古川内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成24年9月14日

(平成24年9月14日(金) 10:07~10:16  於:内閣府本府5階522会見室)

1.発言要旨

おはようございます。まず私から、冒頭に3点申し上げます。
1点目は、月例経済報告等に関する関係閣僚会議の概要について御報告をいたします。
景気の基調判断は、「景気は、世界景気の減速等を背景として、回復の動きに足踏みがみられる」として下方に変更いたしております。これは、世界景気の減速を受けて輸出、さらには生産が弱含んでいること、消費についても政策効果の一巡により自動車販売が落ち込むなど足下で弱い動きが見られることなどを踏まえたものであります。
先行きにつきましては、当面は弱めの動きも見込まれます。ただし、その後は復興需要が引き続き発現する一方、海外においても各種政策効果が次第に発現して状況が改善するにつれ、我が国の景気は再び回復へ向かうことが期待をされます。
現状では、欧州政府債務危機をめぐる不確実性が依然として高い中で、世界景気のさらなる下振れや金融資本市場の変動が我が国の景気を下押しするリスクがあり、警戒感を持って見ていくことが必要であると考えております。政府といたしましては、我が国経済の当面の最大の課題でありますデフレ脱却に向け、日本銀行と一体となって断固として取り組んでまいります。
月例経済報告に関連しまして、毎月発表させていただいておりますマンスリートピックスでありますが、今月は「日本企業の海外生産シフトの雇用等への影響について」というテーマです。分析では、最近、「産業空洞化」への懸念が高まっておりますが、前回「空洞化」懸念が高かった2000年代初めと比べて、今回どのような特徴があるかに焦点を当てております。
内容の一部を御紹介いたしますと、今回はメディアでの懸念記事が多いが、現場の声を景気ウォッチャーのコメント数で確認すると、実際に「空洞化」懸念が高くなっている。また、雇用データを見ると、製造業の海外現地法人の従業員数は今回のほうが急テンポで伸びているが、これまでのところ国内雇用の減少は幾分緩やかである。また、海外での設備投資率が急上昇している。マクロで見ますと、今回は非製造業が雇用を下支えしている。急激な「空洞化」を防ぐ一方で、製造業の弱さを非製造業でどのように補うかが課題である。こうした内容を含めた分析を行っておりますので、是非皆さんにも御覧をいただければと思っております。
2点目といたしまして、平成25年度の科学技術重要施策アクションプランについて申し上げます。
昨日、総合科学技術会議有識者議員と科学技術政策担当大臣等政務三役の会合におきまして、平成25年度科学技術重要施策アクションプランの対象施策を特定いたしました。今年度のアクションプランは、産業界を初め若手研究者も含む多様で幅広い関係者を集めた科学技術イノベーション戦略協議会でつくり上げたものでありますが、このアクションプランをもとに概算要求提出までに府省間の連携や実行計画の精査を行い、総合科学技術会議の司令塔機能を発揮して、各省施策を政策誘導して練り上げたものであります。今後は、イノベーション達成に向けて関連するシステム改革なども併せて推進しながら、これらの施策をさらに実効あるものとしてまいりたいと考えております。
3点目でございます。日本再生戦略の実行の推進についてでありますが、本日、石田副大臣を座長とし、関係府省庁の政務官からなる日本再生戦略実行推進チームを立ち上げることとしております。このチームは、先般の国家戦略会議における総理からの御指示を踏まえ、日本再生戦略の着実な実行を確保するため、フォローアップを含め政府全体の取組を推進することであります。戦略実行上必要な場合には、特定課題のワーキンググループの設置など機動的な対応を進めていきたいと考えております。
私からは以上であります。

2.質疑応答

(問)エネルギー・環境会議を本日中に開催するおつもりはありますか。
(答)今日皆様方からエネルギー関連のご質問がいろいろあるかもしれませんが、今まさに最終調整中でございますので、そういったものを含めて現時点でコメントは差し控えさせていただきたいと思います。
(問)開催するかしないかをこれから決定するということですか。
(答)そういうことも含めて最終調整のところでございます。
(問)昨日も総理が大阪で原発ゼロへの強い決意をお示しになられたようですが、一方で、アメリカ・イギリス・フランスなど、原子力で関係のある諸外国から懸念や官房長官への申し入れなどが相次いでおりますが、こうした状況が政府の今まとめようとしている案について影響を及ぼすことはあるのでしょうか。
(答)申し訳ございませんけれども、今まさに最終調整中でございますので、現時点でコメントは差し控えさせていただきます。
(問)今日、米FOMCでQE3が決まりました。政策金利も14年から15年半ばまで延ばすということですが、率直な御評価をお聞かせください。
(答)アメリカの金融政策は、アメリカ経済のみならず我が国を含めて世界経済にも影響を与えるものでありますので、引き続きしっかり注視をしてまいりたいと考えております。
(問)QE3についてもう一点お伺いしたいのですが、今、足下の為替はあまり反応していないようなのですけれども、日銀の金融政策決定会合が近くあり、日銀に対してどのような政策を期待されるのか改めてお伺いいたします。
(答)金融政策も含め、マクロ経済政策運営におきましては、海外からの影響も十分に念頭に置いて対応していくことが必要であると考えております。
(問)エネルギー・環境戦略の話ですが、先般、大臣、少なくとも閣議決定はするというお話でしたが、このお気持ちは今もそのとおりでしょうか。
(答)繰り返しになりまして、大変申し訳ありません。今日この時点で、この件に関してコメントすることは差し控えさせていただきたいと思っております。
(問)エネルギー・環境戦略のお話なのですけれども、渡米されている大串政務官から何か報告というのはあったのでしょうか。
(答)報告等は聞いております。
(問)それは、今日の朝の時点でということでしょうか。
(答)随時報告を伺っているということであります。
(問)月例経済報告で2カ月連続、判断を引き下げられましたけれども、今後の日本経済のリスクについてもう少し詳しく教えていただけますでしょうか。
(答)世界経済の減速が、我が国の輸出にも影響を及ぼしているというところがあります。また、自動車販売の動向、こういうものも少し落ちてきておりますので、留意していかなければいけないと思っております。先行きについても、当面は弱めの動きが見込まれるのではないかと考えておりますので、今まで以上に警戒レベルを上げてしっかり注視していきたいと考えております。

(以上)