甘利内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成25年4月2日

(平成25年4月2日(火) 8:41~8:52  於:院内閣議室前)

1.発言要旨

 私から2点の報告がございます。
 まず、日本経済再生本部の開催についてであります。
 本日は、まず電力システムに関する改革方針案につきまして、茂木経済産業大臣から報告を受けまして、その後の閣議で同改革方針を閣議決定いたしました。
 次に、前回及び前々回の産業競争力会議におきまして議論を行ったテーマのうち、特に、1、待機児童の早期解消、2、成熟産業から成長産業への失業なき労働移動、3、石炭火力発電所の活用、4、日本版NIHの創設について議論を行いました。
 最後に、総理から、お手元の資料を配付した上で、それぞれの分野についての検討の深化、迅速な実行について御指示がありました。
 次に、西村副大臣の浜松出張についてであります。
 3月26日火曜日の経済財政諮問会議におきまして、安倍総理より、地域の経済団体等から地域経済の実情をよく聞き、きめ細かく対応するよう指示がありましたことを受けまして、西村副大臣、山際政務官を地方に派遣し、直接地方の声を聞かせることといたしております。
 まず第1弾として、西村副大臣が4月6日土曜日に浜松市に出張し、地域経済に関する懇談会を開催しまして、地元の経済団体に所属する経営者と意見交換を行うこととなりました。
 以上です。

2.質疑応答

(問)今日、失業なき労働移動について議論があったということですが、もう少し具体的にそのあたりを教えていただけますか。
(答)今まで雇用政策というのは、とにもかくにも企業が雇用を手放さないように雇用調整助成金を出して、給与の大宗を保険で支払い、仕事がなくても抱えていてほしいという政策でありました。しかし、成長戦略を作っていきますと、新しい産業分野に当然雇用が必要になってくるわけであります。成熟産業で過剰雇用を抱えているところから、失業という形態を経ずして新しく起きてくる産業に労働が移動することが全体の政策として求められてきます。
 その際には、当然スキルアップをしたり、スキルチェンジをするという行程が入ってくるわけであります。
 失業という期間を経ずに、成熟産業からこれからを担う成長産業に雇用がスムーズに移動するように、雇用保険制度も、「抱える」から「移動をスムーズにする」という方向にシフトしていくということであります。
(問)あと総理の指示の中に、「産業の新陳代謝」というところで、「企業の構造改革に伴う財務負担の軽減」というのがあったと思うのですが、それはいつぐらいまでにどのぐらいの規模でお考えなのでしょうか。
(答)産業構造改革を進めていくということは、例えば、よく言われていることが、日本の場合は予選で疲弊して決勝戦では体力が残っていないとかということがよく言われます。あるいは、同業が同じような部門を抱えて、それぞれ競争が激化して、その部門自身が採算がとれなくなってくると。そういう部門を切り離して、再編して競争力を強化する際に、税制がマイナスに働くことがあります。つまり、自社で抱えている部分については損益通算ができるけれども、切り離した場合、それがきかないというような指摘があります。そういう再編に伴うマイナスに働いている部分を全体的に見直しをして、企業が競争力を持つために再編をする、その環境整備を整えていくということであります。
(問)TPPの参加時期について、昨日、菅官房長官は7月を目指していると改めておっしゃいましたけれども、これは間違いないかというのと、そのために、アメリカ議会への通知時期については、めどは立ったのか、まだ立っていないのか、どちらでしょうか。
(答)全体総会が開かれるのが、9月の前に7月という情報が流れております。私どもといたしましては、日本としては、できるだけ直近の全体会に参加をして、参加国の一員として、しっかりと国益を踏まえた交渉を行っていきたい。そういう意味で、7月開催ということであれば、それに間に合うようにしたいというのが私どもの思いであります。
 そうしますと、特にハードルになっていくのが、アメリカの90日ルールであります。逆算して、そのタイミングに議会への通告が行われるように、我々としては、今、交渉しているところであります。これは、今、交渉の過程でありまして、まだ、めどが立った、立たないという答えをここの時点で言えるという状況ではないと思います。
(問)TPPの国内の対策本部の陣容の認定が近いという一部報道がありましたけれども、いつ頃ぐらいをめどに検討されていますでしょうか。
(答)できるだけ迅速にやりたいと思いますが、まだいついつにするということまでは決まっておりません。
(問)最初から100人規模ぐらいの対策本部になりますでしょうか。
(答)スタートは、60人規模ぐらいで立ちあげることになろうかと思います。そして、その後、迅速に100人体制をしきたいと思います。
(問)先ほどの90日ルールを逆算すると、今週とか来週とかくらいには通知してもらわないと間に合わないという感じがしますけれども。
(答)私の算数の知識で言うと、90日を引くと、そのぐらいになりますかね。
(問)電力システム改革についてもお伺いしたいのですけれども、今日改革方針が決まったと思いますけれども、この意義等、もう一度お聞かせください。
(答)これは経済産業大臣のところで具体的なプログラム法として今国会に提出するということになります。
 それぞれ大切な分野があります。発送電配電のあり方、つまり送電アクセスの中立性を高めるということ、あるいはデマンドレスポンスという考え方を持ち込む。つまり、今までは需要があって、それに見合う供給をピークに合わせてやっていくというのから、ピークシフトに向けて、需要サイドから需要の平準化を図るという発想です。
 それからもちろん、供給サイドとしては、高効率石炭火力を活用していく、新エネはもちろん、できる限り伸ばしていく、省エネももちろんでありますけれども。そして、世界一厳しい基準ということができると思いますが、その原子力安全基準に従って安全が確認された原子力発電所が再稼働していくということ等々で構成されていると承知しております。

(以上)