古川内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成23年12月20日

(平成23年12月20日(火) 11:03~11:18  於:内閣府本府5階522会見室)

1.発言要旨

 私のもとに設置いたしました科学技術イノベーション政策推進のための有識者研究会におきまして、昨日、報告書が取りまとめられました。この報告書におきましては、科学技術イノベーション政策の司令塔機能の強化として、科学技術イノベーション戦略本部を設置することや、科学技術イノベーション顧問の設置について、御提案をいただいております。
 政権交代以来、重要な課題としてこれまで議論してまいりましたが、具体的な政府としての案がまとまっていなかった科学技術イノベーション政策の推進体制につきまして、政府としての案をまとめるたたき台ができたというふうに考えております。この報告書の提案を踏まえて、今後、法的な検討を行って、必要な法案を次期通常国会に提出する努力をしてまいりたいと考えております。
 私からは以上で終わります。

2.質疑応答

(問)今のイノベーション本部なのですけれども、具体的には、次期通常国会に法律を出されて、いつごろ設置されるのでしょうか。
(答)早ければ平成25年度です。4月からスタートできるようにしていきたいと思っておりますが、とにかくそのためには国会の中で法案を通していかなければいけないわけであります。しかも今、ねじれの状況でありますから、政府として案をまとめれば、野党の皆さんにも御理解をいただける努力をしてまいりたいと思っております。
(問)新しく顧問を設置されると思いますけれども、顧問はどのように選ばれるのでしょうか。あるいは、顧問に求められる人物像といいますか、大臣はどのようにお考えなのか、教えてください。
(答)顧問につきましては、きちんと法律を通らないと、具体的な選定に入れるわけではないという前提でございますけれども、この研究会での議論の中では、この科学技術イノベーション顧問というのは、利害関係にとらわれない中立公正な立場で助言を行い、助言する大臣から信頼されるとともに、学会、産業界を初めとする科学技術イノベーション関係者からも信頼される者であることが必要との御指摘があったと伺っています。そうしたことも踏まえて選定をすることになろうかと思いますが、もう一つ、個人的には、この科学技術イノベーション顧問は、国民の皆さん方に例えばこの前の福島の原発事故のような問題が起きたときに、しっかりそれを専門家の見地から、国民の皆さんとコミュニケーションをとっていくという役割も果たしていただきたいと思っておりますので、国民の皆さんとのコミュニケーションのできるような能力のある方が好ましいと思っております。いずれにしても、これはまず法案が通って、設置することが決まって、その上でさまざまな、先ほど申し上げたような視点をトータルに判断した上で人選をすることになるのではないかと思っております。
(問)今の質問と同じイノベーション戦略本部についてですが、昨日の報告書を拝見しますと、司令塔強化と省庁間の政策を調整するということなのですが、これはもともと、内閣府という役所自体がそういうことをすることを目的として存在していて、科学技術担当大臣という役職もそういうことをするための御担当の役職だと認識しているのですけれども、そうすると、これまでこの10年くらい、そういう調整がうまくいっていなかったと。昨日、そういった反省も踏まえてというような記載もありましたけれども、具体的に、なぜそういう省庁間の政策のダブりとか、科学技術の司令塔機能というのが十分に発揮されてこなかったのかというようなところを、大臣のお考えを聞かせていただきたいのですけれども、これまでどうしてうまくいかなくて、反省することになったのか。
(答)反省という言葉があったことは承知をいたしておりますけれども、これまでもさまざまな形で総合科学技術会議において努力をしてきたのだと思います。総合調整という役割を今までもしてきたわけでありますけれども、各省で企画されてきたものを総合的にここでいわばまとめていくという形でやっていたわけであります。
 しかし、まず、企画の段階とか、そういうところからリードしていくということが大事ではないかなと。これまでで言いますと、例えばこの政権交代後の中でも、科学技術会議において、グリーンイノベーション、ライフイノベーションという大きな方向性を示して、そういう中で各省にも企画立案するようにという指示は出していくのですけれども、しかし、個別の具体的なところになっていくと、その大きな方向性というだけで、その先のところは各省で考えてもらう。そして、考えられたものをまたここで調整するという作業になっていくだけなのですが、ともすると、こちらからの指示と各省から上がってきた具体的なものとの間で、若干の思いの違いも見受けられるのではないかと感じておりまして、多分、科学技術会議の先生方もそう感じておられたのだと思います。
 今回は、今までを否定するわけではなくて、よりもっと司令塔機能を強化していこう、今までの総合調整というのをもっと超えて、企画立案とか、必要な関係府省間の調整とか、そういうところもやっていきましょうという形で、もっと踏み込んでいくということになっています。
 総合調整の機能について、それが本当に実際に最終的な調整として、思いが具体的な政策の形に実現をしていけるように機能を強化していくという形で、今回、取りまとめていただいたと私は理解をいたしております。
(問)一体改革の関連でお伺いしたいのですけれども、来年の通常国会に提出を目指している関連法案というのは、前回の引き上げ時と同じような、消費税法の改正ということで理解してよろしいのでしょうか。というのは、民主党内には、引き上げ時期とか幅を盛り込まない、いわゆる準備法案でよいというような声もあるようなのですが、そのあたりのお考えをお願いします。
(答)法案の形については、まさにこれから最終的に素案がまとまってから決めていくものになっていると思います。したがいまして、素案でまとまった形が法案になるというふうに理解いたしております。
(問)いわゆる準備法案というものですと、附則104条の法制上の措置といっても言えるという認識なのでしょうか。
(答)年内をめどにまとめる予定になっております素案をまとめ、その素案を法案の形にするのが、我々が想定をしている法案であるということであります。
(問)例えば、藤井会長が上半期、下半期というような書き方を想定されて、仮に引上げ時期とか幅が入らなかった場合、引上げ直前にまた消費税法の法改正というのは必要になるということなのでしょうか。
(答)素案がどういうふうにまとまるか、今、議論しているわけです。ですから、素案でまとまったものを、それを法案にするということであります。
(問)今の一体改革の関連なのですが、昨日、藤井党税調会長が、10%にする時期の目安として15年4月というのを改めて明言されたのですけれども、そのことについては政府も同じようなお考えということでよろしいですか。
(答)まさにこれは今から議論していくところでありますから、議論でまとまったところでこれはまとまるということであります。
(問)ただ、6月に前の政権で成案をまとめた際に、6月の成案をつくる際の政府のたたき台というのは、2015年に10%と明記されていたと思うのですけれども、そのこと自体ももう白紙になっていると考えてよろしいのですか。
(答)いいえ、違います。2010年代半ばまでに10%に引き上げることが成案でまとまっているわけであります。その成案をベースにして、それを具体化するというのが今の作業でありますから、その成案の枠の中で最終的な素案を決めていくということになるということであります。
(問)先ほど5大臣会合のときのぶら下がりで、これから国民新党と社会保障の協議をするとおっしゃいましたけれども、この国民新党との協議を政府のほうで責任を持って対応されるのはどなたになるのでしょうか。
(答)最終的には私のところで担当させていただきますが、個別の問題になれば、当然、厚労大臣なども対応していただくことになろうかと思います。
(問)昨日、北朝鮮の金総書記が亡くなられましたけれども、多少、昨日は株価もちょっと動いたりしましたが、今後、日本経済、世界経済も含めて、与える影響についてお願いいたします。
(答)昨日、あの報道を受けまして、一時的に日経平均株価が下げ幅を拡大したり、ドルやユーロに対して円が売られる展開というのはありましたけれども、今のところマーケットへの影響というのは限定的と見ております。また、実体経済の面で見ますと、我が国は北朝鮮との間に目立った交易関係はありません。したがいまして、北朝鮮との直接的な影響は、これは軽微だというふうに考えられますけれども、一方で、今回の事案を発端として、韓国を初め、アジア経済にマイナスの影響が及ぶようなことがもしあれば、これは我が国経済にも間接的に波及する可能性があるので、そういった点には注意はしていかなければいけないと思っています。
 したがいまして、政府としては、国際社会と連携して、北朝鮮情勢の推移を把握するとともに、国際金融資本市場等への影響をしっかりと注視して、不測の事態が生じないよう、日本銀行とも一体となって、国民生活の安定確保に万全を期してまいりたいと考えております。
(問)一体改革で数点伺います。  先ほどのぶら下がりの中で、今回の素案骨子は成案のフレームの中でおさまったというお話をされましたが、それはつまり、機能強化3.8兆円、重点化・効率1.2兆円、差し引き2.7兆円と、ここの部分のフレームは守られているという御認識ということでよろしいのでしょうか。
(答)そうです、はい。
(問)今後、税制の議論が本格化していくことになると思うのですが、政府のほうは政府税調、党のほうは党税調と、細川さんの調査会と合同総会という形で進められていくかと思うのですが、今後、5大臣会合としてはどのような形で決定にかかわっていくのですか。
(答)今、党のほうでも、政府税調のほうでも、議論を進めているわけでございまして、その推移を見ながら、必要に応じて、5大臣会合を開催するということになろうかと思います。
(問)今日の5大臣会合では、総理の指示した年内をめどに、いわゆる素案を取りまとめるというスケジュール感自体は特に変更はないと。
(答)はい、それは、いささかも揺るぎなく、これは年内をめどにまとめるということでやっているということでございます。
(問)朝、橋下大阪市長と会われていたと思うのですが、内容はどういう内容だったのでしょうか。
(答)ご挨拶です。橋下市長は知事のとき、私が向こうにお邪魔した際にも意見交換をさせていただきましたので、新しい立場でいらっしゃったということで、お互い頑張っていきましょうということであります。

(以上)