甘利内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成25年10月18日

(平成25年10月18日(金) 9:40~9:50  於:院内閣議室前)

1.発言要旨

 私からは3点の報告がございます。
 まず、第1点でありますが、閣議の前に第10回日本経済再生本部を開催いたしました。その概要についてであります。本日は、国家戦略特区における規制改革事項の検討方針につきまして、新藤地域活性化担当大臣から御説明をいただきまして、日本経済再生本部として決定をいたしました。これを踏まえまして総理からは、国家戦略特区関連法案を臨時国会、今国会に提出をすべく、新藤大臣を中心に、本日決定をした検討方針に従って、早急に法案化作業を進めてもらいたい旨の御発言がありました。
 次に、産業競争力会議の民間議員についてであります。先日辞任をされました佐藤康博議員の後任といたしまして、東京大学公共政策大学院の客員教授であられます増田寛也氏に御就任をいただくことといたしました。増田議員には、佐藤氏が務められていました医療・介護等分科会の主査についてもお願いすることといたしました。
 3点目であります。経済の好循環実現に向けてであります。本日、閣議後の閣僚懇談会におきまして、経済の好循環の実現に向けて、所管業界に対して賃金上昇や取引先企業の支援等について要請していただくよう、経済産業大臣及び私から関係閣僚に協力を要請いたしました。政権の最重要課題でありますデフレ脱却と経済再生のために、経済の好循環を実現することが重要でありまして、昨日開催をされました経済の好循環実現に向けた政労使会議の第2回の会合におきましても、経済界の皆様から企業収益の改善を、賃金であるとか、あるいは雇用の拡大につなげていくという前向きな発言をいただいたところであります。引き続き経済の好循環の実現に向けて、政府一丸となって取り組んでまいります。
 私からは以上です。

2.質疑応答

(問)先ほど御説明いただいた国家戦略特区の法案の国会の提出ですけれども、スケジュール感をお伺いしたいと思います。今月中には法案の提出ということになりますでしょうか。
(答)そうですね、できるだけ迅速に、諸手続を終え次第、提出をさせていただきたいと思っております。
(問)有期雇用の関係の中で、今、無期限に転換が5年ということになっています。その年限に関しては、特にこの資料、いただいた資料に関しては書かれていませんが、どれくらいが適当だとお考えですか。
(答)10年内ということを考えたいと思っております。
(問)民間議員が求めていた解雇ルールの明確化というのがあったと思うのですけれども、これについては、やはりちょっと難しかったという御認識でしょうか。
(答)一部マスコミは、解雇特区とかブラック特区とか、書いていましたけれども、もとより解雇特区とかブラック特区を作る予定はございません。雇用の柔軟化を図っていく。つまり、こういう制度がなかりせば発生しない仕事を、そういう制度を作ることによって生み出していくということで、言ってみれば雇用特区、雇用を拡大させていくようなことに対応できる特区を作るという発想でありました。
(問)世界に注目されるような特区を作りたいと。株価をぐっと引き上げるには、メニューとしては若干物寂しい気もしますけれども、いかがですか。
(答)募集をしまして、その大どころはほとんど掲載をさせていただいたつもりであります。総理の今日の御発言にありますように、これはまだスタートだと、法案成立後もいいアイデアがあれば、どしどし取り入れていきたいという御発言がありました。皆さんからもいいアイデアがあったら採用しますので、よろしくお願いします。
(問)法案提出のメドについて、先ほど、今月中ですかという質問に対し、「そうですね」というお答えをなさったのですけれども……
(答)いや、申し上げたのは、できるだけ、諸手続を完了次第、速やかに提出したいと申し上げたのであります。
(問)今回、15余りの規制改革の項目が入ったと思うのですけれども、この中で、特に早期に日本の経済成長を大きく押し上げる項目として記載されているものを教えていただけますか。
(答)それぞれが押し上げていくと思います。1個の規制緩和で四番打者ということではなくて、それぞれ、複数構成された項目で全体を底上げしていきたいと、牽引していきたいというふうに思っております。
(問)一つ一つの項目に関しては、具体的な都市などというのは頭に描いた上での決定になるのでしょうか。
(答)このメニューの中から、イメージとして、国際都市として世界の3本、5本の指にカウントできるような、そういうビジネス人が集うような環境にしていくにはどういう項目を使えばいいかとか、あるいは、よく言われるiPS細胞を中心としたライフサイエンスの特区にしていくには、この中からどういうメニューを使えばいいか、大きなイメージを描きますから、それを構成するのにベストな品ぞろえにしていきたいというふうに思っています。
(問)雇用の分野の調整が最後まで時間かかったと思うのですけれども、やはり岩盤と言われているだけあって、雇用の分野での規制緩和は難しいというふうにお感じになりましたか。
(答)雇用は、要するに労働者の権利ということがありますし、国際的にはILOの条約に日本が入っているわけであります。そういう労働者の権利にしっかり配慮しながら、雇用の柔軟性、つまり、そういう仕組みがあれば生まれる雇用、なければ起きない投資、そこをしっかりと見据えて、整合性をとってきたつもりであります。
(問)TPPの重要5項目の検討が今、自民党で始まりまして、タリフラインの影響の検証を自民党がこれからするということで、検証した後に、実際にタリフラインをどうするか、どの項目を削減できるかという、そこまで自民党が関わるのか。それとも、その部分は政府が決めるのか。その辺のイメージを教えていただきたいのですが。
(答)まず第一として、党の方でいろいろ検証作業をされると。これは、要請があれば政府としてデータの提供等々、しっかり協力はしていきたいと思っております。その上で党との連携をしっかり図る。これからTPPの作業工程がいよいよ妥結に向けて収斂をしていきます。それぞれの項目について絞り込みが行われていくわけであります。その工程をにらみながら、日本が守るべきレッドライン、そこをしっかりと踏まえて、なおかつ、交渉から振り落とされないように進めていきたいと思っております。
(問)産業競争力会議の後任に増田氏を選ばれた理由をお聞かせください。
(答)医療・介護の主査が必要であります。増田さんは、清家議長とともに、この分野の国民会議で先般までいろいろと御苦労いただいたという、その知見等々を勘案して、適任とさせていただきました。

(以上)