古川内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成24年3月21日

(平成24年3月21日(水) 8:42~8:53   於:内閣府本府5階522会見室)

1.発言要旨

 私からは特に御報告することはございませんので、皆さんから御質問等あればお受けしたいと思います。

2.質疑応答

(問)TPPに関してです。今週末で一応9カ所のシンポジウムは終わると思うのですけれども、大臣は最初の名古屋と、もう一カ所行かれるかとは思いますが、国民との対話という点で十分かどうか、現時点での御見識をお伺いできればと思います。
(答)たゆまざる情報提供、そして意見交換をしていかなければいけないと思います。  今回は、新聞社主催のシンポジウムに参加をさせていただくというものでございました。今後とも、こうした申し出等があれば積極的に対応できるようにしていきたいと思っております。また、今現在、様々な御意見を持っておられる団体等にも、こちらから伺い、お話を伺っております。今後とも引き続き、できる限りの情報は出していくという基本的な姿勢のもとに情報提供、意見交換を行ってまいりたいと思っております。
(問)震災前にやっていた「開国フォーラム」のような、政府主催で情報発信をするというやり方は、今後検討されるのでしょうか。
(答)政府として、今も入った情報については様々な形で発信をいたしております。  今後、どういう形で情報提供をしていくかについては検討してまいりたいと思っております。箱物でやるというのは、準備に時間がかかるということもございますので、なるだけスピーディーに入ってきた情報を提供していく効果的な方法を考えていきたいと思っておりますし、できるだけ広く、多くの皆さん方に情報が伝わるような方策も考えてまいりたいと思っております。
(問)年明けの経済演説の際に「これからの2年は日本経済の再生に専念する」というお話があったかと思うのですけれども、2年後の日本経済の姿というのを、どのようにしたいと思っていらっしゃるのか、もう少し具体的に教えていただけますでしょうか。
(答)当面は、復興需要が本格化してくる。これが国内の経済には好ましい影響を与えてくると思います。復興需要が継続している間に、民需主導の安定的な経済成長につなげていかなければいけない。2年後には、復興需要が一段落したところで民需主導の経済成長という段階へ進んだ状況を実現していきたいと考えております。
(問)政府見通しだと物価の動向は、一応、消費者物価やGDPデフレーターはプラスに転じているかと思うのですけれども、そういう意味でデフレの脱却についてはどの様にお考えですか。
(答)デフレの脱却については、一日も早くデフレから脱却をして、緩やかなインフレが実現するような状況をつくっていくということが最優先のマクロの経済政策でございますので、一日でも早いデフレ脱却に向けて、引き続き全力を挙げていきたいと思っております。
(問)今の質問にも関連した話なのですが、今、民主党内で一体改革の関連法案の事前審査の関連で、いわゆる経済状況の好転が消費増税の条件の前提だという党内議論が多いのですが、大臣はどういう水準に達した場合に、もしくはどういう状況になった場合、経済状況の好転というのが判断できると考えていらっしゃるでしょうか。
(答)何か特定の指標で、具体的な数値で機械的に判断するものではないと考えております。もちろん指標はありますけれども、指標にあらわれない様々な要素やトレンドを全体的に勘案して、判断していくものだと考えております。
(問)特に、来年度に関しては復興需要が本格化して、再来年度についても、その復興需要が本格化し、プラス基調が続くという政府の見通しですが、いわゆる経済状況は今、好転していると見ていいのでしょうか。現状からここ一、二年の先行きに関してです。
(答)今のトレンドがそのまま続いていくということであれば、私はその様に判断をしていいと思っております。
(問)現在、緩やかなデフレ下にありますが、消費増税にとって、デフレ脱却をしないと消費増税をしてはいけないものなのか、それとも緩やかなデフレ下であれば、消費増税をしても経済に与える影響は最小限にとどまるのか、現時点での大臣の見解を教えてください。
(答)経済状況の好転と経済状況全体を総合判断して、消費税の引上げをするかしないかを最終的に判断すると、今までの素案、大綱の中でも述べてきたわけであります。
 したがいまして、デフレであるかどうか1項目だけを取り上げて判断をするということではない。様々な指標や、あるいは指標にあらわれない他の要素を含めて総合的に判断をするということであると考えております。
(問)足元の動きなのですけれども、昨日、東京市場が休みの間に中国に対する景気減速懸念で、一部、資源国通貨が売られたわけですけれども、中国については物価の安定と成長が両立できるのか、ソフトランディングできるのか、まだ微妙なのですけれども、中国経済に関する減速についてはどう思われますか。
(答)先の全人代での中国政府の見通しなどでも、安定的な経済成長、特にこれまでの投資主導から消費主導の経済成長へと、そういう方向に重点を置いていくという判断が示されたものと承知いたしております。中国政府も今の経済状況を見ながら、それに応じた政策を打っているのではないかと思っております。
 私は中国経済はまだ外需に頼っている部分、特に欧州等の輸出も大きいので、海外の動向に左右される部分もありますから、そういった部分は注視をしていかなければいけないと思っております。大きな流れとして投資中心から消費中心の方向に変わっていこうという動きは、私は適切な方向ではないかと考えております。

(以上)