下地内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成24年10月1日

(平成24年10月1日(月) 22:05~22:25  於:合同庁舎第5号館3階特別会議室)

1.発言要旨

  皆様にお世話になりますけれども、郵政担当と防災担当をやらせていただきます下地幹郎でございます。どうぞよろしくお願いします。
 国民新党でありますから、郵政についてはこの3年間、様々な各党間の交渉をやらさせていただいたり、法案をつくるまでに考えていた案をまとめさせたりと、いろいろなことをやってまいりました。4月27日に法案は通過をしましたので、あとはこの法案の趣旨をしっかり生かして頑張っていたきいというふうに思っております。
 私は、先程の会見でも申し上げましたけれども、法案成立に当たっては、90%の国会議員の方々が賛成していただいた法案が通過をしましたけれども、まだ郵政法案そのものを経済界においては、特に銀行協会の皆さんは、郵政に対してなかなか厳しいお声をお持ちだということは、この前の記者会見でもありましたので、こういうふうに郵政に対して厳しい声を持たれている皆さんに対して、どうやってしっかりと説得をしていくのか、理解を深めていくのか、こういうところが私の仕事ではないかなというふうに思っておりまして、新規事業は確実に前に進めていかなければなりませんが、その新規事業を進めるというだけじゃなくて、理解を得ながら進めていくというようなやり方をすることが私は大事だと思っていますので、そのことについてしっかりとやっていきたいと思います。
 防災に対しては、今まで正直言って勉強不足なところもありますけれども、これから役所の皆さんの様々なレクを受けながら頑張っていかなきゃいけない。しかし、東北の大震災も自ら何度も足を運んで見てまいりましたし、また、おとといは沖縄においても60メートルの台風の災害の状況を見てまいりましたし、様々な災害をこれまでも経験をしてきましたから、そういうことの一番の重要性なのは、政府が早急に対応して、その被害に遭われた皆さんの次の安心できるような環境づくりをするということが第一番だろうと思っていますから、そういうふうな対策といいますか、それに十二分に努力をして頑張っていきたいということです。
 また、今後予想される南海トラフの問題や首都直下型地震の問題だとか、予想される災害をどうやって私たちは最小限に抑えるのか、そういう姿を是非国民に見せていかなければいけない。被害想定をすることも非常に大事でありますけれども、それの被害想定の数字とともどもに対策のあり方も一緒に示さないと、国民に対して不安感を与えることにもなりますから、そういうことを踏まえて、今、役所の方でどういう対応をしているのかまだ分かりませんが、これから想定に対して様々な数字や発表があるようでありますから、そのことを一から勉強して、またしっかりと国民の皆さんにオープンにしながら知っていただくような努力をしていきたいというふうに思っています。
 私からはこれだけであります。何か御質問があったらお願いします。

2.質疑応答

(問)毎日新聞の種市と申します。郵政改革についてお聞きしたいんですけれども、日本郵政グループが新規業務を来年の4月から始めたいと政府に申請しているんですけれども、この中で、金融庁が新規業務の審査に当たってはかなり慎重にという姿勢が見られるんですけれども、郵政改革を進める大臣として、審査に当たってどのような姿勢で臨んでほしいと思われますか。
(答)かなり慎重という、そういう表現ではないと思うんですね。慎重であることは間違いありませんね。その慎重な理由が、郵政という事業が参加することによって、今の既存の企業の皆さんが影響を受ける、そういうふうな想定をなされておりまして、そのことを慎重に見きわめたいというのが今の金融庁の考え方だというふうに思っているんですね。そのことは理解しないわけではありません。しかしながら、私たちとしては、その影響がどれぐらいあるものなのか、また、根本的にこの事業をやることが郵政として、個性ある郵政事業だと思えるのか、もう一回そういうことも論議してみたいというふうに思っておりまして、しかしながら、来年の4月というような日付が決まっていますから、そのことをずるずる結論を出さないというようなことはできませんので、結論は速やかに出していただくように金融庁とも協議します。しかし、出し方というものについては、私は私なりにもう少し検討して物事を決めていかなければいけないというふうに思っています。
(問)大臣としては、やっぱり日本郵政が申請しているように、4月までの事業認可を欲しいというところでしょうか。
(答)4月までの事業認可をやりたいという日本郵政の考え方は分かりますけど、先程から申し上げているように、郵政の個性ある新事業なのかというところは見てみたいというふうに思っています。ちょっと違うんじゃないかと思う部分も私は持っているということですから。しかしながら、それがお互いで話をしてみて納得できるようなものであれば、それは4月までにやりたいと思いますよ。
(問)通信文化新報の園田と申します。金融大臣とはどのような連携を考えていらっしゃいますか。
(答)連携というより、金融担当大臣、金融大臣の許可認可というか申請を、審議する権限が向こうにあるわけですから、それは十二分に協議をしていかなければいけない。ただ、この前つくりました、私が座長をします郵政事業のフォローアップ会議というのを官邸でつくりましたですね、総理も入って、関係大臣も入って。あの会議がやはり私は最終的な郵政問題の内閣としての決定機構だというふうに思っていますから、これ、郵政大臣だけで、また金融担当大臣だけで決めるわけじゃなくて、内閣全体でどういう方向なのかというのを決めていかなければいけないので、その会議をうまく活用しながら、政府として方向がこうなんだというような決め方をしていきたいというふうに思っています。
(問)国民新党の郵政民営化経営支援小委員会は、これからも継続される御予定・・。
(答)もちろんやります。私も参加します。党での議論を大事にしていきます。
(問)朝日新聞の黒沢といいます。南海トラフ地震の対策についてなんですけれども、現在、東海地震の対策、大震法と東南海・南海地震の特措法が分かれているわけなんですけれども、これの一体化についてはどのようにお考えでしょうか。
(答)まだしっかりとしたレクを受けていないので、私がこの場所でこうだという返事ができないのは残念ですけれども、今の御質問についても、しっかりと明日から検討して、これまでの大臣がどういう方向性を示してきたのか分かりませんが、よく聞いてお答えしていきたいというふうに思っています。
(問)朝日新聞の加藤といいますが、すみません、今入ってきたので、出ている質問だったら二重で申しわけないんですけれども、今回、国民新党が、今までの民主党政権で経営担当大臣と郵政民営化担当大臣と一緒にやってきたのが、今回それを分けて、それぞれ担当が就く、就任するということになりましたけれども、これは総理の方からどういう説明があって、国民新党としてこれまでずっと一緒にやってきて、それを今回求めていたと思うんですけれども、どのようにして納得して受けられたのかというのを教えていただきたいと思います。
(答)国民新党は求めましたよ、金融担当大臣も、それと郵政担当大臣もやりたいと。総理が分けると決断したから分かれたんです。最終的に人事、そしてこういうふうな省庁の配置というのは総理がお決めになることですから、私たちはそれに従って、分けた中でどうするかというのを、これから郵政事業について考えていきます。
(問)朝日新聞の赤井と申します。現時点のお考えで結構なんですけれども、南海トラフの巨大地震の予知の可能性について議論している段階だと思うんですが、現時点でのお考えについてお聞かせいただけないかなと。
(答)こういう地震の問題の予想について、私の大臣としての私見を述べることは影響力が大きいので、確実なる勉強をして、それなりに皆様にちゃんと発表できるような環境になってからお話をしたいというふうに思っておりますから、もうしばらく勉強する時間をお与えいただきたいと思うんです。
 また、大臣ですから、お話をさせていただくと、思いつきや勝手な話をすると、非常に大きな影響を及ぼしますから、ここは丁寧に、分からないことを簡単にお話しできないので、少し役所の考え方も全部聞いてからやらせていただきたいと思っていますから、すみませんけど、よろしくお願いします。
(問)沖縄タイムズの銘苅と申します。担当ではなくて一閣僚としてお伺いしたいことがあるんですけれども、普天間移設問題をめぐって沖縄選出の大臣は、これまで政府方針である辺野古移設はもう厳しいという立場でこられたと思うんですけれども、今回閣僚の一員になったことで、その考えというのは変わるものなのか・・。
(答)厳しいという考えは変わりませんよ、厳しいという考えは。しかし、現実に政府としては辺野古移設なんですよね。それは政府内で、できるという人と、私みたいに厳しいという人に分かれるわけでありますから、政府方針としては辺野古移設、じゃ私は厳しい。森本大臣は、できるとお考えになっているのかどうなのか、その違いはあるというふうに思っていますから。この厳しいという考え方がずっと続くのか、それができるというふうな結論になっていくのかは、もうしばらくすると、日米で協議していますから、おのずと分かってくるんではないかなというふうに思っています。
 また、アメリカにおいても、厳しいという声が議会の間でも出てきていますから、そういう声は私だけの声ではなくて、あらゆる分野の方々が、16年間できないものを、すぐにできそうな考え方ではないことだけは確かだと思います。しかし、日米合意が決めたことが変わったわけではないというふうな認識はちゃんと持ちながら、厳しいということは総理にもこれからもお伝えしていこうと思いますけど。
(問)その厳しいとお考えになる御自身が閣内に入ることで、普天間移設が辺野古なり他の案に進むというふうなことは。
(答)進むということを断定するわけにはいきませんけど、総理の身近にいますからね、しかも、沖縄の出身でも、選出でもありますから、これまで以上に厳しいという声を伝えることは可能になってくるんではないかなというふうには思っています。
(問)すみません、最後に。嘉手納統合案とかハアンも今までおっしゃっていたんですけれども、そういった案についてはまだお考えとしてお持ちですか。
(答)政府内に入って日米合意が辺野古案で、野田総理が今、辺野古案だと言っている段階で、閣僚の一人として、今、嘉手納統合をやるべきだと言うとか、ハアンがいいというようなことを、それは主張するというのは、閣内において不一致になってくるというふうに思っていますから、その主張は閣内に入ったら、それはやってはいけないことだというふうに思っています。しかし、こういう案があると、17年間もできていない中で、こういう案も今まで検討してきましたよというようなことだけは、考え方としてはいろいろな案を持っていてもいいんではないかなというふうに思っていますから、私は自分の心の中では、そういう案はいつでも失わずに持っていたいというふうに思っています。
(問)NHKの島川と申しますが、防災対策の少し広い話なんですけど、先程、震災の現地も行かれて、台風の被害というお話があったんですけど、大臣は、例えば東日本大震災の状況を御覧になったりして、国の防災対策として、大きな方針としてどういったことを重視すべきだと今現在ではお考えになっていますか。
(答)3.11の後、党の幹事長をしていましたから、官邸の会議に当時の亀井代表と何度か参加をさせていただいて、その総理や官邸が指示することを横で見させていただきましたけれども、その中で一番感じたことは、確実なる情報を政府が把握をするということが非常に大事なことだなというようなことを思うんです。
 あのときの状況を少し思い出していただくと、自衛隊の派遣についても、最終的には10万人を超えましたけど、初めの段階では2万人、4万人、6万人と、こういうふうにして増えてきたわけですよね。あれがもう少し確実な情報が入っていれば、初めから対応が変わっていたんではないかなということを、一例だけですけど、そう思っておりまして、そういう意味では、私たちがやらなければいけないことは、災害があった場合に、しっかりとした確実な情報を早く総理に届けて、総理の御判断をいただくというようなことは防災を行う上での一番大事なところではないかなというふうに思っていますから、そういうシステムがどういうふうになっているのか、そこもまだ私は分かりませんけれども、これはこれまでに皆さんがやっていることだから、必ず仕組みはあると思います。それをもう一回見させていただきたいなというふうに思っています。
(問)もう少し危機管理の上で、こちらの内閣府の防災の方で意思決定であったり等をスムーズにやっていけるような仕組みが必要だということですか。
(答)必要ですね。また、私がやっている防災担当というのは、最終的には私は内閣総理大臣の決断が必要な分野があると思うんですよね。だから、そういう意味では、私が決断するというのではなくて、総理の決断が正しく行われるような、そういうふうな素地をつくるといいますか、そういうことに私の仕事があるんではないかなというふうに思っていますから、そういう災害においては、私の方で現場へ行ってちゃんと伝える役割をこれからもしていきたいというふうに思っています。
(問)それともう一点、南海トラフであったり首都直下であった被害想定というものが出るわけで、先程大臣も、数字だけでなく対策をということをおっしゃっていましたけれども、地方自治体との連携という意味で、今後どういうふうに進めていきたいと思いますか。
(答)この数字が来年の何月かに出るということを聞かされておりますから、それの出る段階で、出ましたということと同時に、ある一定の安心感が持てるような対策も、全体じゃなくても示すことが大事だと思いますね。被害想定だけどんと出て、何十万、何百万という被害が出ますよというだけを出して、その次をこれから論議していきましょうではなくて、やはりこういう想定に伴って、いつ頃までにこの被害を小さくするような新たなプランを出すとか何とか、お考えになっていると思いますけど、そういうようなこともセットにしてしっかりと出していくことが大事じゃないかなと思っていますから、そのときにはやはり自治体との連携というのは欠かせないことでありますから、防災訓練とかそういうふうなあり方も、その数字によってまた変わってくるはずでありますから、そのことを踏まえてしっかりと自治体との連携も図っていきたいと思います。
(問)時事通信の佐藤です。郵政の話で、もう出た質問であれば恐縮なんですけれども、先程、個性のある業務かどうかちゃんと精査するというお話と、党の意見も大事にしたいと大臣はおっしゃいましたけれども、例えば、党として奨学金債権の話とかいろいろ案を策定されていますが、要は、金融2社が申請した新規業務の内容について、その審査の過程で変更というのがあり得るのかどうか、その辺ちょっとお考えをお願いできますか。
(答)今、金融庁が審査していますから、審査の段階で変更するかどうか、私が今言えるようなことじゃありませんが、私としては、個性ある事業かどうかというのをしっかりと見ていかなければいけないというふうに思っていまして、奨学金についても、党の勉強会では、私どもの方から郵政に提案をさせていただきましたけれども、なかなかそのことが郵政事業としては成り立たないという話の中で、それは郵政がやることはありませんでした。
 また、400万円以下の住宅ローン、来年から政府は始めますけれども、それも郵政にやってもらいたいというようなことでありましたけれども、それもデフォルトが起こるとか、所得が400万円以下の人では難しいんじゃないかとか、様々な障害があるということで、これもやらなくなったんですよ。それで政府として進めることになりましたけれども、それでいいのかなとは思っているんですよね、私は。この400万円以下の住宅ローンと4%の、銀行は4%ぐらいしか出していないので、こういうふうな銀行が触っていないところなどを郵政が政府と一体となってやっていくようなことになれば、これは個性って言えるんじゃないかと思うんですよね。そういうようなものですね、僕が申し上げているのは、そういうのはやってもらいたいと思っています。
 今、郵政が申請していることが特徴あるものなのかどうかというのは、本人たちはあると思われているだろうと思いますが、それはもう一回しっかり見てみたいというふうに思っております。
(問)先程の郵政の関係なんですけれども、NHKの山下ですが、それはやはり個性があることをやってもらいたいというのを郵政にお伝えして、更にそういう新規事業として何か出してくださいというふうに促すということなんでしょうか。
(答)それも考えていないですね。
(問)じゃ、今やることだけじゃなくて、何かこういう案はないですかというようなことを提案するということですか。
(答)そうです。また、銀行協会とも、信金とか地銀協会とかいっぱいありますけれど、そういう人たちとのコラボレーションは本当にないのかどうなのか、郵政って本当に脅威だけなのかと、彼らからとって。郵政と一緒にできる事業はないのか。この前、勉強会もしましたけど、あなた方も提案してみたらというようなことも申し上げておりますから、郵政からの提案も必要だし、銀行からの提案も必要だと思うんですね。いつまでも対立の構図で、国会では90%の国民の代表がもうこれでいいと決めているのにもかかわらず、ああやって記者会見をするわけですから、そこのところが少しどうしてなんだろうって思いますよね。
(問)お互いに手を組むことも検討して・・。
(答)もちろん。国家国民のためだし、そして郵政ファンド、株の売却は公債の原資に当たるわけでしょう。それが多ければ多いほど国民の負担は少なくなるわけだから、そういうふうなことで株価も上がり、それが日本全体の経済も引っ張って、そして郵政の個性を出すことで銀行にはあまり影響が起こらないと、そういうスキルがあるんじゃないかと僕は思っているので、それを少し勉強してみたいというふうに思っているんです。

(以上)