山本内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成25年3月1日

(平成25年3月1日(金) 12:35~13:12  於:合同庁舎4号館2階220会議室)

1.発言要旨

 まず、最初に閣議後会見ですから閣議の話からさせていただきたいと思いますが、先般申し上げたとおり、閣議でもだんだん積極的に発信していこうということで、今日は発言をさせていただきました。
 いわゆる政府CIO法案、これマイナンバーと一緒なのですけれども、このCIOの設置に関する内閣法等の一部を改正する法律案が閣議決定されたということで、それについてお話をさせていただきました。
 この法案、あるいはCIOについて、関係府省の協力をお願いしたいということを申し上げました。
 これは、政府のICT政策を府省横断に統括するということで、CIOに今のレガシーシステムをきちっと総合調整してもらうとか、電子行政の抜本的改革をやってもらうとか、こういう意味では、非常に重要な法案だと思っていまして、特にIT政策担当大臣としては、一つの大きな使命はCIO法案を通すということだと思っています。国会については、いろんな状況もあって、なかなか簡単ではないと思いますけれども、担当大臣としては、今国会でCIO法案をしっかりと通してもらうと、これに全力を注いでいきたいと思います。
 法案の詳細については、本日夕刻に事務方の方からブリーフィングをやってもらいますので、内閣官房のIT担当室の方にお問い合わせをいただければと思います。
 総合科学技術会議の話をする前に、今日、せっかく広い会場が取れたので、IT担当大臣として、いつもの一口トピックをやりたいと思うのですけれども、今日はIT戦略本部についてお話をしたいと思います。
 IT戦略本部、これ実は私が内閣府特命担当大臣になったときに、総理から最初に言われたことは、総合科学技術会議をもう一回光らせてほしいということと、それから、IT戦略本部も、なかなか動いていないと、これも是非進めてもらいたいということでした。
 IT戦略本部、2001年から2009年までは51回やっているのですけれども、この前政権時には、残念ながら3年3か月の間、8回しかやっていなくて、持ち回り4回ですから、(実質)4回しかやっておりません。
 安倍総理の方から、第3回の日本経済再生本部の方で指示があったのです。IT政策担当大臣は関係大臣と協力して、とにかく世界最高水準のIT社会、もう一回申し上げますが、世界最高水準のIT社会を実現するべくIT政策の立て直しを検討してほしいと、言われました。
 なおかつ、皆さんこの間お聞きになった、国会の施政方針演説、2月28日ですが、ここにいろいろおっしゃっていたのですけど、テレワークや遠隔医療など社会に変革をもたらし得るIT活用、日本に新たな可能性をもたらす、これらのイノベーションを省庁の縦割りを打破し、司令塔機能を強化して力強く進めてまいりますというのがあります。
 すなわちIT戦略についても、これは国家戦略として、内閣府特命担当大臣としてしっかり横串を刺しなさいと、こういう御指示だったと受け止めております。
 IT戦略本部、有識者本部員、これは見直しました。一部の方に交代していただき、一部メンバーを追加いたしました。強力なメンバーだと思いますが、この方々を中心にいろいろと議論をさせていただいて、これから安倍内閣の新しいITビジョンというものをIT戦略本部の下で作っていくということになると思います。
 ざっと見ていただくと、ここら辺が新しい方々なのですけれども、全体としては非常に幅広い強力な私は布陣になったのではないかと思っています。
 今日、宣伝ですけれども、有識者懇談会を開催します。
 昨日、寝る前にブログをほとんど意識を失いかけながら書いたのですが、改めてここでも申し上げますが、今日の4時から5時まで、参加は担当大臣の私と柴山総務副大臣、菅原経産副大臣、有識者本部員ということで、今後のIT政策の進め方について意見交換をすると、IT戦略ビジョンの実質的な最初の議論だと思っていまして、本来であれば、総理に来ていただきたいところなのですが、また、総理をお呼びする最初の戦略本部はできるだけ早くやりたいと思っていますが、総理も大変御多忙なのですけれども、できるならば、今月中に、今月が締まる前に総理に時間を作っていただいてIT戦略本部をやりたいと思っています。
 戦略の検討ポイント、これから議論をするわけですが、別にこれ固まった話ではないのですけれども、今までいろいろと内閣府で議論をしてきた流れから言うと、世界最高水準のIT社会の実現、情報資源、データ立国ということです。オープンデータ、これはなかなか、まだ国民に十分浸透していないのですけれども、オープンデータ、情報公開、これが一つのキーワードになるだろう。
 また、産業経済活性化への項目ということで、オープンデータもそうですし、農業、医療等の産業競争力もITを使って強化していく。あるいは、国民の安心安全ということで、防災インフラとか、ITS、あるいは真の行政改革と書いてありますが、行政機能、政策効果の向上ということで、さっき言ったマイナンバー、業務改革推進ですね、こういうものを含めた、政府CIOの権限を定める法案が本日閣議決定されたということは、先ほど申し上げたとおりです。
 当面のスケジュールなのですけれども、これを使うといかにもIT担当大臣ということで、これはあまり必要ないかもしれませんが、本部体制の再構築、起草委員会を作ります。IT戦略本部を中心に新戦略の報告をしてもらうということで、大体1か月に1回ぐらいのペースで開催をしたい。メンバーはIT戦略本部の有識者本部員ということになると思います。
 ということで、今日のIT戦略本部の会議が最初の実質的な議論になっていきますので、是非御関心があればフォローしていただいて、IT戦略は今までe-Japan、e-JapanⅡ、ICT何とかいろいろ作ってきて、閣議決定もしているのですが、それぞれ中味は悪くないのですけれども、全体として何か貫かれている哲学がグラグラしていまして、安倍政権では、本当に5年、10年先をにらんだIT、ICT活用のためのしっかりしたビジョンを作っていきたいと思っております。
 ということで、総合科学技術会議のプレゼンに行く前に、何かここまでで一応皆さんから御質問等があればお受けしたいと思います。
 総合科学技術会議のことは、この後やりますけど、今のここまでのところで何か御質問よろしいでしょうか。

2.質疑応答

(問)ITとかの話ではないのですけれども、昨日、名護漁協が理事会を開きまして、3月11日に臨時総会を開いて、埋め立ての同意にかかわる決定をすると、ただし、漁業補償の金額が政府側と妥結するまでは同意書は出さないということを決めたのですけれども、今週末沖縄に行かれて、知事とも朝食懇談なさると思うのですが、もちろん埋め立て申請は防衛省の所管だとは思いますが、要するに、漁協の同意書というのは、埋め立て申請に必ずしも法的に必要なものではないと思うのですけれども、政府として丁寧に手続を進めていく上において、やはり漁協からの同意書が出た上で、埋め立て申請をその後で出すという手続の方がいいと思われるかどうか、沖縄担当大臣として。
(答)まず、埋め立て申請の話は、まだ、全く決まっていないと思います。
 それから、今の漁協との交渉等というのは、大変申しわけないですけれども、やはり防衛省にきちっと問い合わせいただければと思います。
 それ以上ちょっとコメントは差し控えたいと思います。
 沖縄に行く理由は、御存じのとおり、新石垣空港の開港式に出るということで、今回も仲井眞知事にお目にかかることになると思うのですが、2か月で7回目という、はっきり言って沖縄担当大臣としては完全に新記録だと思うのですけれども、安倍総理がおっしゃったように、担当大臣として1回でも多く沖縄に足を運んで、機会があればできるだけ多くの人の声を聞いてほしいということなので、知事にもお目にかかりますし、石垣市長にも、もちろんお目にかかるのですけれども、何か特別の話題を決めていくということではありません。やはり会えるチャンスがあれば、いろんなお話を伺いたいということです。
(問)今、特別の問題を決めてということではないということだったのですけれども、最近、いろいろ報道もなされていたり、同意書の問題もあったり、漁協のものですね。ということもあって手続は進んでいる。あるいは、日米首脳会談もこの前ありましたし、ということを踏まえて、知事の方から仮に埋め立て申請について何か話題が出ることもあろうかと思うのですが、大臣の方からは何か政府側の今の考え方であるとかについてお話しされるお考えはありますか。
(答)それは、まだ知事にも会っていないし、どんな話が出るかも分からないので、一般的ないろんな意見交換になるのかなという感じがしています。何しろ7回目ですからということで。
(問)共同通信の大澤です。
 関連でもう一つ。知事との信頼関係構築を日ごろからされておりますけれども、これまでのところ、まだ2か月というか、もう2か月で7回目という言い方もありますけれども、手応えとしてはどのように感じておりますか。
(答)そんなに簡単に物事ってうまくいくと思ってないのですけれども、一つだけ申し上げられるのは、少なくとも気持ちは伝わっていると思いますよね。沖縄担当大臣として、沖縄振興、どうやったらいいかというのをまじめに考えていると。
 それから、安倍総理のもちろん御指示なのですけれども、とにかく沖縄の現状を少しでも知ろうとしているという真心という言い方はあれなのですけれども、その真摯な気持ちは、安倍総理ももちろんそうですけれども、この25年度の予算も含めて、それは知事の方に伝わっているのではないかと、そう思います。
(問)科学新聞の中村です。
 ICTの話ですが、今度作る新しい戦略は、例えばヨーロッパの一部の国でも行われているようなインターネット投票とか選挙、そういうことも含めて、あと現在、日本の情報、地方自治体が持っているもの、いろいろなところが持っているもの、結構ばらばらにあるのですけれども、そういうのを統合していけるような方向が素案にあるのでしょうか。
(答)それはまだ全く、本当に具体的なものは分からないですね。これから本部員の方々に集まっていただいて、いわば起草委員会みたいな形で議論していただくということで、そういう話題がもし、その方々から出てくれば、何か議論になるかもしれないし、出てこなければ議論にならないかもしれないし、そこはちょっとよくまだ分かりません。まだ選挙のことについては、あまり出てきてないですね、そのビジョンの中では。
(問)CIOなのですけれども、CIO、まだ法律もまだ閣議決定したばかりなのですけれども、どういう人がCIOになるべきだと。
(答)それは現時点でははっきり決まったわけではないのですけれども、大体いろいろイメージはあると思うのですが、やはりCIOの重要性をきちっと分かっている方で、その分野できちっと経験のある方ということなのだと思いますね。しかし、これから法案はまだできていませんから、これから決めるので、その人選は正式には決まってませんけれども、それはCIOとしてふさわしい方に来てもらうと。
 IT戦略本部は、おそらく夕方のときにもちょっと申し上げようと思うのですけれども、例えば科学技術について言えば、総合科学技術会議という機関があって、これは後で申し上げますけれども、これを更に機能強化して進化させていかなければいけないということで、しかしそこには歴史があって、司令塔機能として位置付けられているということはあるのですけれども、ITについて言うと、そういうものはまだ私の感覚で言うとないですから、CIOはその第一歩になるのかなと。いずれにせよ釈迦(しゃか)に説法ですから、科学のこともITもお詳しいので、こんなに古いレガシーシステムみたいのがいくつも動いていたら、セキュリティ上もすごく問題ですよね。各省全然違うシステム使っているわけでしょう。だから、このCIOはものすごく大事だと思いますし、このCIOを作るというところから、ITを本当に国家戦略として位置付けるという、こういう流れができるのではないかという問題意識を持っております。
 大臣としてちょっと注意深い表現でまたいつものとおり発言させていただきました。
(問)領土の関係でちょっと伺いたいのですけれども、調整室も作られたと思うのですけれども、ちょっと何か具体的な動きが念頭にあって伺うわけではないのですけれども、尖閣諸島について、これまでの政権では、政府関係者以外、何人たりとも上陸は認めないという方針をとってきていると思うのですけれども、安倍政権になって、あるいは自民党政権になって、今その解釈というか、政府の方針というのは何か変更があったり、あるいはこれから変更していく可能性というのはあるでしょうか。
(答)そこはいろいろ政府全体の政策というのがあるので、私があまり具体的なコメントをするつもりはありませんが、確かに領土・主権対策企画調整室を作って、例えば有識者会議をいつ立ち上げるのか、どういうふうに具体的な行動、活動をしていくのかということについては、いろいろと検討しています。
 要はこの領土・主権対策企画調整室、長過ぎるので、ちょっとアブリベーションを考えたいと思うのですけれども、領土担当大臣が置かれたのは初めてですから、それはしっかり発信していかなければいけない。国内啓発だけではなくて、内外にも外務大臣と調整して、いろいろと発信をしていかなければいけないということなのですが、いつも申し上げているとおり、日露関係、日韓関係、日中関係、そこは安倍総理の大きな戦略というのもありますから、総理の選択肢を狭めるようなことはしたくないし、外務省と平仄(ひょうそく)をきちっと合わせていかなければいけないので、慎重に、少しいろいろと全体を見ながら活動を進めていきたいと。
 作ったのですから、15人いますから、それはそれなりにきちっとした活動を考えていきたいと思いますが、そこはしっかり全体を考えて進めていきたいと思います。

 それでは、一旦記者会見はここで終了させていただいて、第2部ということで、先ほど今日念願の新生総合科学技術会議第1回会合が行われたので、その総合科学技術会議のことについてお話をさせていただきたいと思います。
 本日の午前中に、第2次安倍内閣発足後、初めての総合科学技術会議を開催いたしました。
 まず、会議に先立って安倍総理から、久間和生議員、原山優子議員、今お二人まさに常勤でお引き受けいただいたのですが、お二人、そして加えて内山田竹志議員、橋本和仁議員の4名の方々に辞令交付をいたしました。
 これによって、私が何度も総理に申し上げたのですが、最強の布陣が整ったと、私は本当にすばらしい方々に集まっていただいたと思うのですけれども、新たにスタートを切りました。
 本日の会議は、正規のメンバーで最初スタートしようという話もあったのですけれども、臨時議員として、私の方も少しそこは要望させていただきましたが、甘利経済再生担当大臣と稲田規制改革担当大臣、これは三つの横串で司令塔機能を果たしていくということですからお呼びしました。大西議員は今回御欠席ということでした。
 一つ目の議題である総合科学技術会議の今後の進め方について、私の方から科学技術イノベーション政策の現状と今後の課題について3分ぐらいで説明をさせていただいて、その後中鉢議員の方から科学技術イノベーション政策の在り方や本年半ばまでに取り組むべき今後の課題について御提案をいただきました。
 資料については、昨日の事務方からブリーフィングがあったとおりです。
 その後、議員の方から御発言がありましたので、まず議員からの御発言をちょっと御紹介をしたいと思います。
 橋本議員の方から、これまで研究現場におられて、研究現場の声が中枢に伝っていないと、その現場の声を政府に、政府の声を現場に伝えていきたいというお話をされました。
 橋本議員は、競争力会議とも兼任をしていただいているという立場があります。
 橋本議員の方から、総理には本会議への出席に感謝していると、CSTP(総合科学技術会議)の重要性を総理が本当に認識していただいているということは大変心強いと。成長戦略への参画は非常に大事なので、産業競争力会議に科学技術のエキスパートである総合科学技術会議の方からきちっと提案をして、フィードバックするという役割を果たしていきたいと。
 更には、産業競争力会議でもCSTP、CSTPは総合科学技術会議のことなのですけれども、CSTPの司令塔機能が言われているので、これはしっかり議論していきたいし、自分は両方のつなぎをやりたいし、総理に対して是非CSTPへの出席をお願いしたいという話がありました。
 平野議員の方から、果実を得るにはとにかく種をまいて苗木を育てなきゃいかんと、どれ一つ欠けても木は育たないので、バランスが大事ですと。この種をまくということは、科学技術イノベーションで言えば基礎研究だと、限られた財源を配分するのにどうやってバランスをとるかというのが大事だと。
 平野議員がおっしゃったのは、総合科学技術会議で司令塔機能として高いレベルで森を見て指揮をし、個々の木を育てていくと、その中で人材育成がなければイノベーションはなかなか生まれないというお話がありました。
 今日御出席いただいている常駐議員の1人である原山議員の方から、今日はフレッシュウーマンとして取り組みたいというお話があって、とにかく総理のリーダーシップの下でイノベーション戦略を策定し、実施していくのが私たちのミッションだと。
 司令塔機能として3点挙げられたのは、それぞれ有識者メンバーの方々がイノベーティブで、しきたりにとらわれず新しいことをどんどん取り組むのが大事だと。
 それから、インスパイアリング、いわゆる触発ですね。あそこに行くと刺激になると、発想の転換ができるみたいな、そういう空間、場所になったらいいのではないかというお話がありました。
 それと、三つ目はプラグマティックということで、実効性が高いものをしっかり示していかなければいけないと。
 原山議員は、OECD(経済協力開発機構)におられたので、OECDから昨年帰ってきて東北復興に貢献したいという思いもあって、このイノベーションで相乗効果をしっかり発揮していきたいというお話がありました。
 更に久間議員の方から、CSTP議員全員が産業競争力会議が大事だということを認識する必要があると。
 産業競争力会議を強くして、総合科学技術会議の次のイノベーションを作っていくという流れをしっかり作っていきたいという話もありました。イノベーションが大事だという話があって、CSTPがまず行うことは、一定の予算を確保することだと、これがポイントだと思うのですけれども、ある程度の予算をきちっと任せてくれという御発言が久間議員の方からありました。
 予算を確保して府省連携の骨太プロジェクトをやっていくべきだと。再生医療、洋上風力、ネットワーク、エネルギー、ロボット、いろいろ重要なテーマがあると。これまでの個々のCSTPが進めてきたテーマは正しいけれども、これから産業、雇用にどうつながるか、ここがちょっと不十分だったと、ここをもうちょっと考えた方がいいので、府省連携をその考えのもとに進めていきたいというお話でした。
 更に急ぎますが、内山田議員の方からも、自分は産業界に身を置いていると。産業立国であり続けるためには、科学技術イノベーションが大事だという認識を改めて披露され、産官学が一気通貫で取り組んでいかなければいけないと、10年、20年先を見て、上流で科学者にいろいろな研究をしてもらって、それを評価していくことも大事だというお話もありました。
 青木議員の方からは、少子高齢化、再生医療、日本が直面する課題は世界の課題と、その意味で日本は実は先進国ですと。解決するための制度改革、安全性の確保というのはもちろんだと。不合理なボトルネックではなくて、世界の課題解決と捉えて制度改革等をやるべきだというお話がありました。
 続けて、関係大臣からも御意見があって、下村文科大臣から、総合科学技術会議が今後科学技術政策の司令塔として再活性化することを期待したいと、大変、文科大臣からもエールをいただいたと思っています。
 その際、経済財政、規制改革、安保、外交等の総合戦略として科学技術イノベーション政策を位置付け、官邸のリーダーシップを発揮するための司令塔として運営していくことが大事だと。与党においても司令塔機能の具体策が検討されており、これも踏まえつつ政治主導で取り組むべき最重要課題について、総合科学技術会議が各省の制度、政策を強力に誘導していくことを期待と、文科大臣が言いました。
 もう一回言いますが、総合科学技術会議が各省の制度や政策を強力に誘導していくことを期待と文科大臣がおっしゃっていました。
 文科省としては、総合科学技術会議が策定する戦略に基づいて、研究開発施策の実施官庁として、我が国の競争力強化のために取り組んでいきたいと。
 甘利経済再生担当大臣には、更に具体的なお話もあって、成長戦略において科学技術イノベーションは規制改革と並ぶ最重要課題だと。おっしゃるとおりで、だからこのお二人に出席をしていただいたわけですが、そのため産業競争力会議と総合科学技術会議の本会議との連携が必要だと、山本大臣には常に産業競争力会議にも参加いただき、橋本議員にもとにかく橋渡しをしてもらっていると、この二つの会議の関係についてそういうことを申し上げました。
 具体的におっしゃったのがCSTPには以下の2点をお願いしたい。これが甘利経済再生担当大臣からのお話でしたが、戦略市場創造プランを産業競争力会議で作成するが、産業市場創造のため、一気通貫のロードマップを提示したいと。この戦略につながる国家的重要研究開発課題について具体化を進めていただきたいと、このロードマップの戦略につながる国家的な重要研究開発課題について、しっかり総合科学技術会議で具体化を進めてほしいと。
 更に、2番目として、司令塔機能の強化について、予算、権限の強化、重点府省横断プロジェクトについて、一元的に行うべきだと。基礎から応用まで切れ目ない研究マネジメントの確立できる体制を構築すべきだという指摘を民間議員から受けていると、その具体案について二つの会議で連携していきたいと、具体化をしていきたいということでした。
 最後に、稲田規制改革担当大臣は、臨時議員として今日来れてよかったと、感謝申し上げると。科学技術イノベーションにかかる規制改革は重要だと、これを強力に推進していきたいと。そのためにも、規制改革会議、総合科学技術会議の連携、協力を強化していくことが大事と。科学技術イノベーションを推進するに当たっては、障害となる規制が存在する場合には、これは規制改革会議が連携して解決に当たると、こういうことを考えられるのではないかと。大胆かつ迅速に改革を実現できるよう、力を合わせて取り組んでいきたいと、こういうお話がございました。
 ちょっと長くなってしまったのですけれども、今日、本当に盛りだくさんだったものですから、この後、実は二つ目の議題である成長戦略に資する事例紹介、これは私も何度かこの記者会見で申し上げましたけれども、新しい科学技術を総理に紹介してもらうという場所を毎回作っていきたいというふうに思っていまして、実は前々からお願いしていたのですが、本会議がいわゆるFIRST、最先端研究開発支援プログラムで支援を行っている山海筑波大学教授から、ロボットスーツHALのデモンストレーションを行っていただきました。
 総理も相当感銘を受けていただいたようで、かなりHALの説明については真剣に聞いていただいて、このHALの可能性も十分感じていただけたのではないかというふうに思っております。
 私からの報告は以上なのですが、総理の最後の言葉がこれはカメラもペンも入っていたので、皆さんお聞きになったと思いますが、相当長い間、結構長いお話をされて、相当御自分の言葉でいろいろなことをおっしゃった。つまりこれはCSTPに対する総理の強い思い入れの表れだと思います。
 細かいことは全部御紹介はいたしませんが、ブログにもそのまま書こうかなと思っているのですが、新生総合科学技術会議という言葉を使っていました。予算面においても機能面においても、今までにない強力な組織を作っていきたいと。
 なお、私も汗をかくというふうに総理がおっしゃっていたことが非常に印象的だったのと、もう一つのポイントは、科学技術イノベーション総合戦略というものを作ってもらいたいと。
 科学技術イノベーション総合戦略は、長期のビジョンと短期の実施プログラムとこの二つをしっかり作ってほしいと、こういうこともおっしゃっておりました。
 ここら辺がポイントだと思っています。
 科学技術イノベーション総合戦略については、強力によみがえった、生まれ変わったというと前ひどいみたいで、前もすごかったのですけれども、更にパワーアップした総合科学技術会議でしっかりと議論しながら、6月に成長戦略、骨太の方針がおそらくまとまるのでしょうから、そこまでにはしっかりインプットできるように、強力な総合科学技術会議の有識者議員の方々とも協力をしながら、しっかりと総理のこの御要請にこたえていきたいと思っております。
 ちょっといつもより長くなってしまったのですけれども、あまりにも盛りだくさんだったものですから、ということで、総合科学技術会議についてのプレゼンにさせていただきたいと思いますが、今日は二人に来ていただきましたが、後でまた個別に細かいことについては取材といいますか、少し懇談といいますか、説明の機会も設けさせていただきたいと思いますので、何か皆さんから御質問があればお受けしたいと思います。今の総合科学技術会議のこともそうですし、また何か追加があればほかのことでも結構なのですが、総合科学技術会議、総理がここまでの発言をしていただいたので、是非注目をしていただきたいと思います。
 もう一つ言い忘れましたが、機能強化についても、これから新たな総合科学技術会議の有識者の方々のいろいろなお知恵もいただいて議論していくわけなのですが、それ以前にも、今日も参事官も統括官もおられますが、相当真剣に実は事務局の方々とも議論をしてまいりました。1時間超えるということも結構しょっちゅうあって、ほかの大臣もきっとそうだと思うのですが、非常に事務局のモラルが高いということで、なかなかいい感じになってきたと、向こうはいい感じだと思ってない可能性もありますけれども、大臣の私からすると、非常にいい感じになってきたと。とにかくいろいろなことがあっても議論して、お互いにいいものを出し合って、最後私が決めなければいけないのですけれども、なかなか研ぎ澄まされていくみたいな雰囲気になってきているのではないかなというように思っておりますが、いずれにせよこれからは有識者の方のお知恵も借りながら、しっかり総合戦略、これを組み立てていきたいと思います。
(問)日経BPの河野です。二つお伺いしたいのですが、改めてお聞きしたいのですが、CSTPの持つ予算、権限というのはどれぐらいの規模をお考えでしょうか。
(答)これはまさに今新しい有識者の布陣がそろって、これから総合科学技術会議で突っ込んだ議論をしていただかなければいけないと思っているので、具体的にはその議論を踏まえて決めていかなければいけないと思っています。
 私の大臣としての感覚で言えば、それは少なくとも400億とか500億ぐらいの予算はいただきたいなと、これはあくまでも大臣としての感覚ですけれども、それが例の科学振興調整費みたいな形なのか、あるいはそうではない形なのか、分かりませんけれども、それはある程度予算の、久間議員からもありましたけれども、予算をある程度確保するということであれば、それは霞ヶ関の中のあれからいけば大変なことですけれども、400億か500億ぐらいは確保しないと、予算をいただいたということにならないのではないかと、担当大臣としての感覚ではそう思っていますし、あるいはもう一つはFIRSTというのもありますよね。
 このFIRSTは皆さん御存じのとおり、これは補正でついたということで、それは基金化ということについて言えば、それは財務省の立場もありますし、なかなか難しいことは分かってます。分かってますが、先般の予算委員会での麻生財務大臣のあえて前向きな御発言もありました。やはり麻生大臣もFIRSTの必要性については、大変御認識をいただいていますし、今日総理の方からも麻生大臣に水を向ける部分がありましたから、その種を育てるための種を持っている財務大臣みたいな感じで、だから私はこのFIRSTの後継、そんな簡単ではないのですけれども、この機会に是非何らかのことができるのであれば、検討していただきたいと思いますし、総合科学技術会議のメンバーの方々ともよく相談をしながら、提案もしていきたいし、できるならばFIRSTみたいなものも何らかの形で継続をしていただけたらいいのかなと、担当大臣としてはそう考えております。
(問)時期的には、遅くとも2014年度本予算、あるいは早ければ13年度の補正予算ぐらいからそういうことは実現したい。
(答)それは個人的な願望としてはそう思いますけれども、とにかくまず総合科学技術会議が生まれ変わるところなので、ここから総理の言葉を受けてどうやって進化させていくかというところですから、ちょっと具体的なまだタイムスケジュールは頭の中にありませんし、これも申し上げたとおり、新しい新生総合科学技術会議の中で議論しながら具体化していきたいと思います。
(問)もう一つ科学技術イノベーション総合戦略ですが、これは科学技術基本計画と比較したときに、その位置付けとか役割とかというのはどうなるのですか。
(答)そこはちょっと整理しなければいけないところがあると思うのですけれども、今日例えば本来であれば、これは総理の御指示なので、これももちろん有識者会議というか、総合科学技術会議の有識者メンバーの方々との議論の中で、固めていかなければいけないと思うのですけれども、本来であれば、例えば総理の方から長期ビジョン5年とかという話があってもいいのかもしれませんが、これは今おっしゃったような科学技術基本計画との並びとか、ほかの計画とのいろいろな多分関係があるので、そこは例えば長期ビジョンというときにどのぐらいのスパンにしたらいいのか、それはこれから有識者議員の方々とのいろいろと闊達(かったつ)に議論いただく中で決めていけばいいと思います。
(問)科学新聞、中村です。総合戦略を議論する場なのですが、総合科学技術会議の今日みたいな本会議を例えば月2,3回開くだとか、あるいは木曜日の有識者会合を中心に議論していくのか、そこら辺は。
(答)そこもまだこれからちょっと考えたいと思いますが、総理の日程をとらなければいけないということが何しろ一番大事なのですけれども、私の感覚としては、今日も申し上げましたけれども、月に1,2回は本会議をやりたいと。
 ということは、月に1,2回総理にできるだけ出てきていただきたいなというふうに思っています。
 おそらく本会議は総理がいないと基本的に成立しないということですけれども、そこはいろいろな建て付けがあって、いろいろな議論の形というのは、よく事務局と相談したり、有識者会議というか、総合科学技術会議の方々と相談しながら、どういう仕組みで議論していくかという建て付けも考えていけばいいと思います。現時点では、まだはっきり決まっていません。
(問)機能強化策なのですが、これも総合戦略を実現するための機能強化策なので、6月メドにある程度の結論を出すと。
 そうすると、もしそれで法改正が必要になった場合は、どのぐらいのタイミングで。
(答)そこはまだはっきりしてないのですけれども、どっちが先になるのかというのはいろいろな考え方があるのだと思うのですね。
 ただ、前の記者会見でも申し上げたとおり、これから本当に具体策は新しい総合科学技術会議で議論をして決めていけばいいと思うのですが、一応事務局の方々と喧々囂々(けんけんごうごう)、侃々諤々(かんかんがくがく)、どっちかな、どっちでもいいのですけれども、その議論をして、一応たたき台としてA案からE案みたいなものはずっと考えてきました。それは法律改正を伴うものもあれば、法律改正を伴わないものもあるということで、これはあくまでも事務局と担当大臣がとにかく総合科学技術会議がなかなか開けなかった段階からずっと議論を積み重ねてきたものなので、これはちゃんと新しい総合科学技術会議で叩いていただいて決めていけばいいと思うのですけれども、一つ言えることは、解散総選挙によって廃案になった内閣設置法改正案、あれは申しわけないのですけれども、よく考えられているのですが、あまりにもちびちびしているので、それはやるとなったらもうちょっと抜本的というか、総理が今までにない抜本的機能強化と言っているわけですから、これに添うような法案、出すとしたら法案にしなければいけないと、担当大臣としてはそう思っています。
(問)朝日新聞の石塚といいます。今後の検討課題のところで、本年半ばまでに以下の3点について取り組むということがあると思うのですけれども、これは安倍総理の言っていた、最後に言っていたと思うのですけれども、これは総理の指示だと思ってよろしいのでしょうか。
(答)総理の指示です。総理が総合科学技術会議で最後に発言をした、総理の指示です。総理から科学技術イノベーション総合戦略をまとめてもらいたいと。しかも長期ビジョンとアクションプログラムというとアクションプランと重なってしまうので、そういう言葉をお使いにならなかったのでしょうけれども、いわゆるタイムテーブルみたいなものも一緒にまとめてもらいたいと、これは安倍内閣総理大臣の指示以外の何物でもないと思います。
(問)そこで集中的に審議を行いと書いてありますけれども、それも先ほど大臣がおっしゃった月1回から2回という、そういうペースということで。
(答)そこはもう一回申し上げますが、本会議は総理がいないと成立しないので、安倍総理大臣に月3,4出てきていただくということは、物理的になかなか難しいところもあるので、それはとにかく、しかし月1,2回、今まででは考えられないペースですけれども、そのぐらいはぜひ総理に御出席を強くお願いをしたいと思っているのですね。
 ただ、そこをいろいろ議論していく中で、月1,2回の本会議だけで全部まとまるのかという話が出てくれば、それは事務局とか総合科学技術会議の新しいメンバーの方々とも御相談をしながら、何らかの形でアドホックに議論を進めるような仕組みも、しかし新生総合科学技術会議ですから、これは皆さんの意見を聞きながら、考えていけばいいのかなと思います。
 ただ、月に1回会議やっているだけだったら、それはそんな簡単に全部うまくいきませんから、そこはその前にいろいろ具体的な議論もしなければいけないと思うので、その仕組みはこれから考えたいと思います。
(問)日本経済新聞の山崎と申します。進行の仕方についてお伺いしたいのですが、今後この検討課題に基づいて、民間議員からペーパーを毎回出してもらって、それに基づいて議論をするという考えでしょうか。
(答)それはプレイバイイヤーというか、新生総合科学技術会議としては臨機応変にやればいいのではないかと、私はそう思いますね。
 そんな形式にこだわらず、ペーパーを出してもらった方が効率よく議論ができるときは、皆さんの御意見を聞いてそうすればいいし、そうではなくて、ペーパーを出さないでフリーディスカッションやった方がいいと思えば、そうすればいいのであって、そこはそんな形式にこだわることないと思いますし、一応今日は担当大臣としてのお話を今ここでさせていただいていますし、この間総合科学技術会議の方々にもちらちら個別にお話をしているのですけれども、大臣としての考え方は申し上げて、それから安倍内閣としての大きな方針については、それは御理解をいただいてやっていただかなければいけませんけれども、これだけ各界からすばらしい方々が集まったわけですから、自由闊達(じゆうかったつ)に、あまり何にも縛られずに、是非御発言をしていただき、御意見を戦わせていただきたいなと、担当大臣としては、いつも慎重な表現を心がけているのですけれども、担当大臣としてはそのように考えております。
(問)もし民間からの何か提案が出てくる場合というのは、産業競争力会議の方だとちょっと人数が多くて、民間のペーパーが分裂するということが起きているのですが、そういったことになっても、それはそれでいいというお考えで臨まれるのか、あるいは昔の諮問会議みたいな形で、大臣がある程度リーダーシップをとって、皆さんの意見を調整して、民間のペーパーをまとめていくという方法、どっちになるのかと。
(答)まず、産業競争力会議のペーパーが分散していると私は思ってないのですね。2回出たのですけれども、あれはあれでいろいろ私は意味があると思っています、私の個人の感覚で言うと。
 ただ、それはだから走りながら考えていけばいいのであって、そんな今からこういう問題があるのではないか、ないのではないかという必要はないので、走りながら、本当にベスト&ブライテストの皆さんと考えていけばいいのだと思います。とりあえず、しかし今の強力な布陣ですから、いろいろなイニシアティブを出していきたいと、これも私の担当大臣としての考え方ですが、総理に1,2回出てもらうのだったら、それごとにインパクトのある提案をどんどん出していくということがものすごく大事であって、あと原山議員もおっしゃっていたように、あそこに行けばおもしろいことがあるなと。何か総合科学技術会議、これまで何か残念ながら、民主党政権が悪いとは言いませんけれども、光を失っていたけれども、経済財政諮問会議とまた違った形で、総合科学技術会議に行くと何かが出てくると、メディアの人たちが世の中が思うような存在にしていかないと、新生した意味がないと思います。
 ですから、皆さんには是非関心を持っていただきたいと思いますし、総理がここまでおっしゃっているわけですから、産業競争力会議としっかり連携して、甘利大臣と稲田大臣ともしっかり連携して、しかし総合科学技術会議でなければ発信できないイニシアティブ、これは総合科学技術会議みたいにいろいろな側面から議論できるところはないと思いますから、そこは我々の独自のイニシアティブもどんどん出していって、それはしっかり甘利大臣や稲田大臣と協力していければというふうに思います。
 いろいろ偉そうなことを言うようになって申しわけありません。しょっちゅう事務局の方々と議論しているので、いろいろ言いたいことが山ほどあって、あと1時間ぐらいしゃべれるのですけれども、何か御質問があれば、是非総合科学技術会議に注目していただきたいと思います。総理が1か月に1回来ていただければ、1年で12回提言ができますので、精力的にやっていきたいと思います。
(問)山海先生(山海嘉之筑波大学教授)のレクで、HALの医療ロボットとしての臨床試験、ドイツの予算で、ドイツにセンターができてやっているとか、スウェーデンの予算でやっていると。そういう日本でできたものに結局実用化されているのはそっちだと、そういうことについて、大臣は今回どのように。
(答)私は、山海先生のプレゼンテーション、今日本当に申しわけなかったのですが、少し短くしていただいて、それでも総理は全体として40分いていただいたのですけれども、最初に筑波に行ってプレゼンを受けたときからすごく問題意識を持っていまして、私は山海先生のすばらしいところは、いろいろなお考えがあるのかもしれませんけれども、メイドインジャパンの技術で新しい産業を作りたいと、メイドインジャパンの技術で人類のためになりたいと、そう思っていらっしゃるところだと思うのですね。
 ただ、そう思っていらっしゃるのにドイツとかそっちの方で先になってしまうというのは、それは決して望ましいことではない。もちろんそれはそれでいいことなのかもしれませんけれども、今日のプレゼンを聞いて改めて思いましたけれども、もっとしっかりバックアップをさせていただきたいなと。それは担当大臣としてもそうですし、これはFIRSTプログラムはおそらく山海先生の研究には貢献したと思っていますから、総合科学技術会議の方々とも議論したいと思いますけれども、個人的にはもっと強力にバックアップしていかなければいけないなと、そう思いました。
 メイドインジャパンの日本発の技術で新しい人を救う産業を作りたいという、政治はそういう思いにこたえていかなければいけないと、私はそういうふうに思っております。
 ありがとうございました。


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(以上)