山本内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成25年3月19日

(平成25年3月19日(火) 10:41~11:01  於:合同庁舎4号館7階742会議室)

1.発言要旨

 今日はまず閣議の件についてですけれども、沖縄振興開発金融公庫が政令で平成14年度から特例業務でベンチャー支援の16億円という枠を設けていました。これが9億円増えて25億円になったということで、この政令改正が決まりましたので、それをまず御報告したいと思います。閣議についてはそのぐらいです。
 それから、16日土曜日に、京都の「科学・技術フェスタ」に行ってまいりました。主催者が内閣府ということで、非常に短い時間だったのですが、そこに非常におもしろい研究がいろいろあって、大変感銘を受けました。
 特にイグノーベル賞、人々を笑わせて世の中のためになるという、そういう研究に贈られる賞です。プレゼンターはそのイグノーベル賞を実際に受賞した方々ですけれども、昨年、日本人研究者2人が受賞したという話をしたと思いますが、「スピーチ・ジャマー」というのがあって、このスピーチ・ジャマーをここに持ってきて実演をさせていただこうということで今いろいろとお願いをしています。それから、もう一つの癒し系ロボット「パロ」というのがあって、これも世界で一番人を癒すロボットに認定された(平成14年、世界で最もセラピー効果があるロボットとしてギネス世界記録に認定)ので、こういう科学技術も、パロも借りてきてここで実演をさせていただこうと思っています。
 それからもう一つは、昨今、また情報セキュリティの問題がいろいろ出てきていますけれども、日本が今どこから攻撃されているのか、ほとんどコンピュータウイルスが自ら爆発を起こして広がっているみたいな現象なのかもしれませんけれども、それがずっとフォローできるシステムがありまして、これはNISC(内閣官房情報セキュリティーセンター)とも当然連携していますが、、それも是非ここに持ってきて、紹介をさせていただこうと思っています。
 特に6,000人ぐらいの人が「科学・技術フェスタ」に来ましたが、スーパーサイエンスハイスクールに指定されている高校の高校生たちが一生懸命、科学技術のプレゼンをやってくれまして、これも相当レベルが高かったので、こういうことについてもこの記者会見で時間を見ては紹介をさせていただこうと思っています。
 それから、今日はいろいろありますが、沖縄政策協議会が閣議の後で行われました。この沖縄政策協議会で、沖縄振興予算について、私が報告をしました。その中で、仲井眞知事とお目にかかるのは今日で9回目だと、今まで4回行って、9回会ったという話をさせていただきました。実は今週末、もう一回沖縄に参ります。北部振興のプロジェクトをずっと見たいと思っていましたし、今まで那覇が多かったので、北部市町村の方々から、「とにかくちゃんと沖縄振興大臣として北部の市町村にも足を運んでほしい」という要望をいただきまして、名護市長にはお目にかかろうと思います。沖縄振興について、いろいろと議論させていただきたいと思いますし、北部の市町村長にも、おそらくお目にかかる機会があると思いますし、ちょうど沖縄映画祭をやっているので、そこでまた仲井眞知事ともお目にかかれると思うので、知事とは少し意見交換の場を持ちたいと思いますから、今週末で仲井眞知事と10回目の懇談ということになるのではないかと思っております。
 それから、沖縄政策協議会が開かれました。安倍政権になって初めての沖縄政策協議会ということで、知事の強い要望もあってこれを開いたということですけれども、そこで小委員会も設置をされまして、内閣官房長官、外務大臣、防衛大臣、そして沖縄担当大臣、仲井眞知事という構成でスタートいたしました。このことも御報告をしたいと思います。
 せっかくなので、いつもの固定席というか、この会場に来られたので、今日もプレゼンテーションをやらせていただきたいと思います。実は、知的財産政策ビジョンがいよいよ動き始めました。そのことについて今日は簡単にプレゼンをさせていただきたいと思います。
 知的財産戦略本部がいよいよ動き始めました。これは2003年に小泉総理のときに作られたのですが、実は10年経って、いよいよこれから今後10年を睨んだ知的政策ビジョンを作るという大作業が残っております。私がこの知財を担当する大臣でございますので、これについてしっかりやっていかなくてはいけないと思っています。この内閣の下にある知的財産戦略本部で知的財産戦略を立案して、関係省庁にしっかりと指導・推進をしていくということなんですが、構成員は、総理大臣が本部長で、全大臣プラス有識者10人ということです。
 次。もうこれ節目の年になるんですが、10年目の現状を見ると、皆さん言うまでもなく、新興国がどんどん台頭しています。中国、韓国、ここにZTEとかサムスンと書きましたけれども、新興国がどんどん台頭して国際知財競争時代に入りました。なんかワンピースみたいですけど。その大競争時代に入ったのですが、例えばアップル対サムスン、これは御存じのとおり、かなり激しくせめぎ合っています。
 実は、コンテンツの産業自体はどんどん伸びているのに、日本の国内市場はちょっと伸び悩んでおりまして、2005年に13兆円だったものが、2010年が12兆円になっている。諸外国に比べて遅れをとっているということで、しっかりこの知財戦略についても、これを推進していかなければいけない状況にあります。
 次。ということで、有識者本部員、新たに今回任命をさせていただきました。6名が新任、3名が女性、4名が現職ということで、かなり大幅に入れ替えて、なかなかいいメンバーだなと思うのですけれども、それぞれの業界から、学識経験者もいれば、いわゆるコンテンツを実際やっている方もいれば、経済界もいれば、弁護士もいれば弁理士もいるということで、なかなか強力なフォーメーションになったのではないかと思います。これは今日初めて発表するのだと思いますが、こういうメンバーで有識者本部を立ち上げたいと思っていまして、ここを中心に4月下旬ぐらいになると思いますが、今後10年間の知財政策ビジョンを作っていきたいと思います。
 今、いろいろな部会でも検討をもう既にしているのですが、大きな柱として少し考えられるのが、特許審査官の海外派遣ですね。日本の特許システムを展開すると。あと中小ベンチャーの支援ですね。国際標準化戦略を進めて、世界で勝ち残る。これは、ここで動画を皆さんにお見せしながら、例の鉄道システムについての認証機関が日本になかったという話をさせていただきましたけれども、こういうこともどんどんやっていく。コンテンツの海外配信を進めていく。これはどこか、例えばアジアの国のチャンネルを買って、そこで日本のコンテンツを展開するとか、おそらくそういう話になっていくのではないかなと思います。
 知財本部の開催予定は、先ほど申し上げましたが、4月下旬ごろ、今後の10年を見据えた知財政策ビジョンを策定したいと思います。これが知財戦略における、安倍晋三ビジョンということになると思います。でも、実はワーキンググループは去年から立ち上げて、いろいろ検討しております。更にこれを受けて6月下旬には、毎年出しているのですけれども、知財戦略政策ビジョンの一歩として知的財産推進計画2013年を決定したいと思います。
 この間、知財のコンテンツの専門部会にちょっと行って大演説を行ってきたのですが、私は安倍総理に、コンテンツ振興立国宣言、あるいは文化戦略宣言みたいなものを是非出していただきたいと思っていまして、総理にも直訴をさせていただきましたし、クールジャパンを担当している稲田大臣のところにも個人的に行って、稲田大臣に中心になって進めていただきたいということもお話を申し上げました。まだ残念ながら、なかなか進んでいないので、そのことについて大演説を行ってきたのですが、例えば、科学技術基本法に基づいて5年間、10年間でこれだけの予算を割り当てるみたいな、そういう具体的な話がなくても、総理自らが知財、コンテンツ、クールジャパンもその知財の中に入るのだと思いますが、そういうものをしっかりと発信をしていく。日本はまさに知財立国、コンテンツ振興を目指すのだということを発信してもらうだけでも知財戦略の政策のプライオリティが上がるのではないかと思っていまして、これについては、経産省中心にやってもらった方がいいのか、それともやっぱり各省にまたがるから内閣府がやった方がいいのか、ずっと遠慮していましたけれども、やっぱり知財担当大臣がもうちょっとやったらいいのか、そこら辺のところも少し知恵を絞っていきたいと思います。この知財政策ビジョンができるときを一つの、ある意味で言うときっかけにするという考え方もありますし、まだ何も決まっていません、もう一回言いますが、まだ何も決まっておりませんが、是非、私はそういう方向で、安倍政権に知財戦略、コンテンツ政策、クールジャパン、こういう、以前もちょっとお話しましたけれども、韓国の金大中大統領の文化大統領宣言とか、トニー・ブレアのクール・ブリタニアではないですけれども、そのような宣言を発信してほしいなと、個人的に大臣として、知財担当大臣として個人的に思っていますし、是非そのような方向に私も進められるように、いろいろな関係各大臣に働きかけて、これを実現したいなと思っていることも申し添えておきたいと思います。まだ何も決まっておりません。私の頭の中にあるだけでございます。
 ちなみに、茂木大臣とは、おそらく近いうちにネット番組で、対談する機会があると思うので、いろいろな機会を通じて、いろいろな方に働きかけていきたいなと、大臣個人として私思っております。
 ということで、何か御質問があればお受けしたいと思います。

2.質疑応答

(問)TBSテレビの加古と申します。今週末にまた沖縄に行かれるということなんですけれども、3月も後半に差しかかって、辺野古の埋立申請の時期も近づいているとは思うんですけれども、例えば、北部に行かれるということで地域振興協議会など、いわゆる辺野古移設容認派の方々との意見交換など予定されたりはしているんでしょうか。
(答)その予定はありません。私の担当は沖縄振興で、北部に行く理由は、市町村の方々、名護市も含めて北部市町村の方々と情報交換をすると。それから、北部振興プロジェクトをちゃんと見てみたい。島田懇談会のプロジェクトもまだ見ていませんから、そういう目的ですので、今おっしゃったような趣旨の予定は考えておりません。
(問)毎日新聞の飼手と申します。今日、沖縄政策小委員会が設置されたということですけれども、新設の意味合いもあると思うので、そこの意義をもう一度改めてというのと、あと基地負担軽減、辺野古ですとか嘉手納以南についてどのような議論があったのか、おっしゃれる範囲でお願いします。
(答)沖縄政策協議会については、仲井眞知事のほうからも、是非これを開いてほしいという御要望もありまして、それを踏まえて政策協議会を開いたということだと思います。
 小委員会については、たしか民主党時代に二つぐらい政策協議会の下に部会があったと思いますが、沖縄振興と、たしか基地の関係でしょうか。これはいろいろ出席者もオーバーラップしていますから、そういうことも踏まえて、安倍政権では小委員会という形にするということで、先ほども申し上げたようなメンバーでやるということです。ただ、必要に応じて、例えば関係の閣僚に出席してもらうとか、あるいは沖縄の関係の市町村長に出席してもらうとか、そういうことは柔軟にやっていければと思います。
 小委員会では今日も、詳しいことは官房長官に聞いていただければと思いますが、沖縄振興の話、基地負担の軽減について、意見交換をしたと、こういうことです。
(問)沖縄タイムスの比屋根です。今の協議会の話なんですけれども、民主党時代に基地負担と振興と二つに分かれていて、これは民主党政権がこの二つをリンクさせないという姿勢を強調した表れとも言われていましたけれども、今回これがまた一つになったという形になったことについて、振興を担当する大臣としてはメリット、デメリット、どのように考えていらっしゃいますでしょうか。
(答)まず、一つになったから今までとものすごく変わるということはないと思っています。振興は振興としてやると、こういうことに変わりはないと思います。ただ、その二つの部会はほとんど出席者もオーバーラップしている部分が多いので、それは小委員会ということで率直に意見交換をすればいいのではないかと思います。沖縄政策協議会は全閣僚出席で、総理もおられていろいろと大きな議論はするということですけれども、もうちょっといろいろな具体的な要望とかをお聞きしたりするのには、小委員会みたいなメカニズムを使う方が、これはやっぱりいいのではないかなと思っています。
(問)TBSテレビの加古です。今日の沖縄政策協議会で、沖縄側からは嘉手納以南の返還計画のロードマップについて具体的に示してほしいという要望が出たと思いますけれども、政府としては、例えば、いつをメドに取りまとめたいですとか、どのような返答をされたんですか。
(答)政府の方からそういう話は出なかったと思います。仲井眞知事の方からは、一通りいろいろなことについて御要望があったと記憶していますけれども、今のような話について政府の方から何か話があったという記憶はありません。
(問)共同通信の大澤です。続けて小委員会のお話なんですけれども、仲井眞知事から、普天間飛行場の移設先について、辺野古沿岸にV字型滑走路を造っていると何年もかかってしまう。だから、もう滑走路があるところに移したほうがよいというようなお話が出たらしいんですけれども、そういったことについて政府のほうからは何かお話はあったんですか。
(答)そういう話が出たというのは、私の方はちょっと記憶にないですね。何かそのことについて政府が何かの方針を言ったという記憶もありません。細かいことは官房長官に聞いていただければと思います。
(問)朝日新聞の二階堂です。4月28日の主権回復の日について、また今日の沖政協の中でも、知事のほうから、「その日は沖縄が切られた日である」と、終わった後のぶら下がりで知事がおっしゃっているんですけれども、「仮に出席を求められたとしても、お祝いの席であるとすれば、ちょっと出にくいな」というようなことを知事がおっしゃっているんですけれども、その受け止めと、総理も含めていろいろ沖縄への配慮といいますか、おっしゃっているとは思うんですけれども。
(答)私が一言だけ申し上げたのは、やはり総理の発言、閣議もそうですけれども、常にこの式典について言及するときは、沖縄の過去の歴史とか、沖縄の方々のいろいろな苦労、気持ち、こういうものを十二分に配慮しなければいけないということをいつも総理は言及しているということと、私も閣議では沖縄振興担当大臣として、この式典の開催に当たっては、沖縄、小笠原、奄美の苦難の歴史とか、特に沖縄の方々の気持ちにはしっかり配慮しなければいけないという話を外にきちっと話をしていますということだけは発言をいたしました。
(問)そういうふうに総理とか大臣とかがおっしゃっていても、なかなかやっぱり沖縄の方々の心情というのが、今もなおそういう格好で変わらないと思うんですけれども、そのことに対しての受け止めはどうですか、大臣としては。
(答)受け止めというか、この式典を行う方向ですから、その中で我々としては最大限といいますか、きちっと沖縄の方々の気持ちにも配慮しているということをしっかり発信をしていく、説明をしていくということに尽きると思いますね。
(問)科学新聞の中村ですけれども、知財ビジョンについてお聞きしたいんですが、10年を見据えて知財ビジョンを作るとなると、例えば今参加表明されたTPP(環太平洋戦略的経済連携協定)だとか、日本とEUで進んでいるFTA(自由貿易協定)だとか、そういうところで知財権の取扱いについていろいろ交渉事になっていると思うんですけれども、そこら辺について、ある程度日本の考え方を示すようなビジョンになるのかどうか。
(答)その中身はこれからだと思います。いろいろな議論は多分出ていると思います。さきほどは特に中心的に議論になった話題について紹介したので、多分様々な意見が出ていると思うのですが、今のようなことも全部含めて、あらゆることを含めて、これから特に新しい本部員も決まりましたから、4月下旬にかけても精力的に議論をして方針を決めていくということだと思います。現時点で一応出ているような議論を大まかにさっきは紹介したということです。
(問)4月下旬までにまとめるとなるとかなりタイトなスケジュールなんですが、どのぐらいのペースで。
(答)去年の12月ぐらいから中身の議論については、それぞれの専門部会みたいなところできちっとやっていますから、それで相当いろいろな議論が今も、先ほど紹介したように出てきていますので、そこら辺を中心にまた新しい本部員の下でやっていくということです。いずれにせよ4月下旬までに、10年間のビジョンをまとめるために、精力的に議論を重ねていただくということだと思います。
(問)先週出ていたと思うんですけれども、国境・離島保全の有識者会議については、設置の時期のスケジュール感というのはどうなんでしょうか。
(答)スケジュール感はまだはっきりわかないですけれども、設置をしたいと、そういう方針で今、検討中です。
(問)それは変わらず。
(答)はい。それは私の下にそういう形の有識者会議を是非作りたいと思いますし、その方向で進めたいと思っています。
 よろしいですか、ありがとうございました。

・説明資料(PDF形式:45KB)

(以上)