古川内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成24年7月17日

(平成24年7月17日(火) 10:49~11:01  於:内閣府本府5階522会見室)

1.発言要旨

おはようございます。まず、私から2点申し上げます。
1点目は宇宙政策担当大臣としてでございます。
一昨日、バイコヌール宇宙基地から無事打ち上げられた星出彰彦宇宙飛行士の搭乗したソユーズ宇宙船につきましては、順調に国際宇宙ステーションに向かっていると伺っております。星出さんは、宇宙戦略室発足後、最初に活躍する日本人宇宙飛行士となります。これから4カ月間にわたります宇宙ステーション滞在中の星出宇宙飛行士の活躍が将来を担う子供たちに夢と希望を与えて、我が国の宇宙開発事業に一層の飛躍をもたらすことを期待いたしております。
2点目、この週末3日間、3カ所で行われましたエネルギー・環境の選択肢についての意見聴取会について一言申し上げます。
今回の意見聴取会につきましては、中立、公正を期して運営したところでございます。実際に意見を言われる方も無作為抽出という形で選ばせていただきましたけれども、しかし、結果的にその中に電力会社の社員が入られて、特に仙台では会社の意見を述べるようなことが起きたことは、国民の皆様方から個人の資格でそれぞれのお考えを伺うという今回の意見聴取会の趣旨から大きくそれるものであって、極めて私は遺憾に考えております。
今回、他方で意見聴取会のアンケートを見ますと、異なる立場の意見が様々聞けてよかったとの御意見もいただいております。今回のこの3日間やらせていただきまして、この電力会社の社員の参加の問題をはじめ、様々な御意見をいただきました。会議の運営の方法につきまして、一方ではこの聴取会への期待の大きさだと理解をいたしておりますので、改善すべきところは改善をしていきたいと思っております。
特に先程申し上げましたように、電力会社の方々が組織を代表して意見を述べるようなことは、他の場で団体として意見を申し上げていただければ結構なわけでございまして、わざわざこういう場に来てお話をすることは、全く私どもの考えている趣旨とは反すると思っております。
もちろん電力会社の中の皆様方にも個々人として様々な意見があると思いますし、そうした意見を排除することはまた難しいと思いますけれども、いずれにしても今回問題となりました電力会社の社員の参加問題につきましては、どのように改善するかについて速やかに検討して、今日中には改善策を公表して次に備えたいと思っております。
私からは以上であります。

2.質疑応答

(問)改善策という点では、例えば仙台で開かれた場所で首都圏の人が何人か含まれていたなど、その地域的な問題などもあると思うのですけれども、その辺の改善策についてどういうふうにお考えでしょうか。
(答)完全に無作為抽出という形でやっておるものですから、昨日も名古屋に千葉の方や東京の方などもいらっしゃいました。千葉の方は、広島が実家で帰省をした帰りに名古屋に寄ったというお話もありました。
 ですから、この辺のところを無作為抽出とどう整合性をうまく合わせるのか。やはりこの意見聴取会で最大私たちが担保しなければいけないのは、運営の公正性を担保することであります。
 逆にそれがゆえに、無作為抽出であったものですから、結果的に20から25シナリオで意見を述べたい方は少なくて、その中に電力会社の社員が入っていて、少ない中で選ぶことで、仙台会場とそして名古屋の会場両方で選ばれてしまったこともあるわけなので、無作為に選び、公正性を保つ、意見表明する人を恣意的に選ぶわけではないところと、そこをどう担保していくのかについては早急に検討して、今日中には改善策を公表したいと思っております。
(問)原発の意見聴取会について何点かお尋ねしたいのですが、今日改善策を発表されるということなのですが、その改善策の中に選択肢の問題なのですけれども、今三つの選択肢が挙げられていて、その他の意見も受け付けると以前からおっしゃってはいると思うのですけれども、事実上三つの中から選ばないといけない雰囲気があると思います。そのような部分についても、今後改善策の中で改善されていくのでしょうか。
(答)そうしたことも含めて、検討したいと思っております。
(問)参加者の中で9人しか意見を述べることができなくて、他に傍聴している人は意見が言えないということで、そのことに対しての不満もあるようなのですが、今後その辺りについても改善されますか。
(答)今回は、異なる立場の意見表明者からそれぞれ御意見を伺って、みんなでそうした様々な立場の意見を聞いて、また考えてみようというところが元々の趣旨です。
 ですから、傍聴をされていらっしゃる皆様方については、会場のアンケートやパブリックコメントという形でも御意見は承ってまいります。今回は国民的な議論の一つのモデルとして、同じ立場の方だけでなくて、違う立場の人が一緒に集まって、それぞれの立場で意見を言ってもらう。それを聞くことによって、自分の考え方も深めていただくことが今回の意見聴取会の最大の目的でありますので、やはりその視点は大事にしていきたいと考えております。
(問)そうすれば、確認なのですが、そこのスタイルについては変更はないということでいいのですか。
(答)基本的には、意見表明者の皆さん方から表明をしていただくのを聞いていただく形で考えていきたい。
 ただ、今回大勢の方々のそういうお声もありました。ですから、もう少し意見表明者の数を増やすなど、時間の限られた中で、どれくらいの方々にお話をいただけるかということがあるかと思いますけれども、そこは少し考えたいと思っております。
(問)今回会場を11都市選ばれていますが、全部の都市は無理としても、この11都市がどういうような形で選ばれたのか、改めてお願いします。
(答)全国のそれぞれの地域で交通の比較的至便なところなどを中心に選ばせていただいているということでありまして、特にそのことで何か場所をここにしたことで何らかの意図があるわけでは全くございません。
(問)意見聴取会についてなのですが、先程大臣は20から25シナリオの応募者が少なかったから、電力会社の人が選ばれたとおっしゃいましたが、そもそも三つの選択肢に3人ずつ意見を表明すること自体が結果的に20から25シナリオの人の発言が多くなって、実際的な国民の考えを反映されてないのではないかと思うのですが、その点を変更する考えはありますでしょうか。
(答)先程も申し上げましたけれども、今回の意見聴取会は、様々な皆様方の意見を一堂に聞いていただいて、その上でこのエネルギーの選択肢についての理解といいますか、議論を深めていただきたいというところに趣旨があるわけです。
ある立場の方だけの意見ということであれば、団体等からいろいろ意見を聞いてほしいなどのご要望があれば、今回の選択肢については政府の関係者などを送って、御説明するということは申し上げているわけでございます。
そういう形で特定の意見は承りたいと思っておりますけれども、今回の意見聴取会に関して言えば、異なる立場の皆さんが一堂に会して、それぞれの立場の意見を聞いて、皆さんで考えてもらうところがこの意見聴取会の形であります。そういった意味では、そこにいらっしゃる、そしてそこで意見表明をしたい方の数が20から25のほうが少ないからといって、その人たちはなしにして、意見が言いたいとおっしゃる多い人たちだけから意見表明をいただくことになると、異なる立場の人たちの意見を聞きたい方々もいらっしゃると思いますので、今回の意見聴取会の趣旨と少しずれてくるのではないかと思います。そこは異なる方々の意見を一堂に聞くところは、大事にしていきたいと思っております。
(問)意見聴取会の関係でもう1点お伺いしたいのですが、核燃料サイクルについての意見や議論が非常に少ないように感じるのですけれども、このことについて大臣は問題だと思われにならないでしょうか、あるいは改善することが必要だとお考えではないでしょうか。
(答)この点についても、別に私どもも否定をしているわけではなくて、国民的な議論は是非していただきたいというお願いをさせていただいております。ですから、様々御議論いただくことは、もちろん私どもとして大変歓迎でございます。政府がある方向に誘導していくなど、そういうことはしてはならないと思っていますので、是非様々な視点からの皆様方の御意見や御議論をいただければと思っております。
(問)意見聴取会の件で確認させていただければと思います。
先程電力会社の方がいらっしゃるのは意見聴取会の趣旨とは違うのではないかというご発言を大臣からしていただきました。
今日発表される見直し案では、電力会社の方が意見聴取会には来ないという形になるのか、確認させていただければと思います。また、具体的に来ないような形にするとすれば、どういうような仕組みにするのかという2点について伺いたいと思っております。
(答)先程申し上げましたように、無作為抽出というほか、公正・中立性を維持する中で、会の趣旨に合ったような意見聴取会にするにはどうしたらいいか。そうしたことについては、正にこれから検討して、今日中には発表いたします。24時間かかる話ではありませんので、慌てずにお待ちいただければと思います。

(以上)