前原内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成24年11月6日

(平成24年11月6日(火) 10:20~10:43  於:内閣府本府5階522会見室)

1.発言要旨

おはようございます。私からは、特にございません。

2.質疑応答

(問)メキシコで開かれておりましたG20の共同声明で、世界経済について、成長は緩やかで下方リスクは依然として高い。日本については、特例公債法案のことだと思うのですけれども、本年度予算の財源確保が指摘されているのですが、その点についての御所見をお願いします。
(答)メキシコシティーで行われておりますG20、20カ国の財務大臣、そして中央銀行総裁会議の声明についてでございますけれども、今御指摘がございましたように、ヨーロッパの債務問題、そしてアメリカの財政の崖の問題、同時に、日本の本年度の財政面での手当ての問題が共同声明に書かれているということで、世界第3位の経済大国としての日本の役割というものを世界が注視をしている、そしてG20でも大きな議題として上っているということは、我々も改めて自らの責任を世界に向けても果たしていかなくてはいけないということが明らかになったと思います。
 野党も協力姿勢に転じていただいておりますので、何とか特例公債法案を早期に成立させて、日本からの財政執行面での不安を払拭し、しっかりと予算を執行していく中で、日本のデフレ脱却、そして復興に向けての足取りを進めていきたいと考えております。
(問)国家戦略室が中心になってやる予算編成の基本方針なのですけれども、今の策定状況の認識、どういう形にするかイメージなどありましたら教えていただけますか。
(答)その都度、国家戦略室から今の予算編成の基本方針につきまして、進捗状況をヒアリングしております。また同時に、民主党の政策調査会は大塚耕平政調会長代理が中心となって、党としても御協力をいただいて進めているところでございます。
 現段階において、国会との兼ね合いもございますので、我々としては、いついつの段階で基本方針の確認をするということについては申し上げられません。やはり野党との信頼関係の下で特例公債法案などをまとめていただかなくてはいけないということがございますので、そういう意味においては、しっかりと準備はしつつ、与野党との話し合いの中でどういったタイミングでこういった方針を出せるかということも、党と御相談をしながら準備だけはしっかり行っていきたいと考えております。
(問)今日、午後2時に景気動向指数の発表がありまして、判断としては、過去数カ月より前に景気後退局面入りした、局面変化と判断が変わる可能性が高いと思いますけれども、エコノミストの間では、もう春ぐらいから景気後退局面に入っているという見方が大勢を占めているわけですが、このことについて経済財政担当大臣として、景気後退局面に入っている可能性についてどうお考えかということ、景気の御認識をお願いいたします。
(答)さまざまな指標があって、総合的に判断をしなくてはいけませんので、一つの指標をもって景気後退という判断をするということは、現段階では控えなくてはいけないと思っております。
ただ、ヨーロッパの債務問題、そしてそれに対する世界経済の減速、特に中国の輸出の減速、また日中関係の問題、あるいはアメリカの財政の壁への懸念というさまざまな外的な弱含み要因があるのも事実でございます。そういったことを我々として払拭をするために、まず自らやれることをしっかりやっていこうということで、G20でも懸念が示されておりますように、我が国においては特例公債法案を野党の御協力もいただいてしっかりと成立をさせて、予算執行がしっかりできる。その予算執行が行える環境が整えば、予備費や他の経済対策という芽も出てまいりますので、そういう日本の果たせる役割をしっかりと果たしていく中で、足元をしっかり固めていくということが大事なことではないかと思います。
なお、景気後退だったかどうかということは、経済社会総合研究所がさまざまな分析をして、タイムラグを持って、後でそうであったかそうでなかったかという判断が下されるものだという御認識をいただければありがたいと考えております。
(問)今日、内閣府で若者雇用戦略推進協議会というのが第1回ということで開かれますけれども、この時期にこういった会議を開催する狙いなど問題意識ということと、これは対策を何かまとめて、経済対策や来年度予算などに反映させるお考えなのかどうか、その2点をお願いします。
(答)本年6月に、政労使学、四者で合意されました「若者雇用戦略」がございますが、この雇用戦略対話の下に「若者雇用戦略推進協議会」、これは労働界、産業界、教育界、有識者、そして政府等で構成をしているわけでありますけれども、こういった協議会を設置いたしまして、施策の実施状況を検証することによりまして、本戦略つまり若者雇用戦略を計画的着実に推進していくということになるわけでございます。この合意に基づきまして、本日6日午後に第1回の会合を開催いたしまして、若者雇用戦略に盛り込まれた具体的な施策の取組状況、そして平成25年度概算要求状況等について御議論をいただく予定でありまして、積極的な御提案を期待しているものでございます。
頂きました御意見につきましては、現在取り組んでいる事業に反映できるものはできる限り反映するとともに、予算を必要とするものについては、予算編成過程の中でしっかりと検討していきたいと思っているところでございます。
なぜこういうものを今の段階でということの御質問でございますけれども、1つは、新成長戦略におきまして、2020年までにフリーター数をピーク時の約半数にするということが目標として掲げられておりましたけれども、今までは各施策との関係が必ずしも明確ではなかったという点がございます。2003年にピーク時217万人でございますけれども、124万人という数にしていきたいと。なお、2010年のフリーター数は183万人でございます。このために今回の若者雇用戦略では、この目標を確実に達成するために、機会均等、キャリア教育の充実、雇用のミスマッチの解消、それに加えて若者のキャリアアップを強力に支援する観点から、特に不本意非正規の削減に重点的に取り組んで、効果を継続的に検証することとしております。その上で、トライアル雇用の促進や支援拠点の拡充、そして実践的な職業教育の充実などの各施策を講ずることといたしております。
今後は、この推進協議会におきまして、2020年までにピーク時のフリーター半減の目標達成に向けまして、関連施策等への御意見を頂戴して、PDCAサイクルをしっかりと進めていきたいと考えているところでございます。
(問)先週金曜日なのですけれども、大臣、不動産・インフラ投資市場の活性化有識者会議に御出席されて、冒頭の発言で、日本のREIT市場が最近少し落ち込んできているということもあり、建替えもできるような形で法制化を進めていらっしゃると御発言があったのですけれども、これが実現すれば、アメリカのようにREIT市場がかなり大きく拡大を望めるところかと思うので、市場でも大変注目しているところなのですけれども、この方針について改めて御所見をお伺いできますか。
(答)私が国交大臣のときに、リーマンショックの後に、御承知のとおりかなりREIT市場が落ち込みました。これをしっかりと復活させなければいけないという目的意識を持ちまして、どうすればREIT市場が元に戻り、あるいは更に成長していくかということを省内で考えました。
そのときに、今回内閣府参与にお願いをした小澤参与が建設流通政策審議官というお立場におられまして、彼の発案というものが、今のREIT市場は既存の建物の証券化をベースにしているけれども、本当に大切なのは、民間のお金が入って建替えをして、より付加価値を高める中で証券化というものをやっていかなくてはいけない。そのためには、倒産隔離のSPCを作れるような形にしたりなど、さまざまな法整備が必要であろうということで、不動産特定共同事業法の改正案をまとめて国会に提出をしているわけでありますけれども、残念ながらまだそれが成立をしていないということでございます。
ただ、これについては、自民党や公明党も賛成の御意向と伺っておりますので、できる限り早期にこの不動産特定共同事業法の改正、建替えをして、そして新たな価値の建物が証券化をする中で利益を投資家に与えるような、そういった仕組みになればいいと思っております。今回の有識者会議におきましては、これをもう織り込んで、更なる国際化の問題や、民間の市場がインフラの更新、あるいは民間のビルの建替えに使われるような方策をしっかり議論して御提言を頂き、我々としてはそれが政策に反映できるように取り組ませていただきたいと考えております。
(問)グリーン政策大綱の話なのですが、大臣は昨日の日本記者クラブの会見でも、次世代自動車の蓄電池や海洋など5つの重点的なテーマを挙げた上で、それぞれ目標を書いていくとおっしゃったのですが、既に各省が、例えば経産省などでは、電気自動車の航続距離や蓄電池の世界シェア目標など、年度と具体的な数字を挙げて目標を立てていますが、グリーン政策大綱では、そういった数字は各省の数字を踏襲するという形でしょうか、それともそれを更に前倒し、目標の上乗せ、そういった深掘りをしていく、どういった方針で書いていかれるのでしょうか。
(答)エネルギー・環境会議を主催する立場として、工程管理をしっかりやっていくわけでありますが、グリーン政策大綱の取りまとめと原子力委員会の改編を私が責任を持ってやっていくということでございますが、他方でこういった問題につきましても、他の関係大臣の御協力を頂いてまとめなくてはいけないと思っております。経産大臣や環境大臣とは協力をしてまとめていきたいと思っております。
また、電力システム改革は経産大臣が中心にまとめられますし、いわゆる地球温暖化対策については環境大臣が中心にまとめられるわけでありますけれども、こういったものも我々もしっかりとサポートをする中で、言ってみれば三者が協力をしながら、お互い責任を持っているものをしっかりまとめていくということになろうかと思います。
したがいまして、今後の議論になると思いますが、それを、例えばバージョンアップをする、あるいは他の観点を加味するなど、そういうものについては、鋭意緊密な連携をとりながら取りまとめをしているところだということで御判断をいただければありがたいと考えております。
(問)今日の記事なのですけれども、前原大臣の江東区の東京後援会で、平成21年に10カ月分計18万円相当の新聞代を千代田区の販売店に支払っている、そういう経費計上があったということなのですけれども、この経緯についてちょっと御説明いただけますでしょうか。
(答)朝の新聞でありますので、私も読んで、事務所で調べた現段階についての御説明をさせていただきます。
まず、この新聞の立て付けというのは、江東区に配達していないということでございましたけれども、この新聞も含めた各紙については、国会の事務所で購入をしているところでございます。これは、東京後援会の業務を行うために利用するということで東京の議員会館に運んでいただいているということでございます。
なお、支出項目の分類につきましては、新聞代は標準的な基準は備品・消耗品費とありますけれども、例えば東京後援会の方が来られてそれを見られる、来客用として購入した場合においては、事務所費でもよいとされているという解釈をさせていただいております。
(問)そうすると大臣は、今回のことについては問題がなかったという御認識だということでよろしいでしょうか。
(答)そもそもの事務所経費の問題について、ベースの問題について問題がないと考えておりますので、今回のことについても問題ないと考えております。
(問)1つ前の質問に関連してなのですけれども、大臣所掌のエネルギー・環境会議の関連で、原子力委員会見直しの話なのですが、先日、第1回の有識者会議があって、今日2回目ですが、大臣、前回の挨拶では白地で議論してほしいというお話がありましたけれども、年内の取りまとめの方向性として、組織の今後の在り方の部分をどこまで取りまとめたいのか。つまり一定の方向性までなのか、それとも新たな組織の形をきちっとしたものにまとめるところまで進めたいというお考えなのか、そのあたりをお聞かせいただけますでしょうか。
(答)白地で御議論を頂きたいと申し上げたということは、組織の在り方がどうなのかということも含めて、それぞれの専門家の方々の御意見を頂く中で、最終的に取りまとめを頂いて、それを政府内で検討するということになろうかと思っております。
ちなみに、今日は原子力委員会の近藤委員長にお越しをいただいて、近藤委員長がお考えになる原子力委員会の今までの課題とそして今後の在り方について、御意見を拝聴することにしております。
(問)エネルギーについて、お伺いいたします。
先ほどのグリーン政策大綱の件なのですが、有識者の方を集めていろいろ意見を聞く場を設けると認識しているのですが、その会合はいつやられる予定でしょうか。
(答)私がこの職を引き継いだときに、前任の古川大臣が意欲的にさまざまな方にヒアリングを行っておられました。したがいまして、かなりのストックがございましたので、このグリーン政策大綱に関しては、屋上屋を重ねる、あるいは古川前大臣が御努力されて相当良いものをまとめておられる状況の中で、更に新たに有識者会議を作るという判断はいたしません。古川前大臣の行われたことを更に補強する形で、さまざまな有識者からお話を伺って参考にさせていただきたいと考えております。
(問)その聞き取る場というのはマスコミも入れるような感じなのでしょうか。
(答)例えば今も国家戦略室のメンバーがいろんな専門家の方のオフィスに行って、個別にお話を伺ったりしておりますので、誠に申し訳ありませんが、その場にマスコミフルオープンというわけにはなかなかいかないと思っております。中身については、また、どういう形でか分かりませんけれども、まとまった段階で公表できるものについては公表したいと考えております。
(問)エネルギーの話なのですけれども、革新的エネルギー・環境政策について、不断の見直し、柔軟な見直しをするために、内閣官房などに検討する場を設けるということが明記されていると思うのですが、この場については、いつぐらいを目途にそういうものを設置しようと思っていらっしゃるのかを議長として教えてください。
(答)まだ、いつのタイミングでそういった組織を置くのかということは議論しておりません。いずれにいたしましても、先般エネルギー・環境会議を開いて、それぞれの役割分担を明確にして、そして工程管理をしっかりやらせていただくということを確認いたしましたので、まずはそういった責任の所在の確認と、そしてそれぞれが与えられた任務を工程管理の下でしっかりやっていくということの中で、革新的エネルギー・環境政策としてまとめたものの実現を着実に図ってまいりたいと考えております。
(問)先ほどの新聞代の話で、私も調べているわけではないのですが、記事によると、平成21年の1月から6月と、8月と10月から12月、7月と9月は新聞代が出ていないのは何故でしょうか。
(答)調べて、また報告させていただきます。

(以上)