古川内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成24年8月10日

(平成24年8月10日(金) 9:17~9:34  於:内閣府本府5階522会見室)

1.発言要旨

おはようございます。
まず最初に、政府CIOについて御報告を申し上げます。
本日、電子行政推進の司令塔となる政府CIO、正式名称は政府情報化統括責任者でございますけれども、このCIOにリコージャパン株式会社顧問の遠藤紘一さんを任命いたしますので、御報告をいたします。
この政府CIOは、昨年8月にIT戦略本部が決定した電子行政推進に関する基本方針におきまして、電子行政戦略の企画・立案・推進、政府全体のIT投資の管理、政府の業務改革推進を担うものとして設置が決められたものであります。
電子行政の推進は、国民の利便性向上や行政のトータルコスト削減、よく機能する政府の実現に資するものであります。
遠藤さんは、リコーのCIOといたしまして、長年、同社の情報システム改革に携わり実績を上げられ、民間CIOのリーダーとして経済界をリードされてまいりました。また、政府情報システム刷新有識者会議の構成員としても御尽力をいただいております。遠藤さんには、政府CIOとしてこれまでの御経験と高い知見を生かし、IT活用による行政の縦割り構造の打破を強力に推進していただきたいと考えております。
本日、政府CIOの辞令交付を大臣室にて行います。また、政府CIO室の看板がけも本日中に行わせていただく予定であります。さらに、遠藤CIOによります就任記者会見も予定しております。詳細は事務方に御確認をください。
なお、政府CIOの推進体制の強化につきましては、IT戦略本部並びに行政改革実行本部決定を来週行うことを予定いたしております。
私からは以上です。

2.質疑応答

(問)政府CIOのことですが、これはいわゆる官房長級など、昨日、どのくらいのレベルにするかという議論もあったと思うのですけど、どのくらいのレベルと考えたらよろしいのでしょうか。
(答)今まだ法律が出てきておりません。したがいまして、最終的な政府CIOの位置づけや権限については、法制化をすることを考えておりますけれども、当面は内閣官房に非常勤という形で設置をさせていただきたいと思っております。そして、この内閣官房の持っております総合調整機能に基づいて、職務を遂行していただくこととなります。この政府CIOにつきましては、行政改革を担当する岡田副総理とIT政策を担当する私、2人がしっかりサポートしてまいりたいと考えております。
(問)エネルギーのことを1点お聞きします。昨日、枝野大臣が2030年の原発シナリオの2030年にこだわらないとのご発言をされました。報道では2050年のゼロ%、あるいは2040年のゼロ%などいろいろなものが飛び交っているのですが、エネルギー・環境会議で延々と2030年のことについて議論してきたのに、ここにきてそういうような意見が閣内から出ることについての古川大臣の考え方を教えてください。
(答)枝野大臣がおっしゃっているのは、この2030年という時期の問題も含めて、国民的な議論で皆様にも意見を聞いているわけであります。もともと意見聴取会などでも、なぜ2030年なのかという御意見もかなりいただいております。今見直しを進めているエネルギー基本計画が2030年ということでございましたので、それを見直すということで2030年ということで選択肢を示させていただいたわけでありますけれども、そこの部分も含めて、皆様から様々な御意見をいただいているわけであります。どうしても2030年でなければいけないということで決めているというよりも、今見直しをしている基本計画が2030年であったので、平仄を合わせる形で2030年のシナリオを示させていただいたわけなのですが、そこについても様々な御意見がある。そうしたこともこの選択肢に対する意見の一つとして私どもは踏まえて、総合的に考えていきたいという趣旨です。別に枝野大臣が新しいことを言われたということではない、この時間軸についても皆様方にも御意見を伺っていると考えております。
(問)8月末をめどに取りまとめるとされる政府の三つのシナリオの姿勢、2030年ということを軸に考えていくということは今後も変わらないと思っていいのでしょうか。
(答)今お示しをさせていただいているものを軸といいますか、そこをベースにして皆様に御議論いただいたわけであります。しかし、最初から申し上げているように、この三つの中から一つを選ぶということを決めているわけでもなくて、ここをベースにして御議論をいただいて、いろいろな御意見をいただきたいということで伺っているわけであります。そうした様々な御意見を踏まえて、最終的にどういう形にするかということは考えていきたいと思っております。
(問)社会保障と税の一体改革について、ここ数日かなり国会で新しい展開がありましたけれども、結果として今日の参院本会議で、3党で合意成立という見通しになっております。こうした合意が最終的にまとまったことに対する受け止めと、またその決着の仕方として、法案成立後に近いうちに国民に信を問うということを口頭間で約束したとされていることについて、この2点について受け止めをお願いします。
(答)まず、社会保障と税の一体改革は今、日本社会が直面している超高齢社会、そして昨年、過去最高の減り方をしているような、人口減少が本格的に始まっているという中で、どう持続可能な社会保障制度をつくっていくのか、またそれを支える財源をどうするのかということは、どの党が政権にあろうと避けては通れない喫緊の課題ということで取り組んでいるわけであります。今日法案が成立すれば、その社会保障と税の一体改革に向けての大きな一歩が踏み出せることになると思いますので、その意義というのは大きいと思います。しかし、これで終わりではなくて、正にこれから設定をされる国民会議の中で持続可能な社会保障制度の姿はどうなのか、社会保障というのは政権がかわっても、ころころ変わるというのは、国民の皆様方が不安に思われるわけでありますから、社会保障制度改革を政局の政争の具にしないでしっかり国民の皆さんが安心できる制度をつくっていく。そのための党派を超えた国民的な協議をしようということが決まったわけでありますから、そこでしっかりその内容について協議をして決めていくことが大事なことになってくると思います。
また同時に、今の消費税引き上げをお願いするにあたっては、経済状況をしっかりよくしていく、成長戦略を初め、また足元のところでいけば一日も早いデフレ脱却を実現していかなければいけません。そうした取組をしっかりやっていかなければいけない。したがって、今日、成立をするということは大きな一歩でありますが、これは終わりではなくて、むしろ始まりである。この後に続くこと、社会保障制度改革、そして経済の再生、さらには、当然私どもの議員定数の削減や、公務員制度改革であるなど、そういう行政や政治の改革をきちんとやっていくことが大事なことになってくると思っています。
2点目のお話につきましては、いずれにせよ任期もあと1年というところになっているわけでありますから、どこかで国民の皆様方に信を問わなければいけない状況になっているのだと思います。この点については、解散権は総理の専権事項でありますから、総理が判断をされるものだと思っております。
(問)会期末も迫っているわけですけれども、特例公債や、先程おっしゃった選挙制度の話やマイナンバーなど、改革の関連法が残っています。政権として、今回会期末までにどういったことにさらに力を入れていきたいかということをまずお聞きしたいのと、来年度予算の概算要求について、今、党との間で新しいやり方をつくろうということで話し合いが始まっていると思います。来年度の予算編成に向けても、この3党の枠組みというのは維持して、協力関係を維持しながらやっていきたいとお考えになっているのかどうか、この点をお願いします。
(答)この国会は終盤でございますけれども、まだ重要法案はたくさん国会にかかっております。私の担当している部分でマイナンバー法案も、かなり与野党の協議、実務者レベルではいろいろお話もしていただいたようでありますから、マイナンバー法案を初め、重要法案を是非一日も早く審議をして成立をしていただきたいという思いがあります。
予算につきましては、予算編成権というのは正に政権与党の責任でありますから、与党の皆さん方と一体となってしっかり進めていくのが基本ではないかと思っております。
(問)来年度予算編成に関して、質問させていただきたいのですが、国家戦略会議で、例えば中期財政フレームや概算要求の話というのはまだ議論されていないと思うのですけれども、今後、国家戦略会議の中で予算の議論をされる御予定というのはないのでしょうか。
(答)いずれやりたいと思っております。
(問)中期財政フレームに関連するのですが、今日、党の予算の実務者協議があるかと思うのですが、それを受けて、いつ策定するなど今後の予定を教えてください。また、一体改革を反映させると去年は注釈が書いてあったと思うのですが、今回、25年度、26年度、27年度の中期財政フレームにはどのように反映させるかということについて、今のところの大臣のお考えをお聞かせください。
(答)今、党で御議論いただいているようでありますので、党からの意見というものを踏まえた上で考えていきたいと思っておりますけれども、財政の健全化への取組というものは、一体改革法案が通ったからといって緩めていいなど、そういうものではございません。しっかり財政健全化へ向けての取組を進めていく。従来から、財政運営戦略に基づいて中期財政フレームを組んでやってきているわけでありますから、これまでの道筋をきちんと踏襲していきたいと思っております。
(問)政府CIOに関してなのですけれども、事務局はどちらに置かれて、その名称などはあるのでしょうか。
(答)内閣官房に設置をして、政府CIO室という形で事務局も設けさせていただきたいと思っています。
(問)最近、鉱工業生産指数や景気動向指数など各種統計で基調判断を下方修正するという動きが続いているのですけれども、最近の景気動向について改めて大臣の御所感をお願いします。
(答)最近、輸出や生産に弱目の数字が続いておりまして、今御指摘あった景気動向指数の低下も、こうした影響を受けたものではないかと考えております。さらには、機械受注や消費者マインド、こうした先行指標もマイナスになっておりますので、日本の景気の現状につきましては、慎重に見極める必要があると考えております。
(問)来週15日、終戦記念日なのですけれども、大臣御自身は15日に靖国神社を参拝するお考えはありますでしょうか。
(答)そういう予定はございません。
(問)中期財政フレームの関係です。今まで歳出大枠71兆円という枠をはめてやってきて、今度の新しく出てくる27年度の分、ここでも歳出の枠71兆円は、社会保障、消費税などの分は別にして、71兆円は維持するということで理解してよろしいのでしょうか。
(答)中期財政フレームは3年にわたってこの大枠を決めるものです。昨年決めた中期財政フレームでも、その枠になっておりますから、その枠はまだ来年、再来年も今のところはあるわけです。ですから、当然議論のスタートとしては、その大枠というのが議論のスタートになると考えております。
(問)つまり去年策定した分については当然来年、再来年も維持するわけですけど、さらに次の1年の分が今回出てくるわけですけど、そこの部分についても71兆円は維持するのでしょうか。
(答)そこをベースにこれから政府・与党一体になって議論するということであります。

(以上)