前原内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成24年10月2日

(平成24年10月2日(火) 13:46~14:08  於:内閣府本府5階522会見室)

1.発言要旨

私からの発言はございません。

2.質疑応答

(問)国家戦略大臣が担当する国家戦略会議について、お伺いいたします。
 現在、国家戦略会議が開かれて1年になりますが、縦割り打破の総合的な調整機関、首相の直轄ですが、今果たしている現状の評価とうまく機能しているのかどうかということについて、御見解をお聞かせください。
(答)昨日大臣を拝命したばかりで、国家戦略会議というものについては、しっかりとしたメンバーで、しっかりとした議論が行われているという認識でございますけれども、やはりそのメンバーとして中に入ってみないと、実際にどういう議論が行われていて、端から見ているのと中でいるのとの違いがあるのかないのか、分からないわけでありますので、少し担当大臣としてこの会議を動かしていく中で、今御質問の点というのは、ある程度分かってくるのかなと思いますが、今聞かれても、それについては、なかなかお答えは、難しいなと思っております。
(問)先般の革新的エネルギー・環境会議を決める段階で、国家戦略会議に入られている民間議員の方から非常に強い疑義が出て、実際にそれを承認する場にも、民間議員の米倉さん初め、出席されなかったわけなのですが、こういう事態に置かれて、民間議員の方の交代や、あり方について、お考えのことはございますか。
(答)現時点で考えておりません。
 私も財界の勉強会で、今まで米倉さんとも何度もお話をしてまいりましたし、また長谷川経済同友会代表幹事は、私が国土交通大臣のときの成長戦略会議の座長を務めていただいておりまして、非常に懇意にしている方でございます。個別に米倉経団連会長、長谷川同友会代表幹事、また岡村商工会議所会頭とも面識はございますので、どの範囲でお伺いするか分かりませんが、とりあえずは国家戦略会議に入っておられるお二人の経済界の方とは、少し膝を交えてお話をさせていただきたいと思っております。
(問)エネルギー・環境会議の関係で、冬の節電に関する需給見通しというのは、早く取り掛からないといけないと思うのですが、この終わった夏の需給検証の検証もまた必要かと思います。これからどういった検証をしていくか、この冬を考えていくかというスケジュールとやり方について教えてください。
(答)今年の夏の需給の要因分析、それからこの冬の需給対策につきましては、できるだけ早く政府内で調整をいたしまして、時期も含めて、できるだけ早く皆さん方にお示しができればと思っております。もう少しお待ちをいただければと思います。
(問)TPPについて、先日御紹介いただいた総理からの指示書の内容についてなのですけれども、日中韓FTAと東アジア経済連携協定と同時並行して推進するという内容でしたが、これまで、例えば1月の所信表明などと比べると、やや表現として踏み込んだような印象があるのですが、その辺はどのようにとらえられていらっしゃるのか、総理がこれまでよりも強い意欲を示したと受け止めていらっしゃるのかどうか、お願いいたします。
(答)総理も自由貿易をさらに進めていくべきだというお考えについては、強い信念を持っておられるのではないかと思っております。私自身も、例えば日本の貿易量で考えますと、自由貿易締結相手国とのカバー率というのは、約16.5%でありますけれども、お隣の韓国は36%ということで、しかも大きな市場であるアメリカ、あるいはEUとのEPA、FTAを結んでいるということ、そのことによって、日本と韓国の輸出産業、例えばデジタルテレビ、あるいは自動車、こういったものに関しては、相当程度のマイナス要因、不利な要因に置かれているというのは、間違いがないと思います。したがって、できる限り自由貿易体制を進めていくということについては、大事だということでございますけれども、このTPPについて、総理がより踏み込まれたかと仮に聞かれると、立場は変わっておられないのではないかという気がいたします。
つまりは、しっかりと交渉参加に向けての協議に参画をする、そして9カ国との議論の中で、しっかりと日本の立場を踏まえた上で共有していく、こういうことの姿勢には変わりがないと思います。他方でFTAAPへ向けての道のりは、別にTPPだけではないわけでありまして、日中韓FTA、あるいはRCEP、こういう複合的な取組の中で、最終的にボゴール目標であるFTAAPを完成していくということのステップで物事を考えられているのではないか、そう考えております。
(問)衆議院の解散の時期についてお尋ねします。
前原大臣は政調会長在任中に、秋の臨時国会で1票の格差の是正と最低でも特例公債法案の成立をさせた後に解散、麻生政権のときのようにいたずらに引き延ばせばよいというものではないという認識を示していらっしゃいますけれども、お立場は変わられましたけれども、その解散についてどのようなイメージを持っていらっしゃるのか、総理の専権事項だとは思うのですけれども、現在の御認識をお聞かせください。
(答)正に御質問があったように、総理の専権事項でありますし、党の役員、政調会長という役員のときは、政府民主三役会議のメンバーでもありますし、党としての考え方も含めてお話をしたということでありますが、立場は変わって、今回は野田内閣の一閣僚になったわけですので、解散の時期については、総理の決められることというお答えをさせていただきたいと思っております。
(問)総理は3党の合意を結ばれるときに、その解散時期について、近いうちということをおっしゃいました。代表選と総裁選が終わりましたが、近いうちという言葉の意味合いについて、現時点でどういう効果を持っていると前原さんはお考えであるかということと、もう1点、補正予算について、編成という話も出ていますけれども、補正があくまでも優先されるべきなのか、それとも政局によっては、補正の編成が変わり得るものなのか、その点についてどのように担当大臣としてお考えなのか、お願いします。
(答)近いうちというものの定義については、総理が谷垣総裁、そして山口代表と話をされたことでありますので、そのニュアンスというものは、3人のみで共有をされるものであって、他人からあれやこれやと評価を加えるようなものではないと思っております。3党間のトップの話し合い、合意の中でのその雰囲気も含めての合意を総理がどう御判断をされるかという極めて高い政治判断だと思いますので、あまり私がとやかく言うことではないと思っております。
それから、補正予算についてでございますが、昨日お話をいたしましたけれども、経済財政をしっかりとチェックして、そして切れ目ない対策を助言し、調整をするという担当の大臣の立場からすると、現下の外的要因、そして足下の国内の需要、個人消費、こういったものを踏まえ、どうするかという判断については、少ししっかりと見る必要があると思っております。
ただ、他方で補正予算をやるということに仮になった場合においては、臨時国会で相当な、ある程度の審議時間を設けて議論しなくてはいけないということになったときには、政局、あるいは政治的な判断も生まれてくる可能性があると考えております。
これについては、正に総理が3党の党首会談の中でお話をされたことと直結をするところでございますので、我々としては、経済の状況をしっかりと分析する中で、意見は言わせていただく。その中で、最終的に御判断をされるのは総理でありますので、今この段階で外見上やるか、やらないかということについては、まだ見通せていない。やるともやらないとも言える状況ではないということだと御理解をいただければと思います。
(問)昨夜の会見でも出てましたけれども、日銀とのアコードの件なのですけれども、これは閣内に入られて、政府としてこれを具体化していくというお考えがあるのかどうかという点と、もしそういうものをつくるのであれば、どういった内容が望ましいとお考えなのか。政府が指示するなど、いろいろなレベルが考えられると思うのですけれども、御見解をお願いします。
(答)政調会長のときに日銀がしっかりとした金融緩和目標、デフレ脱却の意思を示さないのであれば、政府と日銀の間で協定、アコードを結んででも、しっかりとその目標を達成すべきだということを申し上げたことは事実でありますし、二度の予算委員会においても、総理に対して、あるいは白川総裁に対しても、そういった提言もしたことも事実でございます。
現在、私はこの経済財政担当という政府の中の一員として役割を果たすことになりました。そして、デフレ脱却は、最重要の課題だと認識をしております。したがいまして、2月14日の日銀の金融緩和の意思表示と、それをやる意思、体制、あるいは継続性をしっかりと分析し、判断をする中で、足らざるときには日銀の政策決定会合に私も出られる立場にはなるわけでありますので、まずは日銀の2月14日に示したものの本気度といいますか、その実現するための努力をしっかりと政府からお願いをしていく、あるいは話し合いを強めていくということが大事なことではないかと思っております。まずは、それをしっかりやることが大事だと思います。
(問)来年度予算編成に関してなのですけれども、国家戦略担当大臣として、どういうような考え方で臨まれようと思っているのか。
あともう1点、財務大臣との役割の分担についてお考えになっていることがあればお願いします。
(答)まず一つは、私が政調会長として概算要求の組替え基準をまとめさせていただいて、そしてグリーン、ライフ、そして6次産業化、こういったものに対してしっかりと削った分、4倍、2倍、1.5倍ということで、メリハリのつく予算編成にすべきだということを政府と話をする中で、まとめた経緯がございますし、その組替え基準に基づいて、概算要求が出そろっているという状況だと思います。
私は政権交代の大きなポイントだと思いますけれども、予算編成というものを財務省ではなくて、まだできておりませんけれども、国家戦略局というところが担っていくということがもともとの政権交代の原点であったわけであります。財務省も大変重要な役割を果たしてもらわなくてはいけませんけれども、税、財政、あるいは経済全般を見ながら、政治主導を貫く中で、国家戦略局がまだできておりませんけれども、予算編成を行うということが本来の目的ではなかったかと思っております。
それをしっかりと頭の中に入れて、ただ政府は一体でございますので、財務大臣とも、あるいは他の大臣ともしっかりと話をしながら、いつ解散になるか、先程の御質問ではありませんけれども、私が決めることではありませんけれども、11月の末、12月までまだ解散がしていなければ、主体的に予算編成についての役割を果たしていきたいと考えております。
(問)エネルギー戦略についてなのですが、30年代を目標に原発ゼロにすることについて、田中真紀子文部科学大臣は昨晩の会見でも、改めてハードルが非常に高くて難しく、内閣改造を受けて、改めて議論し直すべきだという所感を述べられたのですが、この議論をし直すということがあり得るのかどうか、また閣内不一致ではないかという指摘についてはどのようにお考えか、お聞かせください。
(答)昨日は矛盾だとおっしゃったので、私はいささか乱暴な議論ではないかと申し上げましたけれども、今おっしゃった、引用された文言であれば、私は田中大臣との認識と大きく変わっていないと思います。つまり非常に難しい問題であることは事実であります。
ただ、他方で2030年代にゼロを目指すということについては、野田政権として内閣として決めたことである、難しいことであってもやっていくのだということは決めたことであって、それを前提にすべての閣僚が昨日指示書を受けて、そして大臣という重職を担っていると思っておりますので、田中大臣も同じ御認識ではないか。田中大臣と同様に、難しい課題ではあるけれども、それを乗り越えるためにやっていくということで、努力をしていきたいと考えております。そういう意味においては、内閣の全員が難しい課題ではあるけれども、取り組んでいくことには違いがないということで、方向性として見直すことはございません。
(問)先程の、主体的に予算編成を担っていきたいというお話があったのですけれども、今回かなり概算要求でも膨らんでいますし、どう削っていくかというのも大きなポイントだと思うのですが、この辺具体的にお話できることがあれば教えてください。
(答)政策調査会長のときに、この組替え基準を党として提言をし、政府と合意をしてつくって、それに基づいて概算要求を出してもらっているわけでありますけれども、9月の初旬、各省庁から同じような項目に対する要望というもの、このダブりのチェックをいたしましたけれども、まだまだ残っているものがございました。
そういう意味においては、私が政調会長として各省に対して申したのは、最終的に12月までには、まだまだこういう重複部分が残ってますねと、したがってこれについては各省で調整をして、どこが予算要求をするかということも含めて、すっきりした形で12月には臨んでもらいたい。ゆめゆめ12月の具体的な時期になっても調整が済んでいない。だから、このままいかせてくださいということのないようにと申し上げましたし、それについては、私、あるいは財務省、あるいは党、政調含めて、厳しくチェックをしていきたいと、そのことによって重複要求というものが違う役所から出されていることについては、しっかりと正していきたいと考えております。
(問)予算編成の今の点ですけれども、国家戦略局はまだ設置されてないようですけれども、10月の段階でまだ解散がないというときには、結局国家戦略室が中心になってやるという意味なのですか。人的なパワーも含めて、今の国家戦略室にそれだけの力はありますか。
(答)別に国家戦略室だけでやっていくわけではなくて、国家戦略室も主体的に関わる中で、各省との連携をしっかりやっていくということになろうかと思います。
(問)予算編成権は、事実上内閣官房に置くというお考えだということですか。
(答)そもそも政権交代のときに、財務省主導の予算編成を変えるということで、この国家戦略局をつくろうと決めた経緯がありました。
これは残念ながら参議院で我々が多数を失って、ねじれの状況の中で、政治主導法案というものがうまくいかなかったという経緯の中で現状にきているのは皆さん方も御承知のとおりでございますけれども、しかしそこで我々は政権交代の原点に立ち返って、もちろん財務省にも重要な役割を果たしてもらわなくてはいけませんけれども、財務省主導ではなくて、内閣府、内閣官房中心に、しっかり予算編成を党と与党と連携をしながらやっていくという考えには、変わりはございません。

(以上)