古川内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成24年6月22日

(平成24年6月22日(金) 18:36~18:41  於:内閣府本府5階522会見室)

1.発言要旨

月例経済報告等に関する関係閣僚会議の概要を報告いたします。
景気の基調判断は、「依然として厳しい状況にあるものの、復興需要等を背景として、緩やかに回復しつつある。」と、先月と同様の判断としております。これは、個人消費がエコカー補助金等の政策効果もあって緩やかに増加していること、設備投資も企業収益の復調を背景に持ち直し傾向となっていることなど、内需が引き続き上向いていることを踏まえたものであります。
先行きにつきましては、復興需要等を背景に、景気回復の動きが確かなものとなることが期待をされます。ただし、欧州政府債務危機をめぐる問題は、依然予断を許しません。こうしたもとで、金融資本市場の変動や海外景気の下振れ等によりまして、我が国の景気が下押しされるリスクが存在することには注意が必要であります。
政府といたしましては、デフレ脱却に断固として取り組み、日本銀行と一体となって速やかに安定的な物価上昇を実現することを目指してまいります。
また、今月のマンスリー・トピックスについて、申し上げます。
今月は「賃金の動向とその物価への影響」というテーマです。今回のトピックスでは、物価変動の要因を探るに当たって、賃金の動き、特にサービス業の需給と物価の関係に着目しております。
具体的な中身は是非一読をいただきたいと思いますけれども、例えば我が国の平均賃金は、低下傾向にありますが、主な要因としては、まず第1点としてサービス業で働く人が増えたこと、第2点として非正規雇用者が増えたこと、そして3点目として定年後の継続雇用が進んだことがある。ただし、近年その影響は弱まっている。また、サービス物価は卸売業、小売業等の需給に対して変動しやすい。最近こうした産業の時給に上昇が見られることに着目し、サービス関連の物価動向を注視することも重要と、こうした内容も含まれております。是非、皆さんにおかれても御一読をいただければと思います。
私からは以上です。

2.質疑応答

(問)海外経済のところで、今回アメリカ、中国、インドなど下方修正しておりますけれども、米国経済の一部の弱い動きや新興国の低めの成長というのは、具体的にどう日本の経済に影響を与えると思われるか、お願いいたします。
(答)海外の経済につきましては、今御指摘がございましたように弱い回復が続いておりますが、若干弱めの動きというものが、特に最近アメリカとか中国、インドというところで見られていて、全体として減速感が広がっていると認識をいたしております。  現在我が国の輸出は、アメリカ向けを中心に持ち直しの動きが見られているわけでございますけれども、このような形で世界の景気に全体として減速感が広がっていくということは、我が国の輸出の下押し要因となりかねないわけでございます。5月のアジア向けの輸出が減少したこともございますし、今後の輸出の動向には、しっかり注視をしてまいりたいと考えております。
(問)基調判断の先行きのところ、先程、海外経済が今後、輸出の下押しになりかねないという御説明がありましたけれども、先行きの判断を今回変えなかったことについて、御見解を伺いたいと思います。
(答)現状においては、回復の動きが見られるということでございますので、先行きのリスクとしては、欧州政府債務危機を背景とした海外景気のさらなる下振れや円高の進行、また、それに伴う国内空洞化の加速や、電力の供給制約等に十分注意していく必要はあると認識をいたしておりますけれども、現状においては、この6月の時点においては、今日お示ししたような判断をさせていただいたということであります。

(以上)