古川内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成24年4月13日

(平成24年4月13日(金) 10:03~10:17  於:内閣府本府5階522会見室)

1.発言要旨

おはようございます。
最初に、今朝ほど北朝鮮から飛翔体、ミサイルと思われるものが発射されたという情報がございました。閣僚懇で総理から、関係省庁においては引き続き緊張感を持って情報収集に努めること、国民への情報提供に全力を尽くすこと、関係国との連携強化を図ることと、そうした御指示をいただきました。内閣の一員としてしっかり緊張感を持って対応してまいりたいと思っております。
その上で私から、3点申し上げたいと思います。
去る4月9日の国家戦略会議において野田総理より御指示のありましたデフレ脱却と経済活性化に向けた新たな会議につきましては、お手元に資料がわたっているかと思いますが、デフレ脱却等経済状況検討会議として開催することとなりました。早速、今日の夕方5時より、野田総理並びに岡田副総理御出席のもと第1回会合を開催いたします。今日の会合では、デフレ脱却と経済活性化に向けた今後の検討の方向性を議論したいと考えております。今後この会議での検討を通じて政府としての体系的な経済政策を構築することによりまして、デフレを生みやすい我が国の経済循環の是正にしっかりと取り組んでまいりたいと考えております。
2点目でございますが、先日10日の火曜日に訪日していらっしゃったイギリスのデービット・ウィレッツ国務大臣と会談をいたしました。大臣は、科学や高等教育に加え宇宙についても御担当であります。ウィレッツ大臣とヘイグ外務大臣、そして私と玄葉外務大臣との間で、日英間の宇宙分野の協力に関する覚書に署名をいたしました。
この覚書の目的は、日英間の宇宙空間利用における協力について協議することであります。宇宙開発戦略本部事務局、外務省、イギリスの宇宙庁並びにイギリスの外務省が共同議長となり、関係省庁及び関係機関等にも参加いただく会議において協力を進めていく内容になっております。今後とも宇宙開発事業を効率的に推進していくために、こうした各国との協力を進めていきたいと思っております。
詳細は、宇宙開発戦略本部事務局までお問い合わせをいただきたいと思います。
最後に、来週月曜日でございますが、ツイッターのCEOでありますディック・コストロ氏とお目にかかって、グローバルな視点から震災時のソーシャルメディアの活用方法につき意見交換を行う予定でございます。
東日本大震災におきましては、ツイッターを初めソーシャルメディアは、安否確認や震災関連情報の共有に大変有効でありました。さきの東日本大震災は、実際にソーシャルメディアが災害時に使われた世界初のケースであって、海外からも強い関心を持たれていると聞いております。現在、この震災で得た教訓を生かした世界最先端のIT防災インフラ構築に向け官民一体となった取組を開始しておりますが、今回のCEOとの対談内容も踏まえながら、重要な社会インフラとなりつつありますソーシャルメディアとも連携しながら具体的な取組を早急に行ってまいりたいと考えております。
私からは以上であります。

2.質疑応答

(問)デフレ脱却等経済状況検討会議の件で2点ほどお尋ねしたいのですけれども、よくデフレ脱却を政府の皆さんも一般の方もおっしゃると思いますが、内閣府がおっしゃっているデフレ並びにデフレ脱却と、世の中で言われている色々なデフレの認識というのは一致しているのかという点についてどうお考えでしょうか。
(答)デフレといった場合に皆さんの頭に思い浮かぶのは少し違う部分もあるのではないかと思います。この会議の中でも、政府の考えているデフレについても整理をしてお示ししていきたいと考えております。
(問)少し違うというのは、どういうところが違うと思われていらっしゃいますか。
(答)マクロ的なデフレと、ミクロで個別に値段が下がったのをデフレと感じているような方もいらっしゃり、これはその感じ方が様々であると思います。そういった意味でマクロ的な要因、ミクロ的な要因、今回の会議では世の中のデフレという大きな意味でとった言葉、概念に対して政策的にどういう形での対応ができるのか、していけるのかといったことも少し整理をしながら検討してまいりたいと思っております。
(問)整理とおっしゃっていらっしゃいましたけれども、そのデフレの定義みたいなものを見直すということは現時点でお考えはないのでしょうか。
(答)そのデフレの定義というのは?
(問)内閣府や日銀がデフレの定義というのを今までも出していらっしゃると思いますけれども、それを変えるということは考えていないということでしょうか。
(答)その定義を変えるつもりはありませんが、先程申し上げたように、政府が今まで使っている定義とは違うような形での認識もあるので、そういうものを踏まえてこの閣僚会議では少し幅広に検討してまいりたいということであります。
(問)デフレ脱却等経済状況検討会議について質問させていただきたいのですが、一つは、スケジュール感で、今日午後5時からということですけれども、今後の頻度やいつ頃まで続けられるのかということと、もう一つは、会議の目的ですけれども、デフレの定義やデフレが引き起こそうとしている問題を整理することに主眼があるのか、それとも経済対策として新たなものを打ち出すということに主眼があるのか、お考えをお聞かせいただきたいと思います。
(答)今後のスケジュールについては、今日の会議の中で議論して方向性は決めていきたいと思っております。
 また、この会議の目的は、物価等の経済状況を点検すると同時に、政府としてデフレ脱却と経済活性化に向けて体系的に経済政策を構築していくこと、これを第一義的な課題と考えております。そういう意味で、様々な視点から、先程から申し上げているように、デフレ的な現象をどういうふうに見るかということを踏まえて検討して、それに対してどういう政策的な対応がとり得るのか、そうしたことも検討して、やれることがあれば、それは実行に移していくということになろうかと思います。
 同時に、これまで取り組んでいることも、デフレ脱却に向けてどういう効果を有しているのかも御理解をいただくというのが大事だと思います。例えば、累次にわたります補正予算などは、需給ギャップの解消に役立っているわけでありますから、そういった意味ではこれはデフレ脱却に向けた政策の一つにも位置づけられると思います。
 そういった意味で、これまで取り組んでいる政策がデフレ脱却に向けてどういう効果と役割を果たしているか、これまでのやってきた政策なども少し整理をして、こういう視点でデフレ脱却に効果があるということをお示しをしていくことも考えていきたいと思っております。
(問)デフレ脱却等経済状況検討会議についてなのですけれども、大臣の冒頭の発言で、「デフレを生みやすい我が国の経済循環の是正等も検討したい」とおっしゃっておりますが、これは今のデフレからの脱却ではなくて、今のデフレ脱却して、将来またデフレに陥らないように経済の循環について検討すると、そういった意味でしょうか。
(答)単にこれは目先のことだけではなくて、やはり日本の経済の構造自身を変えていかなきゃいけないと思います。もう20年にわたってこれデフレ的な状況が続いているというわけでございますから、やはりそうした状況をどうやったら変えていけるのかということです。
 従来から私は、「日本経済は低体温、低血圧だ」という言葉を使ったりいたしておりますけれども、やはりそういう日本の状況をどうやって脱していって体温を上げ、また血圧も上げて、きちんと朝早くに起きて、活動的にできる状況にしていけるか、それは経済構造全体を見直していくということ、これは具体的な話で言えば、例えば成長力の強化も当てはまるかと思いますけれども、そうしたことなどを通じてデフレを生みやすい構造自体を見直していく、是正をしていくということをしていかなければいけないと思っていますので、そうした視点から今回の閣僚会議の中では検討してまいりたいと思っております。
(問)もう一点、デフレに関してなのですが、世界経済を見ると、原油高や材料高で、むしろインフレへの圧力を懸念する声というのは広がっているかと思うのですけど、この段階でデフレ脱却を日本政府としてやるということについて、位置づけについて教えていただきたいのですが。
(答)従来から申し上げておりますように、今、日本経済にとっての最優先のマクロの経済政策は、やはりデフレからの一日も早い脱却であるということでありますから、そのことをやっていくということであります。
(問)昨日の日銀のさくらリポートでもそうですし、月例の中で出てきた住宅着工等を見ても、東北の復興需要というものが非常に大きいと思うのですけど、改めて景気に与える影響と、いつごろまで復興需要というのは続くのだろうかというのもあるのですけれども、その辺の見通しについてお願いします。
(答)復興需要の話ですか。
(問)はい。それが景気にも与えている影響と、そういうことは一時的なものではないかなとやはり思うので、それをどういうふうに見ているのかというのをお願いします。
(答)復興需要は今、日本経済の回復の基調を支える大きな要因にはなっていると思っております。したがいまして、復興需要が続いている間に、民需主導の経済成長の路線に乗せていくということが非常に重要なことでありまして、先程からここでも議論になっております今日から始める会議なども、正にそうした復興需要が続いている間に民需主導の軌道に乗せていくということで、そのためにこうした会議での取組も行うわけでありますので、そうした取組をしっかり続けてまいりたいと思っております。
(問)デフレ脱却等経済状況検討会議の関連で1点確認なのですけれども、政府としてのデフレの定義には変更はないというお話なのですが、これは過去にGDPデフレーター、内閣府で試算したコアコアCPIやユニットレーバーコスト、需給ギャップ、四つの指標を総合的に判断してデフレかどうか認定するということを国会でも示されていたと思うのですけれども、この認識は変わらないということでよろしいですね。
(答)はい、そうです。

(以上)