古川内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成24年4月6日

(平成24年4月6日(金) 10:36~10:47  於:内閣府本府5階522会見室)

1.発言要旨

おはようございます。私から最初に一言申し上げたいと思います。
先般、経済演説の中でも申し上げましたけれども、内閣府では、いわゆる官庁エコノミストの人材育成とその活用を進めております。この一環といたしまして、東京大学経済学部において、今年10月からの冬学期に内閣府のエコノミストによる講義を開講することといたしました。内閣府における経済財政分野の専門的知見を提供し、若い世代の育成に貢献できるものと考えております。また、こうした機会を通じ、国の重要政策の企画立案を担う内閣府職員の官庁エコノミストとしての能力の向上を図ってまいりたいと思っております。
講義では、日本のマクロ経済と経済政策について、これまでのパフォーマンスを振り返り、日本型経済システムの機能と限界という観点から分析するとともに、日本経済の現状を踏まえ、今後の経済財政政策の方向性について論じるということといたしております。
今回は東京大学でございますけれども、要請があれば、そのほかの大学などの研究機関でも官庁エコノミストなどの人材育成、活用の一環として、内閣府が持つ経済財政分野における専門的知見を継続して提供する機会を拡大していきたいと思っております。
詳細は事務方のほうにお尋ねいただければと思います。
私からは以上であります。

2.質疑応答

(問)日銀の審議委員のことについてお尋ねしたいと思います。
 昨日お一人の同意人事が参院のほうで否決され、今2人空席となり、来週には政策決定会合もございますが、その金融政策を決める重要なところで2人空席になっている状況になるということについて、どうお考えでしょうか。
(答)それはできるだけ早く決めなければいけないと思っていますし、政府として適切だという考えで国会に提出した人事案が不同意になったということは、極めて残念だと思っております。
(問)お一人は提示されていると思いますけれども、民間企業の枠というか、今までそういうポストであったところの方については、提示もできていないと思うのですけれども、その中で民間の声を聞くという意味で審議委員のポストがあいているというところでは何か支障は生じないのでしょうか。
(答)官邸のほうで人選を行っていただいていると承知いたしております。そういう意味では、できるだけ速やかに提示をする方向で検討していただけるものと承知をいたしております。
(問)TPPについてお尋ねしますが、今、石田副大臣がアメリカに行かれていると思いますけれども、その後、何か御報告は受けていらっしゃいますでしょうか。
(答)まだ戻っていらっしゃっていませんので、どういう方々とお会いしますということは聞いておりますけれども、詳細については戻ってこられてから直接お話を伺いたいと思っております。
(問)USTRが終わられた後に、私どもの取材に対して保険とか自動車の分野でお話ししたのだけれども、アメリカ側の理解されている点に誤解があるのではないかという御発言をされているのですけれども、この点についてはどう解釈されておられますか。
(答)帰ってきてからお伺いしたいと思っています。
(問)今朝、総理と白川総裁が会談されていますけれども、来週の政策決定会合等に向けて、何か政府から要請するなどのお考えはあるのでしょうか。
(答)総理と日銀総裁がお会いするということは、総理が膝詰めで総裁としっかりと連携をとっているということでありますから、その一環だと考えております。
 日銀政策委員会では、政府として当然発言はさせていただきますけれども、ここでコメントすることは差し控えさせていただきたいと思っております。
(問)平成24年度予算が昨日成立いたしましたが、改めて景気等に与える影響等について、大臣からの御所見をお願いいたします。
(答)今回の予算は、正に被災地の復旧・復興、これを本格化させる。そして日本再生重点化枠も設けて、日本再生に向けての第一歩となる予算であり、成立をいたしましたので、1日も早くこの執行に向けてやっていかなければいけないと思っております。
(問)一昨日スペイン国債の入札が不調で欧州危機への不安というのが再び高まっているのですけれども、その点について、大臣の御所見をお願いします。
(答)スペインでは、ラホイ政権のもとで昨年末に決定されました152億ユーロ規模の財政再建策、こうしたものを手がかりにいたしまして、財政再建を迅速かつ強力に推し進めていて、一定の成果を収めつつある一方で、失業率が史上最高となるなど経済の低迷、続いている中で財政再建努力が直ちに目標達成に結びつけられない状況にあるものと考えております。そうしたことが今の少し不安定な状況につながっているのではないかと考えております。ただECBによる大量の流動性供給もあって、欧州の金融市場は総じて落ち着きを取り戻しておりますし、またEFSF、ESMの規模の拡大も合意されるなど、欧州債務危機に対する安全網の整備も進んでいます。スペイン初め、南欧諸国等の財政や経済動向については、これからもしっかり注視をしていきたいと思っております。
(問)今後のエネルギー政策についてお聞きしたいと思います。
政権は脱原発依存、中長期的に最大限原子力を減らしていくという方針を掲げていますけれども、経産省の審議会では2030年時点での原発の割合をゼロ%とするほか、20%、25%、35%と、相当程度原子力に依存するという選択肢をつくっておりますけれども、こうした状況について、エネルギー・環境会議の議長としてどういうふうに見ていらっしゃいますでしょうか。
(答)中長期のエネルギー戦略については、原発への依存度を低減させていくという、その大前提のもとで、エネルギー戦略を策定していくということで考えておりますけれども、まず総合エネ調と関係の審議会が選択肢の原案を策定することとなっており、今お話にあったように、正に今、関係審議会の検討が進んでいるところでございますので、その結果を踏まえて、私どもとしても検討してまいりたいと思っております。
(問)大飯原発3、4号機の再稼働に向けて、総理と3閣僚が安全性の判断基準を設けるなどの協議を進めていると思うのですが、夏の電力需給にも関係するかと思うのですが、こうした政府の動きについて、閣僚の一人としてのお考えをお聞かせください。
(答)原発の再稼働については、4大臣で総合的に判断するとの手続に従って、今、協議が進められているものと承知をいたしております。電力需給については、これは現在作業を進めておりまして、連休前後を目途にして、できる限り早く電力需給の見通しについてレビューを行って取りまとめを行っていきたいと考えております。
(問)日銀の審議委員人事の関連についてです。
現在、専門家の間では昨日の人事案の不同意が象徴するように、政治側から金融緩和に対する期待値が非常に強い中で、審議委員を引き受けたとしても、自由な金融政策の議論が少ししづらいという声も上がっているようなのですけれども、それについてお考えがあればお願いします。
(答)人事についてはコメントいたしません。

(以上)