古川内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成24年5月18日

(平成24年5月18日(金) 11:03~11:35  於:内閣府本府5階522会見室)

1.発言要旨

おはようございます。
最初に、H-ⅡAロケット21号機によります水循環変動観測衛星「しずく」等の打ち上げについて申し上げます。
本日、H-ⅡAロケット21号機による水循環変動観測衛星「しずく」等の打ち上げが成功いたしました。「しずく」は、降水量、水蒸気量、海洋上の風速や水温、陸域の水分量、積雪深度等を観測するものであります。日本の高い技術力を活用し、国際協力を通じて地球規模での気候変動、水循環メカニズムの解明や水資源管理等に貢献することを期待しております。H-ⅡAロケット打ち上げは、これで15回連続の成功となります。打ち上げ成功率は95.2%になりましたので、改めて我が国のロケット技術の信頼性の高さを確認できたものと考えております。また、今回は「しずく」とともに、韓国の衛星の打ち上げも実施いたしました。我が国初の商業打ち上げとして韓国の衛星を打ち上げたことは、大変喜ばしいことだと考えております。引き続き、宇宙開発担当大臣として宇宙開発事業に関する取組を積極的に推進してまいりたいと思っております。
次に、今朝、エネルギー・環境会議及び電力需給に関する検討会合の合同会合が開催され、この夏の電力需給対策について議論を行い、14日に同会合で決定した検討方針を踏まえ、この夏の電力需給対策について決定いたしました。ポイントは、これから申し上げます電力会社管内ごとに一定期間中は数値目標を伴う節電を要請させていただきます。具体的には、関西電力は15%、北海道、四国電力は7%、九州電力は10%、そして中部、北陸、中国各電力は5%以上の節電をお願いさせていただきたいと思っております。
なお、東京電力及び東北電力につきましては、数値目標を伴わない節電をお願いさせていただきたいと思います。また、関西電力管内におきまして使用制限命令は行いません。さらに、計画停電については実施しないことが原則でございますが、万が一に備えて関西電力、九州電力、北海道電力及び四国電力管内におきまして、計画停電の準備を進めておきたいと思っております。このほか、需給検証委員会から提案のありました節電促進に向けた様々な取組等についても盛り込んでおります。詳細については、事務方に聞いていただければと思います。
政府及び電力会社は、需給逼迫によります計画停電等を回避するため、地方公共団体等とも共同して、国民各層に対する節電の普及啓発活動の徹底に努めてまいりたいと考えておりますが、我慢の節電ではなく、この機会に賢く電気を使う、そして効率を高める、さらにグリーン成長につなげていく。例えば照明をLEDに換える形で省エネを進める、太陽光パネルを設置して創エネを行っていく、また蓄電池を設置して蓄エネを行う、こうした様々な省エネ、創エネ、蓄エネの取組を家庭やオフィスなど特に電気使用の効率化の余地がまだ大きいと考えられる主体を中心に、是非行っていただくことをお願い、期待したいと思っております。
次に、月例経済報告について申し上げます。
本日、月例経済報告等関係閣僚会議を開催いたしました。景気の基調判断は、「依然として厳しい状況にあるものの、復興需要等を背景として、緩やかに回復しつつある」と上方に変更いたしております。これは内需の復調傾向がはっきりしてきたことに加え、輸出についても持ち直しの動きが見られること、さらにこうした需要動向を背景として生産の持ち直し基調が続く中で、家計の所得や企業収益など所得面に底堅さが出てきていること等を踏まえたものであります。先行きにつきましては、復興需要等を背景に景気回復の動きが確かなものとなることが期待されます。ただし、欧州政府債務危機をめぐる不確実性が再び高まっておりますので、これらを背景とした金融資本市場の変動や海外景気の下振れ等によって、我が国の景気が下押しされるリスクが存在することに注意が必要であります。政府といたしましては、デフレ脱却に断固として取り組み、日本銀行と一体となって速やかに安定的な物価上昇を実現することを目指してまいります。
また、それと関連いたしまして毎月出させていただいておりますマンスリー・トピックスでありますが、今月は「消費者物価の日米比較~個別品目に着目して~」というテーマで皆様方にお示しをさせていただいております。今回のトピックスの中では、日本と米国の消費者物価指数につきまして、個別品目の動向や指数の作成方法に着目して比較・分析を行い、日本の消費者物価の持続的な下落の背景を考察いたしております。その中で是非注目していただきたいと思う点は、日本では耐久消費財が恒常的に消費者物価指数の押し下げに寄与しているのに対して、アメリカではそのような傾向は見られない。また、耐久消費財について見ますと、日本ではウェイトの大きなテレビの下落の影響が大きく、特に2010年以降、日本のテレビの下落速度はアメリカを上回っていると、そうした興味深い分析もございますので、皆さんにおかれても是非御覧をいただければと思っております。
もう一点、戦略会議の下に置かれましたフロンティア分科会について御報告を申し上げます。
フロンティア分科会におきましては、今年2月に第1回会議を開催して以降、タイトなスケジュールの中で、繁栄、幸福、叡智、平和、この四つの部会をそれぞれ計6回ずつ開催いたしております。あらかじめ課題設定に制限を設けず、広範なテーマについて議論をいただいてきております。これまでの部会の御議論に基づいて、各部会長におきましてそれぞれの部会の中間報告案を御執筆いただき、4月下旬の部会で一度意見交換をいただいたところであります。現在、各部会からの中間報告案を融合する形で分科会としての報告を取りまとめる作業を行っているところでありますが、多くの部会の皆さんから様々多様な御意見をいただいております。こうした多様な意見の調整に一定の時間を要する見込みであります。引き続き、なるべく早期に分科会としての報告を取りまとめる方向で鋭意作業を進めてまいりたいと考えております。
次に、科学技術イノベーション戦略協議会の設置について申し上げます。
科学技術とイノベーションを一体的に推進するため、産学官をはじめ幅広い関係者が連携・共同するプラットホームとして、三つの科学技術イノベーション戦略協議会を設置することといたしました。本日は、グリーンイノベーション戦略協議会と復興・再生戦略協議会の第1回会合を開催いたします。また、25日にはライフイノベーション戦略協議会の第1回会合を開催する予定であります。イノベーションの推進のためには、課題解決を目的として出口指向で進める必要がありまして、戦略協議会には産業界や若手からも幅広く参加をいただいております。各協議会におきましては、科学技術関係予算の重点化を図るためのアクションプランに関する協議にとどまらず、イノベーションを実現するために必要な規制制度改革や導入促進策等のシステム改革についても具体的に提案を行っていただく予定であります。産学官が一体となって科学技術、イノベーションを強力に推進してまいりたいと考えております。
最後に、科学技術及び宇宙開発担当大臣として一言、5月21日にあります金環日食について申し上げたいと思います。
21日、月曜日の朝、日本の広範囲で金環日食を見ることができます。国内での金環日食は1987年の沖縄以来25年ぶり、そして次回の日本における金環日食は北海道で18年後の2030年ということであります。科学技術政策担当大臣として、また宇宙開発担当大臣として、是非数多くの方々に、めったに見られないこの天体ショーを楽しんでいただくことをお奨めしたいと思います。また、こうしたものに接することで宇宙や科学に関心を高めていただければ幸いだと思っております。
ただし、日食の観測には危険を伴います。どんなに太陽が欠けた状態でも、太陽をそのまま直視してはいけませんし、またサングラスやゴーグルを通して見ることも危険であります。日食専用の眼鏡が既に出回っておりますが、是非、日食専用の眼鏡を使っていただくようお願い申し上げたいと思います。報道関係の皆様方も既に報道していただいておりますけれども、是非引き続き周知徹底に御協力をお願いできればと思っております。
冒頭の発言は以上でございます。

2.質疑応答

(問)需給の関係なのですけれども、東日本の電力需給に関して、東京と東北は数値目標を伴わない節電となりました。一方、北海道は数値目標がついています。東京、東北から北海道への北本連系を通じた融通拡大に関してはどのようにお考えになっているのかをお聞かせください。
(答)今回、中・西日本につきましては広域レベルで節電目標を共有して、融通も考えてこうした目標を設定させていただきました。日本全国必要なところに融通していくことは今後考えていかなければいけないことであると、方向性としてはそのように考えております。
(問)大飯原発3、4号機が仮に再稼働した場合は、関西等含めて節電の数値目標は速やかに見直す考えがおありなのか、現時点でのお考えをお聞かせください。
(答)仮定の話にはお答えはいたしません。
(問)万一の場合、計画停電を準備ということでしたが、法的根拠はあるのでしょうか。ないのであれば、何に基づく措置でしょうか。
(答)法的根拠はございませんけれども、大規模なブラックアウトなどが起きることは、国民生活に与える影響が大きいわけでございます。昨年、計画停電が東京電力管内では起きました。そのことによって様々な不便もあったわけであります。今回私どもは計画停電を考えているわけではございません。しかしながら万が一という場合に備えて、想定外ということはあってはならないのが政府の基本的な立場でございますので、そうした場合に備えて、準備だけはやっていこうということであります。
(問)電力会社はどういう措置、どういう規定に基づいて計画停電を実施するのでしょうか。
(答)法的根拠はございませんが、それをお願いさせていただくということであります。
(問)今回、電力不足で節電要請が決まったということですが、電力会社が供給責任を果たせない事態ですが、この責任について電力会社、あるいは政府の責任についてどういうふうに思っていらっしゃるのでしょうか。
(答)供給責任を果たせないということではなく、きちんと供給が果たせるように節電要請のお願いをさせていただくということであります。
(問)いずれにしても、一般利用者にツケが回る格好になるのですが、地域独占に関わらず、供給責任が果たせていない電力会社に対して、ペナルティーなども含めて責任についてはノーと考えていらっしゃるのでしょうか。
(答)ペナルティーとおっしゃいますけれども、私どもとしては、電力をどう安定的に供給していくのかがまず第一のことだと思っています。そのために皆様方にも、先程もお話がありましたけれども、法的根拠があるわけではありませんけれども、お願いをさせていただく。しかも、今回のことが単に我慢の節電になるのではなくて、これが創エネ、蓄エネ、また省エネといった新しい取組に、賢く電気を使っていく、そしてまた新たな成長にもつなげていくきっかけにもしていく形でやっていきたい。そういった形の御協力をお願いさせていただきたいということであります。
(問)電力供給責任を果たしていないことに対して政府や電気事業者からの国民への謝罪などもないのでしょうか。
(答)きちんと供給がされるように、皆様方に節電の要請をさせていただくということであります。
(問)確認なのですが、資料にも電力使用制限令は実施しないと書かれておりますが、もうこの夏は全く実施しないのか、あるいは需給の状況が厳しくなったときに今後も検討は続けていくのかを教えてください。
(答)使用制限令は、今回の決定で行わないということであります。
(問)大飯原発との関係ですが、今回の計画で関西電力における電力制限令を見送ったということは、楽観視はできませんけれども、いろいろやりくりをすれば、この夏は原発が動かなくても何とかできるという判断を政府としてはしたという受け止め方でよろしいのか。
(答)できる、できないではなくて、さきの需給検証委員会では原発稼働ゼロという前提の下で需給の見通しを立てさせていただきました。それを実現していく、そのための手法として、今回関西電力管内におきましては、一昨年実績比で15%と、そうした節電目標達成をお願いさせていただくということを決めたということであります。
(問)ただ、正に電力供給責任は政府にも電力会社もあるわけで、使用制限令を発動してなくても、こういった工夫で何とかやり切れるというある程度の見通しがないと、無責任ということにもなりかねないと思うのですが。
(答)先程から繰り返し申し上げておりますけれども、エネルギー・環境会議におきまして、需給検証委員会で出た数字を達成するための目標としてこの数字を出させていただいたということでございます。これを達成するためには、皆様方の様々な御協力が必要になってまいります。それぞれの地域、特に関西の地域の皆様方には御理解、御協力をいただくということが必要になってまいりますので、私どもも、もちろん全力を挙げてまいりますけれども、是非地域の皆様方にも御協力いただいて、努力をしてまいりたいということであります。万が一の場合に備えて、計画停電の準備もさせていただくことでございますので、そうしたことは考えておりませんけれども、万が一、足らない場合にはそうしたこともやらなければいけない場合があり得る前提で計画停電の準備もさせていただくということにしたということであります。
(問)計画停電ですが、資料には事前に公表するとありましたが、この事前というのはどういうタイミングでしょうか。万が一ということは、例えば明日非常に逼迫度が高いというときに、前日に公表するということなのか、7月2日の節電期間に入る前に、万が一の場合はこういう形でやりますということを公表するという意味なのか、どちらでしょうか。
(答)タイミングなどはこれから決めていくことだと思いますけれども、詳しくは、事務方に聞いていただければと思います。
(問)まず率直に、今回の需給対策によって、もし今度2010年並みの猛暑が来た場合に、電力需給を乗り切る自信はどのぐらいの確度であるのかをお伺いしたいのですけれども。
(答)先程から申し上げておりますように、皆様方の御協力をいただいて、乗り切っていきたいということであります。
(問)今の対策で、これで万全だということではないのですか。
(答)従来から、すべてに万全など言えないということは皆さんも承知だと思います。だからこそ私は想定外という場合がないように、万が一の場合には計画停電ということもお願いをしなければいけないことも踏まえて、準備は行っていきます。もちろんそのことを前提にしているわけではありませんけれども、最大限努力はしていく。しかし、万が一の場合には、計画停電もないわけではないため、備えて準備をしておくことであります。
(問)その万が一に備えるということであれば、節電要請よりも、使用制限令が需要削減効果は大きいわけですから、電力使用制限令というカードを捨て去ってしまう理由というのは特にないように思うのですけれども、なぜ使用制限令をとらなかったということなのか。
(答)その辺は詳しくは経産大臣に聞いていただければと思いますけれども、必ずしも今回の節電目標という形でお願いさせていただいたのは、関西電力管内でも既に一昨年の需要実績比で3%あまりの節電は定着していると見込まれている部分もありますし、また節電目標の設定に当たって、中・西日本全体で必要な予備率3%を確保できるよう節電要請を行うこととしておりますので、日々他社管内からの融通が期待できる可能性もありますし、さらに今回使用制限命令をかけるか、かけないかということについて、地域の皆様方から意見も伺いました。そういう中でこの使用制限は、過剰に産業活動等を制約することが見られるので、節電目標で対応すべきだと、自分たちもやっていくからなどのお声もいただきました。そうしたお声も踏まえて、節電目標という形でお願いさせていただくということにしたわけであります。
(問)東日本で数値目標をつけなかった理由を教えてほしいのですけれども。
(答)一般的な節電の要請はさせていただきますけれども、数値目標をつける状況ではないということであります。
(問)需給の状況に関しては、例えば中部電力などにも東電管内と同じぐらいの予備率は確保できていると思うのですけれども、東電と中部で差をつけた理由は何かありますか。
(答)中電の場合には、関西とヘルツが同じでありますから、融通が利くところはありますが、東京とはヘルツの違いがありまして、今回の融通というのはヘルツの同じ中・西日本の中でお願いをさせていただくことにしたことであります。
(問)ヘルツの違いがあっても、例えば東電から北海道には融通ができるわけですし、周波数の変換という仕組みがあるわけですから、先程の説明だと腑に落ちないところがあるのですが。
(答)もちろん今回は節電要請、数値目標を立ててお願いするような話であります。したがって、先程もお話がありましたけれども、東電などがそう言われれば、北海道でそういう状況があれば、融通を行うことも当然考えていかなければいけない場合があるのだと思いますけれども、それは弾力的に柔軟に考えていくことであって、数値目標を立ててそういうようなことを考え、行うことは考えていないことでありますので、融通をすべて否定しているわけではありません。 また、特に東北電力管内においては、復興がこれから本格化、立ち上がってきている時であります。やはり被災地の復興は大変重要なことであります。そういう復興の足かせにならないようなことを、考えていかなければいけない。そうしたことを全体で考えて、東日本については、一般的な節電の要請はいたしますけれども、数値目標は置かなかったということであります。
(問)先程の質問に関連するのですけれども、東北と東電に数値目標を設置しなかったことは、結局大丈夫だという認識ということでよろしいのですか。
(答)数値目標を挙げてということではありませんが、一般的な節電の要請はさせていただくということであります。先程申し上げましたけれども、我慢の節電ではなくて、是非この機会に電球をLEDにかえていただく、あるいは太陽光パネルを設置する、また蓄電池を設置していただくなど。ちょうど固定価格買取制度も7月からスタートいたします。これから中長期に向けてより賢く電気が使われるような状況に向けて、特に家庭やオフィスなどでは効率化する余地というのはかなりあると私どもも見ておりますので、そうしたところを中心に是非やっていただきたいと思っております。そういった意味での一般的な節電に向けた取組は是非お願いをしたいと考えています。
(問)実際に行って、電力需給が想像以上に逼迫しているというようなことがあれば、東電や東北の管内に関しても数値目標を急遽設定することも検討されることはあるのでしょうか。
(答)需給検証委員会でいろいろな形で検証した結果として、今の時点では必要ないと、そこまで、数値目標を立てることは必要ないということを判断したということであります。
(問)昨夏もそうだったのですけれども、火力発電所が相当フル稼働することになるので、非常に故障リスクが高まると思うのですけれども、この点についてはどのような御認識でしょうか。
(問)そうしたリスクも踏まえて、万が一の場合に備えた計画停電の準備を行うことであります。計画停電の準備をするというのは、そうした急に火力発電所等が落ちた場合に備えてということも、一つの想定の中に入っているということであります。
(問)今回月例の景気判断で上方修正を行うということですけれども、今日も日経平均8,700円を割れていますし、海外のマーケットも総じて株価が落ちている状況の中で、上方修正する際に今回のこの「緩やかな回復」という表現が適切と思われた理由、先程いろいろおっしゃいましたけれども、ほかにも表現があると思うのですが、なぜ「回復」という言葉を使ったのかという点をお願いいたします。
(答)今回、我が国経済の状況を見ますと、復興需要等から内需の復調傾向がはっきりしてきたことに加えて、輸出についてもアメリカ経済の緩やかな回復等を受けて持ち直しの動きが見られて、こうした需要動向を背景にしまして、生産の持ち直し基調が続いております。その中で、このところ家計の所得や企業収益など、所得面に底堅さが出てきておりまして、景気の持続性が展望できる状況に少しずつ向かっていると判断されたことから、「回復しつつある」という表現にしたということであります。
(問)民主党はかねてから政治主導というのをおっしゃってこられましたけれども、こういう景気の判断も政治主導ということで判断されているのでしょうか。
(答)経済の判断に、主観的な判断を持ち込むことは、好ましいとは思いません。
(問)先程日経平均8,700円割れという話もあったのですが、今日マーケットで長期金利、10年ものの国債の利回りが0.8%に割り込んで、8年10カ月ぶりの低い水準になりましたけれども、これについて大臣の受け止めをお願いします。
(答)海外の動向が主に指摘されているのではないかと認識をいたしております。やはりリスクオフの動きが欧州情勢の不確実性が高まっていることから進んでいる。質への逃避ということで、比較的安全だと考えられている米国債や日本国債、またドイツ国債などの金利も下がっています。そういう一連の動きの中で起きているものだと認識いたしております。
(問)月例で「回復」という表現を使いましたけれども、これまで内閣府は「回復」という言葉を使わずに「持ち直し」ということをずっと言ってきて、自律性が重要と判断をずっと言ってきたと思うのですが、その自律性ということで言うと、大臣がおっしゃったものはまだ非常に弱い気がするのですが、まだ回復と言うほど自律性が顕著になってきたとは見れないのですが、如何ですか。
(答)「回復」と言っているわけではないです。「回復しつつある」という表現を使っております。したがって、回復したということではなくて、回復しつつある状況に今入ってきていると認識しているということであります。
(問)「回復しつつある」ということですけれども、大臣がおっしゃった生産や輸出、これは「持ち直し」という言葉を使っているわけです。しかも、所得面についてもおっしゃいましたけれども、それほど大きな、給料が上がったとか、企業収益についても「下げ止まりの兆し」というような表現になっているわけです。そういう中で、「回復しつつある」という言葉を使っていても、基本は「回復」という言葉を使うという判断に至るのは、なかなか難しいのではないかと思いますが、如何ですか。
(答)「回復しつつある」でワンワードと考えてください。
(問)「持ち直し」と「回復しつつある」は、相当違いますよ。明確に答えてください。
(答)「回復しつつある」は「回復」ということだけではなくて、「しつつある」ということで一つの認識を示していると理解をしていただきたいと思っております。

(以上)