中川内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成24年9月19日

(平成24年9月19日(水) 9:42~10:01  於:合同庁舎第5号館3階特別会議室)

1.発言要旨

  皆さん、おはようございます。
 今日は私の方から一つお話をします。
 「『女性の活躍促進による経済活性化』行動計画」というものがありましたけれども、それを受けた内閣府の今後の取組についてであります。女性の活躍関係閣僚会議で決定をしました「なでしこ大作戦」を受けて、お手元に配布させていただいたとおり、内閣府男女共同参画局が中心になって検討することとされた二つの課題について、新たな検討の場を立ち上げて具体的な検討に着手することにいたしました。
 一つ目は、公共調達を通じた女性の活躍方策等を検討するものであります。「男女共同参画会議基本問題・影響調査専門調査会」の中に新たにワーキング・グループを設けまして、主に法制的な観点から検討を行って、年内に中間的な整理をしていただくということとしております。初回は28日の金曜日に開催する予定です。
 それから二つ目ですが、女性の活躍状況の資本市場における「見える化」ということについて、企業に取組を促すためにその方策を検討するものであります。こちらは私が主宰をする有識者会議を立ち上げまして、年内に報告を取りまとめていただく予定です。初回は明日20日の木曜日に開催する予定です。
 いずれも、こうした議論を踏まえて、関係閣僚会議が策定する工程表に具体的に反映をさせていきたいと思います。
 私の方からは以上です。

2.質疑応答

(問)朝日新聞、岡本です。またまた、ちょっと大臣の管轄とはちょっと違うかもしれませんが、今日閣議決定されたエネルギーの方針があると思うのですが、戦略エネルギー、革新的エネルギー・環境戦略というもの、そのもの自体は閣議決定を見送ったと思うのですが、このことに関して核燃料サイクルとか「もんじゅ」のあり方を含めて、あいまいだというような声も上がっています。こういった批判に反論していただきたいのですけれども。
(答)ちょっと詳しく申し上げると、閣議決定の中身というのは、今後のエネルギー環境政策については、9月14日の革新的エネルギー・環境戦略を踏まえて、関係自治体や国際社会等と責任ある議論を行い、国民の理解を得つつ柔軟性を持って不断の検証と見直しを行いながら遂行するということであります。
 この革新的エネルギー・環境戦略の中には、かなり具体的にこれからの代替エネルギーのあり方を含めた戦略というものが書かれておりまして、これに基づいて具体策を進めていくという閣議決定があったということですから、閣議決定のレベルとしては、これでいいと思うのですね。
(問)政権が変われば、大きく変えられてしまうのではないかという懸念もあるのですけれども。
(答)そこは閣議決定してもしなくても同じことでありまして、いずれにしても国民的な議論、それからそのコンセンサスをベースにして、その時々の政権が政策を判断していくわけですから、今の国民世論のあり方から言うと、私たちがまとめた政策がコンセンサスだと思います。
 だから、政権が変わってもその国民世論というのは、その時々で変わるものではないと思います。
(問)この戦略の中では、40年廃炉という基本的な原則が掲げられているにもかかわらず、大間原発とか島根の原発3号機とか、新規につくっていけば2030年代のゼロというのは達成できるはずがないのではないかという声もあるのですけれども、この点に関してはどうですか。
(答)それは当たらないのではないでしょうか。
 いずれにしても、30年代というのは、全体の国の産業の構造、それは特にエネルギーに対するコストをどこまで国全体として吸収できるかということで、今あるのは30年代だったら大丈夫だろうということでありますから、そのときに吸収ができれば新規に出した原発、建てられる原発も収束をしていくという前提だというふうに解釈できるのだと思います。
(問)要するに、必要がなくなれば、その時点でもう廃炉にすればいいのではないかということ。
(答)そういうことです。
(問)日本テレビの中濱といいます。今日夕方に、国土交通省から土地の値段、路線価が発表されるのですが、その中で今回、下落率の一番高いところのトップテンのうち五つに、いわゆる南海トラフの影響が高い、高知県が中心なのですが、かなり入っているようなのですが、これについての受け止めを、今おっしゃれれば教えてください。
(答)そこの部分が非常に厳しいところなのですけれども、これから具体的な防災計画がそれぞれの地域で立てられて、それを克服していく新しい都市計画というものに結びついていくのだろうと思うので、その中からそれぞれの地域に応じた形の土地の価値というものが生まれてくるものと私は思います。
 だから、それぞれの部分、部分でパラレルな変化というのは免れないのだろうと思うのですけれども、それを克服していくだけの、それぞれの地域の都市計画ですね、防災に強いまちづくりといいますか、ことがあったときには減災ができる、そしてまた、どうしてもそこで十分な備えができないというときには、高台移転とか新しい町をその周辺に展開するとかというような形で、やはり活力が持続できる、あるいは更にそれをてこにして、付加価値の上がるような都市計画を是非まとめていただきたいというふうに思うし、それに対して私たちはしっかり支援をしていきたいと思います。
(問)今、大臣のおっしゃられた支援というのは、なにか具体的に新たに始まっているものというのはございますか。
(答)例えば都市計画の専門家の皆さん、これは相当、学際的に集まっていただくということが大事だと思うのですが、そういう知見を持った人たちが一つの組織を作って、その知見というものがその地域、地域のこれからの都市計画に入り込んでいただいて、役立っていくような、そんなネットワークと組織化というものをやろうではないかという話が今出てきておりまして、そうした意味でのノウハウを地域、それぞれ社会に反映させていくような形で作っていくことも一つだろうと思います。
 それから、これからの都市計画の中で、防災ということを「主流化」して、そこを組み込んだ形での国の支援体制、具体的には財源というのをどう確保していくかという知恵も入れていきたいと思います。その中の一つが、PFIなどを使いながら、新しい都市計画にそれを生かしていくということもあろうかと思いますし、それから道路の計画とか庁舎を移転していくとかというときに、防災という観点を考えながら、それに付加していくというか、助成措置を、そういう仕組みでも使っていけるでしょうし、今、東日本大震災の関係でいろいろな政策が動いているわけですけれども、これは東日本の災害における政策ということだけではなくて、ここで使ったものをどこまで日本全体で使っていくかというふうなことも再検証しています。その上で、政策を広めていきたいと思っていまして、そのようなバックアップと、それから地方と国がしっかり連携をとって、防災というものを反映した都市計画に結びつけていけるような仕組みをしっかり作っていきたいと思っています。
(問)今の御発言に関連してなのですけれども、ちょっとこれはいじわるかもしれませんが、PFIの活用なんかをしようと思うと、当然、民間企業としては、その土地とかその場所に付加価値を見出したり、あるいは環境的な要因、メリットが見えなければいけないわけですけれども、結果的に厳しい想定と地価が下がるということになると、それは阻害する要因になろうかと思うのですが、そうした中で、そこに新たに産業とかを興していくときに、新たな価値を見出すためにはどんな支援が考えられるのでしょうか。
(答)逆に土地の価値が下がれば、民間としては工夫すればそこに投資がしやすくなるというメリットも出てくるわけですね。PFIで具体的にモデル化して提供しているのは、例えばもともとスーパーなどが立地しているような場所で、防災ビルですね、避難ビル等々が足りない地域というのは、私の地元でも海岸沿いではそういう地域が多いのですが、これをただタワーで建てるということではなくて、それよりもスーパーなどが平面であるところに、その上に公民館とか医療センターとか、あるいは様々な公的機関も併せて、官民併せた形で利用して積み上げていき、そのビル自体がいざというときには避難所になって、通信あるいは電力ですね、自主的な発電ができるような施設といったものと備蓄とを兼ね合わせた形で、防災という観点を付加すれば、逆に町自体は非常にコンパクト化していい効果が出てくる、そういうようなものが考えられると思います。
 資金的にも、本来であれば税金で100%というイメージがあるわけですけれども、民間でPFIも一緒に使っていくということによって、民間の資金をそこへ引っ張ることができるという新しい構想になると。この津波避難ビルというのは一例ですね。他にもそういった意味での施設づくりというのは、いろいろな工夫の中でできていくと考えていまして、そのようなモデルをつくっていきたいと思っています。
(問)すみません、朝日新聞の赤井と申します。先程有識者の知見を集める場みたいなものを考えているとおっしゃったのですけれども、もうちょっと具体的に言うと、それは都市計画の専門家集団みたいなものが集まる検討会みたいなものをまたつくって、そういう沿岸部でも、都市計画もこういうふうにやればいい、ああいうふうにやればいいとか、モデルみたいなものを幾つか具体的に考えるとか、そういうことになるのでしょうか。
(答)既に、そうした専門家の皆さんには動きが出ていまして、私たちもいろいろな提言をいただいています。
 このベースは何かというと、東日本の震災で都市計画学会なんかが中心になって専門家集団を作って、各町に入り込んでいただき、その中で活動していただいているのですね。それを全国的に今度やっていこうということで、この間もその提案がありましたので、そうしたものが具体的に活動できるようにしっかり受け止めました。皆さんのお話では、モデル的に一度やってみたらどうかという話もあるので、そういう専門家と地域の皆さんが知恵を出し合って、その地域にふさわしいまちづくりを防災という観点を入れ込んで練り直し典型的なモデルとしていくという作業だと思うのです。
 例えば高知の黒潮町みたいに、もう地震と津波が一度に来るというふうなところでの対応をどうするかというようなところだとか、あるいは町自体がずっと平面的にあって、その平面的な町を津波から守るにはどうするかとかという、その地域、地域によって違うと思うのですね。裏に山があるかとか、平面が続いているかとか、そんな典型的な地形と、それから都市環境を組み合わせて幾つかモデルをつくって、こんなことができるのだというような知見を集めて、一度やってみたらどうかというような提案もあります。
 そのようなものを前提にしながら、システムとして、国としてどんな形のモデルが組み立てられるかというのは十分考えていきたいと思います。
(問)朝日新聞の岡本です。昨日、総理がTBSの番組に出られて、自民・公明両党と合意をした、解散の「近いうち」というものを見直すようなことを示唆されています。
 それは理由として、自分に問責決議案を突きつけたことで状況が変わったというふうにおっしゃっていますが、そもそも解散というか、消費増税を決めたことに対する信を問うということが目的だったと思うのですが、そこに絡めていくことは、何かあまり関係性がないかなと私は思うのですが、大臣はどういうふうにお考えでしょうか。
(答)特例公債の問題を総理は心配しておられるのだろうと思うのですね。このような異常な形で、それを地方公共団体に迷惑をかける、あるいは国民生活にまでそれが及んでくるということであってはならないということだと思います。いずれにしても、そこを野党の皆さんに理解をしていただいて法案を通していくということ、そのことが恐らく総理の頭にあるのではないかなと思います。
 解散の時期については、これは総理の専権事項ですから、それをどう解釈されるかというのは、総理次第だと思います。

(以上)