザメじゃないですよ。ホオジロザメは凶暴ですから。ジンベイザメがえさを食べる時に、こうやって、みんな縦になります。これがかなり圧巻なので、是非、「美ら海水族館」に行って、そのジンタ君を見てもらいたいですし、改めて沖縄に行かれた方々はほとんどだと思いますけれども、やはり中南部だけじゃなくて、北部にも本当にすばらしい観光資源があって、沖縄の魅力というか潜在力を是非、感じ取っていただければと思います。皆さん、行ったことがあるかもしれませんが、私は大変、美ら海水族館はいいと思いました。
 ブログにも書いたのですが、観光拠点というものは、あまり中途半端ではいけないので、結構、那覇から遠いのですが、本当にいいものを造れば、あれだけの観光客、訪問者があるということで言うと、一つの見本なのかなという気がしました。
 よろしいでしょうか、ありがとうございました。

・説明資料(PDF形式:469KB)
(会見では一部動画を使用しています。)

(以上)