前原内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成24年12月7日

(平成24年12月7日(金) 9:36~9:48  於:内閣府本府5階522会見室)

1.発言要旨

おはようございます。私から1点お話をいたします。
総合科学技術会議におけます総理の指示等への対応状況に関する件でございます。
11月2日に開催をされました第105回総合科学技術会議における総理からの御指示や、私及び関係大臣の発言につきまして、一部は11月30日に閣議決定をされました「日本再生加速プログラム」に盛り込まれるなど、既に実行段階にあると承知をしておりますけれども、現状及び今後の対応状況について、お手元の資料のように整理をさせたところでございます。
総合科学技術会議で総理が御発言になったように、これらの取組は第2、第3の山中伸弥教授を我が国が継続的に輩出し、イノベーション創出を推進するためにも大変重要であります。政府としても一丸となって関係省庁とともにしっかりと取り組んでいきたいと考えております。
私からは以上でございます。

2.質疑応答

(問)選挙戦が始まって、有権者の方と接する機会も増えていると思うのですけれども、経済問題に関しては、どんな声があって、それをどう受けとめていらっしゃるか。その点についてお聞かせください。
(答)3年3カ月の民主党政権の実績を数値でお話をさせていただいております。具体的には、実質GDPがどれだけ上がったのか、失業率がどれだけ下がったのか、有効求人倍率がどれだけ上がったのか、そして需給ギャップがどれだけ縮小したのか。倒産件数もそうでありますけれども、さまざまなことをお話しております。
 まだまだデフレが続いている中で、3年3カ月で経済が拡大したということについての実感はなかなか乏しいと思います。特に足元の景気がだんだん厳しくなってきておりますので、そういう意味においては、総理が御指示をされた経済対策第1弾、第2弾をやらせていただきましたけれども、足元を固めるとともに、しっかりと切れ目のない対策を行っていくことによって、実感がまだ伴わない経済の成長をしっかりと担保できるように努力していきたいと考えております。
(問)エネルギーと環境の政策に関して伺います。今年夏の国民的議論のまとめとして、少なくとも過半の国民は原発に依存しない社会の実現を望んでいるとされたと思うのですが、今回の衆院選で、各報道機関の中盤情勢調査を見ても、スピードに違いはあっても原発への依存度を下げようと主張している政党に対して、余り支持が集まっていないかと思うのですが、そもそも国民的議論のまとめが間違っていたのか、それとも国民的議論が原発に依存しない社会を望んでいても、それが投票行動にあらわれない、つまり現実的に考えているなど、どういった分析をなさっているでしょうか。
(答)私が一番強く感じますのは、10以上の政党が選挙戦を戦っていて、そして大半の政党が脱原発ということを言っている。そのスピード感に違いはありますけれども、多くの政党が脱原発ということを言っているということで、争点としての意味合いが薄れてきたのではないかという気がいたします。脱原発を国民は強く望んでおられると私は思いますけれども、スピード感の違いこそあれ、余りにも多くの政党がその主張をしておられるので、なかなか争点化しにくくなった。
それから、小選挙区というのは1人しか通りませんので、各種世論調査などで、今自民党が強く出ています。公明党の支持を得ているということ、基礎票を持っているということは大変大きいと思いますし、また、我々も競っているところも結構あります。そういう意味においては、たくさんの政党が出ていることによって、この小選挙区の結果が今後の大きな選挙結果を左右してくると思っております。競っているところは少しでも取れるように頑張りたいと思っております。
(問)今のお話に関連して、公明党の基礎票があるという自公サイドの分析がありましたけれども、各種の数字を見ますと民主党が余り伸びていない。それはどう分析し、どうこれから訴えていこうというお考えか、お願いします。
(答)3年3カ月前の政権交代に対する期待が強かった分、民主党政権に対する批判、失望感がやはり色濃く、今の状況に反映されていると思います。ただ、私も地元を含めて各地を回らせていただいて、我々は3年3カ月やってきたことの方向性は間違っていない、この方向性を変えてはいけないということを訴えておりますけれども、それについてはかなり共鳴をしてくださる方も多いのではないかと思います。競っている選挙区がありますので、厳しい選挙戦ではありますけれども、3年3カ月でできたこと、できなかったことをしっかりと有権者に示して、ただ改革の方向性については間違っていないので、改革を継続させていただきたいということをしっかり訴えて、そして一人でも多くの国会議員が当選するように努力をしたいと考えております。
(問)先ほど小選挙区の制度の話がありましたけれども、実際の各地回られていての民主党への評価、反応と、各紙から出ている調査結果の乖離のようなものは感じる部分はありますでしょうか。
(答)いや、乖離は余りないのではないでしょうか。やはりこの3年3カ月、期待が高かった分、その分厳しい民主党に対する評価が出ているということは、率直に受けとめなくてはいけないと思います。ただ、多くの有権者が、何かすべてだめだったかのような一種のイメージにとらわれている方がおられますけれども、やってきたことを懇切丁寧に、特に具体的な数字をもってお話をすれば、「ああ、そうだったんだ」ということで、また民主党にかけてみようという方、演説が終わった後、握手をして回って、もう一度民主党にかけてみたいということをおっしゃる方はかなりたくさんおられますので、そういう意味では、我々のまだアピール不足で、この3年3カ月の実績をやはり具体的な数字を持ってお話をして、方向性は間違っていないということを、今後、9日間ですか、しっかりと訴えていきたいと思っています。
(問)先ほど、脱原発、エネルギー政策に関しては余り争点にならなくなってきているのではないかというお話がありましたが、後半戦を戦うに当たって、具体的に民主党としては何を訴えるのが最も選挙としては有効と思われますでしょうか。
(答)民主党の特徴、脱原発の特徴というのは、原発ゼロを目指すということをしっかりと言った上で、しかし現実的な対応をしていくということに尽きるのだろうと思います。今でも私はフィクションだと言っておりますけれども、核燃料サイクルは完成していない、そして最終処分、バックエンドの問題は問題先送りのまま走り出していた、そういったところの問題意識を国民にしっかり説明した上で、やはりすぐにゼロにしてほしいという方は結構多いと思います。ただ、すぐにゼロにするには、今申し上げたバックエンドの問題や、特に中間貯蔵をしていただいている原発立地の自治体、あるいは青森県六ヶ所村、こういったところの約束は、最終処分地にはしないということで国とも協定を結んでいるのだということについても、国民の皆さん方は御存じないケースがたくさんありますね。やはりこの脱原発はしっかりやっていく、しかし実際問題、今までの原子力政策がまさに不完全のまま進んできたことを解決するためには、ある程度のリードタイムが必要であるということをしっかり訴えていくことが大事であると思いますし、それが私は民主党の方向性をしっかりとピン止めすることと、現実的な対応をしていくということの安心感、信頼感につながっていくものと確信をしております。
(問)日銀の金融政策決定会合が下旬にあるのですけれども、これに向けて、日銀副総裁なども追加緩和に含みを持たせる発言もされているのですが、追加緩和への期待感や見通しについて御意見がありましたら、少し教えていただけませんでしょうか。
(答)金融政策は日銀法で定められ、日銀が独立性を持って判断をされるということでありますので、私がコメントをすることは控えたいと思いますけれども、政府としては、日銀との共同文書を確認しております。その中身は、早期のデフレ脱却に向けて、お互いがあらゆる努力を最大限にしていくということが書かれているわけでありますので、今後も政府は日銀に対して強力な金融緩和を求めて、円高基調の是正、そしてこのデフレ脱却に向けて対応をとられることを期待したいと考えております。

(以上)