古川内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成23年11月29日

(平成23年11月29日(火) 9:19~9:35  於:内閣府本府5階522会見室)

1.発言要旨

 私からは、最初に3点申し上げたいと思います。
 まず1点目、本日、地球温暖化問題に関する閣僚委員会を開催いたしました。この委員会では、南アフリカのダーバンで開催されているCOP17への基本的な考えが了承されました。私といたしましても、地球温暖化問題につきましては、1つの法的枠組みを目指す我が国の一貫した立場を強く訴えるとともに、我が国のイニシアチブとして世界低炭素成長ビジョン、日本の提言を表明し、各国にも賛同を働きかけていくことが重要であると考えております。
 内容の詳細につきましては、環境大臣からの説明を御確認いただきたいと思います。
 2点目、週末の韓国出張について申し上げます。
 私からの御報告は2点。まず第1点は、朴宰完(パク・ジェワン)韓国企画財政部長官とマクロ経済政策、欧州のソブリン危機問題、日韓EPA/FTA等につきまして意見交換を行い、今後、企画財政部長官との定期協議を開催することで合意をいたしました。
 2点目は、金相浹(キム・サンヒョブ)韓国大統領室緑色成長企画官と会談いたしまして、グリーン成長の分野でアジアの成長をともに取り組むため、「日韓グリーン・グロース・アライアンス」に関して議論を行い、国家戦略室と韓国大統領府を窓口として事務レベルでの議論を開始することで合意をいたしました。
 3点目、昨日夕刻に、社会保障・税に関わる番号制度に関する実務検討会を開催いたしまして、民主党の社会保障・税番号大綱に対する取りまとめを御説明いただき、番号法案の作成に向けて整理すべき論点を中心に御議論をいただきました。
 番号制度につきましては、今後、党からの提言を受けたものを含めて政府で今後まとめて、法案の骨子作成に向けて立法化の作業も含めて、これからスタートしていきたいと考えておりますけれども、この番号制度は、社会保障制度の基盤となるものであります。公平・公正な社会保障の負担と給付を実現する。そのためには、社会保障制度のあり方について、各党各会派によって様々考え方は違いがあろうとも、公平・公正な社会保障の負担と給付を実現する共通のインフラは、必要でございます。我が党だけではなくて、野党の皆様の多くでもこの必要性は理解をされておると承知をいたしております。この番号制度につきましては、是非野党でもそれぞれ考え方をまとめていただいて、私ども政府・与党として案はまとめさせていただきますけれども、それはあくまでそれでいくということではなくて、是非野党の皆様方と番号制度のあり方については協議をしたいと思っております。野党の皆様方にも、今検討していただいているようでございますが、是非検討を進めていただき、そして政府・与党案と協議が出来る状況を早くつくっていきたいと思っております。

2.質疑応答

(問)大阪のダブル選挙ですけれども、大臣とほぼ同世代の橋下さんのところが、知事選、市長選を勝ちましたけれども、こういった自民党とか民主党ではないところがあれだけの票を取って勝ったことについて、まず大臣の受け止めをお願いします。
(答)やはりこれは今の政党政治や政府、また世の中の今の状況に対する不満や不信が今回の結果という形で出たのではないかと思います。そういった意味では、この結果は真摯に謙虚に受け止めていかなければいけないと思っております。
(問)税と社会保障一体改革のことでもう一回確認したいのですけれども、増税の時期と税率は、総理が今度の通常国会に出されると仰っている法案に明記するということでよろしいですか。
(答)法案がどういう形になるか、まずは政府・与党の中での大綱を取りまとめ、そうした改革の全体像を取りまとめた上で、それを踏まえて法案作業に入っていくわけでございますが、その中では具体的なところも含めて検討していくことになろうかと思っております。
(問)前回の会見のときに、年内にはここまで決まらないといけないということが具体的にあるわけではないと仰っていましたけれども、それは総理と思いは一致されているということでよろしいでしょうか。
(答)改革の全体のイメージについては、年内を目途に取りまとめていくということでありますが、この前の御質問に対する私のお答えは、法案化の作業をしていくとか、細かいところを詰めていくのが年内に限られたわけではないということでありまして、関連法案の内容について、個別具体的に年内にすべて決まらなければいけないものではありません。全体像について年内を目途に取りまとめることについては、私は総理と認識は共有していると思っております。
(問)全体のイメージというのは、どういうイメージを年内にまとめるのか。6月に成案は出来ているわけですから、そこでイメージは出来ているとも言えると思うのですが。
(答)既にそれぞれの社会保障の分野であれば、厚労大臣を中心に議論して、今、党内でも具体的な中身についての議論が進んでいるわけでございます。そういう意味でどこまで具体的なものにしていくかというのは、まさにこれからの議論によって決まってくるものだと思っています。
(問)先ほどの話に関連してですが、焦点の1つである消費増税については、年内に固める全体のイメージの中に税率だとか引き上げ時期は明確に示されるのでしょうか。それとも、議論の進め方によっては、イメージの中では示されずに、年明け以降の法整備の過程の中に検討が持ち越されるということもあり得るということでしょうか。
(答)まさにそれはこれからの議論だと考えております。しかし、基本的には出来るだけ具体的な形で取りまとめるということが基本的な考え方だと思っております。
(問)南アフリカで開幕しているCOPに関連してですが、民主党政権、鳩山総理時代に、2020年までに1990年比で温室効果ガスを25%削減するという目標を掲げて、これは今も基本的には修正しておりませんが、あの当時は、いわゆる原発の推進が基本になっていて、かなり状況が異なっているとは思うのですけれども、温室効果ガスの削減目標について、今後も堅持すべきか、もしくは状況の変化に応じて修正すべき時期に来ていると考えていらっしゃるのか、大臣の見解をお示しください。
(答)現在、我が国が国連に提出しております2020年までに1990年比で25%削減するという前提条件付きの中期目標や温暖化政策については、現時点では変わりはございません。今お話にあったとおりであります。今後は、今まさにエネルギー・環境会議で新しいエネルギーベストミックス戦略の計画に向けた検討と今後の温暖化対策の検討を表裏一体で進めているところでございますので、その中で議論することになろうかと思います。
(問)先ほど大臣は、総理と思いが一緒だと仰いましたけれども、大臣はこの前、税率や実施時期について、12月31日にこだわる必要はないという趣旨のことを仰ったわけであって、年末にこの問題で税率と実施時期について決められないということは、これはほとんど核心部分を決めないことに等しいのであって、総理はまさに年内に決めるという思いでこれまでずっと言ってきたのではないのですか。
(答)先ほど申し上げたように、私の認識と総理の認識は変わってはいないと思っております。先ほど私が申し上げた意味は、法案をつくる中で具体的なところをどこまで、いつまでに決めていかなければいけないのか、そこについて言えば、12月31日と1月1日で大きな違いがあるわけではないということを申し上げた趣旨でありまして、そういう意味では変わっていないと思っております。
(問)大臣が今仰っているのは、細部について年内に全部決めなければいけないことではないと、それはそうだと思います。けれども、税率とか引き上げ時期について、これを年内に決めなくてもいいというふうに総理が言っているとは到底思えないし、大臣の前回の発言は、やはり総理、あるいはこれまで党が進めている議論の方向とは違う話ではないかという気がするのですけれども、いかがですか。
(答)それは聞いていらっしゃる方の認識の違いといえば認識の違いかもしれませんね。私の認識は、基本的には変わらず、年内に全体像を取りまとめるということでは認識は変わっていません。
(問)では確認ですけれど、税率の引き上げ時期と税率については、必ずしも年内でなくてもいいということでよろしいのですね。
(答)税率は、2010年代の半ばまでに10%まで引き上げるということは成案で決まっているわけでございますが、それをどういうタイミングでどういう状況の下で行うかをどこまで具体化していくかは、6月の成案のときにも様々な議論があったわけでございます。そういったものを踏まえてこれから議論していって、出来る限り具体的な形で取りまとめることになろうということであります。
(問)しつこくて恐縮ですけれども、もう一度一体改革のところの確認ですけれども、大臣としては年内にこれを決めなければいけないという、具体的に6月の成案より進んで言えるところは、どこになるのでしょうか。
(答)先ほどの繰り返しになりますが、それぞれ個別の分野において検討が進んで具体化がされてきているわけでございます。ですから、そういった具体的な方向性や中身について、出来る限り全体像にまとめていく作業を行っていく。法案化の作業については、年を超えてもやっていくことになると思います。そういう法案としてどういう形で規定するかということと大枠をどう取りまとめるかはかなり違いがございますので、法案化の作業は年が明けてもございますが、法案化の前の作業については年内に取りまとめをするという認識だと御理解いただきたいと思います。
(問)増税の税率と時期は、遅くともいつまでにきちんと政府・民主党として決めるべきだとお考えですか。法案を平成23年度内に出すという約束を守るとすれば、逆算したら遅くともいつまでに税率と時期というのは決まっていればいいのですか。
(答)党としての全体の取りまとめは年内を目途にまとめていくところでありますが、それをどういう形で法案にしていくかは、来年の3月までに法案を提出するということでありますので、それに間に合うように作業していくということであります。
(問)同じく一体改革の話ですけれども、民主党内では、細川先生を座長とする検討チームが議論を進めているわけですけれども、それに対して政府側では、今のところ受け皿となる省庁横断的な全体統合を図るための議論の場がないと言って差し支えないと思いますけれども、どういった形で議論を進めるべきか、担当大臣としてのお考えをお聞かせ願います。
(答)今まで一体改革の成案をまとめるときにやっておりました本部を、形やメンバー等を少し見直した上で推進本部というような形で、近々にスタートさせたいと思っております。
(問)大まかなスケジュール感としてはいかがでしょうか、発足とか。
(答)近々ということでございます。
(問)週内あるいは来週になるとか。
(答)近々ということです。

(以上)