松原内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成24年7月17日

(平成24年7月17日(火) 11:06~11:17  於:警察庁第4会議室)

1.発言要旨

 本日、第5回東京電力の家庭用電気料金値上げ認可申請に関するチェックポイント検討チームを開催し、先程意見の取りまとめがなされました。委員の皆様には、精力的な御討議をいただき、感謝を申し上げたいと思います。今回の取りまとめや、先週いただいた消費者委員会の意見などを踏まえながら、経済産業省と調整をしてまいりたいと考えます。
 なお、本日の午後には、消費者庁長官が資源エネルギー庁長官に消費者庁の回答を手渡しする予定となっております。
 拉致問題関係でありますが、昨日16日、政府拉致問題対策本部と鳥取県米子市等との共催による「拉致問題の早期解決を願う国民の集い」を米子市で開催し、私も主催者として出席してまいりました。また、この機会に併せて、松本京子さんが拉致された現場を視察いたしましたが、改めて北朝鮮による拉致に対する強い憤りを禁じ得なかったところであります。拉致問題担当大臣としては、御家族に対して大変申し訳ないと思うとともに、御家族が御高齢となる中、拉致問題は時間との戦いでもあり、御家族が元気なうちに一刻も早く救出しなければならないという思いを強くしたところであります。
 特定失踪者の藤田進さんの御家族、藤田隆司さんは、同行した政府職員とともにジュネーブの訪問を終え、14日土曜日に帰国いたしました。事務方からは、ジュネーブに所在する国際機関、政府機関、NGO等を訪問し、特定失踪者の問題について説明するとともに、有効な広報啓発活動を実施するための聴き取り調査等を行ったと聞いております。詳細については、今週中にでも藤田さん御本人から直接報告を受ける機会を設けたいと考えております。
 いずれにしても、今回の藤田さんの訪問は、特定失踪者の問題に対する国際社会への理解を促進する上で、大変有意義なものと考えております。
 以上です。

2.質疑応答

(問)今日午前中、検討チームが最終取りまとめを行いまして、ああいう内容で固まったわけなのですが、消費者庁あるいは大臣としての考え方も、基本的にはあれに沿って経産省に対応していくという理解でよろしいでしょうか。
(答)この検討チームで、非常に長い時間をかけて議論したわけであります。公式の会合だけでもこれだけ長くやりましたし、様々な非公式や有志の意見交換を考えると、非常に時間を使って議論した内容でありますから、私は、やはり消費者目線という立場から、この議論は一貫して行われているわけでありまして、消費者庁の立ち位置は消費者の皆さんの消費者目線に立つということでありますから、この結果を重く受け止め、それを踏まえて調整していきたい、このように考えております。
(問)この意見書の評価書では、「福島第一の5、6号機や第二の減価償却を算入すべきでない」とはっきり明記されていますけれども、ここはやはり大臣としては譲れず、これが原価に算入されていると承諾できないということなのでしょうか。
(答)少なくとも、我々の消費者側の立ち位置はこういうことであるということは明記させていただいて。あとは、逆に経済産業省側はその立ち位置があるわけですから、そのお互いの立ち位置の中で、やはりできるだけ調整して結論を得る努力をしていきたいというふうに思っております。ただ、これは我々のきちんとした立ち位置ですから、基本的にはこの立場でいくわけであります。
(問)枝野大臣との協議、この日程感については、今日にも協議に入られるということですか。
(答)この場では、まだ確定はしておりません。とりあえず、申し上げましたように、消費者庁長官がエネ庁長官に午後会って、まず基本的な我々のこの検討チームの評価に沿った形での回答をするというふうに聞いております。その上で、大臣間の折衝が今日にも必要であればということはあるかもしれませんが、現段階においては、それは決まっておりません。
(問)東電の件です。福島第一・第二原発の減価償却費、安定化費用等についてですけれども、これは今日の意見書を見ると、「現時点において明解かつ合理的な説明に至っているとは言えないため、原価に算入すべきではない」と書いてあります。これだけを読むと、今後、大臣としては、経済産業省に対して明解かつ合理的な説明を求めていくのか、あるいはこれまでも説明を求めてきたがついに駄目だったから、だから原価からこれらの費用を除くことを強く求めていくのか、どちらのスタンスで臨まれるのか教えてください。
(答)この件は、文言はそういった文言で、大変に長い間の議論で決まったわけですから、そういった文言を踏まえて議論していくというのは基本原則になります。消費者側の議論の中で出た内容としては、やはり受益する側として、現実的にそれが受益する側に有意義であるかどうかということが、こういった文言の背景としてあったのだろうというふうに思っておりまして、そういった中で、踏まえて議論していくということです。
(問)現状ですと、経産省の査定、専門委員会で、削減・圧縮した結果、9%台前半と言われていて、この10.28から9%前半になっていると言われていることについては、今、どう評価されていますでしょうか。
(答)審査専門委員会の方でも一定の努力をなされたというふうに思っておりますが、我々は、今申し上げましたように消費者目線から、違った立ち位置も含めて今日の検討会の結論が出たわけですから、これを踏まえて私は議論していきたいということです。
(問)東電のスケジュールの関係なのですが、25日にも融資みたいな話があって、大臣の頭の中に、何か区切りとしている日取りというのはあるのでしょうか。
(答)この段階では、そういったものは予断を持って考えておりませんが、前から申し上げているようにスピード感を持って議論を進め、決められることは決めていきたいし、できる限りそこは調整のために汗を流したいと思っております。 我々の認識としては、前から申し上げておりますように、こういった、消費者も汗をかくというのはあるだろうと。しかし、東京電力を含め、当事者は更に汗をかいているというところがきちんと消費者にとって分かることが、消費者目線の上で重要だという議論がなされていたことも申し上げておきたいと思います。
(問)福島原発の減価償却費、安定化費用等について原価から除くことができたとすれば、今、8%で決着するのではないかというような報道もありますが、それより下がることも考えられますけれども、8%より下がる、7%台、6%台になるということも、可能性としてはあると考えてよいのでしょうか。
(答)全くその辺りは予断を持っては考えないで、とにかく我々は消費者の立ち位置から、この検討会で出た一つの結論を踏まえて議論していくということであります。
(問)関連で、今の減価償却費の話なのですけれども、これは裏返して言いますと、政府がつくってきた東電をつぶさずに賠償させ続けているというスキーム自体が、消費者に共感されていないということにも受け取れるわけなのですが、当面は、その値上げの幅について議論するなど、そういう主張を展開されていたと思いますが、仮に値上げ幅を縮めることができなかったとしても、そういう政府全体のスキームが消費者にきちんと理解されていない、あるいは共感されていないということについて、閣議なり、他の大臣の皆さんにも御説明されたり、こういったことを消費者庁の意見として訴えていくということは、今後、あり得ますでしょうか。
(答)実は、検討会の中でも、消費者に全体像はどこが問題で、どこがどうなっているのだということを、やはりもっと丁寧に説明することをしなければ、漠然と数字が出てきて「これだけです」と言われても、なかなかそれは、いわゆる東電及びその周辺の説明として不十分ではないかという議論もあったり、また一方では、消費者庁の場合、消費生活相談員というのが地方におられるわけで、地方自治体がそういった方を雇っているわけでありますが、そういった消費生活相談員のところに「電力の値上げはどういうことだ」というふうな様々な問い合わせの電話があるときにも、答え切れないというふうな話がありまして、今お話しの部分の「何でそうなのか」ということに関して、もっと丁寧な説明をすることが必要なのはよく承知しておりますし、そういったことを消費者庁としても、一般の消費者目線の中で考えることも必要だろうという議論になっております。

(以上)