前原内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成24年11月12日

(平成24年11月12日(月) 18:20~18:29  於:内閣府本府5階522会見室)

1.発言要旨

お疲れさまでございます。
ただいま官邸におきまして、デフレ脱却等経済状況検討会議を開催いたしました。
今回は、お手元の資料にございますとおり、経済の現状認識と今後の経済対策の取りまとめに向けて議論を行いました。
先日、政府と日本銀行が一体となったデフレ脱却に向けた取組について、初めて共同の文書をまとめましたけれども、その文書にもあるとおり、この会議でしっかりとデフレからの早期脱却に向けて議論を行ってまいりたいと考えております。
我が国の経済の先行きにつきまして、世界景気の減速等を背景として、当面は弱めの動きが見込まれ、これまで以上の危機感を持って景気への対応を行うという認識で一致いたしました。
さらに、特例公債法案の一日も早い成立が不可欠であること、経済対策については、遅くとも今月中を目途に決定すべく、しっかり取り組むことなどについて確認をいたしました。
経済対策におきましては、総理から御指示を受けている重点事項に即しまして、財政措置を伴う施策、財政措置によらない経済活性化策を総合的に検討してまいりたいと考えております。財政措置によらない施策のうち、規制・制度改革につきましては、岡田副総理を中心に検討いただいております。
私といたしましては、様々なリスクマネーの供給拡大につながる民間資金活性化策について、更に検討を進め、成果に結び付けていきたいと考えております。
また、本日、日本銀行総裁から、今後の物価動向と金融政策運営につきまして、御報告をいただいたところでありますけれども、引き続き早期のデフレ脱却に向け、政府と日本銀行が一体となって、最大限の努力を行っていくこととしたいと考えております。
特に先日の金融政策決定会合において、貸出支援基金の創設が決定されました。これは、民間貸出を対象に無制限の貸出増加を支援するものであり、また、政府の外為特会を活用した円高対応緊急ファシリティ等に協調する民間貸出を支援する効果も期待できるなど、大きな緩和効果をもたらすものと考えられております。日本銀行には、早期の具体化をお願いしたいと申し上げました。
会議における主要な御意見を申し上げます。
枝野経済産業大臣からは、足下の景気の深刻さは想像以上であることと、様々な需要先取りが重要だと御発言がございました。
党を代表して御出席をいただきました直嶋参議院議員からは、政府・日銀の共通理解を評価する、供給サイドだけではなくて、需要サイドの対策も重要であるとの御発言がございました。
岡田副総理からは、補正予算の規模感の検討が必要であるという御発言がございまして、私からは、いろいろなオプションを今考えているところであり、財務大臣と緊密に連携をとっているということを申し上げました。
また、同時に景気への危機感として、今回の7-9月期につきましては、例えば、日中関係の悪化による日本製品の売れ行き不振などは限定的でございます。9月11日の閣議決定で、9月の後半からそういった悪影響が出始めているわけでありますけれども、そうなると7-9月期においては、影響は限定的であり、10-12月期においては日中関係で更に深刻な状況が出てくる可能性があるということも、私の分析として申し上げたところでございます。
日銀総裁からは、民間と日銀の見通しは大きく違わない、しかし、予断を持たずに下振れリスクを注視していきたいということで、アメリカ、それからヨーロッパ、中国等の分析についての意見の開陳がございました。
最後に、財務大臣から、経済状況は厳しいと自分も認識している、経済対策としての検討が必要である、その際、規制・制度改革も重要であることを申し上げたいというお話がございました。
私のほうからは、以上です。

2.質疑応答

(問)岡田副総理から御発言があったようですが、補正予算の規模感という御発言があったと、それに対していろいろなオプションをお考えになっているということです。それについてお伺いします。
 規模感としてどのような程度が最低必要だと思われているか、また年内に補正予算を作ろうと思った場合、それはできるのか、その場合には例えば国会の延長が必要になるかとか、そこら辺の条件についてお聞かせください。
(答)経済対策を取りまとめるのは私でございますので、私が中心になって様々なオプションは考えていかなくてはいけないと思っておりますけれども、財源につきましては、財務大臣と連携をしなくてはなりません。したがって、足下の経済の現状認識をどう考えているかということで、様々な話をさせていただいておりますが、その中でいろいろな制約要因というのがございます。
まず、一つは特例公債法案が通っていないことであります。
もう一つはねじれ国会の中で、国会運営について、仮に補正予算を組むといった場合において、与野党でその協議がまとまるかどうかという問題もございます。
したがいまして、数字、規模感を申し上げると独り歩きするので、これは申し上げません。しかし、様々なオプションの中で、現在の足下の経済状況、そして今後への危機感というものからは、私自身が幾つかのオプションを今用意しているところでございます。
(問)デフレ脱却の時期についてお伺いいたしますが、野田総理は代表選のときに1年以内のデフレ脱却とおっしゃいましたけれども、今回7-9月期のGDPが出た後の今日配られた資料を見ても、需給ギャップが拡大の見込みというふうに記されております。
当初の想定よりも、大臣のデフレ脱却の時期というのは、見通しづらくなったのでしょうか。1年以内のデフレ脱却というのは可能でしょうか、御認識をお願いいたします。
(答)先般、10月30日の日銀の政策決定会合で共同の文書を確認いたしまして、初めて早期のデフレ脱却ということと、そのための最大限の努力をお互いが行う、こういった確認がなされたところであり、そのための努力を両者がしっかりやっていくということが重要だと思っております。
今日の7-9月期のQEで御説明をいたしましたように、前期比マイナス0.9%ということで、年率換算するとマイナス3.5%ということでございます。0.9%の中身で見ますと、外需要因が0.7%、そして内需要因が0.2%ということで、世界景気の動向というものが大きな要因を占めているわけであります。
他方で、足下は復興需要が底堅いことがあります。一方で、エコカー補助金が切れて、それに対するマイナス要因も出始めているということでありますので、経済対策、あるいは日銀との協力を含めて、あらゆる手段をとる中で、早期のデフレ脱却というものに向けて取組をしっかりやっていきたいという考えに変わりはございません。

(以上)