中川内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成24年4月10日

(平成24年4月10日(火) 9:22~9:37  於:合同庁舎第5号館3階特別会議室)

1.発言要旨

 おはようございます。お待たせしました。
 まず、三宅島の現地視察ですが、4月7日土曜日に三宅島の現地視察を行いました。三宅島では、火山活動の監視・観測システムについて説明を受け、ガス高濃度地区の三池地区を視察いたしました。三宅村の櫻田村長を初め自治体関係者や住民の皆さん、あるいは議員の皆さん方等々と懇談をしまして、火山ガス対策や全島避難時の島民の連携あるいは帰島状況等についてお伺いしました。
 一つ感じたのは、約7割の方が今戻ってきているのですけれども、ああいう環境の中でこれだけの皆さんが戻りつつあるということについて、やはり島民同士の結びつき、それから避難をした時に一つの避難先でのコミュニティを形成していたということ、あるいは年に何回かイベントをやって島民の団結といいますか、そういうものを確認しながら、長い期間にわたって辛抱されていたという、それが今の帰島ということに結びついていっているのだということ、そういうことを改めて確認をさせていただいて、これからの東日本の復興計画、あるいはまた防災ということから考えて、事が起きた時にどういうふうに避難というものを形作っていくかということについて非常に参考にさせていただいたということでございます。
 それから、昨日、国家戦略会議がありましたが、その時に、大学の改革をしてグローバル人材を育てていくことがいかに日本の経済戦略をつくっていくのに大切かということが民間議員をはじめ皆さんから指摘がありましたけれども、それと同時に、女性が活躍する社会、特に企業の中に女性の管理職を、あるいは意思決定過程にしっかり参加をしていく環境をつくっていくことが大事だということ、これはそれぞれの議員の皆さんからも指摘があり、私自身もそうした論点からお話をさせていただきました。
 それを受けて申し上げたのは、男性もやはり意識が変わるということが必要だということで、男性の育児休業をしっかり取る環境をつくっていくことが大事であると思います。
 今見てみますと、国家公務員の例ですと、女性の育児休業は97.9%の取得率があるのですが、男性ですと1.8%しか取得率がないのです。それで、これをいろいろな工夫をしていかなければいけないのだと思うのですが、その中で一つ提唱していますのは、足元で男性が取得をするということ、この取りやすい環境といいますか、お互いが理解を示しながら、協力しながら取りやすい環境をつくるために会をつくるとか、育児休業を取る会、言い換えれば、イクメンの会ということですね、これをつくっていこうということで頑張っていきたいと思っております。たまたま私の秘書官が2人目の赤ちゃんを予定していますので、彼辺りを事務局長にして、まず内閣府からつくっていく。それから、各省庁に、各大臣にお願いをしまして、是非こうした意識の中で育児休業が取りやすい環境をつくっていこうというようにいたしました。皆さんも頑張ってください。

2.質疑応答

(問)日本テレビの中濱と申します。先日金曜日、高知県知事と徳島県知事にお会いになられて、総理の方にも行かれて、いわゆる南海トラフの三連動地震を国策の中枢に置いてほしいというような要望をされていましたが、その後総理とかと話して今後の防災対応みたいなのは何か大臣はお考えになっていらっしゃいますでしょうか。
(答)前から申し上げていますとおり、南海トラフについてはこれから10mメッシュの想定、津波の想定を27日くらいには出せると思うのですが、それを出して、かつ被害想定、あるいは浸水域、これを6月ぐらいまでに出していくというスケジュールになっています。あれほどの大きな津波、あるいは地震の想定というのが出てきましたので、恐らく住民の皆さんも含めて各自治体、動揺も広がっているというように思います。更に詳細にわたって、あれがどういう意味を持っているのかということも含めて、まず自治体の皆さんに東京に出てきていただいて、危機対応担当、各県あるいは市ということになるかもしれませんが、更に説明をしていきたいということで、来週中にはその説明会を持ちたいと思います。
 それから、それを行った後で、今度私たちの方が出かけていって各県で改めて説明会を持たせていただく。その時に、できれば、一つは、広域の協議会ですね、今、中部圏とか四国というので様々な機関と地方自治体をあわせた協議会ができておりますので、あの想定を前提にして、どういう防災対策を考えていったらいいかというようなことを国、それから県、地方自治体、あるいは各団体を含めて参加型で防災計画に向けて協議ができる協議体というのをつくっていくということだと思っています。できれば、それをまた県に下して、県のサイドで、そうした協議会の中で議論していただくということになります。
 先程の自治体への説明会の日程ですが、来週と言いましたが、今週、4月12日ということであります。
 それからもう一つ、私は27日に公表するようにと指示しているのですが、事務方の方はすぐ公表できるかどうか今少し苦労していますので、努力はしますけれども、そこは未確定の部分がありますということであります。
 そのような防災計画をハード、ソフトにわたってつくっていく過程の中で、本当に大事な位置付けというか、日本のこれからの安心というのをつくっていくためにも、これは大事な位置付けにしていきたいというふうに思っております。
(問)時事通信の増渕と言います。先程のイクメンの会についてお尋ねしたいんですけれども、今、国家公務員の働く環境を考えますと、厳しい定数削減とか、今、出世の妨げになると思うんですけれども、大臣は男性が育児休暇を取得しづらい理由というのは、どこら辺があるというふうにお考えでしょうか。
(答)様々な理由があると思うのです。一つは、公務員の場合、私たちの責任もあるのですが、国会対応とか、あるいは限られた人員の中で、非常に夜遅くまで仕事をしていかなければならないという、そういう具体的な環境があるのですが、これは女性でも公務員の場合は同じ環境に置かれているわけで、休みを取ろうと思うと、お互いがその仕事をカバーしていかなければいけないという一つの共同体みたいな意識がないと取れない。そういう意味でも、イクメンの会というのをつくることが、お互いの協力を、その気持ちを高めていくことになっていくのではないかなということでございます。
(問)10mメッシュの話なんのですけれども、27日ぐらいまでに出せるということだったんですが、浸水域とか浸水深に関しては一緒に出なくて、5月とか6月とかのその後出るという認識でいいんでしょうか。
(答)そうですね、それぐらいかかるということです。これは純粋に技術的な問題なんですよね。
(問)浸水深とか浸水域は何時ぐらいという目処なんでしょうか。
(答)大体5月ぐらいで、日にちはまだ確実しておりません。
(問)5月中には出る。
(答)それを目標に出すようにということで指示はしています。
(問)2点伺います。今のお話に関連すると、恐らく南海トラフの想定については、今後多分徐々に出ていく感じだと思うんですけれど、当然ながら、受け取る側はでかい数字から受け取るという形になると思うので、とりあえず説明が一緒になってくるというのは、それは12日の説明をもってある意味充足できるのか、その後も、例えば10mメッシュが出た後に説明会をする、あるいは浸水深が出た後に説明会をするという形で何回かやっていく。
(答)そうですね、何回も繰り返していかなければいけないと思います。説明会をすると同時に、ソフト、ハードの対応と言いましたけれども、すべて堤防で津波が防げるというわけでもないということが前提になってくると思うので、あとは都市計画であるとか、あるいは子供たちも含めた訓練の中で逃げるということをどう生かしていくかということ、それから通信とか危機対応で地方公共団体と国がどのように役割分担していくかとか、そのような類のものは具体的にその地域地域で事情も違うところがありますので、それを前提にしながら計画をつくっていく。国も法改正を含めて計画をつくるということですが、それを連携した形でできる協議会をつくっていきたいということです。
(問)避難の関連で伺いますと、例えば、インドネシアとかフィリピンとかは、火山で言うと、火山の被害は国がレベルを上げて避難しろと国が逃がす。日本はそうなっていませんよね、市町村が基本的には避難させることになっていますけれども、その時の災害ごとに法改正を部分的にするとか、そういうことというのはあり得るんでしょうか。
(答)今回の東日本大震災を前提にしてといいますか、その検証をした結果、法改正をしていくということで、この5月には災害対策基本法の改正をしていきたいと思います。それで終わったわけではなくて、その後また地方自治法体との協議もありますから、その中でやはり改正をしていくべきところは改正をしていくということで、できるところから順番にやっていくという体制をつくっていきたいというように思っています。
(問)来月の基本法の改正では、大臣はどこが一番重点を置いて改正しなきゃいけないと考えていますか。
(答)今度の改正では、市町村の機能低下、あの津波で全部やられてしまったわけですけれども、それをどう対応していくかということの中で、大規模広域災害に対する即応力を強化していくというような形で、国、地方公共団体による積極的な情報の収集の強化などを含めた改正。それから、同じようなことで市町村、都道府県の区域を超える避難に関する調整規定の創設、それから物資・資材のプッシュ形、被災地から上がってきて送るのではなくて、こちらから想定した形で送っていくことができるような供給等の措置、これを創設していくということ。それから、教訓伝承、防災教育の強化や多様な主体の参画による地域の防災力の向上等々を含めた形の改正ということで、具体的に言うとそのようなものが入っています。

(以上)