山本内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成25年3月5日

(平成25年3月5日(火) 8:58~9:08  於:合同庁舎4号館7階742会議室)

1.発言要旨

 まず閣議後の記者会見ということで、今日は閣僚懇談会において発言をいたしましたので御紹介したいと思います。
 先週、安倍内閣で初めての総合科学技術会議が行われたので、それについて発言をいたしました。
 中身は、安倍総理のほうから3つの点について指示があったと。結果を取りまとめるよう指示があったということを御紹介させていただきました。
 第1に、科学技術イノベーション政策の全体像を示す長期ビジョン、短期の行動プログラムを含む「科学技術イノベーション総合戦略」、これは仮称ですけれども、これを策定するということ。
 第2に、日本経済再生本部と連携して成長戦略に盛り込むべき政策を科学技術イノベーションの観点から検討すること。
 第3に、総合科学技術会議の司令塔機能について、権限、予算両面でこれまでにない強力な推進力を発揮できるよう抜本的な強化策を具体化すべく検討すること。
 このことを紹介をして、関係閣僚に対して全面的な御協力を閣僚懇談会においてお願いを申し上げました。
 これがまず閣議についてのお話です。
 続けて、今日は沖縄訪問についてなんですけれども、ブログにも書いたんですが、4度目の訪問をさせていただきまして、石垣島と宮古島を訪れました。
 主な目的は、石垣島の新空港開港式に出ることだったんですが、これは八重山圏の経済発展には大きく貢献すると考えています。
 細かい日程についてはいちいち申し上げませんけれども、仲井眞知事とは7回目の懇談をさせていただきました。7度目の懇談をさせていただきまして、1時間にわたって主に沖縄振興策について率直な意見交換ができたと思っております。
 今日は久々にまたこちらへ戻ってきたんで、パワーポイントを使ってプレゼンをやらせていただきたいと思います。
 今日は知的財産権、知財担当なんで知財について少し皆さんにさっと紹介したいと思います。
 知財立国、知財戦略は日本の優れた技術力を国際競争力に結びつけていくということで営業秘密化、権利化、国際標準化・認証、こういうものが極めて重要になってきます。
 実は鉄道市場、これは日本のお家芸の一つといってもいいと思うんですけれども、これは非常に魅力的な市場で、欧州鉄道産業連盟によれば、大体の市場規模が、2005年から2007年、1,220億ユーロ、14兆円だったものが2007年から2009年で15兆円、1,360億ユーロと言われていまして、2015年から2016年でこれが18兆円まで伸びると、1,610億ユーロまで伸びると試算されています。
 実は、日本の優れた鉄道技術というのは、例えば、この英国、これは日立製作所が造った車両なんですけれども、受注されたのが2012年7月で受注額は約5,500億円だったんですけれども、こういうところに生かされています。
 せっかくですから動画。いかにもIT戦略担当大臣という感じになってきましたけれども、こんな感じで、これCGなんですが、すばらしい車両だと思います。これは日立製作所が誇る技術の粋を集めた車両なんですけれども、この動画はちょっと長いので、これを見ながら説明していると記者会見終わってしまうんで、こんな感じなんです。これは世界市場への更なる展開が必要だと、こういう例をどんどん増やしていかなきゃいけないということで国際標準化・認証への取組の強化が求められているということなんです。
 ところが、驚いたことに車両を、例えば輸出するという時には、当然国際標準に適合しているかどうかということを証明しなきゃいけない。今のところ、日本には恐るべきことに認証機関がないんです。これもう非常に驚くべきことで、これだけ技術力がある、世界第3位になっちゃいましたが、その経済大国に認証機関がないんです。ということはどういうことかというと、発注者にそのまま送れないと。一度国外の、例えばヨーロッパの認証機関に車両を輸送して、これをチェックしてもらってからやらなければいけないという極めて煩雑な手続をやらなきゃいけない。これはもう日本の最初から競争力をそぐみたいな話なんです。
 そこで、認証が鍵なんですけれども、ついにというか、遅ればせながら、2012年9月に我が国初の鉄道の認証機関を整備いたしました。これは独立行政法人なんですけれども、交通安全環境研究所、これはたしか三鷹にあるんで1度見てこようと思うんですけれども、ここで初めて鉄道認証室ができたと。これだけ鉄道技術の発達した日本で認証機関がなかったというのは、私は大変担当大臣としては驚きましたけれども、こういうことを最大限に活用して、世界市場への展開を加速化していかなければいけないと思っています。
 是非皆さん、これに興味を持っていただいて、ここにご興味があれば、是非視察をしていただきたい。私、まずとりあえず行ってきますけれども、こういう整備、環境整備から始めていかないと、なかなか知財の分野において日本の競争力を高めていくことはできないんじゃないかということで、今日の一口トピックは動画も使った認証機関のお話にさせていただきました。IT戦略担当大臣として、今後も動画をなるべく使いながら記者会見をやらせていただこうと思います。
 以上です。何か御質問があれば、お受けしたいと思います。

2.質疑応答

(問)科学新聞の中村です。先ほども閣僚懇談会のときに安倍総理の指示があって、関係閣僚に協力をお願いしたと。例えば、財務大臣とか、ほかの閣僚はどのような反応をされていたでしょうか。
(答)閣議でのほかの閣僚の閣議後の懇談も含めてどういう発言されたかというのは外には言えないんですけれども、いずれにせよ、皆さんの聞いている前で話しましたと。ですから、当然全閣僚がおられたんで、メッセージは伝わったと思います。つまり、司令塔機能強化、省庁の壁を越えた抜本的な予算も組織も含めた機能強化というのは、総理の指示なんだと。安倍総理の考え方なんだということを全閣僚にお伝えをしたということです。これから長期・短期も含めた総合戦略を作っていきますから、そういう意味でも今日きちんと正式に発言できたことは意味があったと思います。
(問)毎日新聞の飼手と申します。沖縄訪問についてですけれども、先ほど主に振興策についてお話しになったということで、行かれる前には特段テーマは決めていないとおっしゃっていましたけれども、埋め立て申請の話というのはお話に出たんでしょうか。
(答)それは一切ありませんでした。よかったと思うのは、沖縄振興についていろいろな議論ができたんですけれども、特に昨年作られた一括交付金、これについて担当大臣として非常に評価をしているんです。例えば、地元のきめ細かい要望をすくい取って、きちんとプロジェクトにするということも大事だし、あるいは中長期的に沖縄経済全体の振興につながるような切り口も必要だと思いますし、そういうことについて、かなり率直に知事と議論ができたというのは本当によかったと思います。
 それから、石垣と宮古を初めて訪問させていただいたんですけれども、観光資源という点では本当にポテンシャルがあると思います。相当分刻みのスケジュールでミンサー工房から製糖工場から、ありとあらゆるところをわっと見ていたんですけれども、寒かった。やはり半袖だったんで。これは記者会見で言うほどのことでもないんですけれども、かりゆしを着ていったんですが、寒かったという印象があるんですけれども、次はもうちょっと暖かいときに行きたいなと思いますが。
 それからもう一つ、新石垣空港、これは非常にいい空港だと思います。一番南のおそらく空港になるんですよね。もう一つのところ使っていないはずなんで、一番南の空港なんですけれども、本当に沖縄を訪れる人にとって、とても印象に残る空港になると思うんで、この新石垣空港にはとても期待したいと思いますし、最後に申し上げますと、石垣と宮古とそれぞれ観光資源という点では強みが違うと。だから、やはり八重山圏というか、全体で観光戦略を作っていけばいいんじゃないかなと沖縄振興担当大臣としては、そういう印象を持ちました。
(問)時事通信の高橋と申します。先ほど沖縄に行かれた、製糖工場に行かれたとおっしゃいましたけれども、砂糖は沖縄の基幹産業の一つだと思うんですけれども、TPPの中で、いわゆる聖域といいますか、センシティビティーの一つになり得るんじゃないかと言われているんですけれども、大臣として沖縄振興の点からTPPでこの砂糖の対応をどういうふうに取り組まれるんですか。
(答)それは、石垣島とそれから宮古で行った地域の代表の方々との懇談、市町村長等の懇談でも話題として出たんですけれども、まず製糖工場へ行って改めて思ったんですけれども、やはりサトウキビ産業というのは農業の本当に基幹産業なんだということは離島の、それはわかりました。予算については農水省が主にやっているんですが、TPPについては、これは総理が全体の国益を踏まえて判断すると、そういうふうに申し上げてきました。
 よろしいでしょうか、ありがとうございました。

・説明資料(PDF形式:267KB)


(会見では一部動画を使用しています。)

(以上)