古川内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成23年12月6日

(平成23年12月6日(火) 9:35~9:45  於:内閣府本府5階522会見室)

1.発言要旨

 今週末に鹿児島県を訪問いたしまして、土曜日は地元の経済団体の皆様方と意見交換会を行います。これは従来から申し上げておりますように、経済政策を考えるに当たっては、グローバルな動きを大きな視点、鳥の目の視点でしっかりと俯瞰すると同時に、それぞれの地域で実際に経済活動をやっていらっしゃる皆様方の声を直接お聞きする、虫の目の視点が大事であるということで、出来る限り機会をつくって全国を訪問させていただいて、意見交換をさせていただいておりますが、その一環として、今回鹿児島を訪問させていただくということであります。
 翌日は番号制度のシンポジウムに参加をする予定でございます。社会保障・税に関わる番号制度につきましては、社会保障制度の負担と給付の公平・公正を担保する、言ってみれば社会保障の抜本改革を行って、例えば給付付き税額控除であるとか、総合合算制度であるとか、新たな社会保障制度の仕組みを導入するためには、必要不可欠な共通のインフラとなるものであります。その御理解をいただくために、今、全国各地でシンポジウムをさせていただいておりますが、今回は日曜日に鹿児島で開催されますので、そこに参加させていただくつもりでございます。
 また、昨日、幸福度に関するアジア太平洋コンファレンスに出席いたしまして、私もスピーチをさせていただきました。また、昨日、いよいよ社会保障改革本部がスタートして、社会保障・税一体改革成案を具体化した素案の年内目途の取りまとめに向けて、本格的な議論がスタートいたしましたが、同時に昨年6月にまとめた新成長戦略を、今回の震災を受けて更に再強化していく日本再生戦略を今議論しているわけでございますけれども、やはり経済成長、そしてデフレからの脱却は、社会保障・税一体改革を進めていくためにも必要不可欠なことであります。
 その中で、一体何を目的に経済成長を目指すのか、経済成長そのものが目的ではなくて、経済成長をすることによって人々が幸せになることが目的でなければならないだろう、これまでのGDP一辺倒であった経済成長のあり方から、新しい成長のあり方を目指していく、そうした考え方から、昨年の新成長戦略で幸福度に関して検討していこうということをまとめて、この1年余りにわたりまして検討してまいりまして、昨日試案を発表させていただいたわけでございます。
 そういった意味では、これから加速度をつけて、そしてまた重点的に被災地などにおいて、新成長戦略の取組を進めてまいりたいと思っておりますけれども、私どもが目指していく新しい成長は、人々の幸福度を高めるものにつながっていかなければいけないという視点をしっかり忘れないようにしなければなりません。昨日試案を発表いたしましたが、この試案に基づいてこれからまずはデータの収集をやって、我が国として指標の確立に努力をしてまいりたいと思っております。
 幸福という言葉を英語で読みますと、happinessにウエートが置かれますが、happinessと同時にwell-being、well-beingというのは、日本語に訳すとこれも同じ幸福となってしまうのですけれども、私はhappinessとは少し意味が違うのではないかなと思います。
 例えて言いますと、心身ともに気持ちのいい状況の中で生活出来る状況がwell-beingが高いという状況であります。
 誤解を恐れずに敢えて申し上げれば、QOL、Quality of Lifeという言葉がありますけれども、QOLが高まっていくような状況がwell-beingが高まっていく、それを日本語で訳せば幸福度が高いと言えるのではないかと思っております。幸福度については、勿論主観的な要素が大きい部分はありますけれども、いわゆるhappy、happinessとはまた少しニュアンスの違う面も含めた、かなり幅広い意味での幸福度という言葉を使っていくことについて、是非御理解と御認識をいただければということを申し上げたいと思います。
 私からは以上でありますが、皆様から御質問があれば承りたいと思います。

2.質疑応答

(問)社会保障・税一体改革の関連で数点伺います。
 昨日の首相の指示の中で、政府内の一体改革素案の取りまとめについては、古川大臣を含む5大臣が中心となりという内容で、昨日の官邸でのぶら下がりでは、近々に社会保障について5大臣の会合を開きたいということでしたが、現時点で近々とはいつ頃を考えていらっしゃいますか。
(答)明日開催したいと思っておりまして、今5大臣の日程を調整しているところであります。
(問)その5大臣会合の明日開催の議題は、昨日厚労省が示したいわゆる中間報告ですか。
(答)はい。まずは小宮山大臣から、社会保障のこれまでの検討状況の御報告をいただきたいと思っております。
(問)詳しい検討は明日になるのでしょうが、昨日の中間報告の中で、受診時定額負担等、成案の中で盛り込まれたものが一部具体化には少し物足りない水準にとどまったものも多いかと思うのですが、現時点であの中間報告に対する大臣の評価をお聞かせください。
(答)まず、明日しっかりお伺いした上で検討したいと思っております。
(問)明日の5大臣会合以降のスケジュール感ですが、年内を目途にということから、かなり時間がないわけですけれども、明日から5大臣会合をスタートさせて、どのようなスケジュール感で進めていこうとお考えですか。
(答)随時必要に応じて、5大臣会合等も開催してまいりたいと思っております。
(問)昨日の社会保障改革本部での総理の御発言の真意について確認したいのですが、6月にまとめた成案を具体化するというのは、結局増税の時期であるとか税率というものを素案の中に盛り込むという意味でよろしいのでしょうか。
(答)総理が、12月1日に行われました会見におきまして、消費税の引き上げについては、その時期、あるいは税率等を含めて、なるべく素案や大綱の段階では具体的に明示をしていきたいと仰っておられますから、そうした方針の下で努力してまいりたいと思っています。
(問)もう1点ですが、年内を目途にとりまとめという言い方をされているのですけれども、大臣はいつも12月31日と1月1日はそう変わりないと仰っていますが、総理もそういった御認識だということでよろしいのでしょうか。
(答)総理が仰ったのは、年内を目途ということであって、それ以上でもそれ以下でもないという認識であります。
(問)以前、取りまとめの時期について、総理と古川大臣の思いは同じだという仰り方をされていましたけれども、当初総理は年内にこだわっていらっしゃって、大臣は12月31日と1月1日に大差ないということで、認識にずれがあるかと思っていたのですが、その後、色々質問されている中で、思いは同じであるということを仰っていたのですが、つまり年内を目途というのは、越年してもいいというところも視野にあるということで思いは同じということになるのですか。
(答)年内を目途にまとめていく。それ以上でもそれ以下でもありません。

(以上)