古川内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成24年2月28日

(平成24年2月28日(火) 9:50~10:00  於:内閣府本府5階522会見室)

1.発言要旨

 おはようございます。遅くなりまして申し訳ございません。
 昨日は、すみません、皆さんには急なご連絡だったので、おいでいただいた方は少なかったのですけれども、宇宙利用のシンポジウムで宇宙開発担当大臣として御挨拶するために秋葉原に行く機会がありましたので、この機会に秋葉原を視察してまいりました。
 この街のプロデュースをされた妹尾先生に御案内をいただいたわけでございますけれども、今は秋葉原というよりもアキバと言ったほうがいいのかもしれません。世界、特にアジアの中ではアキバは大変有名になっている。一つの日本ブランドの象徴といってもいいと思います。
 私が昔から知っていた電気街としての古い秋葉原も残っていると同時に、その後のオタク文化のメッカと言われるような新しいアキバの姿、両方が融合している姿を拝見することができました。
 これが全く別々ではなくて、いわばテクノロジーとアートやコンテンツ、そういったものがつながっている。それが一つのアキバブランドをつくっている。今後、日本ブランドを世界に発信していくという意味では、このアキバモデルというのは、一つのモデルになるのではないかと感じました。
 特に、私が非常に印象的に思いましたのは、オノデンの社長さんのお話を伺ったら、海外から来た人がどこで作られたのかを見るというのです。日本のメーカーの製品でも、メイド・イン・チャイナやメイド・イン・インドネシア等、日本以外のところだとがっかりする。やはりメイド・イン・ジャパンの品物を探している。そういうお話もございました。メイド・イン・ジャパン自体が、世界の中でのブランドになっているのだということを改めて再認識いたしました。
 我が国はものづくりを中心にこれまで歩んできたわけでありますけれども、国内でメイド・イン・ジャパンを守っていくことが世界に今や冠たるブランドとなったメイド・イン・ジャパンを守っていくことにもつながるのではないかと感じた次第でございます。
 あと、もう一点ですが、国家戦略室におきまして、2010年6月に閣議決定した新成長戦略の中で、経済成長を図るために最重要と考えております「21の国家戦略プロジェクト」の現時点での実施状況を取りまとめ、公表をいたしました。
 全体として、概ね工程表どおり具体化が進んでおりまして、着実に歩みは進めていると考えております。特徴は4つあると思います。
 まずは、被災地において再生可能エネルギー導入支援や環境未来都市の指定等、被災地を先駆例とした新たな取組を行っていること。
 二つ目は、総合特区等を活用し、リソースの効率的な配分を行い、戦略的な拠点を構築するという選択と集中を進めていること。
 三つ目は、法人実効税率の引下げ等、成長戦略の実行を確かにする法律、制度等が制定されていること。
 四つ目は、インフラパッケージ輸出等により、経済面での国際連携を強化し、世界の成長力を取り込んでいることでございます。
 とにかく、決めたことを一つ一つ実行していくという段階にあります。今後とも進捗状況を把握し、その状況を適宜皆様方にもお伝えしてまいりたいと思っております。
 資料はホームページにも掲載いたしております。詳細につきましては、国家戦略室にお問い合わせいただきたいと思います。
 私からは以上でございます。

2.質疑応答

(問)ただいまの国家戦略のフォローアップなのですけれども、着実に歩みは進めているというお話でしたが、全体的な御評価として、点数で言うと何点ぐらい現時点でつけられるかということと、概ね進捗しているということですが、その中で若干歩みの遅いものが具体的にあれば教えてください。
(答)これは別に進めば点がもらえるというものではなくて、どういう形で成果が出てくるか、その成果によって御評価をいただくものだと思っています。
 色々な形のものがスタート、あるいは法整備等進んでいるものがあります。これが今後どういう形で成果を出してくるのか、皆さんから最終的な御評価いただくのは、そこのところではないかと思っております。
 具体的に何が遅れているかというお話がありましたが、遅れていてもこれまでの様々な協議の中で、若干形が変わってきたりしているものもあると思いますし、法案は提案しておりますけれども、まだ通っていないというものもあります。法人税の5%引下げは、復興増税の関係で3年間、実質的に実施が先送りされることになってしまいました。そういうものもありますので、そこのところは、今後ともしっかりフォローしていきたいと思っております。
(問)関連ですが、昨日エルピーダメモリが会社更生法の申請をしましたけれども、半導体の国策会社的な位置付けだったと思うのですが、今後成長戦略を策定していく上で、エルピーダメモリの破綻から何か学ぶことはあるのでしょうか。
(答)政府が何か選択してやろうということは、基本的には行っていかない。民間の主導により成長を目指していく。イノベーションも政府が実現できるわけではないのです。イノベーションを実現するのは民間で、政府がやるべきことは、イノベーションが起きやすい環境をつくる政策を打っていくことだと思います。
 したがって、今回のエルピーダの破綻は、大変残念であり、また遺憾でもありますが、我々が学ばなければいけないことは、あくまでも民間主導の成長を目指していくということです。そして民間の中で生産性、生産力を大きく上げるようなイノベーションが起きやすい環境をつくっていくことに政府は全力を挙げていくことが大事だと思っております。
(問)昨日のエルピーダの社長会見の中では、円高など、企業努力だけではどうしようもない点もあるというお話もあったのですけれども、その点はどの様にお考えでしょうか。
(答)企業活動における様々な環境の整備、特にマクロ的な環境については、政府が最大限努力していかなければいけないと思います。
(問)大臣がご担当されている番号制にも関連の深い、歳入庁の関連で伺いたいのですが、国会の質疑に通れば、歳入庁の創設が最低保障年金の創設や給付付き税額控除実施の前提になるのではないかという野党の質問もございます。歳入庁の必要性と、一部に歳入庁をわざわざつくらなくてもいいのではないかという議論も与党内からも上がっていますが、現時点で歳入庁の必要性について大臣の受け止めをお聞かせください。
(答)私は、歳入庁はあったほうがいいと思いますが、それが給付付き税額控除等の導入の前提になるとは思っておりません。マイナンバーが導入されれば、そうした新しい制度の導入は可能だと思っています。

(以上)