松原内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成24年8月10日

(平成24年8月10日(金) 8:48~8:56  於:内閣府本府1階記者会見室)

1.発言要旨

 本日の閣議において決定された消費者庁の人事案件について御報告をいたします。
 8月10日付けで消費者庁長官福嶋浩彦が任期満了となり、その後任に全国消費者団体連絡会事務局長、阿南久を充てることといたしました。
 以上です。

2.質疑応答

(問)阿南さんを起用された理由を教えてください。
(答)阿南氏は全国消費者団体連絡会事務局長を務め、多くの消費者団体の協力を得つつ、消費者問題の最前線において、常に消費者の立場に立って活動をされてまいりました。今後、消費者庁が消費者目線を持って、また、広く消費者問題に関心を有する関係者の知恵と熱意を結集し共感しながら、消費者行政を推進していく上で、不可欠な人材であると判断し、起用するものであります。
(問)これまでの福嶋長官を振り返って、足らないところがあるから阿南さんにしたとかどういう判断なのですか。
(答)福嶋長官については、平成22年8月から2年間の任期で、地方の実情について、もともと首長をやっておられましたので、幅広い知見を生かしつつ、優れたマネジメント能力を発揮していただき、消費者庁をリーダーシップを持って率いて、消費行政に強力に取り組んでいただいたところであります。今後、消費者庁は消費者目線を持って、また、広く消費者問題に関心を有する関係者の知恵と熱意を結集し共感しながら、消費者行政を推進していく上で、阿南さんは不可欠な人材であると考えたところであります。
(問)大臣自身、関係者の知恵を結集というところ、今二度ほどお話がありましたが、消費者団体との連携がいまいちだなという課題を感じていらっしゃった、何かの課題に基づいたものでしょうか。
(答)もちろん消費者行政の課題というのは消費者団体だけではありません。しかし、わずかな手勢の消費者庁が地方の方々と連携してやる場合に、様々な消費者課題に対して啓蒙し、解決をするという点において、それぞれの地域に自発的に存在する消費者団体というものはやはり極めて存在意義があると思っておりまして、そういった消費者団体を活性化し、そういったボランティア的な草の根の力を消費者行政に生かす上では、私は阿南さんは適切だと、こう思うところであります。
(問)この人事は大臣お一人で決められたのですか。
(答)この人事は、消費者行政を担当している私が、阿南氏が適切であると判断し、内閣官房長官にお諮りをし、本日の閣議で了解されたものであります。
(問)阿南さんは、受けられる時、どういうふうにおっしゃっていましたか。
(答)それはこれから、今日これできちんとした発令があったので、これからお話をしたいと思っています。
(問)増元るみ子さん、市川修一さんが拉致されてから、8月12日に拉致をされたので、明後日で32年ということになるのですけれども、改めて解決への誓いといいますか。
(答)これは、小泉訪朝から9月17日で10年ということになります。この10年間、なかなかこの拉致問題は目に見えた前進がなかったわけでありますが、北朝鮮も新しい指導体制になり、新しい国際社会に対する打ち出し方を模索していると私は思っておりまして、そうした中で、早急に解決をしていきたいと思っております。
 御関係の御家族の方々が高齢化なさる中で、時間との戦いであり、今おっしゃったようなことも当然ありますけれども、とにかく早急に、今年が勝負の年というつもりで頑張っていきたいと思っております。
(問)終戦記念日がまもなく巡ってくるのですが、靖国神社への御参拝は、今年はお考えでしょうか。
(答)私は20年以上にわたり毎年8月15日に参拝をしており、今年も適宜判断をしていきたいと、このように思っております。
(問)日朝の赤十字の会談が昨日から行われていますけれども、拉致問題に対する影響はどのようにお考えでしょうか。
(答)既に昨日も申し上げたのですが、北朝鮮に残された邦人遺骨の問題は、戦後未解決の問題と認識をいたしております。他方で、拉致問題は時間との戦いであり、これまでも繰り返し申し上げてきたところであります。北朝鮮で救出を待ちわびている拉致被害者を御家族が元気でいらっしゃる間に何としても取り戻したい、一刻を争う我が国の最重要かつ最優先課題であると認識をしております。北朝鮮は、拉致問題は解決済みと繰り返し、極めて不誠実な態度をとり続けており、邦人遺骨問題を提起し、拉致問題の棚上げを図るのではと懸念する意見も多くあります。いずれにしても、遺骨問題は拉致問題とは別の問題として適切に判断されるものであり、私としては今後とも拉致問題の解決のために全力で取り組んでいきたいということでありまして、人道上の問題でやはり遺骨の返還を願っておられる、いわゆる御関係の方々の思いというのは、非常に純粋であるし、また、それは満たしていかなければいけないと思っておりますが、北朝鮮がこのことによって拉致問題を争点から外すようなことがあってはいけないと、きちんと拉致問題は拉致問題として解決をする、そのために実効性ある対応が必要であると。そのために対話と圧力ということは当然、この遺骨問題とは別に、我々は一つの実効性ある対応のために考えていかなければいけないと思っております。
(問)赤十字の担当者の方、北朝鮮との関係の何かのきっかけになれば、拉致問題も含めてというふうに考えているところもあると思うのですが、その可能性というのは。
(答)可能性は排除できないと思っておりますが、しかし従来の北朝鮮との我々の交渉を考えると、このことに争点というか、問題点が行ってしまうと、一つのそういった可能性もあると思って、そこは注意していかなければいけないと思っております。

(以上)