岡田副総理記者会見要旨 平成24年7月31日

(平成24年7月31日(火) 17:18~17:40  於:合同庁舎4号館1階108会議室)

1.発言要旨

 今日も無事に国会が終わりました。
 私からは、昨日のことなのですが、閣議等の議事録作成の制度案につきまして、チームを作り、第1回会合が昨日開かれたということです。
 10月をめどに結果を取りまとめるということで、イギリスやドイツの現地調査も9月頃に行って、速やかに結論を出したいというふうに思います。ただ、国の根幹に関わる話でもありますし、内閣制度始まって以来、そういうものは作ってこなかった。それを変えるということですので、あまり拙速になってもいけないと、そういうことかと思います。我が国を代表する情報公開、それから公文書の有識者の皆さんに深い議論をしていただいて、いい結論が出ることを期待したいというふうに思っております。
 私からは以上です。

2.質疑応答

(問)【閣議議事録等作成・公開制度検討チーム関連】
 共同通信の蒔田ですが、昨日の会合の中で、大島副大臣が各党とも、政権交代が来る度にいろいろ制度が変わってもよくないので、各党とも協議する必要があるのではないかと指摘されていたと思うのですが、このことについては、岡田副総理はどう思われるでしょうか。
(答)どこかの段階では、そういうことも必要になるでしょうね。
 私は昨日閣僚懇で、閣僚の皆さんに、どこかの段階で議論したいと、この問題ですね。というふうに申し上げました。
 そちらが先と思いますが、各党に対しても、どこかの段階でという気はします。最終的には、これは法律になりますので、あるいは法改正か、どちらになるかはともかくとして、国会を通らなければいけないということで、その段階では当然各党に説明をして理解を求めなければなりません。あるいはそれよりもっと手前で御相談するということもあるかもしれません。その辺はまだ決めておりません。
 ただ、大島さんが言った中で、これがあまり政略的に使われるようなことがあってはならないということは、そのとおりで、そういうことは基本的にはないと思いますが、今の外交文書だって30年間公開しないという原則で、別に政権が替わったから昔の交渉過程を取り返して、それこそ更に何か取り上げるとか、そういうことはあり得ないことだと思っておりますので、あまり心配する必要はないとは思いますが、そういう御発言、大島副大臣の御発言も念頭に置きながら、議論していけばいいと思います。
(問)今の関連で、どこかの段階でというのは、10月に結論を出す前というよりは後の。
(答)まずは有識者の議論ですから、そこで結論を出していただいた上で、法制化するどこかのプロセスでということになるのではないかと思います。
(問)朝日新聞の河口です。今の関連ですけれども、昨日の議論を伺っていて、やはり三宅委員だったと思いますけれども、将来の国民のための資する制度であるということと、一方で現在の国民に資する制度はないのかという議論が出てくるかもしれないという御発言があったかと思いますけれども、要するに恐らく20年とか30年とか、まだ分かりませんけれども、そういった期間を置いた場合に、出してもいいようなものまで出なくなってしまうと、そういったものを出してもいいものには出せるような制度というものを多分念頭に置かれて、発言されたのだと思うのですけれども、そういったことと、もう一つは先程大島副大臣が御指摘になったように、恣意的な公開というものとのその辺りの整合性というか、その辺りはかなり議論としては焦点になるのでしょうか。
(答)一つの論点だと思いますね。ある意味で情報公開制度に例外を作る話になるので、例外の程度は、根っこからそれは一定期間経過しないとだめだということにする考え方と、もう少し、物によっては情報公開の対象にし得ると、これはいろいろあると思いますので、それも議論されるべきだというふうには思いますが、外交文書なども基本的には情報公開してないですね、30年間は。
 ですから、そこに近いものになるのかなと今想像しています。しかし、それは情報公開制度、既に法律はあるわけで、そこから見ると、例外を作ることになると、そういうこともあって、今回、御承知のような顔ぶれで深い議論をしていただきたいとお願いしているところです。
(問)【その他】
 フリーランスの安積です。昨日、一昨日の件なのですけれども、山口県知事選についてお伺いいたします。
 地方の地方選のことなのですけれども、オスプレイとか原発とか、国策に関するトピックが争点になりましたけども、この選挙の結果について、どういうふうにお考えでしょうか。
(答)私、政府ですので、あまり選挙の結果にコメントしないほうがいいというふうに思っています。政党人としてのコメントは在り得るのかもしれませんが、今、閣僚という立場ですから、特に申し上げることはありません。それは有権者が選んだ結果というのは、当然尊重されるべきだというふうに思います。
(問)テレビ朝日の平元です。日曜日の一部報道でしたけれども、岡田副総理が自民党の派閥の会長に対して1月解散を打診したという趣旨の報道が出ましたけれども、これの事実関係は如何なのか、教えてください。
(答)この報道は不可解です。以前、NHKの報道と類似しておりまして、私の画面が出ているのに情報元の名前が書かれていないと、それから私に確認もない、という中での報道ですから、私は非常に問題があるというふうに考えております。既に朝日新聞社に対しては、その旨申し出ているところであります。
 しかし、それをまた同じように追随された社もかなりありますので、私にこの報道が事実かどうかということを確認されたのは、基本的に3社、NHKと朝日と読売と、他は全く何の確認もございません。そういう意味で、もう少し報道の在り方について、よく考えていただきたいというふうに思います。
 お答えするとすれば、私は全く承知していないことだし、いろいろな意味で、意図を持って、自民党の誰か知りませんが、発信されたと、それをそのまま報道されたということだと思います。
(問)フリーランスの安積です。先週の金曜日だと思うのですけれども、委員会のほうでも発言があったと思うのですけれども、首相とか副総理とか、今のこの暑い35度近くの気温の中、クールビズとはほど遠いいでたちをされていると。
 報道によると、一日に熱中症で救急車で運ばれた人が1,100人で、死亡した人が20人とかという報道がある中で、ちょっと見ていて、テレビ中継とか動画でも見ていて、暑いような感じがするのですけれども、これについてなぜクールビズというか、上着をお脱ぎにならないのでしょうか。
(答)上着を脱いだことはあります。衆議院の予算委員会では、上着を脱ぐことが許されておりませんので、委員長が予算委員会はだめだとおっしゃいますので、だめなのですが、特別委員会は上着を脱ぐことは許されておりますし、脱いで私は答弁したこともございます。ただ、今日はそう暑くなかったし、私の執務室はもっと暑いので、それに慣れるためにも、なるべく今のネクタイをした姿で答弁しているということです。
 何というか、どちらでもいいことなのですけれども、あえてネクタイをつけたり、外したりというのは面倒だなというぐらいの受け止め方で如何かと思います。シャツだって、クールビズ用のシャツを買うのは、これまた手間もお金もかかりますから。
(問)朝日新聞の河口です。ちょっと御所管外のことでちょっとお尋ねしたいのですが、今、野田政権ではエネルギー政策の見直しというのをなさっていて、2030年時点で三つの選択肢、原発の比率ゼロ%、15%、20から25%という選択肢を示しています。
 岡田副総理は、この選択肢についてどれが相応しいと思われるか、また今後、原発の増設というのを行うべきだというふうにお考えになられますか、現時点でのお考えを。
(答)これはまさしく政府として三つの案を示していて、別に三つだけということで示されているわけではないと思いますが、三つの案を示して、各地区で皆さんも含め、皆さんの御意見も聞いているわけですから、どれがいいとか悪いとか、閣僚が今の時点で言うべきことではないというふうに思います。
(問)ちょっと関連なのですけれども、核燃料サイクルについての検討が進んでいるわけですけれども、現行の全量処理で続けるべきか、もしくは全量直接処分をしたり、ミックスであったり、そういったものをすべき、そのような形に変更すべきだというふうにお考えになっているか。
(答)そのことも含めて、政府で今、議論していることをあまり先走って所管外の人間が言うことは、私は如何なものかというふうに思います。所管していれば、それなりの意見を述べることはあるかもしれませんが、いろいろな立場から言うと、そういったことの発信は慎重であったほうがいいというふうに考えています。
(問)恐縮ですが、この答えというものについて幾つか選択肢があるわけですけれども、その場合に、例えば考え方といいますか、どういう観点、どういう点を大事にして議論を詰めていったほうがいいのか、この点については如何でしょう。
(答)さっきの答えと同じです。
(問)医療専門誌の記者をしておりますじほう社の小山でございます。
 今日、閣議決定された日本再生戦略のことでお聞きしたいのですけれども、社会保障分野を含め聖域を設けずに歳出全般を見直すということですけれども、これに対して自然増、社会保障に関して自然増を含んでいるのかどうかという考えがその政府全体でそういう方向性で確認されているのかどうかという考えをお聞かせください。
(答)ちょっと自然増を含んでいるかどうかってどういう意味ですか。
(問)これまで予算編成の中で、古川大臣が予算編成の中で自然増は含んでいるという考え方を示したのですけれども、一方でその方向性というのは政府全体で確認されているのかという問いに対しては、まだこれからだということを述べているのですけれども、それに対して岡田副総理の考え方というのを。
(答)ですから、御質問の意味がよく分からないのですが、自然増を含んでいるのか、含んでないかというのは、もうちょっと具体的に言葉を変えて言うとどういうことをお聞きになりたいのか分からないのです。
(問)要は、社会保障分野を聖域としないということなのですけれども、それはこれからどんどん自然増していく分に関してもどんどん切り込んでいって、どんどん見直していくという考えなのでしょうか。
(答)自然増部分と既存の部分、制度は同じですから、年間1兆円ずつ増えていくというときに、それを分けて議論するような話ではないと思うのですね。全体について、やはり効率化、無駄のないように見直していくということで、何かそれを分けて議論することがよく分からないのですが、全体について予算をそういった視点は必要だというふうに思います。聖域ではないと、再生戦略に書いたとおりで、この再生戦略は内閣として共有されています。
 ただ、小泉政権のときのように額を決めて、それを前提に無理に削減していくとか、そういうことではなくて、制度の中身を見て、そこに無駄があるかないかということで、判断していくということは非常に重要だと思います。
(問)共同通信の蒔田ですが、国民会議についてお伺いしたいのですが、輿石幹事長が会見で、国会議員ではなく、政治家とか、そういった人に議論をしてもらって、そういう役割を果たしてもらいたいということをおっしゃいましたが、これは政府としても同じ方針なのでしょうか。
(答)幹事長とはこの件で話したことはありませんので、幹事長がどういうお考えで言われたのかということは、私は承知しておりません。政府の立場は国会でも何回か答弁しておりますように、現在検討しているところで、結論が何か出ているものではありません。これから党とよく御相談して、その上で、これは3党でお作りになった話ですから、まず民主党と、そして3党の御意見も聞きながら、最終的にどういう形が望ましいかということを決めていこうということです。
 それだけ言っただけで、昨日、随分激高された方がいらっしゃるのですけれども、質問者で。あれは福島さんだったか、別に当然のことを言っているわけで、最終的にはこれはそこで議論されたものは、彼女の意見は各党が全部入ると言ったと言われたのか、まったく入るべきでないと言われたのか、いずれにしろ3党だけが入るのはけしからんというような、そういう御議論だったと思いますが、そこはいろいろな議論があります。まだ何も決めておりませんが、最終的にはこれは国会で予算にしても法案にしても議論されるわけですから、そういう国民を無視しているとか、そういうことではないと思います。
(問)東京新聞の生島ですけれども、今の話、国民会議の話の続きですけれども、福島さんがおっしゃっているのは、恐らく衆院段階の3党協議の後に、衆院段階であまり審議の時間もなくて決まってしまったということも、多少念頭にあるのかなと思いながら、私は聞いていたのですけれども、最終的に国会で審議するのだから、問題ないという昨日の岡田副総理の答弁というのは、正にそのとおりだとは思うのですが、一方で、例えば今回の問題で言えば3党であったりとか、あらかじめ政党間でしっかり衆参で過半数を得られる枠組みで事前に国会とかの外で物事を決めてしまってから国会に諮ると、それは事実上その前段で決定しているのではないかという意見もあるのではないかなと思うのですけれども、その点についてどのようにお考えなのか。
 あと今後組まれるかどうか分かりませんけれども、補正であったりとか、あと来年の予算であったりとか、そういったものも今、民主党だけではねじれの状態で、衆参過半数ありませんけれども、そういった3党とか、そういう枠組みでやっていくことが望ましいというふうにお考えなのか、その点お聞かせください。
(答)まず、衆議院は確かにたしか2日ですか、審議時間はですね。3党の合意の後はですねということですが、参議院はかなり長時間やってますので、各党も十分議論できる時間は確保されているのではないかというふうに思います。ですから、あまりこういう批判は当たらないのかなというふうに思います。
 それから、あらかじめということですが、これは政党で例えば民主党が衆参過半数持っているときは、民主党の中でまず議論して、そしてその結果として考え方が政府案なり、民主党案として国会に出てくると。しかし、今回の場合はそれが過半数がないので、3党であらかじめこなした上で出したということで、別にそれが単独で過半数持っている場合と全然違うことをやっているわけではないということです。重要なことは、国会の場できちんとそれに賛同しない党も含めて議論する場があると、国民の前で議論することができるということも重要なのだと思います。
 それから、補正とか、補正をやるかどうかということも全然何も決まっておりませんが、予算とか法案について、これからどういう形で進めていくのかというのは、これはテーマ次第だと思いますね。ですから、3党で合意できるようなテーマ、あるいは3党ではなくて4党、5党の場合もあると思います。
 今の構成からいくと、なかなか3党以外の組み合わせというのは難しいのですが、思い出していただくと、子ども手当の参議院採決のときは、実は自公民の組み合わせではなくて、社民、共産を入れた、みんなからも一人援軍がありましたが、いずれにしてもそういう形での採決になったわけで、私が幹事長のときには、いろいろな組み合わせをそのテーマごとに使い分けて過半数を確保していくべきだというふうに考えてまいりました。
 メディアの中には、何か方針が支離滅裂だとか、一貫しないという御批判もありましたが、それはまさしくテーマごとにどこと組めるかということを考えてやっていくというのは当然のことだと、少しでも最終的に成立に向けて、柔軟に対応していくというのが本来ではないかと思います。
 ただ、今の状況を見ると、なかなか自民党、公明党以外には非常に厳しくなっているということは事実として言えると思いますね。ですから、自公で合意していただけないものは、なかなか通る見通しが立たないということです。

(以上)