古川内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成24年7月13日

(平成24年7月13日(金) 10:21~10:40  於:内閣府本府5階522会見室)

1.発言要旨

おはようございます。
今日はお盆の初日であります。私の地元、名古屋辺りは8月の旧盆でお盆をやりますけれども、東京辺りは今日お盆ではないかと思います。これは、そもそも亡くなられた祖先の霊をお迎えするというところから始まっていることでございますけれども、こうした機会に、それぞれの御家庭で日本人として先人たちがたどってきた道をもう一度振り返る良い機会ではないかなと思っております。
先日発表させていただきました日本再生戦略の中でも、総論のところで記述をさせていただいております。「これから進むべきは他国に先例のない未知の社会であることから、まず我々自身が、日本人の価値観・アイデンティティを含め日本を見つめ直してその強みを再発見し、活用していくことが求められる。時を遡り自身の歴史の中に明日を切り拓くヒントを探る、いわば『温故知新』の姿勢が有用である。」と記述をさせていただいておりますけれども、温故知新、故きをたずね新しきを知るとあります。
今、日本は様々な困難に直面をいたしておりますけれども、過去にも日本社会は様々な困難に直面をしてまいりました。先人たちは、多くの知恵を出して乗り越えてきた。だからこそ今の社会があるのだと思います。お盆を迎えるこの日に祖先の霊をお迎えすると同時に、私たちの先人の苦労、知恵をもう一度振り返って、未来を切り開く知恵を見つけていく、そんな機会、考え方を是非皆様にも持っていただきたいなと思っております。
最初に2点、私から御報告がございます。
まず1点目は、宇宙戦略室の件でございます。
昨日、内閣府に宇宙戦略室が設置をされました。この宇宙戦略室は、我が国宇宙政策の司令塔機能と準天頂衛星システムの開発、整備、運用等の施策実施機能を担当するものであります。これに伴いまして、私は、宇宙政策担当の内閣府特命担当大臣を命ぜられましたことを御報告申し上げます。
今後、宇宙戦略室を中心に研究開発から実用化、産業化、さらには幅広い利用に至るまでの政策を相互にしっかりと連携させて、省庁の壁を超えた国家戦略としての宇宙政策を推進してまいりたいと考えております。
また、昨日、宇宙戦略室の看板がけを行いました。この看板がけには野田総理のほか、自民党の河村議員、公明党の佐藤議員、民主党の藤末議員も参加をされました。このお三方はいずれも4年前の宇宙基本法、今回の宇宙戦略室ができる基となりましたのは、この宇宙基本法、議員立法でございますけれども、議員立法の立案の中心となったメンバーでございます。総理からは、「宇宙基本法が4年前に成立して、やっとここまできたことは感慨深い」、そういうコメントがあったことを御紹介いたしたいと思います。
2点目でございます。エネルギー・環境の選択肢に関する国民的議論の進め方についてでございます。
皆様方にも今お手元に事務局からの紙をお示しさせていただいていると思いますが、総理から、昨日の、国会審議等も踏まえまして、エネルギー・環境の選択肢に関する国民的議論について、しっかり国民の皆様方にお伝えをして議論をしていただけるような環境を整えるようにとの御指示を受けました。
このエネルギー・環境の選択肢は、国民の皆様方が自分一人一人の問題として是非考えていただきたいと思っています。この機会に、今までのように、スイッチをつけば電気がつく、私自身もその電気がどう作られているのかをあまり考えてはこなかったかと思いますが、今これから進めようとしていくエネルギー改革は、むしろ私たち国民一人一人が自分たちでエネルギー、電気を作っていく、需要者でなくて、今度は供給側に立つような家計が主役のエネルギー改革を行っていくことによって、社会も変えていきたいと思っています。今回のエネルギー・環境の選択肢に関する国民的議論は、正にそうした国民の皆様方が主役となってこれからの日本のエネルギーのあり方を考えていただく議論を、この選択肢を議論するにあたって是非していただきたい。そうした機会をお届けするものだと考えております。
そこで、皆様方からも様々な御指摘もいただいておりましたものも踏まえまして、遅れておりましたことについてきちんと整理をして、改めて第2報という形で今日お示しをさせていただいたものでございます。
まず、時間が決まっていないという御指摘をいただいておりました意見聴取会の日時につきましては、すべて時間も確定をして、本日発表いたしました。各地の説明会への御参加をお願いしたいと思っております。
また、国民同士の皆さん方で議論をしていただくために、役立てていただくための情報データベース、「話そう“エネルギーと環境のみらい”」につきましては、随時内容を充実させてまいりましたけれども、本日は、それぞれ皆様方が家庭あるいは地域、学校等で議論をしていただくときに、資料として使っていただけるようなパンフレットも載せたり、またキーワード検索機能も追加をさせていただきます。有識者のコメントなども順次更新をいたしております。引き続き情報データベース、様々な視点から御議論がいただけるような情報を提供していきたいと思っております。
また、本件につきましての新聞広告、7月8日に行いましたけれども、さらにもう一度7月中に実施をしたいと思っております。
そしてパブリックコメントでございますけれども、今回こうした形で情報データベースに提供した情報を使って皆様方に御議論いただく。また意見聴取会は、全体で2時間ですが、政府から説明するものではなくて、むしろ国民の皆様方に議論をしていただく議論の仕方の一つとして、それぞれの立場にある方々が意見を言っていただいて、この意見をきちんと整理をさせていただいた後、もう一度その皆様方でそれぞれの他の人の意見を聞いた上での意見を言っていただく時間も設けることにいたしました。こうした形でやっていただくことは一つの議論の仕方のモデルではないかと思っております。そうした議論を私ども政府もしっかり聞かせていただきたいと思っております。
こうした意見聴取会や、さらには4番目のところにございますけれども、討論型の世論調査も8月4日、5日に行う予定になっています。こうした様々な議論、あるいはデータを踏まえて、皆様方にも、そこに参加できなかった方にも聞いていただいて、そうしたものを踏まえて皆様から御意見をいただく期間を設ける意味で、7月31日になっておりましたパブリックコメントの締め切りを今からちょうど1カ月後の8月12日までに延長いたします。これから是非皆様方に御議論いただいて、あるいは意見聴取会もネットで中継をいたしますので、そうしたものを聞いていただく、また、討論型の世論調査の中身を見ていただく、聞いていただく、そうしたものを踏まえて皆様方の御意見もいただいく時間を取るために、8月12日までという形で延長をさせていただくことといたしました。皆様から積極的な御提案をいただきたいと思っております。私自身も積極的にこうした形で御議論をいただきたいという発信をしていきたいと思っております。
私からは御報告は以上でございます。

2.質疑応答

(問)日本再生戦略についてお伺いしたいのですが、昨日、民主党の成長戦略・経済対策PTから一部要望が出ているかと思いますけれども、資産デフレ対策など、具体的な要望もあるわけですけれども、これについてどういうふうに対応されるのか。今450ある政策メニューにさらに追加が必要なのか、それともメリハリとしてどこら辺を重点的にやるかというような位置づけが必要なのか、そこら辺のお考えをお願いいたします。
(答)昨日から党内での議論が始まったばかりでございます。様々な御意見もこれからいただいてくるのだと思います。そうした御意見をいただいた上で、政府内でも速やかに検討をして調整をしていきたいと考えております。
(問)先程御説明いただいた国民的議論に関してなのですが、枝野大臣がこの選択肢として決定したものは選択肢そのままになるとは限らないという趣旨の発言をされているように、こういう選択肢に対して国民的議論をしても、それ以外のものになってしまったら、国民から見て納得いかないところもあるかと思いますし、そもそも核燃料サイクルについては、国民的議論を受けて政府の責任で決めるとなっています。そこら辺が国民的議論に対する納得いかないところがあるのですが、その点についてどのようにお考えでしょうか。
(答)枝野大臣もおっしゃっていますように、やはり議論をするのに何も軸がなくても議論をしにくいだろうということで3つのシナリオを提案させていただきました。そのシナリオをベースに様々な御意見を出していただくことを私ども何も否定をするものではありません。虚心坦懐にそうした様々な御意見を踏まえて、政府として責任を持って選択肢、エネルギーミックスを決めていきたいと思っております。
 ちなみに核燃料サイクルについても、国民的な議論の対象となっておりますので、是非この点についても皆様方から御意見をお寄せいただければと思っております。
(問)宇宙戦略室のことでお尋ねします。戦略室を発足して、宇宙政策委員会も同時に発足するはずだったのですが、法律上は発足したことになっていますけれども、メンバーの名簿が公表されないなど遅れていますが、これはどういう理由からでしょうか。
(答)遅れているという認識はございません。別に同時に発表するとかそういうことではなかったかと思います。特にそのことが何か法律上求められていることではないかと思っております。
 今、人選を進めているところでございまして、近々にも人選をして、そしてできるだけ早く宇宙政策委員会も立ち上げていきたいと考えております。
(問)近々というのは、いつごろをめどにされていますか。
(答)近々でありますから、そんなに遠くないときには。
(問)今月中ですね。
(答)もちろん。
(問)分かりました。それと、戦略室を発足して最初の仕事が来年度の概算要求になると事務局から説明がありましたけれども、この概算要求ではどこに重点を置こうとお考えなのかが一つと、あと、廃止になりました宇宙開発委員会の委員長が最後の委員会で、積み残している有人宇宙開発について、是非政府で検討してほしいということを言っていますけれども、それについては大臣どのように取り組まれますか。
(答)宇宙政策委員会で議論をしていただくところになろうかと思っておりますので、だからこそ、きちんと概算要求などに間に合うように政策委員会も発足して開催をしていきたいと思っております。
(問)有人宇宙については。
(答)この点については、私も一度、池上委員長から、是非お話をしたいと申し入れを受けておりますので、近々お目にかかりたいと思っております。こうした今まで池上委員長のところで御議論されてきたこともしっかり担当大臣として受け継いで、宇宙政策委員会の皆様方にもお伝えをしていきたいと思っております。
(問)日銀の関連で2点お願いいたします。
 1点目は、札割れ回避策を打ち出した昨日の決定の評価をお伺いしたいのと、もう一点は物価についてなのですけれども、白川総裁は昨日も、2014年度にも1%が展望できると見解を繰り返していらっしゃったようですけれども、大臣、以前から「一日も早いデフレ脱却を」と繰り返しおっしゃられている中で、その14年度にも1%が展望できるという日銀の目標設定についてお考えをお聞かせいただけますか。
(答)1点目のところでございますけれども、昨日、日銀の資産買入れ等の基金についての変更がなされたことについては、資産買入れ等基金の買入れ目標を確実に達成する観点からは妥当なものだと考えております。  デフレ脱却に向けては、従来から申し上げておりますように、基本的には政府と日銀との間で徐々に消費者物価上昇率が高まっていく見方については大きな差異がないと考えております。一日も早いデフレ脱却に向けて、特に日本銀行におかれては、消費者物価上昇率1%をめどとすることをおっしゃっておられるわけでありますから、一日も早くこの1%が達成できるように、金融政策の面からの強力な金融緩和を初めとする政策努力を政府としては期待をしたい。もちろん政府としてやるべきこと、デフレに陥りやすい経済行動を大きく変えていく取組を政府も一体となってやっていきますので、日本銀行に対しても強力な取組を期待したいと考えております。
(問)エネルギーの話に戻るのですが、この国民的議論、昨日の予算委員会などのやりとりだと、相当充実を求める声があって、総理もキックオフのやり方を考えたいという趣旨の発言をされたと思うのですが、項目的には、今御説明いただいたように、パブリックコメントの期間が長くなったりというのがあると思うのです。今日いただいたこの項目で国民的議論を行うことで、それ以外の新たなものは今のところは検討されていないのですか。
(答)昨日の議論でも、総理のキックオフ発言があったあの質疑の中では、もう少し別の視点を入れていいのではないかという話もありました。実は、視点は3つ、どの選択肢を採用するにあたっても取り組まなければいけないエネルギー改革の視点と、そして、選択肢を考えるにあたって考えなければいけない4つの視点という形でお示しをさせていただいています。昨日、御意見があった視点もその中に入っているのですが、少し分かりにくい部分があるかなと思いましたので、できるだけそこの部分は分かりやすくなるように、今後とも努力をしていきたいと思っております。皆さんが議論をしていただくときに、どういう視点で議論したらいいのか、きちんと分かりやすいような形にしていくことが昨日の国会議論などを受けても大事なことではないかと思いますので、そうした面をしっかり取り組ませていただきたいと思っております。

(以上)