川端内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成23年12月22日

(平成23年12月22日(木) 15:52~16:13  於:会見室)

1.発言要旨

 すみません、お待たせしました。私の方から、何件かあります。
 先ほど、平成24年度地方財政に係る大臣折衝を、財務大臣と行いまして、合意をいたしました。主な点を申し上げますと、東日本大震災関連を除く通常収支についての地財対策でございます。総務大臣就任以来、私は、地方の安定的な一般財源総額の確保、とりわけ地方六団体からの強い要望も踏まえまして、地方交付税総額を前年度に比して増額するということを最大の課題として取り組んでまいりました。平成24年度の地方財政は、昨年度のように巨額の繰越金が見込めないということで、大変厳しい状況にありまして、通常の対応策だけでは、対前年比で少なくとも数千億円程度のマイナスになるということが予想されました。しかしながら、現下の大変厳しい地方財政の状況においては、疲弊した地域経済という状況も踏まえますと、少しでも対前年度増額を確保する必要ということで、新たに地方公共団体金融機構の公庫債権金利変動準備金の活用を図ることを始めといたしまして、できる限りの対応策を講じることとしました。その結果、地方交付税総額について、前年度約800億円増の17.5兆円を確保することができました。これによって、中期財政フレーム、平成24年度から26年度に沿って、社会保障費の自然増、地域経済の基盤強化などに対応する財源を含め、地方の一般財源総額について、平成23年度地方財政計画と実質的に同水準となる59.6兆円を確保したところでございます。あわせて、地方財政の健全化を図る観点から、引き続き、地方長期債務残高を抑制することとして、臨時財政対策債の抑制300億円、交付税特別会計借入金の償還1,000億円を実施することといたしました。また、東日本大震災の復旧・復興事業、緊急防災・減災事業につきましては、通常収支とはそれぞれ別枠で整理するということになりまして、所要の事業費及び財源を確保いたしました。その中で、復旧・復興事業の地方負担分、それから、地方税の減収分等を全額措置するという震災復興特別交付税については、0.7兆円を確保いたしました。あわせて、東日本大震災の教訓を踏まえて、全国的に緊急に実施する防災・減災事業について0.6兆円を計上いたしました。なお、現段階において、予算の編成作業にあわせて計数整理中でありますので、詳細については、24日に予定されている政府予算案の閣議決定後に、事務方から説明させたいと思っております。
 2点目は、本日の閣議において、国家公務員の再就職状況について、国家公務員法第106条の25第1項等の規定に基づいて、平成23年7月から9月までの間に、各府省等の元管理職職員から再就職の届出があった378件について、報告をしました。また、閣議案件ではありませんが、独立行政法人等の役員に就いている退職公務員等の状況について、本年10月1日時点での状況を取りまとめましたので、これについても、本日、公表いたします。詳細につきましては、本日、配布させていただいておりますので、それぞれの資料を御覧いただきたいと思います。
 もう1点は、地域活性化担当大臣として、発表をさせていただきます。総合特区の指定及び環境未来都市の選定についてでございます。新成長戦略に基づいて、先駆的取組を行う実現可能性の高い区域に、国と地域の政策資源を集中する総合特区制度について、本日、「国際戦略総合特区」が7区域、「地域活性化総合特区」が26区域、全国33区域が指定されましたので、御報告させていただきます。これらの特区における取組が実現した場合に、申請者による試算値では、5年後の経済効果は約9兆円、雇用効果は約37万人が見込まれているところでございます。国際戦略総合特区について、新成長戦略に掲げられた7つの分野と、今回の指定区域との関係を示したものであります。横断的にまたがる「雇用・人材戦略」は別として、各分野の実現に係る区域がバランスよく指定されているところでございます。これらの「総合特区」においては、今後、「国と地方の協議会」において、国と地方が対等な立場で、特例措置や支援措置について前向きな議論を行うこととしております。また、同じく、「新成長戦略」に基づくプロジェクトである「環境未来都市」について、本日、被災地6都市を含む、11都市が選定されました。「環境未来都市」は、環境、超高齢化対応等に向けた、人間中心の新たな価値を創造する都市を目指すものです。今後、各都市が提案した内容の更なる具体化を進めることとしております。なお、詳細については、後ほど事務方から資料を配布させていただきます。
 私の方からは、以上でございます。

2.質疑応答

(問)幹事社、共同通信の鳥成です。1問、お伺いをいたします。今、御紹介のあった来年度の地方財政の関係ですけれども、フレームが決まって、地方交付税の増額ということになりましたが、地方自治体に対して、今、期待すること等々あれば、お聞かせください。
(答)大変厳しい、先ほども言いましたが、環境でありましたけれども、何とか前年を上回る額を確保できたということでありまして、あわせて、東日本大震災の復旧・復興に向けて、あるいは、全国の防災・減災についても、別枠で確保できました。それぞれの地域においてですね、震災地は当然でありますけれども、住民に安心を届ける社会保障の提供、それから、歴史的な円高での地方経済のダメージということで、それぞれの地域で様々な課題を抱えております。今回確保した財源を本当に生きた形として活用していただいて、創意工夫を凝らして、地域の特性に合って、今、言ったような課題も含めて、全力で努力して取り組んでいただけるというふうに期待をしているところでございます。
(問)共同通信の今井ですけれども、関連で、地財の関係で、今回、出口をプラス確保するに当たって、正に機構の準備金というのは非常に大きかったと思うのですけれども、今、正に増税の議論がされている中でですね、余り、国民に、こう、なじみのない団体から、ぽんと4,000億円近いお金が出てくると、やはり国民からすると、まだまだ国にいろいろな埋蔵金があるのではないかというような見方をする人も大勢いるかと思うのですけれども、増税をお願いする立場としてですね、言っておくことがあったらお願いしたいのですけれども。
(答)それぞれには、その機構なりの制度と背景の中で、そのお金を持っているわけでありますけれども、やはり、こういう大変厳しい状況であるからということで、中期財政フレーム、26年までの分は一定額、この分で拠出いただこうと。これは期間限定でないとですね、機構自体がやはり存立にかかわる問題でもありますから、そういう意味では、緊急避難的な措置でも一方あるというふうに思っておりますので、何とか、その部分での御理解を、何か不要不急で余っていて、それを見つけ出して使っているというわけではありませんので、そこら辺は、きちっと説明をしていきたいと思っています。
(問)やはり、地財について、時事通信の丸山ですが、先ほど、冒頭おっしゃったように、大臣は就任以来、出口で交付税の増額を目指していらっしゃるというお話ですが、この間、いろいろ歳出カットの圧力が高かったと思うのですが、大臣として、何か動かれたことがあれば、あと、率直に、増額達成で御感想をお願いします。
(答)と言いますか、去年と言うか、今年の分は、1兆円の特別なお金があったということで、何とか、何とか予算がとれたということで、今年は、それは見込めないということで、先ほど申し上げたように、5,000億円が足りないという状況でありました。先ほどの話の、機構のお金の話もそうですけれども、やはり、いろいろな現場での知恵も出し寄っていただいて、極端に言えば、1円でも上回るようにという分は、初めから、就任以来、ずっと、関係の役所の皆さんにも、でありますが、周辺の関係する他府省においても、大臣においても、一生懸命、説得して、御協力を頂いたので、周りからもいろいろな御協力を頂いて、こういう形になったことは、よかったなというふうに思っています。
(問)大臣、関連で、やはり、非常に厳しい一番の理由というのは、何か、交付税を、その71兆円の歳出の枠の中に入れたというところに要因があるかと思うのですけれども、実際、今回、やるに当たられて、そのことの功罪と言いますか、やむを得ないと思うのか、それとも、ちょっと、こう、改善すべき点があるのか、その辺、お考えがあったらお聞かせください。
(答)これは、例えば、複数回にわたる仕分けでもですね、地方財政の、こういう交付税に頼らないで、ということをしっかり検討しなさいというテーマは、ずっとつきまとってくるテーマでもありますが、一方で、なかなか、こういう経済状況の中で、地方単独での税の確保というのが、そう容易ではない。そして、いつも議論になる、地域の偏在性とか、年度の変動とかいう分が、安定的な財源ということで、課題はやはり多いですが、基本は、やはり、安定的にこの国の経済の成長に伴っての税収増がないとですね、なかなか難しいなということと、やはりバランスのいい地方の安定財源の確保をどうしていくかという、社会保障は、もう、どんどん、地方においても増えていくわけですから、今、そういう意味で、税と社会保障の中で、いろいろな議論がされているのは、一つ大きな転換の切り口であることは間違いないと思っています。
(問)琉球新報の仲井間です。すみません、ちょっと地財に若干関係するのかなと思うのですけれども、沖縄の一括交付金に関連して、ちょっと、県の方は、裏負担分を特別交付税で措置してくれというふうな要望を出していたと思うのですけれども、それについては、どういうふうになっているのでしょうか。
(答)と言いますか、今、まだ沖縄の、税は、先ほどの政府税調で大枠認めて、決定をさせていただきましたけれども、それとパッケージになる予算に関しては、総額を含めて最終段階に入っているというふうに思っていますので、その中で、県からは10分の9、あるいは地方財政措置をしてほしいという要望はありますけれども、最終段階に入っていますので、まだ、今のところ、もうちょっとお待ちをいただきたいと思います。
(問)すみません、関連して、税制について、先ほど税調で決まった、なかなか難しいとされていた、先行取得の5,000万円控除が決まったりとか、結構、県の要望に配慮をしたところもあるのかなと思ったのですけれども、大臣としての評価と、具体的にここ10年の沖縄の振興を図っていく初年度に当たるわけですけれども、メリハリと言うか、この辺を戦略的に伸ばしていきたいとか、どういった意向で、こういうふうな、今回、税制を決めたのかという、ねらいをお聞かせください。
(答)復帰後40年の節目を迎え、そして、10年の振興策の新たな再スタートのスタートでもあるということでですね、いろいろな沖縄における特別な事情、背景はある中を、そのように頑張ってきていただいたわけですけれども、逆に、いろいろな状況の変化の中で、地理的な、本土との距離が、逆に、アジアとの距離で言えばメリットになるとかいう物流の観点や、観光や、あるいは場所を問わないという意味での情報通信産業とか、特性を生かした部分ではいろいろ頑張ってきていただいているし、その部分に国としても応援をしてきました。だから、税制も含めてですね、やはり、税をやったら何かうまくいくという話ではなくて、税は応援する道具ですから。例えば、その分でいくと、特区の税制とかを前もやってきたけれども、実は余り使われてなかったのは、やはり使い勝手が悪かったということで、いろいろ、その部分では、相当、当局、財政当局にも御理解を頂いて、使いやすく、そして、それをうまく活用できたら非常に特長を生かして活力が出るという、環境を整えさせていただいたということですから、そして、一方では、当然ながらモラルハザードを起こしてはいけないという、当然縛りはありますが、やはり使い勝手がよくということで、環境を整えた中で、これを最大活用してですね、沖縄の持つ有利なこの特長を、やはり、自然に恵まれているとか、アジアの中で距離が近いとか、あるいは年齢が若いとかいうことを生かして、これを最大活用して元気を出してほしいというふうに思っています。
(問)テレビ朝日の小野です。東北3県ですね、今日でちょうど、地デジ化が今日で100日前なのですけれども、改めてお考えを。
(答)東北の100日前という意味ですね。本当に被災地の皆さんは、地デジ化どころでないという、生活の基盤がなくなるという状況から始まりましたが、関係者の皆さん、本当に努力していただいてですね、実務的には3月31日で完全移行できるように、着実にその用意は整ってきているというふうに思います。なお、やはり生活基盤が失われ、いろいろな部分では、全国的に7月にやったのとは違う特別な事情は、経済的にも特にあるわけですから、そういう部分でのきめ細かい対応を遺漏なきようにということを含めて指示をしておりますので、しっかりやっていただけると思っております。
(問)1点だけ、総合特区でですね、今、また見直しというかですね、取り消すという可能性もあるというようなお話がちょっと出ていると思うのですけれども、それに向けて、いつぐらいをめどに、どれぐらいの期間で点検して、というところが、もし、今、分かれば教えていただけますか。
(答)これには一定の予算も付けて、選択と集中でやるわけですから、結構厳しい審査、評価をしました。そういう中で、やはり、やるに際してこういうこともしっかり組み込んで、あるいは配慮して、あるいは検討してやるようにという、ある種の要請も付けさせていただくことになっておりますから、それを踏まえてしっかりやっていただきたいというふうに思っていますと同時に、党からはですね、そういうふうにしっかりフォローをしなさいという御意見もいただきました。しっかりいろいろ、ある意味で言えば、党からは、ある種のチェックと言うのですか、しっかりと条件を付けて、やる前にしっかり条件を付け、ちゃんとやるようにという意見は尊重するようにと。例えば、個々の事業はよく分かるけれども、どういうふうに連携するのかがもう少し不明確だから、はっきりさせるようにとかいうふうな意見を頂きました。それらを踏まえてやってくださいということですが、実際やったときに、党からは、やっていく中で、やはりきちっとやっているというフォローは、しっかりやってくださいと。スタートして、こういう先ほど申し上げたような経済効果や雇用効果ということに、やっていったら全然話が違うというのは、あってはいけないことですから、そういうフォローはしっかりしてくださいという注文もいただいておりますので、それもしっかり踏まえながら、我々としては取り組んでいきたいと思っています。要するに、いきなり、あまり短い期間でフォローというのはできないかもしれませんが、そういう御意見を伺いましたので、実際に指定したらですね、それから進み具合を含めては、正に不断に連携を取りながら状況を見ていきたいというふうに思いますし、場合によっては、いろいろアドバイスもしていきたいと思っています。
(問)すみません、朝日新聞の若松と申します。情報通信関連なのですけれども、NTTドコモのspモードがですね、10万件ほどの不具合があったということなのですが、所管する大臣としての受け止めとですね、今後、指導等のお考えがお有りかどうかについて、お聞かせください。
(答)発生の経過等については、報告は受けております。なお、詳細な被害状況の確認、あるいは設備の点検、事故原因の調査・分析をしっかり行うようにということで、と同時に、早急に対策をとるように、二度と起こらないということは指示を既にいたしておりますが、総務省としては、この状況の報告、原因の分析、そして対策ということがきちっと出てきた時点で、再発防止に向けてどうするのかということは対応したいと思っています。今、まずは緊急にすぐ対応すると同時に、事実関係をすべて報告するようにと言ってあります。
(問)よろしいですか。
(答)はい。では、ありがとうございました。

(以上)