古川内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成23年10月4日

(平成23年10月4日(火) 10:36~10:50  於:内閣府本府5階522会見室)

1.発言要旨

 まず冒頭に、本日の閣議におきまして、私の海外出張について御了解をいただきましたので御報告を申し上げます。具体的には、明日10月5日から9日にかけまして米国のワシントンDCとニューヨークを訪問し、米国要人との会談、講演等を行うこととしております。要人との会談につきましては、現時点でFRBのバーナンキ議長、科学技術担当のホルドレン大統領補佐官、IMFのリプトン筆頭副専務理事、ニューヨーク連銀のダドリー総裁等との会談が決まっております。また、コロンビア大学におきまして、グローバル経済における日本の役割という演題で講演を行う予定でございます。
 今回の出張では、野田内閣における東日本大震災後の日本再生に向けた取組等について直接お伝えするとともに、世界的な経済状況に対する認識を共有し、日米両国での対応方針等について率直な意見交換を行ってまいりたいと考えております。
 なお、日程の詳細につきましては事務方までお問い合わせいただければと思っております。
 私からは以上でございます。

2.質疑応答

(問)米国出張についてなのですけれども、今回、グローバル経済における日本の役割など、それから世界的な経済状況に関する認識を共有したいということですが、大臣のお立場として、日本から見た今の世界経済の状況について、どういう認識を伝えていこうというふうにお考えでしょうか。
(答)大変、ヨーロッパを中心に非常に先行きが不透明になってきております。世界的な経済危機を引き起こさないためには、やはり国際協調が極めて重要なことであって、その点でも、まずしっかり日米間の協力体制、協調体制をとっていかなければいけないと思っています。そういった意味では、この機会に、今後の世界経済の状況について日米でもしっかり意思疎通をして、協調して行動がとれるような環境をつくっていこうということを申し上げたいと思っております。
(問)要人との会談ではバーナンキ議長との会談が入っているということですが、日米の金融政策の世界経済に与える影響、金融政策の役割については、どのようなことをお伝えになりますか。
(答)各国とも財政政策、金融政策、一体となって今の経済に対して取り組んでおるわけでございますが、その点についてのアメリカの金融当局の責任者としてのお考えを聞いてまいりたいと思っております。
(問)前から御検討されている国家戦略の新しい会議体なのですけれども、先週金曜日に総理と官房長官とお話をされているかと思うのですが、この場では総理から何か具体的な御指示というのはあったのでしょうか。
(答)先週末にも申し上げたかもしれませんが、その場では、私と官房長官のところでまとめた論点のペーパーを総理にお渡しをして、私から御説明をさせていただきました。総理が、それを踏まえて自分としても考えていきたいというお話を仰ったというところであります。
(問)まだあまり時期的には急いで発足させなくてもいいというような印象なのでしょうか。
(答)出来るだけ早くやりたいとは考えております。
(問)あともう1点、国家戦略室のほうは発足から2年経って、大分お戻りになる方もいらっしゃるように聞いていますけれども、改めて戦略室の陣容というものについて、何か大臣として強化したいと考えている点があれば教えていただけますでしょうか。
(答)基本的には、やはり国家戦略室は官民が一体となってそれぞれの良さを発揮して、税財政の骨格や、あるいは経済政策についてリードしていくことが総理大臣決定でも決まっておりますし、更には内閣としての重要な課題に取り組んでいくことが総理大臣の決定で決められていて、それに基づいて今までも、まさに議論があったエネルギー・環境会議をはじめ、重要な政策について取り組んできているわけでございます。もう一度この時点で官民の一体化というものを更に強めて、様々な英知を集めて、こうした重要な課題をリードしていけるような体制を整えてまいりたいと思っております。
(問)関連で、国家戦略会議なのですが、今日、官房長官の会見で、長官が、古川さんが帰っていらしてから立ち上げについて早急に詰めたいというふうに仰いましたけれども、そうした月内立ち上げのような趣旨の発言だったわけですが、そうしたスケジュール感で今動いていらっしゃるのでしょうか。
(答)官房長官と同じ認識に私も立っております。
(問)社会保障と税の一体改革のスケジュール感を教えてください。与野党協議が8月下旬からという予定だったのですけれども、なかなか始まらない状況なのですが、その点の少し見通しを教えてください。
(答)それぞれ、この前まとまりました成案に基づきまして、担当の部局等で具体的な議論を始めているわけでございます。御存知のように、厚生労働省においては、成案の考え方に従っての具体的な議論も始まっているわけでございますから、政府としては、成案で決めたことに基づいてそれぞれの改革を具体的に進めていくと。同時に、野党の皆さんに対しても、是非1日も早く一緒に協議出来るようにお願いを申し上げたいと思っています。
 今度の社会保障・税の一体改革を行う、特に社会保障の抜本改革を実現するに当たりましては、やはり社会保障・税の共通番号、マイナンバーでございますね。やはりこの導入が非常に重要なポイントになってきます。この番号が導入されることによりまして、これまでの社会保障とは全く違う、新たな社会保障の色々なシステムの制度も出来るようになってまいります。そういった意味では、番号制の導入に向けての議論をまずは最優先としてやっていきたいと思っていますし、特にこの番号については、野党の皆さん方も必要性は御認識をされておられると私も承知をいたしておりますので、出来れば番号からでも野党の協議が始められないかと考えております。
(問)TPPについてお伺いしたいのですが、民主党内の議論が近く本格化する予定ですが、改めて交渉参加に対しての大臣のお考えと、党側でどういう議論をして、いつまでに結論を出してもらいたいというふうにお考えなのか聞かせてください。
(答)繰り返し申し上げておりますように、我が国にとって高いレベルの経済連携を推進していくことは、これは国益にかなうことだと考えております。そういった意味では、TPPにかかわらず、二国間も含め、高いレベルの経済連携の推進に努めてまいりたいと考えているところでございます。
 TPPにつきましては、これまでも様々な情報収集を行ってきたところでございますが、こうした情報収集の結果なども党にきちんとお示しをして、そこで様々な幅広い視点からの意見交換をしていただいて、出来る限り党でも早く意見の集約をしていただければと考えております。
(問)官房長官は、11月にAPECがあるので、その前にもというお考えを示されたのですが、そこは大臣とは御認識は一緒ですか。
(答)APECが1つの節目であることは間違いないと思っております。
(問)先ほどの米国出張の件なのですけれども、世界経済の状況について日米協調行動がとれる環境をつくりたいというふうに仰られましたけれども、具体的にどういうことを目指しておられるのか。
 あと、欧州の財政・金融問題が世界経済に波及しつつある局面だと思うのですが、そうした中で、今週、日銀が金融政策決定会合を開きますが、今現在、追加的な緩和措置が必要な局面かどうかと、その辺をどう考えられているのか教えてください。
(答)アメリカとの協調ということで申しますと、これはアメリカだけではなくて欧州も含めた、やはりグローバルな協調関係をとっていかなければいけないことだろうと思います。特に欧州において、しっかり欧州が一体として協調して行動をとっていただくことは、これは我が国日本にとっても、そしてアメリカにとっても重要なことだと認識をしておりますので、これは日米で、まずはやはり欧州に対して、しっかりまとまって対応していただくように要請をしていくことは大事ではないかと考えております。
 金融政策につきましては、今の日本が置かれている経済状況についての認識の日銀との共有は、私は出来ていると思います。これまでも緊密に情報交換、そして連携をしてきたわけでございますが、今後ともそうした情報交換、そして緊密な連携を維持して、日銀におかれましては、景気の下支えという観点から、必要に応じて適切かつ果断な政策をとっていただきたいと考えております。

(以上)